“権利”か“恩恵”か…生活保護に対する認識が生む弊害 | Ridilover Journal(リディラバジャーナル)
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特集
生活保護バッシング:生活保護の利用は“恥”なのか
第五回

“権利”か“恩恵”か…生活保護に対する認識が生む弊害

「生活保護を受けることを“恥”だと思わなくなったのが問題だ」――。

 

2012年に芸能人の母親が生活保護を利用していたことが明るみになった際、ある国会議員が発した言葉だ。こうした発言は、特定の議員一人から発せられたわけではなく、複数の議員が同様の発言を繰り返していた。

 

当時から生活困窮者の支援活動をしていた一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事である稲葉剛さんは、これらの発言によって生活保護利用者のなかで自殺者が出る事態につながらないかと、危機感を募らせていたという。

 

「当時、議員だけでなくマスコミも生活保護や利用者のマイナス面を強調する報道を流し続けました。普段から肩身の狭い思いをしている利用者は、ますます世間の目を意識せざるを得ないような状況に追い込まれていったんです」

 

生活保護利用は“恥”なのか

稲葉さんをはじめ、貧困問題に取り組んでいた各団体は、「生活に困ったときに生活保護制度を利用することは、憲法に保証された生存権の当然の行使であり、決して恥ずかしいことではない」というメッセージを繰り返し発信してきた。

 

だが、「生活保護を受けることを“恥”だと思わなくなったのが問題だ」といった主張の数々は、それまでに何年もかけて発信し、少しずつ生活困窮者の間に浸透していたメッセージを真っ向から否定するものだった。...

特集 生活保護バッシング:生活保護の利用は“恥”なのか 全11回
0章 はじめに
1章 生活保護バッシングが生む弊害
2章 イメージで語られがちな生活保護の実態
3章 「ジャンパー事件」から2年、小田原市の改革
4章 安部コラム
生活保護バッシング
全11回
2-2.“権利”か“恩恵”か…生活保護に対する認識が生む弊害