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重症患者の治療現場
2021/2/5(金)
同じ医療関係者の間でも「考え方の分断」が起きている――循環器と感染症の専門家が語るコロナの実態(後編)
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同じ医療関係者の間でも「考え方の分断」が起きている――循環器と感染症の専門家が語るコロナの実態(後編)
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全国で感染が続いている新型コロナウイルス。専門家である医師がメディアに出演して意見を述べる場も多いが、同じ医師同士でも、コロナに対する見解や意見は異なっている。新興感染症であるがゆえに、途中で新たな発見や変化があり、これまで「正しい」とされてきたものが変わることもある。

今回はリディラバ代表・安部敏樹が、感染症の専門家でもある愛知医科大学病院・循環器内科の後藤礼司医師に緊急公開取材を実施。後編では、医師としてメディアで発信する際の考え方や、今後の見通しなどについて話を聞いた。

 

※本記事は、2020年1月12日に行われた「リディ部〜社会問題を考えるみんなの部活動〜」のライブ勉強会「ー重症患者治療の最前線の医師と考えるー新型コロナといかに向き合うか」の内容にもとづいています。リディ部について詳しくはこちら。

 

<後藤礼司さん>
愛知医科大学 循環器内科 医師。日本内科学会総合内科専門医、指導医。日本循環器学会循環器専門医。日本感染症学会認定インフェクションコントロールドクター。1981年10月1日愛知県生まれ、39歳。中部国際空港に一番近い病院で2009年の新型インフルエンザパンデミックに対処。循環器内科で心筋梗塞などの救急疾患治療の傍ら、感染症対策、抗菌薬適正使用活動の「二刀流」を専門としている。またメディアでは正しい知識、冷静な判断、そして相互理解がなし得るコロナ禍の収束を目指して「優しさの連鎖」をキーワードに活動を続ける。

医師としてメディアで発言するむずかしさ

――後藤先生は新型コロナの感染拡大が起きた当初から「グッとラック!」「ゴゴスマ」「AbemaPrime」などのニュース番組にも積極的に出演されていて、僕も昨年の一時期は毎週ご一緒させていただくというような時期もありました。いまも色々なメディアにご出演されていますが、医師としてコロナに関する発言をするなかで感じたことはありますか。

 

最初のころはちょっと肩に力が入りすぎていて、「伝え方をもう少し学んでおくべきだったかもしれない」と反省しているところはあります。

 

たとえば、飛沫粒子をブロックするマスクの種類として「不織布マスク」がありますが、僕は2009年に新型インフルエンザが流行したときから「不織布マスクは正しく使わないとかえって感染が広がってしまう原因になる。不要なときはマスクをしなくていい」という考えを持っていました。今回のコロナでニュース番組などに出演したときも、当初はそう話しています。

 

いまは「必要ないときはマスクをしなくていいと言っていたのに、なぜ常にマスクをしないといけないんだ」と批判されることもあります。

 

でも、医療の世界は常にエビデンス(※)のぶつけ合いなんですね。コロナにおいても「マスク必要論」と「マスク不要論」がずっと戦っている状況です。

 

※エビデンス:この治療法がよいという証拠
 

――昨年はメディアに出演する医師や専門家に大きなプレッシャーがかかっていましたよね。データやエビデンスは常に更新されるものなので、パーフェクトな答えはないという前提で情報を取り入れていくのが正しいスタンスだと思うのですが、そのスタンスが視聴者にうまく伝わっていない中で意見を言わなければならない。

 

そうですね。僕はメディアに出て話すときは、最新の論文などをいち早く手に入れて、正しく解釈し消化したうえで伝えるようにしています。

 

でも、多くのメディアはそういった背景や思考のプロセスは伝えません。時間が限られているので仕方がないかもしれませんが、自ら説明する機会さえありませんでした。いまのメディアは、専門知識をわかりやすく伝えようとする態度を放棄しているのではと感じてしまいます。

 

もちろん、医師としてその場で断言できることは断言してもよいと思います。ただ、医療の世界ではこれまでの常識が途中で覆ることがあるので、そのことも併せて伝えるべきだったかもしれません。

 

(写真 後藤礼司さん)

大切なのは社会と医療の双方から考えた解決策

――メディアで発言した医師に対して「アイツは嘘つきだ」と批判する人が出てくるなど、不毛なことが起きていましたよね。あとは同じ医療関係者でも、ロックダウンの必要性などを主張する人もいれば、そうではない人もいます。

 

今回のコロナで「ソーシャルディスタンス」という言葉が定着しましたが、人と人との身体的な距離だけでなく心理的距離、知識や情報も分断されてしまっていると感じます。

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