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特集
外国人技能実習制度:移民政策なきこの国で
第二回

「息子の手術代を稼ぐため」来日した実習生は、なぜ失踪したのか

「息子が2人いて、長男には生まれつき目の病気があり手術が必要でした。その手術代を稼ぐために日本で働くことに決め、2015年6月に来日しました」

 

そう語るのは、ベトナム人実習生、グェン・ティ・チャムさん(仮名)。

 

外国人技能実習制度は「技能移転による国際貢献」を目的に、途上国の人々を受け入れるものです。

 

ですが、ほとんどの実習生は「技能を身につける」より、グェンさんのように「お金を稼ぐ」ことを目的に来日しています。

 

グェンさんも出稼ぎ先として各国を見た上で、元々日系企業で働いていた自身の経歴や、ベトナム人が多くいることなどから、日本に来ることを決めたといいます。

「ベトナムにいる頃は、日本人は思いやりがあって優しいというイメージを持っていました」と語るグェンさん。

 

来日後、プラスチック成型工場で働き始めたグェンさん。工場は24時間稼働しており、昼夜2交代制の1日12時間勤務。長い時は朝の8時から深夜0時まで働いたこともあります。休みも月2日のみでしたが、お金を稼ぐために来日したので長時間労働は問題ではなかったそうです。

 

しかし、「はじめに」にもあるように、会社の給与支払いについて問題があると指摘したところ、監理団体の職員が突然来訪。実習期間が残っているにもかかわらず帰国させられそうになりました。

「息子はもう片方の目も手術する必要があることがわかり、まだ日本でお金を稼ぐ必要があった」とグェンさん。何としても帰国するわけにはいかず、寮の窓から逃げ出し、不法滞在者となってしまいました。

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外国人技能実習制度
全6回
2-1.「息子の手術代を稼ぐため」来日した実習生は、なぜ失踪したのか