Ridilover Journal(リディラバジャーナル)
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子育てに対する自己責任論からの脱却を

児童養護施設 孤立の連鎖を断ち切る

全国の児童養護施設で暮らす子どもの入所理由としてもっとも多いのは親の虐待。施設にいる子どもの約...

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高齢者の住まいの難問―業界横断で問うべき「老後の幸せ」―

R-SIC 借りられない、暮らせない――。危機に瀕する「高齢者の住まい」

孤独死などを恐れて「65歳以上の一人暮らしはお断り」とする賃貸マンション、アパートがあるのをご...

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NPOのバックオフィスに必要な「攻めと守りのバランス」とは?

R-SIC バックオフィスの名手たち

さまざまな社会問題におけるアクターとして、いまや不可欠な存在と言えるNPOをはじめとするソーシ...

注目の記事

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生徒、教員、理事会みんなが経営感覚を持って学校を変える

教育

人口減少社会において、生徒をいかに集めるか。今、学校現場でそうした経営スキルが求められている。そこで学校改革を実践し、成果を出してきた先駆者たちに、そのセオリーについて語ってもらった。     (写真左から) 日野田直彦(武蔵野女子学院 学校長) 石川一郎(香里ヌヴェール学院 学院長、21世紀型教育機構理事) 五十棲浩二(聖光学院中学校高等学校) 荒井優(札幌新陽高等学校 校長)   ※本特集は全三回でお送りします。 第二回:学校現場の組織改革と人材マネジメント 第三回:学校経営におけるKPIと未来の学校のあり方 ハードばかりにお金を注ぎ込む経営判...

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被害者が語る「痴漢に遭うこと」のリアル

痴漢大国ニッポン

2017年10月、フランスで『Tchikan(痴漢)』という本が出版されました。   同書は、フランス在住の日本人の佐々木くみさんが、日本で学校に通っていた6年間、痴漢被害に遭い続けていた実体験を語ったものです。   フランス人の小説家エマニュエル・アルノーさんとの共著で、小説ながらほとんどの内容が実話に基づいています。   「世界で最も平和な国」であるはずの日本で、痴漢という“性暴力”が常態化している——。   その事実に多くのフランス人が衝撃を受け、国営チャンネルでの単独インタビューや大手フランス紙でも多数書評が掲載されるなど、大きな反響を呼びました。   フランスで『Tchikan』を出版した佐々木くみさ...

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認識できない被害…男たちの「#MeToo」

男たちの「#MeToo」

前回、中学生時代の被害体験を告白した男性。実はこの男性は、リディラバジャーナルの「痴漢大国ニッポン」の特集で痴漢加害者として登場した男性でもある。   Shutterstock.com   「痴漢大国ニッポン」特集の記事では、30年間、痴漢をしつづけてきたという話について、3時間にわたって話を聞いた。男性曰く、男性の加害による痴漢被害者は、3万人はくだらないかもしれず、痴漢という行為に依存していた日々について赤裸々に語ってくれた。   痴漢特集の記事の取材をして数日後、男性から「実は、自分も中学生のときに性暴力被害を受けていた」という連絡があった。そして改めて男性にインタビューを敢行。被害者であったはずの男性がなぜ、加害者になってしま...

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もしかして妊娠している……。身近な人に相談もできず、困惑する母親たち

特別養子縁組

「本当に、本当に可愛くて。本当に可愛くて、やっぱり養子縁組はやめたいなと思うことは何度もありました」   電話越しにそう語るのは24歳でパートナーとの間に生まれた子どもを特別養子縁組に託した、原田さん(仮名)。   原田さんは、家庭の経済状況と精神疾患を患っている自身の心身を考慮して、みずから子育てができる状況ではないと判断し、子どもを別の家族に託す特別養子縁組に出すことを決めた。   子どもが可愛くて仕方ない。それでも養子縁組をする 原田さんは、妊娠中は「身体的にも精神的にも厳しい状況」にあり、子どもが生まれてくることに対して嫌悪感を抱いたこともあったそうだ。   しかし、生まれた子どもを見てその気持ちは大きく変わ...

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「風俗以外で働いたことがない」。履歴書に書けない空白期間

性風俗

「変わった方がいいのか、好きなことを続けてのらりくらり、ホームレスでもいいやっていうのか、今かなり迷っている感じ。まぁ20年もいたから」   風俗嬢を長くやっている女性の中には、「いつ辞めるのか」と将来について漠然とした不安を抱える女性も少なくありません。冒頭のリエさんもその一人。   第十回で見てきたように、この仕事で稼いだことのある人ほど、業界から抜け出せなくなる大きな要因の一つは、貯金や生活水準などの金銭的な習慣です。   さらに、若い頃から長年性風俗で働いている女性の中には、性風俗や水商売以外の仕事をしたことがない人もいます。そして「今更昼の仕事はできない」と転職をためらってしまうのです。   風俗嬢は、自身を次のキャリアにどう繋...

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障害者雇用促進のために、私たち一人ひとりにできること

障害者雇用

「私も子どもを産むまでは、障害について何も知らなかったです」 そう語るのは、子どもに知的・身体の重複障害がある小木曽(おぎそ)正子さん。障害や障害者を取り巻く状況について、子どもが生まれてから初めて知ることばかりだったそうです。   「子どもを産むまで障害について何も知らなかった」と語る小木曽さん。   第二回では、企業で障害者雇用が進まない背景に、「無知」「偏見」があると紹介しました。   ですが、企業だけが障害について知らないわけではありません。社会全体が知らないために、企業の採用の現場にも影響しているのです。   そこで今回は、なぜ障害や障害者雇用が社会で知られていないのか。そうした状況を変えるための取り組み。...

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加害者には女性も…男たちの「#MeToo」

男たちの「#MeToo」

「知人の女性に無理やりセックスを強要されて以来、私は勃起しなくなり、セックス自体できなくなってしまいました。もともと私は彼女のことを人として信頼していた。そうした信頼関係がすべて崩れてしまったのも大きかったと感じます」   そう話すのは、玄野武人さん(50代)。玄野さんが被害に遭ったのは20代のとき。加害者は、趣味のサークルで知り合った20代の女性だった。     「彼女からは好きだから付き合いたいと言われたんです。私も最初は彼女の好意に応えようと思っていたし、身体を求められれば、セックスをしていました。でも彼女は性依存症だったんです」   玄野さんは、次第に性行為を拒むようになったと話す。   「それでも、彼女は毎日家にや...

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子どもが自殺に至る「危険因子」を考える

子どもの自殺

「さまざまな社会問題が最も深刻化した末に起きるのが自殺です。自殺というと、亡くなり方が衝撃的であるがゆえに、最後のその瞬間的な行為だけに注目が集まりがちですが、『もう生きられない』『死ぬしかない』という状況に追い込まれていくプロセスを含めて捉える必要がある。そこに至るまでに何があったのかを考えないといけないんです」   そう語るのは、自殺対策に取り組むNPO法人ライフリンク代表の清水康之さん。     「なぜ自殺したのか」という問いは、自殺という問題をめぐる最も大きな関心ごとでもある。自殺した本人が遺書を残しているケースではその答えはある程度明確になるが、大人に比べると子どもの自殺では遺書がないケースのほうが圧倒的に多い。   ...

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元小児性犯罪者の告白「殺しても構わないと思っていた」

小児性犯罪

※本記事では、子どもに対する性暴力加害にも触れます。実態をお伝えするために、生々しいエピソードがあるため、フラッシュバックやPTSD(心理外傷後ストレス障害)を懸念される方は、十分に注意しながらご覧ください。   「数日前から、“そういうこと”ができそうな子どもを探していたんです。学校から帰宅途中の男の子の後をつけてみたり、商店街のトイレで待ち伏せしたり。そのときは、カッターナイフやガムテープ、ロープを事前に用意していました。子どもが騒いだときのために」   そう話すのは、小児性犯罪を犯したことのある首都圏在住の50代の男性。過去に子どもを狙った加害行為を繰り返してきたという。その動機は、いずれも自らの性的欲求を満たすためだった。   ...

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原告側・南和行弁護士が「アウティングは不法行為」とする理由

カミングアウトとアウティング

2015年、同級生から、同性愛者であることを同意なく暴露(アウティング)された、一橋大学法科大学院の男子学生Aさん(当時25歳)が、その2ヶ月後に亡くなった「一橋大学アウティング事件」。   翌年、Aさんの両親は、暴露した同級生のZさんと一橋大学を提訴。Zさんとは和解したものの、大学とは裁判が継続。その判決が、2019年2月27日に言い渡される。   判決に先立ち、この裁判で原告側代理人を務める南和行弁護士に、編集長・安部がインタビュー。   今回は、裁判でアウティングを“不法行為”と主張する根拠や、アウティングの問題点について聞いた。   ※この記事は、全三回の中編です。 前編:原告側・南和行弁護士が語る「死の原因は同性愛...

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いま、社会的養護の転換期にある日本

特別養子縁組

「児童養護施設の問題点について、一つの事例を見せたい」 そう言ってNPO法人フローレンス(東京都)代表の駒崎弘樹さんはスマートフォンを開いた。     施設内で暴力が振るわれている様子が書かれた手紙(フローレンス駒崎さん 提供)   そこに映っていたのは、ある知的障害を持った女の子が里親宛てに書いた手紙だった。   「ここに書いてあるのは、施設内虐待の話なんです。障害を持つ子が虐待されていることがあります。ここには書いていないのですが、この女の子は性的虐待を受けていました。それを里親さんのところに行ってはじめて打ち明けてくれたんです」   駒崎さんは「もちろん、全ての児童養護施設が悪いわけではありません...

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「医療は人を罰するものではない」産婦人科医が語る日本の中絶現場の課題

若年妊娠

世界では薬の服用による、安全な中絶方法(Safe Abortion)が認められているにもかかわらず、日本では「時代遅れ」といわれる中絶手術がいまだに行われている。   医療先進国といえる日本でなぜこうした事態が生じているのか――。   中絶についての研究を行う産婦人科医の遠見才希子(えんみ・さきこ)さんは、世界から遅れた中絶現場の実態を掘り下げると、社会的な中絶罪悪視や男尊女卑、既得権益などの問題があるのではないかと言う。   今回は遠見さんに、日本の中絶からみえてきた医療現場の課題について聞いた。   産婦人科医の遠見さん。 「時代遅れ」といわれる中絶方法 ――まず、日本で行われている中絶方法について...

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生活保護、利用に立ちふさがる“もう一つの壁”

生活保護バッシング

「私には、生活保護を利用することが“恥”だという意識はほとんどありませんでした」   そう話す元生活保護利用者である和久井みちるさんだが、自身がこれまでに出会った生活保護利用者およそ100人の大半が「利用に恥を感じていたのではないか」という。   「生活保護は、困ったときに助けてもらうだけで、決して楽をしているわけではありません。むしろそれしか手段がない。もしも助けがいらなくなったら、今度は自分が助ける側に回ればいいし、それだけのことじゃないかなと思うんですが」     現実には、利用しながら恥を感じるだけでなく、生活に困窮しながらも恥を優先し、利用しない人も多い。   「でも、そんな世の中でいいのかなと思うんです。本当に問...

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元痴漢加害者の告白「何度捕まってもやめられなかった」

痴漢大国ニッポン

※本記事では、性暴力加害にも触れます。実態をお伝えするために、生々しいエピソードがあるため、フラッシュバックやPTSD(心理外傷後ストレス障害)を懸念される方は、十分に注意しながらご覧ください。   大学生から痴漢をはじめて、その後30年もの間、痴漢行為を繰り返してきたと語る男性。前回に続く本記事では、逮捕後もなぜ痴漢をやめられなかったのか、そしてどのように痴漢から脱することができたのかについて聞きました。   ーー前回、30年間にわたってほぼ毎日、痴漢行為をされていたというお話を伺いました。   往復の通勤電車の中でほとんど毎日痴漢をしていました。朝は通勤ラッシュで満員電車ですし、夜も帰宅ラッシュの時間になると満員電車になる。 ...

