表現の萎縮に受け手の偏見――あいちトリエンナーレ2019が残した課題
表現の萎縮に受け手の偏見――あいちトリエンナーレ2019が残した課題
2019年に社会的な騒動にも発展した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」。脅迫などによって一時は中止に追い込まれた「表現の不自由展・その後」は、「表現」をめぐるさまざまな問題を浮き彫りにした。そして2020年3月、文化庁が「不交付」にするとしていた補助金約7800万円を、約6600万円に減額して交付することで決着をみた。
今回の騒動では、文化庁の全額不交付決定が不透明な状況下で下されたことや、「表現の不自由展・その後」の作品がSNSで炎上したことなどが注目された。特に、SNSでは複雑な制作背景の説明を必要とする作品の文脈がスルーされ、恣意的に解釈されて炎上が広がった側面もあった。
リディラバジャーナルでは、この「あいちトリエンナーレ2019」をめぐる騒動を改めて振り返り、「表現」に関する教訓を考えるべく短期連載をスタート。第1回は、大妻女子大学国際センター専任講師等を務める美学研究者の森功次さんに、騒動の後に残された課題について聞いた。
減額交付は悪しき前例を残す結果に
――補助金全額不交付から一転、減額での交付が決定されましたが、森さんはこの決着をどのように見ていますか。
ニュースを見たときに「これで喜んではダメだ」と感じました。そもそも今回の件は、うまい落とし所を探して少しでも補助金を出させる、といったことはゴールではなかった。
詳細な理由や決定プロセスが明らかにされないまま全額不交付が決められたこと、そして、展示内容をもとに不交付の判断がなされたのではという疑惑、そこが問題になっていたはずです。...

ニュースに潜む社会課題をキャッチ! リディラバジャーナル
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