パニック障害だと、経営者としての信頼に足らないのだろうか
パニック障害だと、経営者としての信頼に足らないのだろうか
こんにちは、ハヤカワ五味です。
大学1年の頃に立ち上げた株式会社ウツワも、なんだかんだ4周年を迎え、5期目に入りました。
正直、希望しての起業でなかったこともあり、他のベンチャー企業よりも準備が足りないがゆえのアクシデント等も多かったかなと思います。
未熟な会社ですが、多くの方に支えてもらい、4年という期間を駆け抜けてこれたことをとても誇りに思います。
そんな私が4年間、公言してこなかったことがあります。
それは「私は、パニック障害を持っている」ということです。
最近、多くの芸能人の方が自身の障害を打ち明けられている中で、世の中の風向きが着実に変わってきているのではないかと日々感じています。
様々なマイノリティの声が、世の中に影響を与えていくのを目の当たりにし、インフルエンサーとして私も自身の障害を公言したいという使命感に駆られました。
そもそもパニック障害とはなにか。厚生労働省のサイトにはこのように書いてあります。
突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、窒息感、吐き気、手足の震えといった発作を起こし、そのために生活に支障が出ている状態をパニック障害といいます。
このパニック発作は、死んでしまうのではないかと思うほど強くて、自分ではコントロールできないと感じます。そのため、また発作が起きたらどうしようかと不安になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。
とくに、電車やエレベーターの中など閉じられた空間では「逃げられない」と感じて、外出ができなくなってしまうことがあります。
(厚生労働省「みんなのメンタルヘルス」より引用。)
私の場合は、2017年の夏に海で溺れかけた時から症状が悪化し、特に飛行機に乗った際に動悸と冷や汗が止まらなくなり、それらのパニックから失神しそうになります。
それゆえ、最近まで長距離の飛行機移動がある仕事はお断りしていたのですが、先日ラスベガスまで13時間ほどの飛行機移動を服薬しつつクリアしたので今後は大丈夫な気がしています。
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それ以外にも、2時間の生放送の最中に、強い腹痛とその場から動けないということからパニックになり、座ったまま失神していたこともあります。
その時は数秒間の話だったのでよかったですが、投薬治療を始めるまで似たようなことが頻繁に起きました。
実は、私もパニック障害について具体的に知ったのはここ1〜2年です。
そして、去年から投薬での治療を開始しました。
では、それまでどうしていたのか。
私はただただ、「自分がおかしいだけだから、我慢しなければ」と我慢していました。
パニック障害の症状について知った今、これまでどのようにパニック障害を発症していたのかを思い返してみると、小学生の頃まで遡ります。
元々、体が弱く入退院を繰り返していたこともあり、大人数での集会中に気分が悪くなってしまうことも少なくありませんでした。
そのような際に毎回「今、この場でゲロを吐いてしまったら、私は全校生徒からいじめられてしまう……」という恐怖を強く感じていました。
その恐怖はどんどん強くなり、集会がある、という事実だけでも顔色が悪くなってしまうほどでした。
さらに運の悪いことに、小学1〜3年にかけて担任だった教師からいじめを受けていたことや、母親が鬱などの精神疾患に対する偏見が強かったことなどもあり、誰にも相談できず、ただただ苦しい気持ちを押し殺して生きてきました。
今でこそ、テレビカメラの前でハキハキ話すことなどができますが、もともと私は多くの人の視線に晒されることにも強い恐怖を感じていました。
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それはおそらく、小学生の頃のいじめで、クラスメイト全員の前で教師から辱めを受けたことが原因だと思います。
そんな私ですが、パニック障害だと自覚して治療を始め、周りの仲の良い友人などに話し始めてからは、とても生きることが楽になりました。
特に、私のパニック障害は「飛行機・特急電車・密室・生放送などの人に迷惑をかける場」で起きるので、友人に事前に予告しておくことで、ある程度リスクを回避したり、軽減したりすることが可能だったからです。
それでも、仕事相手や関係者には言うことができずに過ごしてきました。なぜなら「経営者がパニック障害であることは、融資等の資金調達に影響しそう」と思っていたからです。
とはいえ、あくまで自分の場合ですが、私のパニック障害は一般的な経営業には影響がないと言い切れます。
なぜなら、発症する条件がプライベートな場所に限られているから。
また、この4年間経営者としてやってきましたが、実際にパニック障害が原因で何かアクシデントになったことは一度ともないからです。
ですが、やはりメンタルの病気というものは、風邪等の身体的病気よりも理解されていないものですし、偏見も多くあります。なので、正直これをカミングアウトすること自体に私にとってのメリットはあまりないです。
ただ、小・中学生の頃の私のように「私だけがおかしいんだ、我慢しないと」と無理して、自分の心を削っている人がいるのであれば、その人たちのために自身の障害とそれに対する向き合い方を公言することは意味のあるものだと私は考えています。
障害という一言で色眼鏡をかけてみるのではなく、障害は一人一人症状も違い、私のようにパニック障害を持っていても経営者として仕事ができるケースもあるということが、一人でも多くの悩める人に届いてほしいと願い、今回の寄稿を締めます。
1995生まれ東京出身、多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業。課題解決型アパレルブランドを運営する株式会社ウツワ代表取締役社長。 高校1年生の頃からアクセサリー類の製作を始め、プリントタイツ類のデザイン、販売を受験の傍ら行う。大学入学直後にワンピースブランド《GOMI HAYAKAWA》、2014年8月には妹ブランドにあたるランジェリーブランド《feast》2017年10月にはワンピースブランド《ダブルチャカ》を立ち上げ、Eコマースを主として販売を続ける。複数回に渡るポップアップショップの後、2018年にはラフォーレ原宿に常設直営店舗《LAVISHOP》を出店。
プロフィール
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