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    • 特集「子どもの体験格差」第8回を公開 リディラバ安部が考える「子どもの体験格差」

      構造化特集「子どもの体験格差」第8回を公開しました。技術革新が急速に進むこれからの時代において「体験」がより重要な意味を持つ背景など、現代の状況を踏まえた体験の重要性、さらには支援のあり方や目指す方向性について編集長の安部敏樹が語りました。記事はこちらから。

      2026/8/19(水)
構造化特集
住宅の耐震化 第5回
公開日: 2025/7/3(木)
更新日: 2026/8/3(月)

隣人を説得できるか——。“人が多い”共同住宅ならでは、合意形成の困難

公開日: 2025/7/3(木)
更新日: 2026/8/3(月)
構造化特集
住宅の耐震化 第5回
公開日: 2025/7/3(木)
更新日: 2026/8/3(月)

隣人を説得できるか——。“人が多い”共同住宅ならでは、合意形成の困難

公開日: 2025/7/3(木)
更新日: 2026/8/3(月)
構造化の視点

地震災害において被害をもたらす要因の一つに、住宅の倒壊

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地震災害において被害をもたらす要因の一つに、住宅の倒壊がある。耐震化をすることで倒壊は防ぐことができるが、日本の住宅のうちおよそ1割は耐震性が不十分である。住民が抱える金銭的な不安や心理的な背景、さらには地方自治体が抱える問題などから耐震化が進まない構造的な背景を明らかにする。

地震災害において被害をもたらす要因の一つに、住宅の倒壊がある。耐震化をすることで倒壊は防ぐことができるが、日本の住宅のうちおよそ1割は耐震性が不十分である。住民が抱える金銭的な不安や心理的な背景、さらには地方自治体が抱える問題などから耐震化が進まない構造的な背景を明らかにする。

地震災害において被害をもたらす要因の一つに、住宅の倒壊がある。耐震化をすることで倒壊は防ぐことができるが、日本の住宅のうちおよそ1割は耐震性が不十分である。住民が抱える金銭的な不安や心理的な背景、さらには地方自治体が抱える問題などから耐震化が進まない構造的な背景を明らかにする。


オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「住宅の耐震化~誰もが当事者、最優先の地震対策はなぜ進まないのか~」。

 

第5回となる本記事では住宅の耐震化が進まない理由(2章)を分譲マンションなど、共同住宅のケースから考える。

 

 

「今までなんて不便な生活をしていたの。なんでもっと早く建て替えてくれなかったの」

 

あるマンションを建て替えた後、建て替えにとても消極的だったお年寄りの言葉を今でも覚えていると、マンション建替え研究所 特任研究員の大木祐悟さんは語る。

 

その方は4階に住んでおり、建て替えするまではエレベーターの無い生活を送っていた。建て替え後のマンションに暮らし始め、エレベーターのある生活を実際に体験することでその快適さを実感。冒頭の発言に至った。

 

建て替えることで生活が快適になると分かっていても、その快適さは体感しない限りイメージすることが難しいと大木さんは指摘する。

 

マンションの耐震性を上げる方法の一つに建て替えがあるが、耐震性は大地震が来る日までその効果を実感することが難しい。頭では耐震性の重要性を理解していたとしても、高額な費用がかかる建て替えに同意したり、同意を渋る隣人を説得したりすることは簡単なことではない。

 

第4回までは主に戸建て住宅の場合を扱ってきた。戸建て住宅であれば、賃貸の場合を除き、住人が決心し、リソースを揃えれば耐震化することができる。

 

しかし、分譲マンションなどの共同住宅は同じ建物に住む住人など、利害関係者の同意を得る必要があり、耐震化のハードルがより大きくなる。合意形成が進まない結果、建物に耐震性があるか無いかを診断する耐震診断にすら至っていない建物もある。

 

利害関係者が多い共同住宅において、どうすれば耐震化を進めることができるか。マンションの事情に詳しい専門家や弁護士の知見から考えていく。

耐震化が“損”になる場合も。マンションの耐震化が進まない3つの理由

総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計」によると、日本に5,566万5千戸ある住宅のうち、およそ4割にあたる2,496万8千戸が分譲マンションなどの共同住宅である。

