原告側・南和行弁護士が指摘する大学の問題点とは | Ridilover Journal(リディラバジャーナル)
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特集
カミングアウトとアウティング:悲劇を繰り返さないために
第三回

原告側・南和行弁護士が指摘する大学の問題点とは

2015年、同級生から同性愛者であることを同意なく暴露(アウティング)された、一橋大学法科大学院の男子学生Aさん(当時25歳)が、その2ヶ月後に亡くなった「一橋大学アウティング事件」。

 

翌年、Aさんの両親は、Zさんと一橋大学を提訴。Zさんとは和解したが、大学との裁判は継続。その判決が、2019年2月27日に言い渡される。

 

判決に先立ち、この裁判で原告側代理人を務める南和行弁護士に、編集長・安部がインタビュー。今回は、事件や裁判を通して南さんが問題だと感じた、一橋大学の「エリート大学ゆえの問題点」とは何なのかを聞いた。
 

※この記事は、全三回の後編です。

前編:原告側・南和行弁護士が語る「死の原因は同性愛ではない」

中編:原告側・南和行弁護士が「アウティングは不法行為」とする理由


南弁護士(右)の話を聞く編集長・安部

優秀な学生が集まる大学ゆえの問題点

——裁判所に提出した陳述書で、Aさんの妹は「一橋大学が、性的指向の問題や当事者のおかれた状況に関し知識も素養もなく、Aの事を通じて改善していこうという姿勢も全く見られないのが非常に残念です」としています。南さんも同じような感想をお持ちですか。

 

はい、そう思います。そして、その理由として、一橋大学が優秀な学生の集まるエリート大学だからなのでは、と感じる面があります。


 

——エリート大学だから、ですか。

 

優秀な学生が集まっているので、大学側としても「色々な揉め事やトラブルがあっても、自分たちで解決する力があなたたちにはあるでしょう。大学が出ていくのは、最後の最後、よっぽどの問題のときだけ」と思っているように感じます。

 

その根拠の一つが、ハラスメント相談室の細則の薄さ。

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特集 カミングアウトとアウティング:悲劇を繰り返さないために 全10回
0章 はじめに
1章 一橋大学アウティング事件
2章 LGBTとは
3章 カミングアウト
4章 カミングアウトと人間関係
5章 アウティング
6章 所属組織
7章 相談機関・支援団体
8章 安部コラム
カミングアウトとアウティング
全10回
1-3.原告側・南和行弁護士が指摘する大学の問題点とは