• 新しいお知らせ
    ×
    • 特集「2020年代のギャンブル依存」第5回を公開 ギャンブル依存支援の課題

      依存状態は本人も周囲も気づきにくく、家族も相談先へつなげづらい。さらに受け皿不足や地域間格差が、当事者の前に壁として立ちはだかる——。第5回では、依存当事者への支援の構造的な課題を明らかにします。記事はこちらから。

      2026/3/24(火)
    • 特集「2020年代のギャンブル依存」第4回を公開 若者に与える影響

      いま、支援現場では若者からの相談が増えています。若者にとってのギャンブル依存は、生活を壊すだけでなく、学びやキャリアといった「これから」を直撃しうる恐れも。2020年代のギャンブル依存が若者にとってハイリスクである構造を明らかにします。記事はこちらから。

      2026/3/17(火)
公開日: 2024/4/10(水)
更新日: 2024/4/16(火)

1人の加害者から複数の被害者が…。発覚しづらい子どもへの性加害——「小児性犯罪」加害者臨床の現場から(前編)

公開日: 2024/4/10(水)
更新日: 2024/4/16(火)
公開日: 2024/4/10(水)
更新日: 2024/4/16(火)

1人の加害者から複数の被害者が…。発覚しづらい子どもへの性加害——「小児性犯罪」加害者臨床の現場から(前編)

公開日: 2024/4/10(水)
更新日: 2024/4/16(火)

「あくまで私の臨床経験に基づいた感覚ですが、見過ごされている被害はとても多いです。小児性犯罪は子どもたちの声が闇に葬られている重大な社会問題です

 

こう話すのは、クリニックをはじめ刑務所や拘置所、警察署で200人以上の小児性犯罪者の再犯防止プログラムに携わってきた斉藤章佳さん(大船榎本クリニック精神保健福祉部長/精神保健福祉士・社会福祉士)。

 

近年、故ジャニー喜多川氏の所属タレントへの性加害、四谷大塚の元講師による教え子への盗撮・逮捕など、子どもを狙った性犯罪のニュースが度々報じられている。

 

リディラバジャーナルでは2018年、構造化特集「小児性犯罪〜子どもを狙う加害者たちの実態〜」を公開。小児性犯罪を取り巻く課題の構造を明らかにすることで、どのようにして新たな被害を生まない仕組みをつくれるのかを考えた。

 

構造化特集「小児性犯罪〜子どもを狙う加害者たちの実態〜」より

 

今回は、当時取材した斉藤さんに再びインタビューを行った。加害者臨床の現場の最前線にいる斉藤さんは、現在の小児性犯罪を取り巻く課題をどのように見ているのか。

 

前編では近年の加害行為の手口や、小児性犯罪において根深く存在する“被害と加害の負のサイクル”などについて、リディラバジャーナル編集長の安部敏樹が聞いた。
 

※本記事では、子どもに対する性暴力加害に触れます。実態をお伝えするべくエピソードを掲載しているため、フラッシュバックやPTSD(心的外傷後ストレス障害)を懸念される方は、十分に注意しながらご覧ください。

 

 

斉藤章佳(さいとう・あきよし)
精神保健福祉士・社会福祉士。大船榎本クリニック精神保健福祉部長。1979年生まれ。大学卒業後、アジア最大規模といわれる依存症回復施設の榎本クリニックでソーシャルワーカーとして、アルコール依存症をはじめギャンブル、薬物、性犯罪、児童虐待、DV、クレプトマニア(窃盗症)などあらゆる依存症問題に携わる。専門は加害者臨床で、現在までに2500人以上の性犯罪者、200人以上の小児性犯罪者の治療に関わる。『子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か』(幻冬舎新書)ほか著書多数。

性的グルーミングとは?
加害者の巧妙な手口

安部
構造化特集「小児性犯罪」が公開されてから約6年経ちました。斉藤さんは小児性犯罪を取り巻く状況の変化や現在の課題をどう見られていますか。

 

 斉藤 
2023年3月、故ジャニー喜多川氏の所属タレントへの性加害に関するBBCの報道があったことで、「性的グルーミング」という言葉が一般にも広く知られるようになりましたよね。

 