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当事者と専門家が語る万引き依存症「反省させるのは逆効果」

R-SIC

被害総額1日13億円、年間5000億円、日本一発生件数の多い犯罪である万引き。   万引きが行われる原因はさまざまだが、一般的にイメージされやすい貧困によるものではなく、むしろ経済的には恵まれているにもかかわらず、万引きという行為そのものに耽溺する人たちがいる。   2018年に刊行された『万引き依存症』(イースト・プレス)の担当編集者であるフリー編集者の三浦ゆえさんがモデレーターを務め、これまで数多の万引き依存症の人たちの治療にあたってきた大森榎本クリニック精神保健福祉部長で精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんと、かつて万引き依存症だった女性のMさんが、その病の実態を語った。   ※本記事は、リディラバが主催する社会課題カンファレンス R-SI...

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性をテーマとするソーシャルセクターが直面する分断とは

R-SIC

社会には“性”が引き起こす分断が根強く存在し、性に関連するソーシャルビジネスやソーシャルアクションを起こすときも壁として立ちはだかる。分断を乗り越えるためには、何が必要なのか。   重度身体障がい者に対する射精介助サービスや、風俗嬢向けの法律相談事業などを提供する坂爪真吾さんがモデレーターとなり、風俗嬢のセカンドキャリア支援に取り組んできた角間惇一郎さん、元風俗嬢で性教育や感染症予防の啓蒙活動を行う水嶋かおりんさんと共に、あまり表立って議論されることのない性にまつわる分断と解決策を探った。   ※本記事はリディラバが主催するカンファレンスR-SICのセッション「その分断、性が原因かも?」を記事にしたものです。  性をテーマにすると、関わる人が限定さ...

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いじめから性暴力に…男たちの「#MeToo」

男たちの「#MeToo」

※本記事では、性暴力加害にも触れます。実態をお伝えするために、生々しいエピソードがあるため、フラッシュバックやPTSD(心理外傷後ストレス障害)を懸念される方は、十分に注意しながらご覧ください。       「中学校1年生のときに先輩からレイプされました」ーー。   そう語るのは、性暴力被害者の男性・暗器使い(Twitter上でのハンドルネーム)さん。いじめの延長として、性暴力行為を受けていたと話す。性暴力が語られる際、どうしても論点としてこぼれ落ちてしまいがちな男性の被害。   2016年だけでも強姦と強制わいせつは、合計7000件以上の被害が認知されているものの、実際には数倍もの人が被害を経験していると言われている。と...

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当事者にはどうしようもない「線引き」

難病

「私たちは、難病患者が各疾患ごとに当事者団体をつくるお手伝いもしています。なぜそうした活動をしているかというと、研究班の医師たちに働きかけるためというのもありますが、研究開発のための疾患データを集めるには、当事者団体による患者集めも重要だからです」   そう説明するのは、難病の当事者団体である一般社団法人「日本難病・疾病団体協議会」(以下JPA、東京都豊島区)代表理事の森幸子さん。   自身も難病、全身性エリテマトーデスを患う難病患者の森さん。   森さんのことばにもあるように、JPAでは希望者に向けて、当事者団体の設立の準備から情報発信の仕方まで支援を行なっています。   実は、当事者団体をつくり、疾患データを集めるとい...

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ソーシャルセクターのバックオフィスに求められること

R-SIC

さまざまな社会問題におけるアクターとして、いまや不可欠な存在と言えるNPOをはじめとするソーシャルセクター。だがその実態は、事業の推進力はあるものの、バックオフィスの業務についてはまだまだ脆弱という団体も少なくない。   ソーシャルセクターのバックオフィスに求められる役割とはどんなことか。そして、その意義や重要性はどんなところにあるのか。   東京工業大学准教授の西田亮介さんをモデレーターに、特例認定NPO法人e-Educationの元事務局長である薄井大地さん、認定NPO法人フローレンスのディレクターである宮崎真理子さんが語り合った。   ※本記事は、リディラバが主催する社会課題カンファレンス R-SIC 2019のセッション「バックオフィ...

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暴力で歪められた関係性

ドメスティック・バイオレンス

暴力をふるわれても、被害者が加害者との関係性を維持しつづけてしまう――。   そんな状況が生じるのが、配偶者や恋人など親密な関係にある人からふるわれる暴力「ドメスティック・バイオレンス(以下、DV)」だ。   被害者に対して「暴力が嫌ならば、別れればいい」という意見もあるが、容易に逃げられないのには理由がある。    (Shutterstock) 「被害者」という自覚がない まず、被害者自身が“DV被害者”だと認識していないケースがある。   同棲していた男性から暴行被害を受けていたという春木佳菜子さん(30代、仮名)は、インターネット上のDV経験者のコミュニティに寄せられる相談について次のように話す。   ...

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支援者の分断を越えて、すべての子どもにとってベストな選択肢を

特別養子縁組

施設養護側と家庭養護側には分断がある――。   こう話すのは、児童養護施設の子どもたちの支援などをおこない、社会的養護に詳しいNPO法人Living in Peace(東京都)代表の慎泰俊(しん・てじゅん)さんだ。   「機会の平等を通じた貧困削減」を目指す認定NPO法人Living in Peace代表の慎泰俊さん。社会的養護下に暮らす子どもたちの支援活動している。   生みの親のもとで暮らせない子どもたちを児童養護施設などの「施設」で養育する場合と、里親や特別養子縁組など「家庭」で養育する場合。   どちらも子どもの福祉のために公的責任のもと、社会で子どもを育てていこうという目的は変わらないはずなのですが、両者の間には...

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「99.999999%がお金のため。それくらい、風俗嬢はきつい仕事です」

性風俗

「お金以外で何をきっかけに? ほとんどいないですよね。たまに記事とかで『エッチが好き』とか言う人がいるって見るけど、私の周りにはいないし」   リエさん(仮名)は、関東圏のソープランドで18年働いています。待機中の雑談などで、女性同士ソープランドで働き始めたきっかけの話をすることもあるそう。   「例えば私の若いときの友達でいたのは、もともと看護師やってて車のローンが払えなくなって。あと働きながら子どもを育てるためにって人もいるし、風俗で働き始めてからホストにハマって、どんどんお金が必要になる人もいるし」   お金のために。リスクを抱えるきつい仕事   リエさんは、自身が18年前に風俗嬢を始めた理由を振り返る。 ...

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「痴漢大国」からの脱却は不可能なのか

痴漢大国ニッポン

「そもそも痴漢は社会問題にすらなっていない。警察や鉄道会社の対応を見ていても、真摯に痴漢問題に向き合おうとしているとは、どうしても思えません。それは、痴漢という問題が社会的に軽視されていることの表れだと思います」   文化学の観点から痴漢問題について研究してきた大阪大学の岩井茂樹准教授はそう話します。     「私が痴漢の研究をしていて強く感じるのは、社会は痴漢について“何もわかっていない”ということです。そして決定的なのは、“わかろうとしていない”ということなんです」 痴漢撲滅の取り組みの現状 これまでの特集を通じて、痴漢という問題が社会的に軽視され、その背景には痴漢被害の深刻さが社会に共有されていないことなどを見てきました。...

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被害総額1日約13億円…万引きに耽溺する人々の実態

R-SIC

被害総額1日約13億円、年間約5000億円、日本一発生件数の多い犯罪である万引き。   万引きが行われる原因はさまざまだが、一般的にイメージされやすい貧困によるものではなく、むしろ経済的には恵まれているにもかかわらず、万引きという行為そのものに耽溺する人たちがいる。   2018年に刊行された『万引き依存症』(イースト・プレス)の担当編集者であるフリー編集者の三浦ゆえさんがモデレーターを務め、これまで数多の万引き依存症の人たちの治療にあたってきた大森榎本クリニック精神保健福祉部長で精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんと、かつて万引き依存症だった女性のMさんが、その病いの実態を語った。   ※本記事は、リディラバが主催する社会課題カンファレンス R...

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先生からの性暴力…男たちの「#MeToo」

男たちの「#MeToo」

※本記事では、性暴力加害にも触れます。実態をお伝えするために、生々しいエピソードがあるため、フラッシュバックやPTSD(心理外傷後ストレス障害)を懸念される方は、十分に注意しながらご覧ください。 前回の暗器使いさんに続き、取材に応じた男性(50代)が性暴力被害に遭っていたのは、中学校1年のとき。自らの被害体験について、赤裸々に告白した。   「中学生の頃、私はバレーボール部に所属していました。あるとき、バレーボール部の顧問の先生にシャワー室に呼ばれて、一人でシャワーを浴びていたんです。何かが近づいてきたと思ったらその先生で、いきなりキスされた。結構ディープなもので、そのまま手淫されました。正直に言うと、気持ち悪いけど気持ち良くもあって、そのまま射精して...

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「障害児の親になる」のは決して不幸なことではない 

R-SIC

産まれてきた自分の子どもに障害があったら、子育てをしていく上で何を思い、どんなことに悩むのだろうか。   また、障害者が社会で自立して生活していくために必要なこと、変えていかなければいけないことはどのようなことがあるのか。   経済学の観点から障害者が最大限能力を発揮できる社会を提言した『障害者の経済学』著者で慶應義塾大学商学部教授の中島隆信さんと、障害者の自立支援を行うNPO法人AlonAlon理事長を務める那部智史さんは、ともに障害のある子どもの親だ。   中島さんの子どもは脳性まひが、那部さんの子どもには最重度知的障害がある。   株式会社LITALICO 社長室チーフエディター/NPO法人soar 理事でもある鈴木悠平さんが、障害...

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「心のSOS」摂食障害の根底にあるもの

摂食障害

中学時代の友人に、「太ったね。誰だか分からなかったよ」と言われたことを機にダイエットを始めた渋谷哲生さん。渋谷さんは、次第に体重を減らすことに夢中になっていきました。   渋谷さんは現在、みずから立ち上げた摂食障害の当事者団体「たちあおい」(埼玉県・さいたま市)を運営しています。   渋谷さんは「新しい人と関係を築くのが不安で自分から友人に話しかけることできなかった」という理由で、高校を1ヶ月で中退。部活動もなくなり、昼夜逆転の生活のなかで体重は増加。そのときに言われたのが冒頭の友人の言葉でした。   子どもたちに笑われながらもサウナスーツを着て歩き、半身浴をし、サンドバックや足ふみ機など、家でもできるダイエットグッズを購入。   と...

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「トイレに行くのも一苦労」な先生の日常

教員の多忙化

「学校に着くととりあえず自分のクラスに顔を出すんですが、朝の会では担任不在の隣のクラスに移動。自分のクラスにいるのは授業1時間と給食、帰りの会だけなんてこともありました。卒業式間近は連日午後10時、11時まで学校にいて、いちばんひどい時は午前2時までいたことも。毎日つらくて泣いていました」   そう過去の勤務状況を振り返るのは、西日本の公立小学校に勤務する20代の女性教員、矢嶋菜々さん(仮名)。   (milatas/Shutterstock.com)   2018年9月27日、文部科学省は「教員勤務実態調査」(2016年度実施)の分析結果を公表した。それによると、公立小中学校教員の平均時間外勤務(以下、残業時間と表記)はそれぞれ59...

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部活動から考える教員の多忙化

教員の多忙化

中学校教員の多忙化を語る際外せない、部活動。   2016年度、文部科学省が公立学校教員を対象に実施した「教員勤務実態調査」。この調査では業務内容別に、1日あたりの学内勤務時間を調べている。   中学校教員の土日の業務で最も長かったのは、部活動で2時間9分。2006年度の前回調査から1時間3分も増加している。   しかし法律的には、授業のような必ずしなければならない“教員の仕事”とは言い切れない。   それでも部活動が拡大・定着していった背景にある歴史や教員たちのジレンマについて、部活動に関する研究や著作のある、早稲田大学スポーツ科学学術院の准教授・中澤篤史さんに話を聞いた。 あいまいな存在、部活動 ——ズバリ...

