行き過ぎた指導が子どもを死に追いやった | Ridilover Journal(リディラバジャーナル)
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特集
子どもの自殺:なぜ彼らは「死」を選んだのか
第四回

行き過ぎた指導が子どもを死に追いやった

高校1年生の西尾健司くんと、親友の田中康太くん(仮名)はその夜、サッカーをしていた。

 

夜も深くなり、それぞれの帰路に着こうと歩き出した別れ際、「康ちゃん!」と健司くんが呼び止めた。康太くんは振り返って「何ぃ?」と聞き返す。「……いや、何でもない」と健司くんは答えた。

 

そのわずか数時間後、健司くんは自宅近くのマンションから身を投げ、物言わぬ姿になってしまった。家族にも、友達にも何の言葉も残さないまま……。

 

 

2002年に健司くんが亡くなった理由は「指導死」だった。指導死は教員による生徒指導をきっかけ、あるいは原因とした子どもの自殺を意味する。健司くんはその日、通っていた高校の校内での喫煙が見つかり、無期限の停学・自宅謹慎を言い渡されていた。

行きすぎた指導による自殺

遡ること3カ月前——。

 

期末試験で友人から、「欠点取りそうでヤバいから、答案見せてくれへん?」と頼まれた健司くんはカンニングに加担してしまう。それが教員に見つかり、一定期間の自宅謹慎を告げられた。

 

友人との連絡を禁止され、ゲームやテレビ視聴も禁止。1週間、毎日「生活の記録」という反省文を書かされた。行の半分まで書いて提出すれば、文字でびっしり埋めないとダメだと突き返された。

 

次第に、健司くんの笑顔が減っていったという。弟にも当たるようになり、ぼんやりと空を見上げてタバコを吸う姿も見られるようになった。

 

それから3カ月後。

 

...

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2-2.行き過ぎた指導が子どもを死に追いやった