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あいちトリエンナーレ2019
2020/4/17(金)
【津田大介×安部敏樹】あいトリ騒動を経て「表現の自由」を問い直す
2020/4/17(金)
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あいちトリエンナーレ2019
2020/4/17(金)
【津田大介×安部敏樹】あいトリ騒動を経て「表現の自由」を問い直す
2020/4/17(金)

2019年に社会的な騒動にも発展した国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」。

 

脅迫などによって一時は中止に追い込まれた「表現の不自由展・その後」は、「表現」をめぐるさまざまな問題を浮き彫りにした。

 

決着をみたいま、前編に続き、渦中の人となった芸術監督・津田大介さんをリディラバジャーナル編集長の安部敏樹が直撃した。

不自由展は「政治プロパガンダ」ではない

 安部敏樹  「表現の不自由展・その後」(以下、不自由展)において展示内容への批判でとくに大きかったのが、「芸術の名を借りた“政治プロパガンダ”じゃないか」という意見でしたが、これについてはどう思われていましたか。
 
 津田大介  それは、たとえば「天皇を燃やすのがアートかどうか」という話でもありますよね(※)

 

 

ただまず事実関係で言えば、僕はディレクターという立場として、アーティストから「これを絶対にやりたいんだ」という表現が上がってきたときに、どう決断するかという話でした。

 

アーティストからこの作品にはこうした意図があると説明されれば、それはもちろん理解できるわけです。一方で、作品を見て誤解が生じる可能性があることも分かっていました。

 

「それを炎上しないように、ちゃんと説明を尽くすことが本来のキュレーションだろう」という批判はもっともだと思います。

 

ただそのキュレーションや説明、あるいは丁寧なコミュニケーションといった部分は不自由展側に任せざるを得なかった部分もありますし、事前に丁寧に説明できないのは警備上の理由もありました。

 

ただ、事前に丁寧に説明したところで、あの作品は大炎上したと思いますけどね。
 
(※)展示中止をめぐる騒動で焦点になった一つが、天皇の肖像を焼く描写がある大浦信行さんの動画作品『遠近を抱えてpart2』だった。
 
 安部  僕が行ったときには展示中止が決まった後だったので、あの作品は見れていないんですけど。


 津田  もちろん作品だけを見ればショッキングなメッセージがありますが、その文脈を踏まえて見れば違ったふうにも見えるんです。それぞれの作品には文脈があるわけですから。

 

いずれにしても、僕は最終的にはアーティストの表現したいことを尊重するという態度を一貫してきたつもりです。

 

だから、大浦さんの作品にしても、大きなリスクを抱えるのは承知の上で展示することにしました。その選択自体に後悔はないですね。

 

大浦さんからも終わったあとに「あの作品を作れたことで、80年代から抱えてきた葛藤に終止符を打つことができた。それは感謝している」と言われました。作家にそう思ってもらえれば僕は十分です。

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