熟睡なんてできるわけない。ホームレスの宿命 | Ridilover Journal(リディラバジャーナル)
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特集
ホームレス:彼・彼女らが失い、取り戻すもの
第四回

熟睡なんてできるわけない。ホームレスの宿命

 

「今までも、殴られたこともあれば、携帯や財布、自転車まで盗まれたこともある。だから、熟睡なんてできるわけがない。ホームレスの宿命や。熟睡なんてしたらあかんねんて。今回のことがあって、寝られなくなるんじゃないかと聞かれるけど、元々熟睡してへん。だから今回も、2時くらいやったけどにおいですぐ起きたで」
2016年、大阪で襲撃された男性の言葉です。男性は高速道路の高架下で寝ていたところ、布団に火をつけられたといいます。
このエピソードを紹介してくれた川口加奈さんは、14歳、中学2年生のときホームレス問題に興味を持ち、炊き出しに参加。さらに調べているうちに「襲撃問題」を知り、ホームレス問題に本格的に取り組むことになりました。現在は、自身が設立した「特定非営利活動法人 Homedoor(ホームドア)」(大阪市北区)の理事長として、ホームレス支援を行っています。
 

「以前、私たちがアンケートを取った時、4割くらいの方が襲撃を経験しているというデータが出ました。20年くらいの間に、全国で20人ほどの人が襲撃によって命を落としています」
と説明するのは、大学生の頃からホームレスの支援活動を行う立教大学大学院特任准教授の稲葉剛さん。

 

このアンケートとは2014年、生活困窮者への相談・支援活動を行う「自立生活サポートセンター・もやい」などがおこなったものです。都内の347人に聞き取りをしたところ、襲撃経験について22人(6・9%)が「よくある」、63人(19・8%)が「たまにある」、41人(12・9%)が1度は経験があることを意味する「ほとんどない」と回答。約40%の人が襲撃された経験があることが明らかになりました。

 

襲撃という命に関わる危険だけでなく、ホームレス、とくに路上生活には、心身の健康を害するような問題が数々あります。

健康も大切な「資産」の一つです。今回は、下図の中央下部「路上生活状態」を続けることが、どのように健康に影響していくのかを見ていきます。

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特集 ホームレス:彼・彼女らが失い、取り戻すもの 全11回
0章 はじめに
1章 ホームレスになるとき
2章 ホームレスになったとき
3章 ホームレスを脱するとき
4章 障害者がホームレスになるとき
5章 障害者がホームレスになったとき
6章 障害者がホームレスを脱するとき
7章 安部コラム
ホームレス
全11回
2-2.熟睡なんてできるわけない。ホームレスの宿命