 

国土交通省は2023年、共同住宅のおよそ4%が「耐震性が不十分である」と推計している。戸数にして約110万戸が耐震性不十分であり、そこに住む住人は大地震が起きたら大きな被害に遭う危険性にさらされている。

 

耐震化が進まない共同住宅では何が起きているか。マンションの建て替えに詳しいマンション建替え研究所 特任研究員の大木祐悟さんが、その3つの理由を指摘する。

 

大木祐悟(オオキ・ユウゴ)
旭化成不動産レジデンス株式会社 マンション建替え研究所 特任研究員。定期借地権推進協議会運営委員長も務める。1983年に旭化成工業株式会社に入社、1992年からは不動産コンサルティング業務に従事。2011年に旭化成不動産レジデンスに転籍。
著書:『災害が来た! どうするマンション』(ロギカ書房)『最強 マンションの購入術』(ロギカ書房)『マンション再生 経験豊富な実務家による大規模修繕・建替えの実践的アドバイス』(プログレス)ほか。

 

「まず、費用負担の問題が理由として挙げられます。マンションには『長期修繕計画』というものがあり、その計画に基づいて修繕費用を積み立てて用意しています。しかし、あくまで維持管理のための修繕を目的に積み立てている資金であり、耐震改修の費用を考慮しているマンションは多くありません。

 

結果として、耐震改修の費用を考慮していないマンションで改修を進めようとすると、所有者に『1戸当たり数百万円払ってください』とお願いすることもあります。

 

耐震性に問題があるマンションは築年数が古く、所有者も高齢者の割合が多くなり、年金しか収入が無いという方も居ます。また、現役世代の場合でも最近では中古マンションの価格が高騰しているため、高額の住宅ローンを抱えている方も多く、そのような方も追加で費用を捻出することは難しいでしょう。

 

2つ目の理由として意識の問題を挙げます。大きな地震に遭うことは早々ありません。そのような状況では日常で色々なやるべきことがある中で、耐震診断や改修について考えることは大事であると分かっていても、中々できません。『なんとかなるんじゃないか』と思っている住人や所有者の方も多いのが現状です。

 

最後に耐震診断の問題です

 

マンションを耐震診断した結果、耐震性に問題があることが判明した場合、売買をする時には重要事項として説明する義務が生じます。ところが、耐震診断をしていない場合『このマンションは耐震診断をしていません』と診断をしていない事実だけを伝えて説明が終わってしまい、その危険度を消費者は判断できません。

 

販売価格の問題もあります。『耐震診断をした結果、耐震性に問題があると分かったマンション』は価格が落ちてしまいますが、『耐震診断をせず、耐震性があるか無いか分からないマンション』は他の耐震性に問題がないと分かったマンションと同程度の価格で売られているのが現状です。

 

数億円かけてマンションを耐震補強をしたとしても、耐震性の向上だけでは資産価値は上がりません。こうしたマンションを売買する市場の構造も、耐震診断や改修が進まない要因となっています

 


国土交通省「令和5年度マンション総合調査結果」では、旧耐震基準で建設されたマンションのうち耐震診断を行なったマンションは31.6%であり、そのうち「耐震性がないと判断された」マンションの中で「耐震改修を実施する予定はない」と回答した割合は25.0%であった。

 

費用や意識の問題が耐震化を阻んでいる状況は戸建て住宅とは変わらないが、市場の影響を受けたり、利害関係の不一致によって診断すら行えていないマンションも存在している。

 

個人の力ではどうにも変えられない業界や市場といった大きな社会構造もまた耐震化が進まない理由となっている。

建物も人も老いていく——。マンションで起きている「2つの老い」 

あらゆるものには必ず寿命がある。マンションにも寿命はあり、耐震性があるかないかに関わらず、いつかは建て替えなくてはならないときが来る。

 

マンションでは高経年マンションの増加と居住者・所有者の高齢化という問題がある。それらは「2つの老い」と呼ばれており、耐震化が進まない要因にもなっている

 

「2つの老い」についてその現状を岡本正弁護士が語る。

 

