• 新しいお知らせ
    ×
構造化特集
偏向する高齢者 第1回
公開日: 2023/7/3(月)

愛する親が暴言を吐く——。陰謀論を信じる母との分断

公開日: 2023/7/3(月)
構造化特集
偏向する高齢者 第1回
公開日: 2023/7/3(月)

愛する親が暴言を吐く——。陰謀論を信じる母との分断

公開日: 2023/7/3(月)
構造化の視点

高齢者がネットやSNS上の偽・誤情報、陰謀論を信じるこ

・・・もっと見る

高齢者がネットやSNS上の偽・誤情報、陰謀論を信じることで、考えや価値観が偏り、親子の関係が分断される事象が起こっている。なぜ高齢の親は偽・誤情報や陰謀論を信じてしまうのか。偏向した親と子ども、家族にはどのような分断が生じるのか。“偏向”と“分断”の構造に迫る。

高齢者がネットやSNS上の偽・誤情報、陰謀論を信じることで、考えや価値観が偏り、親子の関係が分断される事象が起こっている。なぜ高齢の親は偽・誤情報や陰謀論を信じてしまうのか。偏向した親と子ども、家族にはどのような分断が生じるのか。“偏向”と“分断”の構造に迫る。

高齢者がネットやSNS上の偽・誤情報、陰謀論を信じることで、考えや価値観が偏り、親子の関係が分断される事象が起こっている。なぜ高齢の親は偽・誤情報や陰謀論を信じてしまうのか。偏向した親と子ども、家族にはどのような分断が生じるのか。“偏向”と“分断”の構造に迫る。


オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「偏向する高齢者〜SNSが生み出す親子の分断〜」。

 

第1回となる本記事では、偏向の先にある親子の分断(1章)として、考えや価値観の偏向した親と子どもの分断の実態を明らかにする。

 

 


 

「なぜ差別的なことを言うようになったんだろう。こちらの言うことを全く聞いてくれないんだろう。

 

母が陰謀論者に変わっていく様を見て、僕はとにかく混乱していました。愛する人が自分の最も嫌うタイプの人間に変貌する。心が揺れ動いて、しんどかったです

 

東京都内に住む30代男性のぺんたんさんは、60代の母親の変化についてそう吐露する。

 

ぺんたん
30代男性。陰謀論を信じる母親との出来事を赤裸々につづった『母親を陰謀論で失った』(note)が話題に。現在は会社員として働く傍ら、陰謀論で家族を失った人々との交流を図っている。

 

ぺんたんさんの母親はどのような経緯で陰謀論を発信するようになったのか。話の通じなくなっていく親と向き合う、ぺんたんさんの心情とは。インタビューを通じて実態を見ていく。

敵を見つけ、真実に気づき、攻撃する側へ――。
母親が陰謀論に染まるまで

ーお母さまが偽・誤情報や陰謀論を信じるようになった経緯をお聞きしたいのですが、ぺんたんさんはいつ頃お母さまの異変に気づいたのでしょうか?

 

はじまりはコロナ禍の2020年夏頃です。当時、離れて暮らす母親とはチャットか電話でやりとりしていましたが、突然LINEで怪しいYouTube動画が送られてきたんです。

 

その動画では「政府は何年も前から新型コロナウイルスの流行を計画していた」といった内容を、素性のよくわからない男性が話していました。

 

以前から母がYouTube動画を観ていることは知っていましたが、それは可愛い動物の動画などで、変な動画が送られてくるとは思ってもみませんでした。

 

後で同居している父から聞いたところによれば、コロナ禍になってから母は根拠のない怪しい動画をよく見るようになったと話していました。

 

 

私は動画が送られてきたときは、一過性のものだろうと深刻に受け止めませんでした。母はもともと心配性で、コロナに感染することを非常に恐れていて。

 

外に出られず不安だろうし、家でYouTubeばかり見ていたら、確かに訳のわからない動画も少しは信じたくなるよな、と。

 

そのうち送られなくなるだろうと思っていましたが、その後も半年ほど定期的に送られてきて、内容はますます過激になっていきました。

 

大まかに言うと3つの段階に分けられて、進むごとにひどい内容に変わっていきました。

 

最初の段階は「コロナ禍は仕組まれている」という敵についての言及。次の段階では「多くの人が世界の真実に気づき始めている」という真実への言及

 

そして最後の段階では「(真実に気づいた人は)どうすれば敵を倒して平穏な生活に戻れるのか」という、敵への攻撃的な発言が含まれるようになりました

 

ーぺんたんさんはお母様に対して、どのような反応をされていたんですか?

 

基本的にはスタンプなどのリアクションで反応し、会話はあまり続けないようにしていました。

 

ただ、中には特定の人に対する差別的な発言など、看過できないものもあったので、内容が激化するにつれて私も反論するようになったんです。

 

 

あるとき、母と電話で話している最中に、母の主張に強く反対したことがあったんですね。そしたら、耳をつんざくような大声で怒りをぶつけられて。

 

もちろん子どもの頃に怒られたことはありますが、これまでとは明らかに違う、敵意をむき出しにした怒りでした

 

なんというか、声のトーンが違うんですよ。憑依されている、乗っ取られているというか……。言っていることが母の本心ではなく、動画で聞いた内容をそのまま再現しているような感じがして。

 

母の急変ぶりには、本当に大きなショックを受けました。

 

ー話し合いは難しい状態だったんでしょうか。

 