小児性犯罪において性的グルーミングとは「大人が子どもと特別な信頼関係を築き、関係性を巧みに利用して性的な接触をする行為」を指します。このような加害手法への理解を深めることで性被害を防ごうという視点が徐々に広がっていると感じています。

 

私もこの問題を社会に伝えるために、2023年11月に「子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か」という書籍を出版しました。

 

子どもへの性加害 性的グルーミングとは何か」(著:斉藤章佳/幻冬舎新書)
「かわいいね」「君は特別だ」などと言葉巧みに近づく性的グルーミングでは、子ども本人が性暴力だと思わず、周囲も気づきにくいため、被害はより深刻になる。加害者は何を考え、どんな手口で迫るのか。子どもの異変やSOSをいかに察知するか。性犯罪者治療の専門家が、子どもを守るために大人や社会がすべきことを提言。

 

その中で性的グルーミングを


①オンライン上でのグルーミング
②面識のある間柄でのグルーミング
③面識のない間柄でのグルーミング

 

の3つのパターンに分類していますが、近年は特に「①オンライン上でのグルーミング」が目立っています。X(旧Twitter)、InstagramといったSNSや、ゲーム、アプリなどから子どもにつながろうとする大人たちが増加しています。

 

性的グルーミングの手口は非常に巧妙です。最初は自分の性的意図を隠しながら子どもに近づき、とても優しく接する。子どもの話を否定せずに傾聴し承認欲求を満たしてあげて、自分が信頼できる大人であると子どもに思わせる。そして、いつの間にか子どもにとっての陽だまりのような存在になっていく。

 

こうなると、たとえ親が関わるなと言っても、子どもは「あの人は悪くない」「私のことを唯一わかっている人なんだ」と親の言葉を聞き入れなくなります。こういったケースを現場では数多く見聞きしています。

 

また、加害者が狙うのは「学校や家庭に居場所がない」「死にたい、消えたい、いなくなりたい」と感じている孤独・孤立状態の子どもたちであることが少なくありません。

 

もちろん学校の成績も良く友達もたくさんいて、親との関係も良好だという子どもも標的になることはありますが、私の臨床経験の中では慢性的に孤立している自己肯定感が低い子どもが狙われているケースが多いです

 

繰り返される加害
発覚しづらいのはなぜか

安部

以前の特集で「一人の加害者によって複数の被害者が生まれてしまう」という点についてもお聞きしました。

 

「アメリカでは、エイブルの研究で一人の性犯罪者が生涯に出す被害者数の平均は380人というデータがあります。

 

ところが、ある刑務所の性犯罪者グループでこの話をしたところ、『その数字は少ない』という反応が多かったんです。小児性犯罪を繰り返していたある人は、少なく見積もっても被害者はその3倍はいるんじゃないかと言っていました」

 

ーー構造化特集【小児性犯罪】子どもを狙う加害者たちの実態より

 

この点はいまも変わらない課題でしょうか。
 

 

※リディラバジャーナルについてもっと知りたい方はコチラ
リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
note
リディラバジャーナル編集部
noteのicon
「学校に行けなくて申し訳ない」と思わなくていい。N高・APUの戦略から考える「新年度が憂鬱」な子に必要な選択肢【ニュースに潜む社会課題をキャッチ!】
2026年3月27日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ! リディラバジャーナル

続きをみる
気になる社会問題、どう読めばいい?リディラバジャーナル活用ガイド
2026年3月25日

こんにちは。リディラバジャーナルです。リディラバジャーナルは社会課題に特化した月額980円(税抜)のサブスクリプション型webメディアです。この記事では、リディラバジャーナルを読むことで起きる2つの変化と、リディラバジャーナルの使い方を5つご紹介します。「リディラバジャーナルってなに?」「気になってるけど、登録した後に活用できるか不安」という方はぜひチェックしてください。

続きをみる
「ホルムズ海峡へ海自派遣しない」今改めて確認したい、自衛隊の役割と生活との結びつき【ニュースに潜む社会課題をキャッチ!】
2026年3月19日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ! リディラバジャーナル

続きをみる
×
CONTENTS
intro
「小児性犯罪」加害者臨床の現場から
no.
1
no.
2