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構造化特集
2020年代のギャンブル依存 第3回
公開日: 2026/3/10(火)

「ギャンブルの借金は、ギャンブルでしか返せない」という思い込み。2020年代のギャンブル依存の抜け出しにくさ

公開日: 2026/3/10(火)
構造化特集
2020年代のギャンブル依存 第3回
公開日: 2026/3/10(火)

「ギャンブルの借金は、ギャンブルでしか返せない」という思い込み。2020年代のギャンブル依存の抜け出しにくさ

公開日: 2026/3/10(火)
構造化の視点

スマホを開けば、賭けは始められる—&mda

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スマホを開けば、賭けは始められる——。ギャンブルのオンライン化が進んだ2020年代、依存は「より若く、より早く、より高額に」深刻化しやすくなった。なぜ本人も家族も気づけないまま、借金や生活崩壊まで加速してしまうのか。入口の広がり、歯止めの効きづらさ、発覚と支援の遅れ。2020年代に入りギャンブル依存がより陥りやすく、抜け出しにくくなっている構造を明らかにする。

スマホを開けば、賭けは始められる——。ギャンブルのオンライン化が進んだ2020年代、依存は「より若く、より早く、より高額に」深刻化しやすくなった。なぜ本人も家族も気づけないまま、借金や生活崩壊まで加速してしまうのか。入口の広がり、歯止めの効きづらさ、発覚と支援の遅れ。2020年代に入りギャンブル依存がより陥りやすく、抜け出しにくくなっている構造を明らかにする。

スマホを開けば、賭けは始められる——。ギャンブルのオンライン化が進んだ2020年代、依存は「より若く、より早く、より高額に」深刻化しやすくなった。なぜ本人も家族も気づけないまま、借金や生活崩壊まで加速してしまうのか。入口の広がり、歯止めの効きづらさ、発覚と支援の遅れ。2020年代に入りギャンブル依存がより陥りやすく、抜け出しにくくなっている構造を明らかにする。


オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「2020年代のギャンブル依存〜より早く、より若く、より深刻にハマる病〜」。

 

第3回となる本記事では、依存症から抜け出しにくい構造(2章)として、2020年代のギャンブル依存がなぜ抜け出しにくいのかを明らかにする。

 

 

「いや、こんな大金はギャンブルじゃなきゃ返せないよ」

 

当事者家族の由紀さん(仮名)は、元夫・慎一さん(仮名)の言葉がいまも耳に残っているという。

 

慎一さんはノートに計算式のようなものを書いていた。「これくらい勝てば借金が返せる」——その考えがギャンブルを繰り返させる。

 

「ギャンブルはギャンブルであって、返済手段にはならない。そう伝えても、話は平行線でした」(由紀さん)

 

2020年代のギャンブル依存では、借金額が大きくなりやすいことで「ギャンブルで返すしかない」という思い込みが強まり、さらに孤立によって支援につながりにくくなる――そんな“抜け出しにくさ”が重なっていく特徴がある。

 

追い込まれた先には、窃盗や横領、SNSを介した「闇バイト」など、犯罪につながるリスクもある。

 

依存にとどまらせるものは何か。本記事では、2020年代のギャンブル依存の抜け出しにくさを構造的な視点で紐解いていく。

「次は勝てる」。思い込みが、借金を深くする

イントロ記事では、2020年代のギャンブル依存の特徴として「借金までの早さ」や「金額の大きさ」を挙げた。

 

独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターの樋口進さんは、借金は「依存から抜け出しにくくなる要因でもある」と強調する。

 

樋口進(ヒグチ・ススム)
独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター名誉院長・顧問。昭和54年東北大学医学部卒業。米国立保険研究所(NIH)留学、国立久里浜病院臨床研究部長、国立病院機構久里浜医療センター院長などを経て現職。ゲーム依存、ギャンブル依存などの行動嗜癖、アルコール関連問題の予防・治療・研究などを専門とする。著書:『ウルトラ図解 ギャンブル依存』(法研)、『ゲーム・スマホ依存から子どもを守る本』(法研)、など。

 

「ギャンブル依存では、負けを深追いしたり、金銭感覚が歪んだりする傾向が見られます。

 

娯楽としてのギャンブルは、胴元(運営側)の取り分がある以上、プレイヤーが損をするようにできています。

 

しかし依存に陥ると、意思決定に関わる脳の前頭前野の働きが落ちて、冷静な判断ができなくなる。『これだけ負けが続いたら次は勝つはず』と考え、ギャンブルを続けてしまう。意志の強さや頭の良さは関係ありません。

 

やがて借金が膨らむと、『もう真っ当な方法では返せない』『ギャンブルで返すしかない』と考え、さらに深みにハマってしまうんです」

 

由紀さんも、慎一さんが「勝てば返せる」と信じていく様子を目の当たりにした。

 

「計算式みたいなものが書いてあるノートを見せてくれました。『1回勝つとこのくらいの金額になる。だから何回勝つといくらになる』『何回勝てば借金が返せる』って。

 

でも明らかにおかしい。そもそも“絶対に勝てる”ようにはできていない、と伝えましたが、話が全く通じません。『この前はオレが冷静じゃなかったから負けただけ』と繰り返すばかりで。

 

借金が発覚して話し合いを始めた頃、まだ借金は年収より低い金額でした。だから『ギャンブルをやめて働けば返せるよ、一緒に返していこうよ』と言ったんです。でも夫は『いや、こんな大金はギャンブルじゃなきゃ返せないよ』と。

 

ギャンブルはギャンブルであって、返済手段にはならない。そう伝えても、話は平行線でした」
 

ギャンブルの借金はギャンブルでしか返せない——。そう思い込むことで、依存から抜け出しにくくなってしまう。

 

特に2020年代は、オンラインギャンブルの台頭により、短期間で高額の借金を抱えた人の相談が現場で目立つようになっている。借金額が大きくなるほど「取り戻さなければ」「ここでやめたら終わりだ」と思い込みが強くなり、さらに抜け出しにくくなってしまうことが考えられる。

スマホを手放せない。だから「離れる」ことが難しい

抜け出しにくさは、本人の思い込みだけで起きるわけではない。環境の要因も大きい。

 

回復には「賭けの刺激に触れない時間」が必要になる。しかし、オンライン化は“遮断”を難しくする。スマホという生活に必要な道具そのものが入口になるからだ。

 

第1回(陥りやすさの構造)では、オンラインギャンブルの特徴として「スマホでいつでもどこでもできる」点に触れた。久里浜医療センターの樋口さんは、この点も”離れにくさ”を強めると指摘する。

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リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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CONTENTS
intro
依存症に陥りやすい構造
no.
1
no.
2
依存症から抜け出しにくい構造
no.
3
no.
4
依存症予防・回復の仕組みを構築する難しさ
no.
5
no.
6