会話が成立しないんですよね。私が「それはエビデンスあるの?」と問いかけても、「いまはその話をしているんじゃない」と。まるで「あなたの方が陰謀論者なのよ」と、そう言わんばかりの勢いでした。

 

全く話が通じないので、もう対話はあきらめました。いまは距離を置いていて、母とは必要最低限の事務的な連絡のみを取るようにしています。

「真実を知ったからには伝えなきゃ」
偏向の背景にある正義感や使命感

       

ーお母さまはもともと、偽・誤情報や陰謀論を信じやすい傾向があったのでしょうか。

※リディラバジャーナルについてもっと知りたい方はコチラ
リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
note
リディラバジャーナル編集部
noteのicon
喜べない教員の給与増。残業が残業だと認められない給特法とは?
2024年5月17日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ!リディラバジャーナル

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

続きをみる
勤務時間15分減で退職金ゼロ?非正規の人の労働条件を改善するための制度のはずが…
2024年5月14日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ! リディラバジャーナル

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

続きをみる
性犯罪の被害者の約半数が子ども。わが子をグルーミングから守るには?【ニュースに潜む社会課題をキャッチ!】
2024年5月7日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
動物の虐待摘発過去最多。「保護犬・保護猫」前進の裏で生まれる課題
2024年4月12日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
スクールカウンセラー約250人が雇い止め。子どもの心の健康を支える専門職なのに任期は1年?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2024年4月4日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
依存症の人に必要なのは「反省や刑罰」ではなく「治療と仲間」
2024年3月29日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「同性婚を認めないのは違憲」互いの違いを尊重できる成熟した社会へ
2024年3月18日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ! リディラバジャーナル

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

続きをみる
能登半島地震、深刻なボランティア受け入れ態勢不足が課題
2024年3月8日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ!リディラバジャーナル

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

続きをみる
学校の死亡事故の7割が国に未報告。求められる事故検証システム
2024年3月1日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「思いこみ」も背景に?女性管理職への道を阻むもの【なぜ少ない?学校教育現場の女性管理職】
2024年2月23日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。こちらの記事の最後には、全文無料で読める!「学校経営の新時代、女性管理職の可能性 ~ロールモデル・取り組み事例資料集~」もご紹介しています。ぜひご活用ください!

続きをみる
旭川いじめ事件から3年。再発防止が進まない訳は…
2024年2月16日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
DVから逃げられなくなる!?「共同親権」このまま進めて本当に大丈夫?
2024年2月2日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「被災地へボランティアに行くのは迷惑?」悩んでいる人にこそ読んでほしい!【3.11から学ぶ。構造化特集を全記事お届け!】
2024年1月12日

みなさん、こんにちは。リディラバジャーナルです。

1月1日、能登半島地震が発生しました。亡くなられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われたすべての方にお見舞い申し上げます。

続きをみる
市販薬を覚せい剤代わりにする若者たち。その背景には孤独孤立か?
2023年12月22日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
万引きを繰り返すのは手癖が悪いのか、それとも?「万引き依存症」をご存知ですか?
2023年12月15日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
大学進学は親の財力やきょうだいの数によって左右されていいのか?
2023年12月11日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
反ワクチン情報を流す医師がいるのはなぜ?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2023年12月1日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
病院の約半数、公立病院は98%が赤字。診療報酬の引き下げは医療レベルの引き下げに?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2023年11月24日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
構造化特集「地域医療」の内容を一部公開します
2023年6月9日

みなさんこんにちは、リディラバの鈴木です!今回は、リディラバジャーナルで公開中の構造化特集「地域医療」の冒頭をこちらのnoteでも公開します。何かあったら病院で治療が受けられる。私たちの「当たり前」を維持するために、様々な課題を抱えながら尽力する医療現場の姿を知ってもらえたら嬉しいです。


続きをみる
6月の構造化特集「地域医療」への思い
2023年6月9日

この投稿はリディラバジャーナル会員限定のFBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。

******みなさん、こんにちは!担当した構造化特集「地域医療 超高齢化社会に必要な『撤退戦』」が本日より公開となりました!今日は特集内には書いていない、特集に込めた思いをご紹介させてください。

続きをみる
子どもの発達障害、構造化マップを公開
2023年4月16日

※この投稿はリディラバジャーナルの会員限定FBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。*****みなさん、こんにちは!!!リディラバジャーナルの井上です。

今週はとても嬉しいことがあったので、ご報告させてくださいm(_ _)m

続きをみる
構造化。テーマは「子どもの発達障害」
2023年4月7日

この投稿はリディラバジャーナル会員限定のFBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルの井上です。

早くも4月ですね。あっという間に過ぎ去る日々に「!?!?」という感じですが、今日も今日とて、リディラバジャーナルのご案内です。

続きをみる
編集部メンバーの想いを公開しました
2023年3月26日

※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******皆さん、こんにちは〜!

編集部の井上です。今日は、

続きをみる
「無戸籍」当事者の声を聞いてほしい。
2023年3月26日

※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。ーーーみなさん、こんにちは!リディラバジャーナル編集部の井上です。

2〜3月は3年ぶりの構造化特集の復活ということで、「無戸籍」をテーマに構造化特集をお届けしてきました。

続きをみる
×
CONTENTS
intro
偏向の先にある親子の分断
no.
1
no.
2
考えや価値観を偏らせるもの
no.
3
偏向する高齢者〜ネットが生み出す親子の分断〜
no.
4
あきらめきれない親子関係
no.
5
no.
6
ネット右翼化する高齢者
no.
7
偏向への対策の難しさ
no.
8