岡本正(オカモト・タダシ)
銀座パートナーズ法律事務所。弁護士。博士(法学)。気象予報士。新潟大学研究統括機構客員教授。岩手大学地域防災研究センター客員教授。防災科学技術研究所客員研究員。人と防災未来センター特別研究調査員。慶應義塾大学や青山学院大学の講師も務める。内閣府出向や日弁連災害対策本部の経験を活かし「災害復興法学」を創設。
著書:『被災したあなたを助けるお金とくらしの話 増補版』(弘文堂)『災害復興法学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』(慶應義塾大学出版会)ほか。

 

「ここでいう『マンション』は、所有者(区分所有者)がそれぞれの区画を所有している分譲タイプのマンションです。各部屋には、所有者が直接住んでいるケースもあれば、他の人に貸して不動産経営をしている場合など、所有の形態はさまざまです。

 

国土交通省によれば、築年数が40年を超えたマンションは戸数でいうと全国で136万9千戸あります。その中でも、1981年6月以前に建築確認を受けた「旧耐震基準」のマンションの戸数は全国で103万戸ほどに達します。

 

2024年4月1日時点で、マンションを建て替えた実績は全体で297件、戸数では約2万4千戸にすぎません。このため、今後も築年数の多いマンションは増加し続ける傾向にあると言えますが、それらの中には耐震基準を満たしていない可能性があるマンションも多く含まれてしまうことになるのです。

 

また、居住者の高齢化も問題となっています。国土交通省『令和5年度マンション総合調査』によると、世帯主の53.7%は60歳以上です。マンション総合調査は5年ごとに発表されていますが、この割合は増加傾向にあります。

 

マンション総合調査では、『永住意識』についても調査しており、2023年時点では60.4%の方が『永住するつもりである』と回答していました。世代交代が進まないことで、居住者の高齢化は今後も進むことが予想されます

 

分譲マンションでは、それぞれの部屋の区分所有者が自動的にマンション管理組合の組合員となります。管理組合を株式会社だとすれば、区分所有者(組合員)は、株主のような地位だとイメージすればよいでしょう。

 

マンションの維持管理に関する事項については、原則として組合員による総会で決定する必要があります。組合員は、マンション管理組合を協力して運営し、建物の維持管理に取り組むという仕組みになっています。

 

マンション管理組合では、組合員を代表する理事を選任し、理事会を設置したうえで、総会で決定した管理業務等を担ってもらいます。ところが、所有者の高齢化によってこの理事会の担い手(理事長や理事などの役員の担い手)が減るという問題も起きているのです

 

このため、近年は区分所有者以外の第三者(弁護士やマンション管理士等の専門家)が役員に就任したり、『外部管理方式(管理業者管理方式)』という、マンション管理を外部業者へ委託する方式も登場しています。

 

ただし、これらのスキームは、管理組合とマンション管理会社との間に利益相反が生じたり、不適切な業者が入り込んだりすることで、マンション全体の利益や価値が毀損されるという危険もあります。

 

そこで国土交通省は『マンションにおける外部管理者方式等に関するガイドライン』(2024年6月策定)等により、利益相反の防止や業務適正化を目指しているところです」

 

 

国土交通省の「築40年以上のマンションストック数の推移」において、築40年以上のマンションは今後約2倍に増加することが見込まれている。

 

建物自体が老いることで、耐震性の有無に関わらず建て替えるべきマンションは増え続けている。さらに、所有者・居住者の老いも進み、維持管理の担い手が減ることで改修や建て替えのために活動する余力も減っている

 

耐震化のことだけを考えれば補強などを行う「耐震改修」も手段の一つとして考えられる。しかし、section1で話した大木さんは立地条件などにより、技術的に改修ができないケースもあると指摘し、さらに、古いマンションで起きている事例を語る。

 

「老朽化したマンションでは『今ここで改修にお金をかけたとして、このマンションはあと何年持つんだ』ということが議論にあがることがあります。すると、『それであれば建て替えすべきだ』、『いや改修で充分だ』と所有者間で意見が対立し、合意が進まなくなるケースもあるのです」

 

少子高齢化やインフラの老朽化など、「老い」に起因する社会問題は少なくない。マンションでも同様に「老い」が1つの問題となっており、それもまた耐震化が進まない要因となっている。