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子どものためにならない、教員の多忙化

教員の多忙化

「教員になった時、公立の授業ってこんなにひどいのか思って愕然としました」   そう明かすのは、ツイッターなどを通して教員の生の声を発信している、東日本の公立高校教員・斉藤ひでみさん(ハンドルネーム)。斉藤さんは、教員の多忙化によって授業の質の低下という問題が生じていると指摘する。   斉藤さんは定時退勤の実践に勤めているが、実際定時に帰ると自宅で授業準備などをしないと仕事が終わらないという。   教員の多忙化によって生じている問題はこれだけではない。現場の教員らからは、安全管理、労働観の形成などの観点でも問題があるという声が聞かれた。   今回は、教員の多忙化によって、学校現場でどのような問題が生じているのかを見ていく。 ...

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「ひとりで学校に通う権利を」医療的ケア児の就学

医療的ケア児

親と一緒に学校生活を送ることを強いられる子どもたちがいる。   日常的に人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアを必要とする「医療的ケア児」と呼ばれる子どもたちだ。   医療的ケアを必要とする子どもたちの中には、知的障害および重度の肢体不自由が重複した子どもいれば、知的障害がない子どもや、歩いたり走ったりできる子どももいる。   しかし、どのような状態であっても、学校に通うためには医療的ケアを行う看護師や保護者等の付添いが必要だ。   知的障害があり身体を自由に動かせない「重症心身障害児」や、「医療的ケア児」を対象とした通園施設運営などを行う「FLAP-YARD」(東京都足立区)施設長の矢部弘司さんは、「普通学級...

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「金がないなら高卒で働け」は妥当な意見なのか?

奨学金制度

最終学歴によって平均賃金に差があることは厳然たる事実である——。   政府は、2017年末に閣議決定された「新しい経済政策のパッケージ」で、こう指摘している。   独立行政法人「労働政策研究・研修機構」の調査(2016年)で、最終学歴が高卒と大卒の人では、生涯賃金に7500万円程度の差があることがわかっている。     さらに、「2012年高卒者保護者調査」によると、年収400万円以下の世帯の大学進学率は27.8%。一方、年収1050万円以上の世帯では62.9%というデータも存在。   こうしたデータをもとに政府は「貧困の連鎖を断ち切り、格差の固定化を防ぐため、どんなに貧しい家庭に育っても、意欲さえあれば専修学校、大...

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リディラバ安部が考える「外国にルーツを持つ子どもたちの教育」

外国ルーツの子ども

みなさん、こんにちは。 リディラバジャーナル編集長の安部です。   今回は「外国にルーツを持つ子どもたち」について取り上げましたが、みなさんはどんなことを考えましたか?   余談ですが、最近Twitterに力を入れ始めたので、Twitterユーザーのみなさんは、「#リディラバジャーナル」で感想をツイートしてもらえたら嬉しいです。 多様化・複雑化する子どもたちのバックグラウンド 今回の特集では、外国にルーツを持つ子どもたちの教育環境に焦点をあてて、その課題を見てきました。   彼ら彼女らの中には、家庭の都合によって、母国の友人たちと離れ離れになり、不本意ながら来日した子どももいます。   そうした中で、文化も言語も異なる学...

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リディラバ安部が考える「若年妊娠」を取り巻く問題

若年妊娠

みなさん、こんにちは。 リディラバ ジャーナル編集長の安部です。   今回の特集では「若年妊娠」を切り口に、避妊、中絶、出産をめぐる日本の課題をみてきました。   10代での妊娠というと、ゴシップネタ的に取り上げられたり、「避妊せず性行為をするなんて」と叩かれたりしがちです。   ですが、若年者が意図しない妊娠によって困難を抱える背景には、適切な性教育の不足、避妊法へのアクセスハードルが高い環境、中絶や出産支援に関する制度設計の不備など、様々な社会的要因があります。   責任は女性に押し付けられる一方、制度設計には女性の視点なし しかし現状では、10代で妊娠した女性自身が若年妊娠を「悪いこと」と捉えて、退学...

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“転職支援のプロ”が、NPOに転職して感じたこと

ソーシャルセクターのキャリア論

ソーシャルセクターで働く人の“キャリアのリアル”とは。   今回は、大手人材会社パーソルキャリア株式会社から特定非営利活動法人クロスフィールズに転職した竹内麻衣さん。   パーソル時代には、ソーシャルセクターの人材募集に特化したイベント「DODAソーシャルキャリアフォーラム」を企画するなどした“転職支援のプロ”に、自身の転職やキャリアについてお聞きした。 「ビジョンマッチ」が転職の決め手 ――ビジネスパーソンを新興国のNPOへ派遣し、現地の社会課題解決に取り組むプログラム「留職」を提供するクロスフィールズに転職したのは、どんな理由があったんですか。   純粋にビジョンがマッチしたからです。ソーシャルセクターだからということではなく、たまた...

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読者発イベント「リディラバジャーナル読書会in名古屋」に潜入してきました!

読者発!

2018年6月17日(日)、名古屋市で読者による「リディラバジャーナル読書会」が開催されました。   実はこれ、読者発の企画なんです。 どんな会なのか編集部も興味津々……ということで、行ってきました読書会。   今回はその様子をレポートします!   会場となったのは、日本福祉大学名古屋キャンパス(名古屋市中区)。     集まったのは、大学生を始め会社員、研究員、自治体職員など男女13人。   リディラバジャーナルの特集「ホームレス 彼・彼女らが失い、取り戻すもの」を読むために集まったのですが、まずは地元・愛知のホームレス問題について知るために、支援団体の方のお話を伺います。   お話ししてくだ...

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ハイスキル人材を活用する先進事例に学ぶ、自治体の組織戦略

R-SIC

人口減少や税収減などの変化にさらされる今、地方自治体には組織としての戦略の視点が求められている。   地域外からハイスキル人材を受け入れる動きも活発化しているが、その実態は思うように人材が集まらなかったり、うまく連携が取れなかったりと、課題も多い。     では、どうすればいいのか。   その問いに答えるべく、地域課題の解決を担う一般社団法人Community Future Design代表理事で広島県の福山市政策アドバイザーも務める澤尚幸さん、岡山県西粟倉村役場で地方創生特任参事と産業観光課長を兼務する上山隆浩さんが登壇。   地方創生に取り組む市町村に対し、国家公務員や民間人材を市町村長の補佐役として派遣する「地域創生人...

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社会の軽視と偏見…男たちの「#MeToo」

男たちの「#MeToo」

「性暴力被害者の男性のなかには、被害を誰にも話せずに心の傷を抱えたまま死んでいく人がいます。被害の苦しみは一生続くし、『生きていて良かった』と思えずに自殺する被害者もいます」   第1回の記事で自らの性暴力被害の体験を語った男性・暗器使い(Twitter上でのハンドルネーム)さん。   いじめが性暴力に発展し、日常的に、裸にされて殴る蹴るの暴行を加えられたり、自慰行為の強要をされたり、便器の水や同級生や先輩のした小便を飲まされたり、大便を食べさせられたりした挙句、加害男性の一人からは肛門レイプをされていた。   写真はイメージです/Shutterstock    「性暴力被害者にとって『回復』や『立ち直る』といった言葉はとても繊細...

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リーダーは一度は「事業承継」を考えてみるべき

R-SIC

次世代への事業承継は組織における大きな課題のひとつだ。とくにソーシャルセクターにおいては、事業に対する圧倒的な熱量や人脈、経営の知識などを創業者自身が握っていることが多い。   そうしたなかで、代表のバトンを受け継ぐ、あるいは託す経験を経てきたリーダーたちは何を考え、悩み、どのように乗り越えてきたのか。   今回は、当事者になった経験を持つ、ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(以下、SVP東京)元代表の岡本拓也さん、Accountability for Change元代表の五十嵐剛志さん、かものはしプロジェクト元代表の青木健太さんの3名に、社会的事業を次世代に繋げることの難しさや成功のカギを語ってもらった。   ※本記事は、リディ...

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光の陰に潜む「起業家たちの心の痛み」

起業家のメンタルヘルス

長時間労働の是正や多様な働き方を実現すべく推し進められている「働き方改革」。 しかし、その改革の蚊帳の外にいるのが起業家や経営者だ。    今回の特集テーマは「起業家のメンタルヘルス」。自由な働き方や自己実現を求めて起業するものの、さまざまな葛藤や孤独感に直面し、メンタル不調に陥る人もいる。  (UNIKYLUCKK/Shutterstock) 数々 の起業家を見てきたある著名なベンチャーキャピタリストも「これは精神疾患だろうと思われる状態の人もたくさん見てきました」と明かす。   数字に表れる起業家のメンタルヘルス問題 カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)の精神医学教授で、元起業家でもあるマイケル・フリーマン博士...

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リディラバ安部が考える「動物実験」

動物実験

リディラバジャーナル編集長の安部です。   今回の特集は「動物実験 〜科学と倫理の狭間で〜」でした。   Shutterstock   人と動物との関係をめぐるトピックは、ペット問題をはじめとして多岐にわたります。なかでも動物実験は実態がわかりづらく、報道されるケースも少ない。ですが、私たちの生活との関わりは深く、動物実験があることで人の健康や安全が保たれている側面もある。そうしたことから、今回の特集テーマとしました。 動物実験の当事者として 実は私は、以前に研究者として動物実験に関わった経験があり、このテーマの当事者でもありました。   日本で唯一の自然科学の総合研究所である理化学研究所で、脳に関する研究をし...

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ブラック企業よりブラックな学校という職場

教員の多忙化

「他業種と比べても、先生の労働時間は突出しています」   そう指摘するのは、教育研究家の妹尾昌俊さん。有識者として、文部科学相の諮問機関である「中央教育審議会」の、教員の働き方を議論する特別部会の委員も務めている。   妹尾さんは各地の教育委員会や学校でも働き方改革の講習を行っている。   第1回でも見てきたように、公立学校を対象にした調査によると、中学校教員では時間外勤務(以下、残業時間と表記)の平均が過労死ラインを超える81時間に上るなど、長時間労働が常態化している。   今回は、長時間労働により多忙化している教員のすがたを、データとともに見ていく。 10年前から増加した教員の勤務時間 2018年9...

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医療的ケア児家庭にも選択の自由を

医療的ケア児

医療技術の進歩によって新生児の救命率が向上し、生命をつなぎとめたものの日常生活においても医療的ケアを必要とする子どもたちが増えている。   宮本涼介さん、ともみさん夫妻(仮名)の娘、はなちゃん(2歳)は「痰の吸引」と、直接胃に栄養を入れる「胃ろうの注入」、「酸素投与」、「人工呼吸器の使用」の主に4つの医療的ケアを常に必要とする「医療的ケア児」だ。   今回はそんな宮本さん夫妻に子育て生活の様子や、サポート体制の地域格差などを語ってもらった。   今後ますます増えていくと考えられる「医療的ケア児」と呼ばれる子どもたち。その家族の思いや抱える課題とは――。   はなちゃんの2歳の誕生日に初めて写真屋さんで撮影した写真(宮本さん提供)。 ...

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「1~2トンはしょうがない」消費者から見えないフードロス

フードロス

(日本フードエコロジーセンター提供)   消費者の手に届くことなく捨てられてしまう大量の米。   この米はコンビニエンスストアなどの小売店から捨てられたのではなく、食品工場から捨てられたものだ。   先日話題となった恵方巻のように、最終商品にまで加工され店頭に並び、売れ残った結果捨てられてしまうのはまだ想像がつく。 しかし、この米は店舗に並ぶことすらなく捨てられる。 編集部が注目したのは、この米のような、私たち消費者には見えないところで生まれるロス。   私たちの知らないところで、毎日何千トンも発生しているロスの裏側に迫る。     今回は、図の〇の部分である加工から小売の間で発生...

