繰り返される子どもの「いじめ自殺」の実態 | Ridilover Journal(リディラバジャーナル)
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特集
子どもの自殺:なぜ彼らは「死」を選んだのか
第五回

繰り返される子どもの「いじめ自殺」の実態

「いじめ自殺に関しては、教員個々人の問題というよりは学校を取り巻く構造的な問題だと思います」

 

20年前に一人娘をいじめ自殺で失った小森美登里さん(以下、美登里さん)はそう話す。

 

 

いじめ対策には、予防や早期発見、早期対応などが挙げられる。本来であればそれぞれの対策についての検証を重ね、対策自体をアップデートしていく必要がある。しかし、事態が深刻化する以前のそうした対策は機能せず、いじめによる子どもの自殺が繰り返されている。

 

「そもそも教員がいじめの適切な対策を知らない、わからないというのはすでに明らかになっています。教員が誤った対応をすることで問題が肥大化してしまうこともある。そしてそんな正しくない対応が若い教員にも引き継がれてしまっています。教員というより学校全体でいじめの正しい対応を学ぶことが必要だと感じます」

 

そう話す美登里さんは、次のようにも指摘する。

 

「学校で重大事態が起きたときに、その原因を究明するシステムがないんです。いじめによる自殺が起きてしまったときでさえ、きちんとした初動調査がされないこともある。それに対して教育委員会からの罰則規定もない。責任を追求されたくない学校が、いじめがあった事実を隠蔽することも各地で起きています」

再発防止が進まない理由

美登里さんは現在、夫・小森新一郎さん(以下、新一郎さん)とともにNPO法人ジェントルハートプロジェクトを運営し、いじめ問題の解決を目指す活動をしている。いじめ自殺で子どもを失った遺族から「事実を知るために学校とどう交渉したらいいのか」と相談される例が後を絶たないという。

 

遺族は学校に「何があったのか」と問いかける。しかし、きちんとした調査が行われなかったり、調査結果についても「(調査に関わった生徒の)個人情報に関わることだから教えることができない」と言われることがある。そうして我が子が自殺に追い込まれた「死因」を知ることができないでいる遺族は少なくない。

 

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