高齢者がネットやSNS上の偽・誤情報、陰謀論を信じるこ
高齢者がネットやSNS上の偽・誤情報、陰謀論を信じることで、考えや価値観が偏り、親子の関係が分断される事象が起こっている。なぜ高齢の親は偽・誤情報や陰謀論を信じてしまうのか。偏向した親と子ども、家族にはどのような分断が生じるのか。“偏向”と“分断”の構造に迫る。
高齢者がネットやSNS上の偽・誤情報、陰謀論を信じることで、考えや価値観が偏り、親子の関係が分断される事象が起こっている。なぜ高齢の親は偽・誤情報や陰謀論を信じてしまうのか。偏向した親と子ども、家族にはどのような分断が生じるのか。“偏向”と“分断”の構造に迫る。
高齢者がネットやSNS上の偽・誤情報、陰謀論を信じることで、考えや価値観が偏り、親子の関係が分断される事象が起こっている。なぜ高齢の親は偽・誤情報や陰謀論を信じてしまうのか。偏向した親と子ども、家族にはどのような分断が生じるのか。“偏向”と“分断”の構造に迫る。
リディラバジャーナル構造化特集「偏向する高齢者〜ネットが生み出す親子の分断〜」。
本記事ではコラム「ネット右翼化する高齢者」として、高齢者がネット右翼化する要因を考える。
高齢者の考えや価値観の偏向。その一例に「ネット右翼化」がある。
ネット右翼の人々は過激化すると、差別的な発言を繰り返すようになり、周囲との人間関係が分断される可能性がある。
なぜ、高齢者はネット右翼化してしまうのか。
「社会の構造や人権に関する“体系的な知識”が不足しているため、不確実で過激な情報を信じてしまうのではないか」
そう指摘するのは、「シニア右翼 日本の中高年はなぜ右傾化するのか」等の著者であり、長年ネット右翼の人々に関する問題を取り上げてきた古谷経衡さんだ。
1982年札幌市生まれ。作家・評論家。立命館大学文学部史学科(日本史)卒業。(社)令和政治社会問題研究所所長。(社)日本ペンクラブ正会員。インターネットとネット保守、若者論、社会、政治、サブカルチャーなど幅広いテーマで執筆評論活動を行う一方、地上波やラジオ番組でコメンテイターも担当。『左翼も右翼もウソばかり』『日本を蝕む「極論」の正体』(ともに新潮新書)、『毒親と絶縁する』(集英社新書)、 『敗軍の名将』(幻冬舎新書)、『シニア右翼 日本の中高年はなぜ右傾化するのか』(中央公論新社)、長編小説『愛国商売』(集英社文庫)など著書多数。
古谷さんへのインタビューから、高齢者がネット右翼化する要因を考える。
ネット右翼とは何か。陰謀論との関係性は?
ーまず「ネット右翼とは何か」という点からお聞きしたいのですが、古谷さんはネット右翼をどのように定義されていますか?
ネット右翼は「ネット上で右派的・右翼的発言をする人」であり、「保守系とされる論客がさまざまな媒体で発言する言説を、そのままネット上で『簡便な形で』オウム返しする人」と言えます。
ネット右翼は自らの理屈や言葉を持つことが難しいため、常に上位の「保守系とされる論客」の言説に寄生し、それを模倣します。つまり「保守系とされる論客」のSNSや動画の熱心な消費者なのがネット右翼です。
たとえばネット動画でいうと、「DHCテレビ(※1)」「文化人放送局」「日本文化チャンネル桜」などの動画を視聴し、そこで出た言説などをネットやSNS上に拡散します。依拠するのは、ほとんどが動画であり、書籍情報は比較的少ない状況です。
ー本特集では「偽・誤情報や陰謀論を通じて偏向する高齢者」の方々を中心に取り上げていますが、ネット右翼化と偽・誤情報、陰謀論の関連性はあるのでしょうか?
いま、新型コロナウイルスワクチンに関する陰謀論がネット・SNS上で広がっていると思いますが、ネット右翼の人々がその考えに傾くケースは多いです。
もともとネット右翼と陰謀論は相性が極めて良いです。
たとえば、ネット右翼の人々がより過激化していくと、「私たち日本国の中に不純物を入れてはいけない」「◯◯人は敵だ」と内側の結束が強まっていき、過激な排外主義につながっていきます。
こうした考えや価値観を持つ人は、「新型コロナウイルスを世界中に広げたのは◯◯国だ」「ワクチンは毒物」「世界の裏の勢力が人口削減のためにワクチン接種を推奨している」といった陰謀論を信じやすい傾向にあります。
世の中の複雑性を理解できないので、何かひとつでその複雑性を説明する論があると、それに飛びつくのです。その背景には常に排外性や排他性があります。
自分たちを脅かす存在への敵対心や攻撃性、純粋ではないものに対する拒否反応は、共通しているところかと思います。
ネットリテラシーと“体系的な知識”の不足。
ネット右翼化の背景にある要因
ー高齢者がネット右翼化する要因とはなんでしょうか。
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