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原告側・南和行弁護士が語る「死の原因は同性愛ではない」

カミングアウトとアウティング

2015年8月24日、一橋大学法科大学院の男子学生Aさん(当時25歳)が校舎から転落し、死亡した。亡くなる2ヶ月前、Aさんは以前告白した男子同級生のZさんから、同性愛者であることを同意なく暴露(アウティング)されていた。   Aさんの両親は2016年、Zさんと大学を提訴。Zさんとは和解したが、大学との裁判は継続。この裁判の判決が、2019年2月27日に言い渡される。   判決に先立ち、編集長安部が、原告側代理人・南和行弁護士にインタビュー。事件や裁判の経緯、アウティングの問題点などを、3回にわけてお送りする。   ※この記事は、全三回の前編です。 中編:原告側・南和行弁護士が「アウティングは不法行為」とする理由 後編:原告側・南和行弁護士...

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学校と家庭という「異文化」の狭間で

外国ルーツの子ども

「お金がなくて修学旅行に行けない」――。   東京都豊島区で無料学習室や子ども食堂などを運営する、NPO法人豊島子どもWAKUWAKUネットワーク理事長の栗林知絵子さんはある時こんな相談を受けた。   相談に来た子どもの母親はネパール人で、日本語能力が不十分だったため、修学旅行費などに補助が出る「就学援助」という制度があることを知らなかったのだ。   そのため、給食費や修学旅行費用が払えなかったという。   この出来事がきっかけで栗林さんらは、母親の学び場も必要だと感じ、子どもだけではなく母親を対象とした日本語教室も始めた。   このように、外国にルーツを持つ子どもたちの学校生活において、保護者とのコミュニケーションは...

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フローレンス・育て上げネット・カタリバに聞く「NPO人材の採用基準」(前編)

ソーシャルセクターのキャリア論

大手NPOでは、いまどんな人材が求められているのかーー。   保育・育児に関する社会問題に取り組む認定NPO法人フローレンス、若者の就労支援を行う認定NPO法人育て上げネット、子どもや若者のキャリア教育を事業にする認定NPO法人カタリバ。     ソーシャルセクターにおける“キャリアのリアル”に迫る本特集では、3団体の採用担当者たちに「NPO人材の採用基準」について聞いた。 3人のNPOへの転身理由 ——まず、お三方自身のことについて伺えればと思いますが、どのような経緯でそれぞれの団体に入られたんですか。    認定NPO法人フローレンス 大関香織  私は10年間で一般企業3社で人事を経験して、ちょうど2年前にフローレンスに...

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対症療法的な支援だけではダメ、東日本大震災の教訓

被災地とボランティア

東日本大震災当時、大学生ボランティアとして被災地支援を始め、大学卒業後すぐに岩手県陸前高田市広田町に移住し、市議会議員になったNPO法人SET代表・三井俊介さん。   三井さんの広田町への関わりは、「災害ボランティア」から始まりました。そして今は、地域内から「地域に関わる人」を増やしています。   写真中央の男性が三井さん。広田町の根岬漁港にて、同じく広田町に移住したSETのメンバーと地元の住民の方と一緒に(三井さん提供)。   今回の記事では、そうした事例を踏まえて、震災発生直後には認識されていなかった被災地とボランティアの関係を見ていきます。   建物の復旧などから、地域の産業・生業支援など長期的な復興の段階に移行していくにあ...

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【松尾豊×安部敏樹】 “個人”か“社会”の問題かを問う

「×リディラバジャーナル」コンテンツ

そもそも「社会問題」とは何なのか――。   本対談の前編で、知能(AI)を研究する松尾豊さん(東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター)は、「社会問題という言葉に違和感を持つことがある」と語った。   それは一体どういうことか。何をどう「社会の問題」と定義するのかは、あらゆる問題に対する問いでもある。   松尾さんと、社会問題を専門とするリディラバの安部敏樹による議論の後編をお届けする。 社会合意が難しい時代の社会問題  安部敏樹  前編で、松尾さんが社会問題という言葉に違和感を持つことがあり、何を社会問題にするのかについて議論しましたが、近年は社会合意のあり方が非常にぼやけたものになっているのも事実です。    松...

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『そうだ難民しよう!』著者とリディラバ安部が激論「難民の人権をどう考えるか?」

不認定率99.8%

世界的に最も大きな社会問題の一つとされ、世界各国での取り組みが強く求められている難民問題。かたや日本では、難民認定率は0.2%と、「難民に対して鎖国しているのではないか」と国際社会から批判をされています。   また、難民をテーマの一つとして扱った『そうだ難民しよう!』という書籍が難民関連書籍の中で最も売れているという現実があります。   それは、本特集を通じて見てきた日本における難民に対する無理解が昇華しているものだとも言えます。     彼らはなぜ難民に対して厳しい眼差しを向けるのでしょうか。前回に続き、『そうだ難民しよう!』の著者、はすみとしこさんを編集長の安部が直撃しました。     ーーー   ...

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いかに妊婦の自己決定を支援するか

若年妊娠

若年者の場合は困難のひとつともされる「妊娠」。一方で、妊娠はもともと生きづらさを抱えていた女性たちが、支援者とつながるきっかけにもなりえる出来事だ。   では、その妊娠期にどのような支援が必要なのか。今回は、児童虐待や貧困の連鎖をはじめ、さまざまな社会問題の予防につながる“妊婦の支援”について考える。 「助けて」と言える相談先がない 「出産、中絶どちらを選んでも、妊娠をきっかけに、今まで孤立していた人たちが頼れる相談先を見つけて、自分らしい幸せな人生を歩んでいってほしい」――。   こう語るのは、中島かおりさん。妊娠にまつわる相談・支援を行うNPO法人ピッコラーレ(旧・一般社団法人にんしんSOS東京、東京都豊島区)の代表理事を務める。 ...

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“権利”か“恩恵”か…生活保護に対する認識が生む弊害

生活保護バッシング

「生活保護を受けることを“恥”だと思わなくなったのが問題だ」――。   2012年に芸能人の母親が生活保護を利用していたことが明るみになった際、ある国会議員が発した言葉だ。こうした発言は、特定の議員一人から発せられたわけではなく、複数の議員が同様の発言を繰り返していた。   当時から生活困窮者の支援活動をしていた一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事である稲葉剛さんは、これらの発言によって生活保護利用者のなかで自殺者が出る事態につながらないかと、危機感を募らせていたという。   「当時、議員だけでなくマスコミも生活保護や利用者のマイナス面を強調する報道を流し続けました。普段から肩身の狭い思いをしている利用者は、ますます世間の目を意識せざるを得ないよ...

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リディラバ安部が考える「痴漢大国ニッポン」

痴漢大国ニッポン

リディラバジャーナル編集長の安部です。   リディラバジャーナルの10本目の特集は「痴漢大国ニッポンーー『社会問題』として考える痴漢」でした。これは、日本の中で「痴漢」というものが当たり前になってしまっている現状は、考えてみるとやっぱり異常だよね、という問題意識から始まりました。   家庭でお母さんが娘に「そんなにスカート短かったら痴漢されるわよ」とたしなめる光景は日本ではよく見る朝のシーンです。もちろんこれはこれで、自衛のために確かに理解できる注意なのです。しかし裏を返せば、この愛情ある注意は「痴漢される女性にも問題がある」という考えにもつながります。   私を含め、多くの男性は「痴漢における冤罪」をとても恐れています。過去、痴漢の...

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【上原大祐×安部敏樹】無理×アイデアで障害は乗り越えられる

「×リディラバジャーナル」コンテンツ

元パラリンピック銀メダリストアスリートの上原大祐さんは、生まれながらの障害を持つ車椅子ユーザー。   障害者と健常者の共創を目指しNPO法人D-SHiPS32の代表を務め、障害者の理解促進にも取り組んでいる。   可視化されづらい障害者の不便や障害者側の課題、障害者から見た東京五輪への懸念などについて、リディラバ安部が聞いた。   ※本記事は、上原大祐さんと安部敏樹による対談記事の中編です(前編)。 身近な人ほど差別者になり得る  安部敏樹  障害者に関して、僕自身が悩んでいることがあるんですね。リディラバでは今後の事業拡大を見据えて採用を強化しています。そこに当然、障害者雇用という選択肢もあるわけです。実際に、面談に障害者が来られるケー...

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「制度の谷間」をなくすには

難病

「診断基準が確立しているか」といった、患者自身にはどうしようもない要件によって線引きされ、医療費助成をはじめとした格差が生じている指定難病とそれ以外の難病患者たち。   では、どのような仕組みであれば、こうした不公平感を解消し、根治に向けた研究開発も促進できるのでしょうか。 難病の子どもや家族、支援者のネットワークづくりを支援する、認定NPO法人「こどもの難病支援全国ネットワーク」(東京都文京区)専務理事の福島慎吾さんは、「難病患者について、“ハンディキャップがある”という状態で捉えて、そこに対して必要な支援を社会がする」という考え方を提唱します。   こどもの難病支援全国ネットワーク専務理事の福島さん。   「難病制度とは別に、障...

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リディラバ安部の考える「難病政策」

難病

リディラバジャーナル編集長の安部です。特集「難病:制度の谷間に陥る人々」はいかがだったでしょうか。今回は指定難病制度を起点に、誰しも耳にしたことがある「難病」ということばを取り上げました。リディラバにも以前、指定難病を患うスタッフがいたことがあり、私としても当然他人事ではないテーマでした。     まず本特集の大前提として、一見イメージしやすい難病という言葉は、実は医学的定義のあることばではなく、難病法という法律によって定義されているものだ、ということがあります。   そして、その定義を基にした指定難病という枠組みの中に含まれるためには「①発病の機構が明らかでなく(原因不明)、②治療方法が確立していない(治療法未確立)、かつ③希少な...

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なぜ子どもは自殺するのかーー見えない実態

子どもの自殺

「香澄が死んだと聞かされたとき、私はあまりのショックの大きさに、感情がなくなってしまいました。そのときの状況を、いまもはっきりと覚えています」   そう話すのは小森美登里さん。1998年に一人娘だった香澄さんをわずか15歳で自殺により失った。当時、高校1年生だった香澄さんが亡くなったのは夫・新一郎さんの誕生日でもあった。     「香澄は、ずっと苦しんでいました。何とかその苦しみから救い出したいと、私も主人も、自分たちなりに動きまわりました。それでも救えなかった。私たちはいまも苦しみ、悲しんでいます」 香澄さんの原因と動機 香澄さんは高校入学と同時に、その高校を選んだ理由でもあった憧れの吹奏楽部に入部。入学直後は明るく過ごし、楽しそうに...

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制度のはざまに陥る医療的ケア児と家族の困難

医療的ケア児

「私を社会に戻してくれてありがとう」   これは認定NPO法人フローレンス(東京都千代田区)が運営する「障害児訪問保育アニー」をはじめて利用した母親の言葉だ。   母親は、子どもの1年半の在宅治療を経て復職のために保育園を探した。しかし、経管栄養のためのチューブをつけているという理由で受け入れを断られたという。   そうした中で全国初の医療的ケア児を含む、障害児向け訪問保育アニーの事業開始をSNSで見つけ、利用。その後、母親は復職することができた。   (Shutterstock) 医療的ケア児の子育てに必要な職場の理解 新生児集中治療室等から退院した後も、人工呼吸器や胃ろう等を使用し、痰の吸引や経管栄養などの医療的ケアが...

