万引き依存症になるのは「自己責任」か | Ridilover Journal(リディラバジャーナル)
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特集
万引き依存症:「やめたくてもやめられない」という病
第七回

万引き依存症になるのは「自己責任」か

「『嘘つきは泥棒のはじまり』と言われますが、万引き依存症はその逆です。『泥棒は、嘘つきのはじまり』なんです」

 

「泥棒は、嘘つきのはじまり」は、万引き依存症と診断されたある女性の娘が発した言葉だ。

 

 

大森榎本クリニック精神保健福祉部長の精神保健福祉士・社会福祉士である斉藤章佳さんいわく、娘は「お母さんは、私にずっと『嘘つきは泥棒の始まり』と言ってきたのに、お母さんが泥棒をして嘘をついていたんです」と話したという。

 

「当然ながら、万引き依存症の人も最初から嘘つきなわけではない。万引きを繰り返すなかで、それを隠すために嘘つかないといけなくなっていくんです」

万引き依存症者も“ふつうの人間”

万引き依存症の人たちは、なぜ嘘をつかないといけなくなっていくのか。

 

それは、万引きを繰り返すなかで、自らの都合のいいように認知を歪ませていくことでしか、自分の行為を正当化できないという心理があるからだ。そして、次第に万引きが犯罪であるという認識は薄れていく。

 

「盗りたいから盗る、というか、盗らざるを得ないみたいな感覚なんです。最初から盗ってやろうとは思っていないし、盗るときに『すみません』という気持ちもない。警察で『なぜ万引きしたのか』と聞かれてもうまく説明できないんです。スイッチが入ってしまうと、もう次の瞬間に盗ってしまっているので……」

 

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万引き依存症
全8回
3-3.万引き依存症になるのは「自己責任」か