

2015年8月、告白した男性同級生から同性愛者であるこ
2015年8月、告白した男性同級生から同性愛者であることを同意なく暴露されたことをきっかけに、一橋大学法科大学院の男子学生が亡くなりました。本特集では、その遺族や原告側代理人弁護士などへの取材を通して、アウティングやカミングアウトに伴う困難や対応のあり方について考えます。

2015年8月、告白した男性同級生から同性愛者であることを同意なく暴露されたことをきっかけに、一橋大学法科大学院の男子学生が亡くなりました。本特集では、その遺族や原告側代理人弁護士などへの取材を通して、アウティングやカミングアウトに伴う困難や対応のあり方について考えます。
2015年8月、告白した男性同級生から同性愛者であることを同意なく暴露されたことをきっかけに、一橋大学法科大学院の男子学生が亡くなりました。本特集では、その遺族や原告側代理人弁護士などへの取材を通して、アウティングやカミングアウトに伴う困難や対応のあり方について考えます。




カミングアウトを受けた人の相談を受け付けているのは、何も筑波大学のような組織だけではない。
セクシュアルマイノリティの支援を行う特定非営利活動法人SHIP(横浜市)では、「SHIPにじいろキャビン」というコミュニティスペースを設け、LGBT当事者などが自由に集える場所の提供を行うほか、当事者はもちろんのこと、カミングアウトを受けた人からも、対面や電話で相談を受け付けている。
課題を抱える「カミングアウト受けた人」へのアウトリーチ
「カミングアウトを受けた人からの相談ももちろんあります。その大半が、トランスジェンダーの子どもから相談を受けた母親や養護教諭です」
そう説明するのは、SHIPで対面による心理カウンセリングを担当する臨床心理士・宮島謙介さん。
5年にわたって相談対応を続けているという宮島さん。
宮島さんによると、小学生から高校生のトランスジェンダーの場合、二次性徴や学校で着用する制服に関する悩みが生じ、親や教師にカミングアウトするケースが多いという。そして、カミングアウトをされた大人が、対応についてSHIPに相談する。
「ただ、友人からカミングアウトされたという相談の記録は、電話でも対面でも見たことがないんです。それが気にかかっています」と宮島さん。
相談がないのであれば、問題ないのでは——。その考えを宮島さんは否定する。
「当事者から『友人にカミングアウトした』という話はとてもよく聞くんです。そうした話を聞いていると、カミングアウトを受けた側はどうしていいかわからなくて戸惑っているケースもあるように感じるからです」
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