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2度のDV被害に遭った女性の苦悩

ドメスティック・バイオレンス

2度の結婚生活で、2度のドメスティック・バイオレンス(以下、DV)被害に遭った倉本有美さん(44歳、仮名)。   元夫ととは10年間の結婚生活の末、DVが原因で離婚に至ったが、その後再婚した男性もまた暴力をふるう人だったーー。   そんな倉本さんは、どのようなDV被害に遭い、どのような苦悩に向き合ってきたのか。 子どもが生まれてからDVが悪化 初婚は20代。倉本さんは、約2年間交際した会社員の男性と結婚した。相手の男性は、穏やかで優しい人だと思っていたが、結婚した途端、些細なことがきっかけで怒鳴りはじめた。   「2人で家庭を築いていくはずなのに、『俺の親はこうだった』みたいに、自分の考えを押し付ける言い方をして、話し合いにならないんです...

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DVを容認する風潮に自覚を

ドメスティック・バイオレンス

体罰、パワハラ、セクハラ、大学入試における女子学生差別――。   近年、社会に蔓延している暴力や女性差別を容認する意識が、社会問題として可視化されつつある。   そして、その意識は家族という最も親密な関係性の中にも存在し、配偶者や恋人など親密な関係にある暴力「ドメスティック・バイオレンス(以下、DV)」として問題となっている。 正義の暴力は許されるというストーリー 「“しつけ”や“愛のムチ”と称した暴力や虐待を行う人は、暴力はコミュニケーションだと思い込んでいます」   こう語るのは、長年、家庭内暴力や加害者問題の研究を行ってきた、立命館大学産業社会学部の中村正教授。   中村教授は、メディアも暴力を容認する考えを強化している...

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「誰も把握していない」見逃され続けたフードロスに迫る

フードロス

    今回から9回にわたり特集するのは、まだ食べられる食品を廃棄してしまう「フードロス」問題。 食品が生産されるところから、私たちが消費するまで、それぞれの場面でどのような構造によりロスが発生しているのか。   国の政策として食品ロス問題に取り組む農林水産省、食品の生産現場である漁業や畜産業の現場、スーパーマーケットやコンビニエンスストアといった小売の現場、廃棄食品から豚のエサを作るリサイクル工場など様々な立場からフードロスと向き合う関係者へのインタビューをもとに調査した。   今回は上の図の〇の部分である生産から加工の間でロスが発生する原因と、そのロスの行方について特集する。   さっそくだが、皆さんが「フードロス」...

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あらゆる人を引きずり込む。ホームレスを生む日本特有の構造

ホームレス

「外国にはあまりありません。外国でこれに類したものは、軍隊なんです。軍隊、もしくは刑務所。要するに、シャバから違う所に囲い込まれて、いっぺん(囲い込まれた中から)出ると帰る先がない。これが日本の特徴なんですよ」   長年、貧困やホームレス問題の研究に従事してきた日本女子大学名誉教授の岩田正美さんは指摘する。 「資産」をいっぺんに失いかねない、日本特有の職と住居の「癒着」 前回、人は金銭を始め、職や家などの「資産」を失ったとき、貧困やその一つの状態であるホームレスに至ること、貧困に陥った人を見ていくと、①元々「資産」が多かったけれど徐々に失っていった「つまずいた人」と、②元々「資産」が少なかった「しんどい人」の2パターンに大別できること。   ...

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性風俗は“セーフティネット”なのか

性風俗

こんにちは、編集長の安部です。 リディラバジャーナル四つめの「性風俗」特集が終了しました。   本特集の取材を始める前、性風俗業界はセーフティネットの一つになっているのではないかとの考えもありました。第一章で見たように、風俗店が女性を集めることに注力しているため、金銭的に困窮した女性が「短時間・高収入・日払い」などに惹かれて業界に足を踏み入れることは大いに考えられることです。   もちろん、短期的には収入が得られて助かっている女性もいるかもしれません。   しかし、当事者や関係者への取材を通じて、一概に「風俗はセーフティネットになる」とは言えない現実が浮き彫りになりました。 「女性は困ったら風俗で働けばいい」の誤解   ...

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障害者の4割が1年以内に離職という現実。企業に求められる意識改革とは

障害者雇用

神奈川県横浜市にある東急百貨店たまプラーザ店。「チームえんちか」の名称で、知的障害のあるスタッフがギフト用の箱の組み立て、伝票記入、商品梱包などの業務を行なっています。   たまプラーザ店での障害者雇用は、脳梗塞発症をきっかけに身体障害を抱えることになった松田成広さんが社内の自己申告制度を利用して、2012年4月に始まりました。   自身も身体障害がある。同業他社を見学したり、本を読んだりして学んだ。とはいえ、障害者雇用に関しては素人——。   手探り状態から「チームえんちか 」を作り上げた松田さん。   そんな手探りの状況で始まったものの、採用した7人のうち退職者はゼロで、業務の幅も着実に広がっています。 ...

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認定率0.2%、日本は「難民に冷たい国」なのか

不認定率99.8%

「日本も日本人も好きだけど、日本に来たことは間違っていたのかもしれないと思うことがあります。シリアがいまどんなに危険な状況であるかは世界中に知られています。だから、シリア内戦を逃れてきた人ならば、多くの国で難民として認定されます。なのに、日本はそうでなかった」   シリア内戦でアサド政権による弾圧を逃れて日本にたどりついたシリア人男性、ユセフ・ジュディさんはそう話します。   ジュディさんのように、もともとの居住地を追われ、「難民」となって移動を強いられた人たちの数は、世界でおよそ6560万人に上ります(2016年時点)。これは日本の人口の約半数にあたる数字です。   ここ数年では、シリア内戦の激化やロヒンギャ問題の深刻化などに伴い、難民問題は世界的...

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「若いからダメな母親と決めつけないでほしい」10代で出産した母が伝えたいこと

若年妊娠

「喜ばれない妊娠なんてないと思っていました」――。   こう語るのは、セラピストの坂田まことさん(28歳)。一児の母である坂田さんが妊娠したのは、18歳のときだった。   今回は10代で妊娠、そして出産を経験した坂田さんに、その若さゆえに抱えてきた葛藤について話を聞いた。 10代の妊娠・出産を振り返る坂田さん。 まさか妊娠するとは思っていなかった 「妊娠が分かったときは、8週くらいのときでした。胸が張って、ふくよかになってきたので、おかしいなと思って。妊娠検査薬を試してみたら、陽性だったんです。彼と出かけたデートの出先にあった薬局で検査薬を買ったときのことは、今でも忘れません」   妊娠が発覚したときのことをこう...

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刑務所内から始まる、受刑者の「就活」

出所者の社会復帰

依存症からの回復を支援する株式会社ヒューマンアルバ(神奈川県川崎市)・トレーナーの遊佐学(ゆさ・まなぶ)さんは、覚せい剤取締法違反で二度の刑務所入所経験がある元受刑者です。   刑務所入所当時の様子を振り返る遊佐さん。   刑務所は、入所対象者が初犯の人と再犯の人などで分かれていますが、遊佐さんは暴力団に所属していたため、受刑者への影響を考慮され、初犯の際にも再犯者の行く刑務所に入所。   「中では、いろんな悪知恵を吹き込まれました」と語ります。   「初犯の人の刑務所だとまた違うようですが、再犯者が入所する刑務所の場合、『これからは真面目にやります』ではなくて、『今度はどう捕まらないようにするか』をみんな考えているので、いろ...

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【上原大祐×安部敏樹】トイレから考える、障害者の不便な現実

「×リディラバジャーナル」コンテンツ

元パラリンピック銀メダリストアスリートの上原大祐さんは、生まれながらの障害を持つ車椅子ユーザー。   障害者と健常者の共創を目指しNPO法人D-SHiPS32の代表を務め、障害者の理解促進にも取り組んでいる。   可視化されづらい障害者の不便や障害者側の課題、障害者から見た東京五輪への懸念などについて、リディラバ安部が聞いた。 多目的トイレは“多目的すぎる”  安部敏樹  今回、障害者を取り巻くさまざまな不都合について、当事者である上原さんに伺いたいんですが、まずは「日本でのバリアフリー、全然足らないでしょう!」という心の叫びを聞きたいなと。いろいろな場面でそう感じる機会は多いと思うんですが。    上原大祐  日本でのバリアフリーは進ん...

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ソーシャルセクターにおける“性と分断”をどう乗り越えるか

R-SIC

社会には“性”が引き起こす分断が根強く存在し、性に関連するソーシャルビジネスやソーシャルアクションを起こすときも壁として立ちはだかる。分断を乗り越えるためには、何が必要なのか。   重度身体障がい者に対する射精介助サービスや、風俗嬢向けの法律相談事業などを提供する坂爪真吾さんがモデレーターとなり、風俗嬢のセカンドキャリア支援に取り組んできた角間惇一郎さん、元風俗嬢で性教育や感染症予防の啓蒙活動を行う水嶋かおりんさんと共に、あまり表立って議論されることのない性にまつわる分断と解決策を探った。   ※本記事はリディラバが主催するカンファレンスR-SICのセッション「その分断、性が原因かも?」を記事にしたものです。  分断の背景には、消化できていない感情...

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【続・新世代社会起業論】変化するビジネスモデル

R-SIC

お金にならないと思われがちなソーシャルビジネスで、億単位の事業をつくってきた若手経営陣たち。彼らはどのように収益を上げているのか。どんな困難にぶつかり、どう乗り越えてきたのか——。   2019年1月にゴールドマンサックスからの4億円の寄付を発表したLearning for All 代表の李炯植(り・ひょんしぎ)さん、変化の激しい途上国で新たな事業を展開するe-Education代表の三輪開人さん、事業型NPOとして質の高い学童保育を実現してきたChance For All代表の中山勇魚(なかやま・いさな)さんに、リディラバ代表の安部敏樹が、お金の話から組織の話までざっくばらんに聞いた。   ※本記事は、リディラバが主催する社会課題カンファレンス R-SIC20...

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「いつか治るかも」指定難病化に希望を見出す当事者たち

難病

現代の医学では治療方法の確立していない難病。 病を抱えながら生きる難病当事者のために、国は医療費助成の制度を設けています。   この制度によって、医療費の自己負担が3割から2割になります。所得にもよりますが、月額最大3万円という負担額の上限も定められています。   しかし、この助成制度を受けられるのは、「指定難病」と呼ばれる331疾患の患者のみ。   難病はその数3000〜5000とも5000〜7000とも言われており、ほとんどの難病患者が指定難病の対象外となっています。   難病の当事者団体である一般社団法人「日本難病・疾病団体協議会」(以下JPA、東京都豊島区)では、同じように治らない病を抱えている患者間に不公平感を生む...

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自己責任では片付けられない。社会が生み出す「アルコール依存症」

アルコール依存症

誰しも耳にしたことがある病、アルコール依存症。   では、具体的にはどのような状態が、アルコール依存症なのでしょうか。   「実は、アルコール依存症の診断基準には、飲酒量も飲酒期間も入っていないんです」   そう説明するのは、精神科医で、川崎市立多摩病院(神奈川県川崎市)神経精神科長を務める阿部大樹(だいじゅ)さん。   阿部さんは「アルコール依存症は医師の腕も試される病気です」と言います。   世界保健機関(WHO)が作成し、医療の現場で使われている「ICD-10診断ガイドライン」では、以下のように定義されています。   阿部さんの言葉にもあるように、六つの項目には飲酒量、期間ともに含まれていません。...

