外国人技能実習制度:【外国人技能実習制度】移民政策なきこの国で | リディラバジャーナル
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実習制度
2018/6/14(木)
【外国人技能実習制度】移民政策なきこの国で
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【外国人技能実習制度】移民政策なきこの国で
2018/6/14(木)
構造化特集 : 外国人技能実習制度
構造化の視点
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杜撰な労働形態により自殺者まで出ている外国人技能実習制

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杜撰な労働形態により自殺者まで出ている外国人技能実習制度の問題。日本の技能や知見を移転することで、発展途上国の経済発展を担う人材を育成することを目的としてますが、実態は搾取とも言える労働形態のケースが少なくありません。「実習」をうたいながら「労働者」であること強いられている背景には何があるのか。この問題の構造を考えます。

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「具合が悪く会社の寮で休んでいたところ、監理団体の人が突然やって来て『明日、飛行機でベトナムに帰ってもらう』と言われました。無理やり帰国させられる、と怖くなってバッグひとつだけ持って逃げました。着替え? 持っていません。そのとき着ていた服だけです」

 

そう語るのは、「外国人技能実習制度」によって来日したベトナム人実習生、グェン・ティ・チャムさん(仮名)。

通訳を介し、取材に応じるグェンさん。

 

会社が残業代をボーナスとして支給していたため、社会保険料が本来の額より多く徴収されていることに気づいたグェンさんは、企業での技能実習について責任を持つ「監理団体」にそのことを指摘。すると、冒頭のように帰国させられそうになったのです。

 

寮の窓から逃げ出したのち、友人宅に身を隠していたグェンさんは在留期限が切れ「不法滞在者」になってしまいました。

 

今回の特集テーマは「外国人技能実習制度」です。

 

「我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う『人づくり』に協力することを目的」(厚生労働省HP)として、1993年に始まった「外国人技能実習制度」。

 

現在、約27万人の実習生が全国各地で働いています。

 

その実態は「技能を学びにきた」実習生というより、「出稼ぎにきた」労働者です。実は、厚生労働省の発表する「外国人労働者数」の調査にも、実習生が含まれています。

 

しかし、実態がどうであれ実習生なので、労働者としての権利を全て有しているわけではありません。そのため、グェンさんのようなトラブルも発生しています。

 

公式には「移民政策はとらない」としている日本。

 

ゆえに、不足する一次産業や二次産業の労働力を外国から調達するのに、外国人技能実習制度を利用しているのが現状です。

2025年までに50万人⁉︎ 外国人労働者受け入れ方針の大転換

そのような現状の中、政府は今月5日(2018年6月5日)、実習期間を修了した実習生などが対象となる、新たな在留資格の創設を盛り込んだ「骨太の方針」を公表しました。

これまで政府は「移民政策はとらない」とした上で、外国人労働者については、研究者や経営者などの高度な専門性を持つ人のみを受け入れるのを公式の方針としてきました。

 

一方、今回の「骨太の方針」では、農業、介護、建設、造船といった人手不足の深刻な分野で外国人労働者を受け入れるとしています。


一次産業、二次産業に従事する単純労働者の受け入れにつながる今回の新在留資格の創設は、日本の外国人労働者受け入れ方針の大転換を意味しています。

新在留資格の運用は、順調にいけば来年にもスタートするとみられ、2025年までに50万人以上の就業を想定しているといった報道もあります。
 

それでもなお政府は、今回の新在留資格の創設も「移民政策とは異なるもの」としています。

外国人の受け入れについて、一度立ち止まって考えるために

日本の人手不足が深刻になる中で、「骨太の方針」で公表された新たな在留資格創設。

新在留資格の詳細な要件はまだ明らかになっていませんが、実習生は主な対象者です。

技能実習は3〜5年。そこに最長5年働ける新在留資格が加わると、実に10年間にわたって日本で働き、暮らすことが可能になります。

10年間ともなると、日本で出会った人と結婚し、家庭を持ち、子どもを学校に通わせるようなケースもこれまで以上に出てくることが予想されます。

10年間日本で働き、家族を持ってもこうした人々は移民ではないし、日本には移民政策はないと言えるのでしょうか。
 


私たちは、根本的な移民政策の必要性から目をそらし、実習制度や新在留資格で場当たり的に人手不足に対応し続けて問題ないのでしょうか。
 

もう、目をそらし続けるのも限界に来ています。

近い将来、公式に移民政策を議論、策定しなければならないことは間違いありません。



今後の移民政策を考えるためにも、私たちは今、どのようなかたちで単純労働に従事する外国人を受け入れているのか、そこにどのような問題があるのか、なぜそのような問題が生じているのかを構造的に理解・検証する必要があると考えました。


そこで今回は、単純労働分野での外国人受け入れの主要な窓口である「外国人技能実習制度」をテーマとして取り上げました。

 


繰り返しになりますが、外国人技能実習制度は、「技能移転による国際貢献」という名目を掲げながらも、その実態は、「国内の人手不足の解消」のための単純労働であると指摘され続けています。

本特集ではこの、「名目と実態」が乖離しているがゆえに「実習生」「実習生を受け入れる企業」「日本社会」に起こっている問題を見ていきます。

 

第1章「実習制度」

 

 

第1回【「ベトナムに帰っても農業はしませんよ」。実習生のリアル】では、そもそも「外国人技能実習制度」とは何なのか、なぜ名目と実態の乖離した制度が成立したのかその経緯を見ていきます。

 

第2章「実習生」

 

 

第2回は【「息子の手術代を稼ぐため」来日した実習生は、なぜ失踪したのかある実習生のエピソードとともに、なぜ外国人は実習生として来日し、中には失踪する人もいるのかを考えます。

 

第3章「受け入れ先」

 

 

第3回【「気のいいおじさん」を変えてしまう実習制度】では、実習制度の名目を維持するためのルールが、受け入れ先企業にどのような影響を与えているのかを紹介します。

 

第4回は【実習生を安い賃金で働かせてぼろ儲け? 企業の現状】。実習生の多くは最低賃金で働いています。では、実習生を受け入れている企業は安価な労働力を確保できた分、大きな利益を上げているのでしょうか?

 

第4章「社会」

第5回は、【「見えない外国人」を生まないために、今日本がなすべきこと】。果たして実習制度や新在留資格で、外国人はこれからも日本に働きに来てくれるのでしょうか。

 

 

第5章「コラム」リディラバ安部が考える「技能実習制度」の問題点】では、実習制度の根本原因である「名目と実態の乖離」が、社会に与える影響について、編集長・安部が綴ります。

 


構造化特集 : 外国人技能実習制度

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実習制度
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