“老い”対策と耐震化促進につながるか?改正間近のマンション関連法をひもとく

2025年5月23日、「区分所有法」など分譲マンションに関連する法律の改正が参議院の本会議で賛成多数によって決まった。2026年4月からの施行を目指しており、マンションで起きている「老い」の問題が解決されることを期待されている。

 

マンションの耐震化にもこの改正は大きく影響している。戸建て住宅では住人の意思決定で行動できるが、大勢が住んでいる分譲マンションのような共同住宅では区分所有者(組合員)の間での合意形成が必要となる。

 

合意のルールは原則として「民法」や「区分所有法」などの法律で定められているが、耐震化の手法によっては、多数決の条件が厳しくなるものもあり、耐震改修や建て替えが進まない遠因となっていた。

 

section2で「2つの老い」について語った岡本さんに法律の内容や改正のポイントについて伺った。

 

 

「建物を残して耐震改修をするケースを考えます。工事の手法によってまちまちですが、たとえば柱を切断して免震部材を挿入するなどの工事について考えます。

 

このような大規模な工事を行う場合は『区分所有法』で定められているルールに従います。耐震改修の多くは、『共用部分の重大な変更』に該当し、現行法制では区分所有者とその議決権のそれぞれ4分の3の同意が必要となります。

 

つまり、マンションを所有している人の頭数の4分の3と、専有部分(居住スペースのこと)に応じて持っている共用部分に関する議決権の4分の3がそれぞれ必要となり、要件としてはやや重たいものでした。なお、改正前でも頭数(区分所有者の定数)については、管理規約によって過半数まで減ずることができます。

 

合意形成の壁を少しでも緩和していこうという大きな方針の下、2024年の1月に合意形成の要件を緩和することを内容とする法改正の要綱案が示されました。2024年は他の法案などが優先されて成立が見送りになってしまいましたが、2025年の5月に改正案が可決、2026年の4月からの施行を目指しています。

 

法改正により、共用部分の重大な変更において『各4分の3(75%)』以上の原則はそのままですが、条件を満たせば『各3分の2(66%)』以上の同意でも良いように緩和されました

 

その条件とは、『(1)共用部分の設置・保存に瑕疵があることによって他人の権利・利益が侵害され、又は侵害されるおそれがある場合において、その瑕疵の除去に必要な共用部分の変更』、『(2)いわゆるバリアフリー化のために必要な共用部分の変更』の2つです。

 

このように、条件が緩和される場面は限定的ですが、耐震化を進めるときにも利用できる条項になる可能性があります

 

また、管理規約を変えることで、区分所有者の頭数のみならず議決権についても、多数決割合を過半数まで減ずることができるとされました。さらに、多数決を行う場合には、総会の出席者のみによる多数決の制度も導入されます(ただし定足数、議決を行うために必要な出席者数は過半数)。

 

これにより、マンションの管理維持に無関心な区分所有者や所在不明者にも対処できるようになります

 

法改正が行われても、変更決議に加えて、専有部分に影響が出るといった不利益を受けてしまう区分所有者らの『同意』が必要であるという点については課題が残っています。

 

たとえば、鉄骨の新設などにより、『居住スペースに大きな出っ張りが出る』、『眺望を特に害するようになる』など、『専有部分の使用に特別の影響』を受ける区分所有者が出てきたとします。このような少数者の利益を守ることも大事ですので、同意を得る必要があるのです。

 

この同意をいかに円滑に取得するのか、ということについては当面の課題です。将来的には、同意を不要としたうえで、何らかの補償規定等を設ける等、決議要件のさらなる緩和が求められるのではないかと私は考えています。

 

なお、『建築物の耐震改修の促進に関する法律』(耐震改修促進法)に基づく『要耐震改修建築物』の認定を受けることで、共用部分の変更に必要となる区分所有者及び議決権を、各4分の3以上から過半数へ減らすこともできます

 

この手続きについては自治体に相談しながら進めることが必要ですが、要件が大幅に緩和されますから、耐震改修をするときに利用しない手はありません。

 