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「それでも依存症とは思わなかった」ある回復者の話

アルコール依存症

「アル中」の呼び名とともに、誤ったイメージが社会に広まっているアルコール依存症。   徐々に進行していく病であり、症状が重くなるまでなかなか周囲の人間が認識しにくいという特徴があります。   今回は、そんなアルコール依存症からの回復者のエピソードを通じて、本人も気づきにくい病の実態について見ていきます。 孤独を癒し、慰めるために増えていった飲酒量 飲酒による問題に悩む当事者や家族の回復を支援する団体「全日本断酒連盟」(東京都千代田区)。   常任理事の松本和頼さんも、かつてはアルコール依存症でした。   49歳で酒をやめ、以後16年間口にしていないという松本さんですが、酒にまつわる様々なトラブルを起こしても「アルコール...

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どうする?特効薬なしの先生の働き方改革

教員の多忙化

「働き方を外部から変えてもらうのを待つのではなく、自分が学校の内部から変えたほうが早いと思ったんです」   そう語るのは、東日本の公立小学校で教壇に立つ男性教員・ななつめのやつはしさん(ハンドルネーム)。「学校を片付けることで多忙化解消」というユニークなアイデアを掲げ、活動している。   (tera.ken/Shutterstock.com)   現場の教員たちの中には、自身の多忙化を訴えるだけでなく、多忙化を解消すべく行動している人々も存在する。   今回は、そうした取り組みや、今後社会で考えていくべきことについて見ていく。 片付けを通した多忙化解消 なぜ、多忙化解消のために片付けなのか——。...

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「厳罰化」だけでは防げない小児性犯罪の実態

小児性犯罪

「小児性犯罪が起こるたびに、テレビのコメンテーターなどが厳罰化が必要だと言い立てますが、本当に必要なのは治療なんです」   そう話すのは、臨床心理学や犯罪心理学に詳しい筑波大学人間系教授の原田隆之さんだ。     事件が凄惨であれば連日にわたってメディアにより報じられ、それに伴って厳罰化を求める世論も高まりやすい。しかし、原田さんは「もちろん処罰は必要」としつつ、治療の重要性を強調する。   「厳罰化によって小児性犯罪が抑制されるというエビデンスはありません。加害者が子どもに危害を加えることを防ぐためには、どのようにして治療につなぐことができるのかを考えるほうが有効なのは明らかです」 刑務所で受講する治療プログラムの効果 原...

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【ソーシャルビジネスを終わらせるとき】 組織を継続すべき? ソーシャルビジネスの葛藤

ソーシャルビジネスを終わらせるとき

ソーシャルビジネスのミッションは、社会課題の解決。それを成し遂げることは、事業の終わりを意味する。自ら立ち上げたソーシャルビジネスを終わらせるとき、創業者は何を思うのか。 今回はかものはしプロジェクト共同創業者の青木健太さん、ユイマール創業者の照屋朋子さん、e-Education創業者の税所篤快さんの3人の“元代表”が、“ソーシャルビジネスを終わらせるとき”をテーマに語った対談をお届けする。組織に対する執着や終わらせるときの葛藤について語った前編につづき、後編では自ら立ち上げた組織を辞めていく創業者の想い、そして3人が考えるソーシャルビジネスのあるべき姿について語ってもらった。   「自分が代表を交代した途端、組織が急成長した」  税所篤快さん(...

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ひどいことをしたなと思いますが…在特会会長の告白

ヘイトスピーチ

路上やインターネット上で排外主義的なヘイトスピーチを行う「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)。   同会の八木康洋会長(45)へのインタビュー前編では、リディラバジャーナル編集長安部が、街宣活動やデモを行う上での戦略を訊いた。その後編となる今回は、彼らのヘイトスピーチについての認識や、ヘイトスピーチを行う理由に迫る。   彼らは「ネット右翼」(あるいはネトウヨ)を自称し、終戦前から日本に居住していた在日韓国・朝鮮人とその子孫に対する特別永住権などを「在日特権」として批判。特別永住権などを認める「入管特例法」の廃止を目指して活動している。   では、彼らはなぜ、過激なヘイトスピーチを行うのか――。   在特会の八木会長(写真右...

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お金があっても、良い機械があってもダメ……意外なところに見えるフードロス問題解決の糸口とは?

フードロス

  私たちの生活になくてはならない「電気」。 実は私たちが今使っている電気、ロスとなった食品からできているかもしれない。 一体どういうことなのか。   今回も、図の〇の部分、ロスした食品をただ燃やしてしまうのではなく、有効に活用していく取り組みについてお伝えする。   前回はリサイクルの種類として、肥料化と飼料化を紹介した。 フードロス特集、最終回となる今回は、残りのエネルギー化について紹介する。   また、最も推奨されているのは飼料化、エサをつくるリサイクルだ。   しかし、そのエサを利用している農家は約20%程度。   飼料化が進まない背景にも迫る。 フードロス...

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「結婚できると思わなかった」 ホームレスが失った“資産”とは

ホームレス

「家族との別れというのは大きいなと思いましたね。とくに男性は、すごくセンチ(メンタル)なんです。だから、夫婦や子どもだけではなく、弟との折り合いが悪くて実家から出てきてしまったとかがあると、ちょっとヤケになったり、嫌になったりしてしまうようなんです」 こう語るのは、日本女子大学名誉教授の岩田正美さん。岩田さんは長年、貧困やホームレス問題の研究に従事してきた。人がホームレスになるとき、大きく影響するのは家族だと説明する。   今回のテーマは「ホームレスになるとき」。   ホームレスという言葉を聞くと、仕事やお金の喪失をイメージする人が多い。   しかし実際は、家族とのつながり、友人とのつながり、自分のプライバシーを確保できる空間の有無など、多...

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路上じゃない時代もロクでもなかった——ホームレスを選ぶ人々

ホームレス

「路上(生活)から脱したところで、ロクな生活が待っていないだろうという予想がつくから。それはなぜかというと、かつて路上じゃなかった時代もロクでもなかったので。路上から抜け出そうと生活保護を受けても、過酷な集団生活が待ち構えていることを経験した人は、学習しちゃいますから。それはある種、合理的判断ですよね」   こう語るのは、東京・池袋でホームレス支援を行う特定非営利活動法人「TENOHASHI(てのはし)」の事務局長・清野賢司さん。   いちどは生活保護を受け、ホームレスを脱しようとした。けれど、自治体に紹介された住まいは、過酷な集団生活の場だった——。そんな経験から「学習」して、ホームレスの方がマシだと判断する人もいる。   また、障害があるためうまく状...

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スクールロイヤー導入に見る、ロビイングの進め方

スクールロイヤー

学校を取り巻く問題に法的なアドバイスをする弁護士・スクールロイヤー。   文部科学省が導入に向けた調査研究事業を進めているほか、独自に弁護士を雇い、すでに制度化している自治体もある。   東京・江東区も、2019年度からスクールロイヤー制度を導入。その背景には、弁護士によるロビイングがあった。   今回は、江東区に事務所を構え、同区のスクールロイヤーも務める鬼澤秀昌弁護士に、今回のロビー活動について話を聞いた。     ※本特集は前後編でお送りします。 前編:弁護士が解説する、スクールロイヤーの現状と課題 食品ロス問題でロビイングに関わる そもそもの話として、私は弁護士を目指していた大学生時代から、ソー...

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【松尾豊×安部敏樹】 そもそも“社会問題”とは何なのか

「×リディラバジャーナル」コンテンツ

人工知能(AI)を研究する松尾豊さん(東京大学大学院工学系研究科 人工物工学研究センター)は、「『社会問題』という言葉に違和感を持つことがある」と言う。   それは一体どういうことか――。何をどう「社会の問題」と定義するのかは、あらゆる問題に対する問いでもある。   松尾さんと、社会問題を専門とするリディラバの安部敏樹が議論する。 フードロスは「社会問題」か?  松尾豊  リディラバは社会問題を軸に、さまざまな事業を展開しているということですが、そもそも僕は、「社会問題」という言葉に違和感を持つことがあるんです。   例えば、社会問題と言われているフードロスは、「本当に社会問題なのか?」と思うんですね。ロスが出るのは、資本主義の原理上そう...

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「知らないうちに生徒を傷つけていた…」学校現場の性教育を考える

若年妊娠

「自分が無知だったがゆえに、生徒を傷つけていたことに気がつきました」   そう語るのは元私立高校教師の水野哲夫さん。現在、性教育を専門に高校や大学で講師を行う水野さんは、性教育に関心を持ったきっかけについてこう振り返る。   「約40年前は、校長や教頭からコンドームなどの避妊具を持っている生徒がいたら、『生活が乱れている』『不純異性交遊をしている』と考えなさい、と言われていました。そして、保護者を呼んで三者面談をしたり、懲戒処分をちらつかせたりしていたんです。ですが、助産師になった卒業生にそうした指導は生徒たちを苦しめていたと言われて、はじめて自分がやっていたことの間違いに気づいたんです」   その後、勤務校の体制改革に伴い、水野さんは他の教...

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痴漢し続けて30年…元加害者の告白

痴漢大国ニッポン

※本記事では、性暴力加害にも触れます。実態をお伝えするために、生々しいエピソードがあるため、フラッシュバックやPTSD(心理外傷後ストレス障害)を懸念される方は、十分に注意しながらご覧ください。   「痴漢をしているときは、興奮した状態にあったと思いますけど、勃起していないことも多かったんです。だから、性欲を満たすという感じではなかったと思います。なんていうか、女性に触れていることに対して、安心感のようなものがあって……。大学で電車通学が始まってから痴漢するのが日常化して、本当にひどい痴漢を始めたのは社会人になってからです」   30年間、痴漢をしつづけてきたという男性。なぜ痴漢をしていたのか、なぜやめられなかったのか。3時間にわたって話を聞きました。「...

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「ベトナムに帰っても農業はしませんよ」。実習制度のリアル

外国人技能実習制度

「実習が終わって、ベトナムに帰って農業ですか? しませんよ。ベトナムで農業はあまりお金になりませんからね」   そう語るのは、ベトナムの送り出し機関で働くグン・ホアン・ナムさん(仮名)。   送り出し機関は、実習生として来日を希望する人々を現地で募り、日本語教育などを行うものです。   外国人技能実習制度では、ほとんどの実習生がこの送り出し機関に申し込みをし、日本の監理団体を経て、3〜5年間全国各地の企業の工場、農業や漁業の現場などで働きながら技能を身につけることになっています。   公益財団法人国際研修協力機構HPより。   グンさんの送り出し機関では、年500人ほどの実習生を日本に送っており、その多くが農業...

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代表交代後の“ズレ”をいかに乗り越えるか

R-SIC

次世代への事業承継は組織における大きな課題のひとつだ。とくにソーシャルセクターにおいては、事業に対する圧倒的な熱量や人脈、経営の知識などを創業者自身が握っていることが多い。   そうしたなかで、代表のバトンを受け継ぐ、あるいは託す経験を経てきたリーダーたちは何を考え、悩み、どのように乗り越えてきたのか。   今回は、当事者になった経験を持つ、ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(以下、SVP東京)元代表の岡本拓也さん、Accountability for Change元代表の五十嵐剛志さん、かものはしプロジェクト元代表の青木健太さんの3名に、社会的事業を次世代に繋げることの難しさや成功のカギを語ってもらった。   ※本記事は、リディ...

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子育てに対する自己責任論からの脱却を

児童養護施設

全国の児童養護施設で暮らす子どもの入所理由としてもっとも多いのは親の虐待。施設にいる子どもの約6割は被虐待経験があるとされる。   では、なぜ親は子どもを虐待してしまうのか。子どもを救うために何が必要とされているのかーー。   今回は児童養護施設に入所する子どもの背景にある家庭の問題を考える。   施設の子どもの家庭事情 児童養護施設に入所する子どもの措置理由は、虐待(放任・怠惰、虐待・酷使、棄児、養育拒否)が37.9パーセントともっとも多く、父・母の精神疾患等が12.3パーセントと続く。    子どもが受けた虐待の種類をみてみると、親が適切な養育を放棄する「ネグレクト」が63.7パーセントで最多だ。   ...

