多様化・深刻化する社会課題は誰が解決するのか 「官民連携」を「官」の目線から徹底分析 「リディフェス」セッション紹介vol.2

多様化・深刻化する社会課題は誰が解決するのか 「官民連携」を「官」の目線から徹底分析 「リディフェス」セッション紹介vol.2
11月23日(水・祝)に東京都新宿三角広場で開催される、リディラバ主催のカンファレンス「リディフェス」
社会課題をテーマにした日本最大級のカンファレンスでは、課題解決に取り組む先駆者たちによる10本のセッションを通して、社会課題のいまとこれからを学ぶことができます。
当日開催されるセッションの魅力を、リディラバ代表安部が熱量たっぷりに語るセッション紹介企画。
第2回となる今回のテーマは、「マーケットの革新〜官民連携のダイナミズム〜」です。
セッション紹介3分動画
社会課題が山積する日本
必要な「システムチェンジ」とは
今の日本は課題が溢れています。
人口は減り、高齢化が進み、若い人への投資は少なく、国内の産業は衰退し続け、借金も多い。
……と、この国の課題を語り始めたら、きりがありません。
国や自治体も財源やマンパワーが限られている中で、社会課題が多様化・深刻化している今、課題に苦しむ当事者を「官」の力で救ってきた従来のモデルは限界を迎えつつあります。
では、どうしたらいいのか。
解決策は、これまで「官」が担ってきた社会課題解決に「官民」が協働して取り組み、課題解決を「行政サービス」から「産業」に転換することです。
この大きなシステムチェンジを実現するには、課題解決に寄与した民間のプレイヤーが事業的な利益を得られるよう、既存の官と民のマーケットの仕組みを変える必要があります。
そもそも「官」の世界と「民」の世界はロジックが大きく異なります。
「民」の世界は、各事業者がボトムアップで事業やサービスを自由に作ることができ、制約が少なく、創造性が発揮しやすい場所です。
一方、「官」の世界は、例えば政治サイドを見ると議席数に限りがある。自由に参入できる民間マーケットとは対照的に、椅子取りゲームをせざるを得ない構造となっています。
行政側に目を転じてみても、予算の制限や公平性・透明性が求められたりと、制約が多く創造性が発揮しにくい場所になっています。
「官」が担ってきた課題解決の領域で、「民」の創造性を発揮し、課題解決を産業にしていくには、この官民の関係性をデザインし直す必要があります。
「官」「民」それぞれの側に議論すべきことがありますが、今回のセッションでは、「官」のサイドに焦点を絞りながら、社会課題の解決を進められるパブリックセクターのあり方や官民の役割分担を議論するセッションになります。
リディフェス当日は、国・自治体のそれぞれで改革を実行してきた2名の登壇者をお呼びします。
改革を実行してきた当事者だからこその解像度で、「社会課題解決を促すマーケットのつくり方」を議論していくセッションです。
自治体改革を支えた「右腕」が
「地方創生」の立役者に聞く
お呼びする登壇者は、デジタル庁統括官の村上敬亮さん。
村上さんは国の立場から、内閣官房・内閣府時代に「地方創生」の政策を牽引してきました。
「地方創生」は現在進行形で続いている政策ですが、予算規模の観点からも、各地域に与えたインパクトの観点からも、日本社会に変革を生み出した政策と言えます。
官僚として、新しい政策を仕掛け、インパクトを生みだすのは非常に難易度が高いです。
既存の法律や習慣を理解し、関係省庁や政治家など関係者の機微を掴んだ上で、今までのやり方とは異なる提案を通し、成果を残さなければならないからです。
様々な難しさを乗り越え、中央集権から地方分散型の社会への転換に尽力してきた村上さんに「マーケットの革新」を語ってもらう機会は非常に貴重だと思っています。
もう1人の登壇者は、私、安部敏樹です。
リディラバでは、「社会課題解決を促進するマーケットづくり」に向けて様々な取り組みを行なってきました。
コモンズ投信さんと協業して100億円規模のファンドにおける社会的インパクト評価を行ったり、経産省と協業して、従来文科省が担当してきた教育政策を、産業化して民間に解放していく「未来の教室」事業を実施してきました。
官民それぞれとの協業を通して、マーケットづくりに取り組む当事者として、村上さんと議論をさせてもらえたらと思っています。
そして、2人の議論をモデレートしてくれるのは、前四條畷市副市長で、現在は「有理舎」を主宰している林・小野有理さん。
自身の出身地ではない大阪府四條畷市から公募で副市長に抜擢され、市政における改革を次々と実現させた人物です。
元々はリクルートでSUUMO編集長を歴任するなど、民間の事業経験を活かして、官の世界に飛び込んだ経歴を持ちます。
自治体の改革が失敗するパターンのひとつに「首長が掲げる政策が、合理的ではあるんだけれども、役所や議会といった現場が心情的に納得できず、反発してしまう」というものがあります。
一方で改革に成功した自治体に目を向けると、首長と現場との間をつなぐ優秀なナンバー2がいるケースが多いんです。四條畷市では、そのナンバー2がまさに林さんでした。
自治体の現場から見れば、地縁もなく、公募で選ばれた林さんを、最初は歓迎しない人たちも少なからずいたと思います。
林さんはその逆風を乗り越え、たった4年間で役所という組織のメカニズムを理解しきったうえで、市長の合理的な改革案を実現に至らせた、いわば改革の立役者です。
官民連携の難しさ、そして実際に官を改革していくことの難しさを知り尽くしている林さんの目線から、村上さんの取り組みを深堀りしてもらいます。
(登壇するリディラバ安部、村上さん、林・小野さん)
「日本って大丈夫?」と思っている人へ
課題山積の日本が今後ふたたび元気になるのか?その道筋がイメージできない人は多いと思います。
今回のセッションは、「日本って大丈夫なの?」と感じているすべての人に、ぜひ聞いてほしいと思っています。
日本が世界に先んじて、社会課題解決と経済的なインセンティブとを結びつけるマーケットを構築できれば、その仕組みは、この国の輸出産業として海外に展開できる、日本が再び世界をリードする領域となり得るかもしれません。
ゲストのおふたりとともに、「官」からどうやってマーケットを変えていけるのか、今後の社会課題解決の仕組みを考えるセッションにできたらと思っています。
ご紹介した「マーケットの革新〜官民連携のダイナミズム〜」を含め、全10セッションで社会課題のいまとこれからを考える「リディフェス」は11月23日(水・祝)東京都新宿で開催します!
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