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特集
外国人技能実習制度:移民政策なきこの国で
第一回

「ベトナムに帰っても農業はしませんよ」。実習制度のリアル

「実習が終わって、ベトナムに帰って農業ですか? しませんよ。ベトナムで農業はあまりお金になりませんからね」

 

そう語るのは、ベトナムの送り出し機関で働くグン・ホアン・ナムさん(仮名)。

 

送り出し機関は、実習生として来日を希望する人々を現地で募り、日本語教育などを行うものです。

 

外国人技能実習制度では、ほとんどの実習生がこの送り出し機関に申し込みをし、日本の監理団体を経て、3〜5年間全国各地の企業の工場、農業や漁業の現場などで働きながら技能を身につけることになっています。

 

公益財団法人国際研修協力機構HPより

 

グンさんの送り出し機関では、年500人ほどの実習生を日本に送っており、その多くが農業の現場で働いているといいます。

 

外国人技能実習制度について、国は「我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う『人づくり』に協力すること」が目的と説明します(厚生労働省HPより)。

 

日本で身につけた技能を母国で生かしてもらうことで、制度の目的を実現する。

そのために、日本で実習する業務を母国で経験していること、帰国後には実習した業務に就くこと、というルールがあります。
 

しかし、グンさんが語るように、ルールが厳守されているわけではありません。

 

制度の目的からすると、「技能移転」が確実に実行されていない状況は、とくに実習生を送り出す途上国側からすると問題ではないのか——。

そう考え編集部では取材を進めましたが、特にそうした声は聞かれませんでした。

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外国人技能実習制度
全6回
1-1.「ベトナムに帰っても農業はしませんよ」。実習制度のリアル