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「盗む行為にとりつかれたようだった」窃盗症当事者の告白

摂食障害

私は盗むことを止められなかったーー。   生活に困窮していたわけでも、盗んだ物が必要だったわけでもない。何でもいいから盗みたい、そんな脅迫的欲求にかられ、来る日も来る日も盗み続けたという女性。   万引きをやめられなかった当時の様子を振り返る女性。   窃盗症(通称クレプトマニア)という依存症に罹っていた彼女は2010年、逮捕されて実刑1年10ヶ月の判決を受けた。   しかし、当時彼女には子どもが3人おり、3人目はまだ乳飲み子。   出頭命令が届いたとき、彼女はある覚悟を決めていたと話す。それは、子どもを連れて、一家で国外に逃亡すること。その後、3年半におよぶ逃亡生活の末、日本に強制送還された。   そんな...

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多様な起業を支えるしくみづくり

起業家のメンタルヘルス

さまざまな困難がつきまとう「起業」。 では、起業家は“タフな人”でなければならないのか――。   起業家たちのコミュニティであるImpact Hub Tokyo(東京都目黒区)の共同設立者・代表取締役の槌屋詩野さんは次のように話す。   「スタートアップ業界で働く人を見ていると、業界自体が『起業家なら24時間働きます』という人を前提にして成り立っているように感じます。ですが、そのような文化が多様な起業家の輩出やイノベーションの機会を奪っているのではないでしょうか」   起業の道のりはもっと多様であっていいと話す槌屋さん。   「たとえば、うつ病やがんを患ったことがある人、マイノリティの人たちのように、自分自身が苦しみを味わっ...

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美しさに犠牲はいらない?動物実験を問う

動物実験

「動物も人と同じく痛みや苦痛、恐怖、ストレスなどを感じることがわかっています。私たちと同じ生物に対してそうした苦痛を味わせていいのか。人体実験が倫理的に認められていないのと同じく、やはり動物にも実験をしてはいけないのではないでしょうか」   動物実験の反対を訴えるNPO法人 動物実験の廃止を求める会の事務局長の和﨑聖子さんはそう主張する。     「動物は実験のために苦痛を与えられ、その多くが殺されてしまいます。これらは動物に対する暴力であり、虐待です。それが『科学』という名目のために動物実験という形で正当化されているんです」   果たして、動物実験は虐待と言えるのかーー。 動物福祉の範疇とは 動物実験をめぐる大きな論点とな...

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「子どもへの性的興奮は消せない」元小児性犯罪者の苦悩

小児性犯罪

※本記事では、子どもに対する性暴力加害にも触れます。実態をお伝えするために、生々しいエピソードがあるため、フラッシュバックやPTSD(心理外傷後ストレス障害)を懸念される方は、十分に注意しながらご覧ください。   前回の記事で、自らの加害行為について赤裸々に語った首都圏在住の50代の男性。彼は依存症とも言える小児性犯罪者だが、現在に至るまでの18年間再犯をしていない。     完治がないとされる小児性愛という“病い”に、彼は現在どのように向き合っているのか。リディラバジャーナル編集長の安部による、元小児性犯罪加害者へのインタビューの後編をお送りする。 なぜ性的関心が子どもに向いたのか ——前回の記事で、自身の加害行為についてお話...

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在特会会長が語る「ネット右翼」巻き込み戦略

ヘイトスピーチ

路上やインターネット上で排外主義的なヘイトスピーチを行う「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)。   在特会の会員らは、2009年、朝鮮学校の周辺で「スパイの子ども」「日本から叩き出せ」などと拡声器で連呼し、授業を妨害。11年に京都地裁で威力業務妨害と侮辱の罪で有罪判決を受けた。   14年には、民事裁判で、その際のヘイトスピーチが人種差別と認定され、約1200万円の賠償と学校付近での街宣活動禁止を命じられた。   彼らは「ネット右翼」(あるいはネトウヨ)を自称し、終戦前から日本に居住していた在日韓国・朝鮮人とその子孫に対する特別永住権などを「在日特権」として批判。その廃止を目指して活動している。   今回、ヘイトスピーチを考える...

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「5~10%は市場に出ない」規格外野菜はどこへ行く?

フードロス

「野菜の種類にもよりますが、だいたい生産したもののうち5~10%は規格外となってしまって、市場に出回ることはありません。それらの規格外野菜は農家が個人で消費したり、知り合いに渡したりしてはいますが、それでも余った分は畑に捨てていますね」 群馬県にあるJA甘楽富岡(かんらとみおか)の高田知尚さんはこう語る。   寄付された野菜たち(オイシックスドット大地㈱提供)   前回に引き続き、生産現場で発生するロスについて特集する。   まず編集部が注目したのは農業の現場でのロス。   農業の現場で発生するロスは、前回扱った、販売価格を維持するための産地廃棄だけではない。   規格外野菜のロスも存在する。 ...

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「個人の声には力がある」今日からできるフードロス削減

フードロス

ここまで、生産、加工、小売の現場でのフードロスを見てきた。   ともすれば、「フードロス」=「企業の問題」と捉えそうになりますが、実際は私たち一人ひとりの行動が大きく影響する問題だ。   そこで今回は、「フードロス削減のため個人にできること」に焦点を当てた。   日々の家庭での取り組みはもちろんのこと、ビジネスの担い手として、消費者として、一人ひとりにフードロス問題解決の力がある。私たちは、どんなかたちでロス削減に貢献できるのか。   (本特集における「フードロス」は生産段階でのロスを含みますが、国の定義する「食品ロス」には含まれません。そのため、記事内では「フードロス」と「食品ロス」の両方の表記を使用しています。)   ...

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パニック障害だと、経営者としての信頼に足らないのだろうか

コラムニスト

こんにちは、ハヤカワ五味です。   大学1年の頃に立ち上げた株式会社ウツワも、なんだかんだ4周年を迎え、5期目に入りました。 正直、希望しての起業でなかったこともあり、他のベンチャー企業よりも準備が足りないがゆえのアクシデント等も多かったかなと思います。   未熟な会社ですが、多くの方に支えてもらい、4年という期間を駆け抜けてこれたことをとても誇りに思います。   そんな私が4年間、公言してこなかったことがあります。   それは「私は、パニック障害を持っている」ということです。   最近、多くの芸能人の方が自身の障害を打ち明けられている中で、世の中の風向きが着実に変わってきているのではないかと日々感じています...

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稼げた風俗嬢ほど辞められない。「稼いでいるのに貯まらない」のしくみ

性風俗

「風俗を辞められない」と聞くと、店に引き止められているのではないか、搾取されているのではないか、と想像する方もいるかもしれませんが、近年そうではないケースがほとんどです。では、風俗嬢を辞めることがどうして難しくなってしまうのでしょうか。   その理由の一つには、「稼いでいてもお金が貯まらない」という構造がありました。 1日20万円稼いでも、お金は貯まらない 新宿・歌舞伎町。   39歳のソープ嬢リエさん(仮名)は、風俗で長年働いていてもお金が貯まらないと話します。 「もう億ション(高価格の分譲マンション)とか買っちゃった人は、風俗辞められちゃうじゃないですか。『おまえもあと何年かしかないと思って貯めろ』って、よく言われます」   ...

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定期接種、任意接種…政策が生む反ワクチン情報

ワクチン接種へのためらい

「そもそも厚生労働省には、予防接種行政のグランドデザインがないと言わざるを得ない。だから予防接種をどうしていきたいのかが見えないし、チグハグな施策になる。それに、情報公開も進んでいない。これでは痛くない腹だって探られますよ」   そう指摘するのは、医師の久住英二さん。新宿、立川、川崎の駅ナカで「ナビタスクリニック」を運営する「医療法人社団鉄医会」の理事長で、各種メディアで反ワクチン問題について啓発活動も行なっている。   日本の情報公開レベルを問題視する久住医師。 「データを一般に公開すべき」 とくに、情報公開の点については、以下のように批判を重ねる。   「たとえばアメリカでは、VAERS(予防接種後副反応報告システム)というと...

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「無知」「偏見」が阻む障害者の企業への就職

障害者雇用

「まず、無知や偏見が問題になっている」 障害者向けの求人・転職サービス運営などを手掛ける「パーソルチャレンジ」(東京都港区)の大濱徹さんは、障害者雇用における企業の現状について、そう指摘します。 障害者雇用の現状について説明する大濱さん。   前回、企業で働く意味は、経済・金銭面だけに限らず、人との関わりが持てることや自己実現にもつながる点にあるということをみていきました。   今回から2回にわたって、障害者雇用を進めるにおいて、企業で「障壁」となっているものは何なのか。そして、その「障壁」を取り払うために必要なものとは何なのかを考えていきます。 障害者=車椅子の人? 企業の「無知」で門前払いされる障害 冒頭の...

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家族の理解が支える、障害のある人の「働く」

障害者雇用

「私もそうだったんですけれど、家族の『何もしなくていいから』という言葉でディスエンパワーメント(無力化)されることがあるんですよね」 そう語るのは、障害者の声を集めて政策提言などを行う、認定NPO法人DPI日本会議(東京都千代田区)で働く鷺原由佳さん。鷺原さん自身も精神障害を抱えています。   自身の経験を語る鷺原さん。   障害がある人が企業で働く際、親をはじめとする家族の存在は大きな影響力を持ちます。多くの家族が当事者のことを想っていますが、その愛情や、大切に想うがゆえの言動が「障壁」となることも。   取材を通して特に聞かれたのが、精神障害、知的障害のある人と家族の関係の難しさでした。   そこで今回は...

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身近で遠い、ソーシャルベンチャーの経営者にとっての「障害と雇用」

障害者雇用

私はリディラバという事業体を経営する経営者であるとともに、週末は小学生達のソフトボールチームの監督という顔がある。土曜日や日曜日になると、横浜のとある岡の上にある小学校に往復3時間をかけて通い、生意気な小学生達と一緒に白球を追う。   このソフトボールチームは、地域のコミュニティの中心にあったものだが、2年前に大人たちが放棄する形で解散した。そして色々な縁があり私が新たに監督を引き受けた。選手一人と監督一人からのスタートだった。   この3月に二人の小学6年生がチームを卒業していった。彼ら二人は私からするとまさにチームを共に立て直してきた同志だ。人数も足らず、試合すらも出来るかわからないチームに飛び込んできてくれ、メンバーを段々と増やす過程を共にしてきた。そして...

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「本当の難民」であることを証明するための現実

不認定率99.8%

ある独裁国家に暮らしていた女性の話です。 ある日、女性が帰宅すると、夫が傷だらけで床に倒れていました。夫は政府への抗議活動に参加していました。その後、夫は死亡。彼女だけが日本に逃れてきて難民認定申請を行いました。   申請後は、難民としての該当性について、入国管理局によるインタビューで審査されます。インタビューでは、難民条約上の難民であるか否かを確かめるため、当時の状況の説明を求められるのですが、そこで彼女は次のように話しました。   「倒れていた夫は顔を殴られて腫れており、倒れたまま『逃げろ』と言ったので、私は夢中でその場から逃げました」   後日、2回目のインタビューが行われました。そこで彼女は、「倒れていた夫は、銃で撃たれた脚の傷...

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学生時代出会ったNPOに「絶対に戻る」と決め、大手企業で修行

ソーシャルセクターのキャリア論

ソーシャルセクターにおける“キャリアのリアル”に迫る本特集。   今回は、大手印刷会社の営業職を5年半経験した後、再び大学時代にコミットしていた認定NPO法人カタリバに戻り、今春独立した今村亮さんにフォーカス。   カタリバに在籍した9年間は、事業統括ディレクターとして、“高校生の心に灯を灯す”をコンセプトにした「教育NPOカタリバ」の礎を築いてきた。そんな今村さんに、民間企業、NPO、フリーランスと活動の場をスライドさせてきたキャリアについて聞いた。 社会の潮目が変わり、民間から再びNPOへ ーー今村さんはいつ頃に、カタリバと出会ったんですか。   カタリバとの出会いは大学3年生の時です。就職活動を終え、1年間の自由な時間ができた時、今...