建て替えについて、現行法では『区分所有者および議決権の各5分の4(80%)以上の賛成が必要』と改修(重大な変更)よりもさらに高いハードルが設定されています。改正後は、各5分の4を原則にしながらも、『耐震基準に達していない』などの要件を満たせば各4分の3(75%)以上の賛成でも良いと緩和されています。

 

法改正において画期的なのは、建て替え決議の際に『賃貸借の終了請求』ができるようになった点です

 

区分所有者が部屋を賃貸に出している場合、建て替え決議があったからといって賃借人を当然に退去させることはできませんでした。そこで、改正後の区分所有法では、一定条件を満たせば、賃借人への補償とともに賃貸借契約を終了させることができるようになりました

 

長い間この問題は、建て替え事業の障壁として議論され続けていましたが、ようやく制度化されました。適切な運用を期待したいところです」

 

マンションの「老い」という問題を解決すべく、行われた法改正。建て替えと耐震改修のいずれにおいても合意形成がハードルとなっているが、多数決の要件が緩和されたことにより耐震化が進むようになることが期待されている。

 


 

一方で「耐震診断をしていなくても中古マンションがそのままの値段で売れる」という業界の構造は依然変わらないままである。大木さんは「業界を変えるには消費者が賢くなるしかない」と指摘する。

 

「直近で申しますと、新築・中古共にマンションの価格がとても高騰しています。売り手市場の状態ですので、耐震性に難があったり、耐震診断をしていなくても気にしないで買ってしまったりする人がいるんですね。

 

買ってしまう人がいるから売る方の意識も変わりません。

 

消費者の側が、『耐震診断をしていない旧耐震マンションは危ないかもしれない』と買い控えれば、そのようなマンションの価格は下がるでしょう。価格が下がれば売る方も『診断をしよう』とか『買ってもらえるように耐震補強をして価値を上げよう』と工夫するようになるはずです。

 

業界が変わるためには消費者が賢くなるしかないのです」

 

本記事ではマンションにおいて耐震化が進まない理由を見てきた。

 

 

マンションにおいて耐震化が進まない背景には、費用や防災意識など、戸建て住宅と似ている構造もあったが、価値が下がるから耐震診断が進まないという問題や、合意形成が困難であるという問題もあった。

 

戸建て住宅以上に共同住宅に住む住人は自分の力だけでは耐震化を進められない状況にある。さらに、本特集では扱わなかったが賃貸物件に住む住人は、例え費用が揃ったとしても、その物件の持ち主が耐震化に乗り気ではない限り耐震化することができない。

 

自分だけではどうしようもできず、安全と安心があるべき住宅に、今この瞬間も命の危険にさらされながら住み続けている人がいる。

 

一方、地方においては「地価が下がったせいでマンションの価値も下がり、解体が進まない」という事例もあると大木さんは指摘する。マンションの耐震化にも影を落とす過疎の問題。「2つの老い」の問題で高齢化の問題もあると岡本さんも指摘していたが、こうした過疎や高齢化の問題があっても耐震化を進めるためにはどうすれば良いか、次回、第6回の記事で扱う。

 


 

※以下の箇所に修正の必要性が認められたため訂正いたしました。

 

・2025年7月14日
大木祐悟さんのプロフィール
修正前:一般社団法人不動産総合戦略協会理事長
修正後:上記を削除

大木祐悟さんの発言

修正前:所有者に『1戸当たり数百万円払ってください』とお願いすることになります。
修正後:所有者に『1戸当たり数百万円払ってください』とお願いすることもあります。

 

編集後記

これまでにマンションを建て替えた実績は「297件」。

 

建て替えが必要なマンションの総数を考えれば「わずか」と言える数値かもしれません。しかし、本記事では扱えませんでしたが、合意形成に至るためには気の遠くなるような話し合いの積み重ねが必要です。その合意形成の困難さを思うと、297件「も」建て替えが行われたこと、それを成し遂げた人々に尊敬の念を抱きます。

 

今回の改正を機に、少しでも安心安全なマンションが増えて欲しいと願うばかりです。

リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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CONTENTS
intro
地震による住宅倒壊の実状
no.
1
no.
2
住宅の耐震化が進まない理由
no.
3
no.
4
no.
5
過疎から考える耐震化の課題
no.
6