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【続・新世代社会起業論】創業期のメンバーをどう決めた?ソーシャルセクター組織論

R-SIC

お金にならないと思われがちなソーシャルビジネスで、億単位の事業をつくってきた若手経営陣たち。彼らはどのように収益を上げているのか。どんな困難にぶつかり、どう乗り越えてきたのか——。   2019年1月にゴールドマンサックスからの4億円の寄付を発表したLearning for All 代表の李炯植(り・ひょんしぎ)さん、変化の激しい途上国で新たな事業を展開するe-Education代表の三輪開人さん、事業型NPOとして質の高い学童保育を実現してきたChance For All代表の中山勇魚(なかやま・いさな)さんに、リディラバ代表の安部敏樹が、お金の話から組織の話までざっくばらんに聞いた。   ※本記事は、リディラバが主催する社会課題カンファレンス R-S...

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異色のキャリアを持つ副市長から見た地方行政

R-SIC

地方行政の現場に、民間企業や国家機関などのキャリアを生かして「副市長」として働く人たちがいる。異色のキャリアを持つ彼らから見て、地方行政のリアルはどのように映っているのか。     数十年にもわたる京セラ勤務を経て2009年から2018年まで兵庫県豊岡市副市長を務めた長野県立大学グローバルマネジメント学部教授 真野毅さんと、リクルートでSUUMOの編集長も務めた大阪府四條畷(しじょうなわて)市現副市長の林有理さんが登壇。   財務省から茨城県つくば市の副市長に転じた毛塚幹人さんをモデレーターに、地方行政に携わって感じたリアルを語ってもらった。   ※本記事はリディラバが主催するカンファレンスR-SICのセッションを記事にしたもの...

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飲まない日々を積み重ねるために

アルコール依存症

「今では酒を飲みたいとは思いませんが、もし何かの拍子に飲んでしまったら、100%元の通りの大酒飲みになりますね」   そう断言するのは、「酒をやめてhappyになろう!」というブログを運営するのみすけさん(ハンドルネーム)。約5年前に断酒するまで、日々アルコールを口にしていました。   今では酒なしの日々を謳歌していると語るのみすけさん。   いちどアルコール依存症になってしまうと、「お酒と上手に付き合う」という選択肢はなくなってしまいます。   長年断酒を続けていても、いったん飲んでしまえば自分の意思でとめることはできない病なので、「酒を生涯一切飲まない」という生き方をするしかありません。   のみすけさんは...

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いじめによる我が子の自殺、ある遺族の告白

子どもの自殺

2013年3月、当時中学1年生で13歳だった梨子さんは短い生涯に自ら幕を下ろした。マンションの7階からの飛び降り自殺。携帯電話の未送信メールには「みんな 呪ってやる」と記されていた。     梨子さんの死後、調査によって梨子さんは同級生から「相当に強い精神的苦痛を与えられていた」ことが判明し、いじめが認定された。いじめは学校内だけでなく、LINEを通じても行われていた。 我が子の死という地獄 その朝、梨子さんは少し寝坊して起きてきた。梨子さんの母・佐藤直子さん(仮名)は、いつも持って行くはずのお弁当を「いらん」と言った梨子さんが少し元気がないような気もしたが、慌ててお弁当を作って送り出した。7時45分ごろだった。   30分も経...

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「子どもたちのため」に頑張りすぎてしまう教員たち

教員の多忙化

「やはり僕自身にも、授業を良くするためならいくらでも時間をかけて準備したほうがいいという“ブラック”な意識がどこかしらありますね」   そう語るのは、東日本の公立高校教員・斉藤ひでみさん(ハンドルネーム)。   文部科学省の調査は小中学校のみが対象だったが、高校教員も過酷な状況に置かれていると斉藤さんは指摘する。   長時間過密労働が常態化している学校現場の現状を問題視し、改善を図るべく署名活動をしたり、現職教員の団体「現職審議会」をつくり、その代表として教員の生の声を発信したりしてきた。   現職審議会の記者会見の様子。画面左から2人目が斉藤さん。   そんな斉藤さんでも、冒頭のコメントのように、子どもたちの...

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現職小学校教員が裁判を起こしたワケ

教員の多忙化

「自分の学校を変えることはできるんです。でも、次代を担う若い先生たちのために、日本を変えなければいけないと思いました。だから裁判を起こしたんです」   そう語るのは、埼玉県の市立小学校教員、田中まさおさん(59歳、仮名)。   初めての単独取材という田中さんは、丁寧にこれまでの経緯を説明してくれた。   田中さんは2018年9月25日、残業代約242万円の支払いを求めて県を提訴した。   公立学校教員は、給特法(正式名称:公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)という法律にもとづき、原則残業を命じられず、残業代も支払われないこととなっている。   しかし、第2回でも紹介したように、実際には過...

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他の社会問題に連鎖する「ひきこもり問題」

女性のひきこもり

そもそも、ひきこもりの何が問題なのか。   21年にわたりひきこもり問題を取材してきたジャーナリスト・池上正樹さんは「家にいること自体が問題なのではありません。生きていこうというエネルギーがなくなり、どうしていいかわからなくなっていることが問題なのです」と指摘する。   女性のひきこもりに焦点を当てた貴重な一冊『ひきこもる女性たち』(KKベストセラーズ)を著した池上さん。   女性に限らず、こうした状態の人々が多数いること自体ゆゆしき問題だ。   では今、社会問題として「女性のひきこもり」に焦点をあてるべき理由は何なのか。今回はその点について考える。 女性のひきこもりを不可視化するリスク 「まず、今大変...

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転勤、非正規、性的虐待…女性特有の背景

女性のひきこもり

ひきこもりとは“状態”を示すことばで、その状態に到るまでの背景は人それぞれ。子どもの頃の不登校から続いている人もいれば、働いていたものの何らかの理由で離職し、ひきこもっている人もいる。   きっかけは千差万別だが、取材を通して女性特有のものも見えてきた。   21年間にわたってひきこもり問題を取材してきたジャーナリスト・池上正樹さんは、ひきこもる過程のパターン化には慎重な姿勢を見せつつも、女性特有の事情として「虐待、中でも性的虐待は無視できないと考えています」とする。   性的虐待の影響を指摘する池上さん。   発信が難しい性的虐待の影響 「もちろん女性だけでなく、男性にも虐待の被害にあった人はいます。ただ、...

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進学を望むけれど…“無理できなくなった”家計

奨学金制度

「男同士というのもあり改めて話したことはないのですが、父自身が高卒だったこともあって、大学を出ていた方が進路の幅が広がると思い勧めてきたんだと思います」   日本学生支援機構の奨学金を借り、都内の私立大学に進んだ坂本巧さん(仮名、30)はそう語る。   坂本さんは、奨学金約770万円の返済に頭を悩ませている。   坂本さんの父親のように、よりよい将来のため、子どもの大学進学を願う親は多い。 大学進学を望む親たち 子どもの大学進学を望む親の割合は59.3%——。   これは、一般社団法人全国高等学校PTA連合会と、リクルートマーケティングパートナーズが2017年に合同で行なった調査の結果だ。 (http:/...

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「プラスチックごみ」のリサイクルの実態

プラスチックごみ

「これまで使い捨てプラスチックの大量消費が野放しになってきた。しかし、プラスチックはそのままリサイクルされるわけではありません」   そう指摘するのは、プラスチックごみ問題に詳しい東京農工大学の高田秀重教授だ。   Shutterstock.com   日本で回収されるプラスチックごみの多くは、分別して捨てることで資源ごみとして回収される。それらは「リサイクルされる」と、多くの人に認識されている。   しかし、そのすべてが一般的にイメージされるような資源として循環されるわけではない。 リサイクルとは何か? そもそもプラスチックにおけるリサイクルとは何なのか。   リサイクルは、日本では①マテリアルリ...

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リディラバ安部が考える「プラスチックごみ問題」

プラスチックごみ

リディラバジャーナル編集長の安部です。   今回は、「プラスチックごみ問題」について取り上げましたが、いかがだったでしょうか。   近年、プラスチックごみによる海洋汚染が世界的な問題としてクローズアップされています。ウミガメの鼻の中にストローが突き刺さり、それを抜くまでの一部始終を収めた動画がSNSで拡散されていたのは、記憶に新しいのではないでしょうか。   Shutterstock.com   海に流れ着いたプラスチックごみは、こうして海中の生物たちにとっての脅威になっています。 どうすれば解決に向かうのか プラスチックは、私たちの社会になくてはならないものの一つです。しかし、海洋汚染をはじめとする問題は、プ...

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学ぶ場が保障されない子どもたちの居場所

外国ルーツの子ども

日本に暮らしていても学校に行けない。学びの場がない――。   そうした困難を抱える子どもたちがいる。15歳を過ぎて来日した外国にルーツを持つ子どもたちだ。   東京都荒川区の教室で開かれている「たぶんかフリースクール」では、そうした子どもたちが日本語や教科を学んでいる。今まで送り出してきた子どもは500人を超える。     子どもたちが来日した経緯はさまざまだ。   「たぶんかフリースクール」を運営する認定NPO法人多文化共生センター東京代表の枦木典子(はぜき・のりこ)さんはこう語る。   「たとえば、父親が就労ビザで来日して、レストランなどで働いて経済的な基盤ができてから家族を呼び寄せたり、日本人と再婚して、子...

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0歳の女の子が人気。子どもを「選ぶ」親たち

特別養子縁組

「軽度の病気がある子や、(生みの母親の)国籍が違う子については、国内で養親さん(養子を家族として迎える親)を見つけるのはすごく難しいです。海外だと受け入れてくれる方が見つかるのですが……」   こう語るのは、民間のあっせん機関として特別養子縁組の支援をおこなう一般社団法人ベビーライフ(東京都)の川上真季さんです。   川上さんは、国内で子どもを引き受ける養親を見つけられない場合、海外の家庭に子どもをあっせんすることになると話します。   特別養子縁組と聞いた時、日本に住む家族をイメージした方も多いのではないでしょうか。   しかし、そうではない事例もあるのです。厚生労働省の調査によると、2013年度に民間あっせん機関で成立した特別...

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職業寿命が短い風俗嬢たちの悩み

性風俗

「50歳過ぎるとどうなっちゃうのかな。先輩は、連絡がつかなくて、何やってるかも分からないです。めちゃくちゃ格安の店に一時期いたってのは知ってるんですけれども。あれだけ稼いでて、ついにあそこ行ったのかって、みんな言うから」   39歳で現役ソープ嬢のリエさん(仮名)は、売れっ子だった先輩女性について振り返りながら、自身の将来について漠然とした不安を打ち明けました。   今回の記事で編集部が注目したのは「風俗嬢を辞めるとき」。性風俗業界に見られるのは、風俗嬢として働く年数が長い女性ほど、業界から抜け出せないという問題です。   「風俗で働くと共通してヤバイことは、みんな年をとると辞めざるを得なくなることです。若いころ風俗で稼げていても貯金をしていない人も...

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意図しない妊娠の背景に潜む孤独

若年妊娠

貧困や虐待などによる、家庭や学校での孤立――。   本特集のテーマ「若年妊娠」の背景には多くの場合、こうした事情があると関係者は口を揃える。   そこで、今回は意図しない若年妊娠に至る背景に迫る。   寂しさを埋めるために 日本性教育協会による「第7回青少年の性行動全国調査」では、家族や学校に対する印象と、性交経験率や性暴力被害との関連性が指摘されている(日本性教育協会『「若者の性」白書』(2013))。   特に高校生女子は家庭が「楽しくない」と回答する場合に、性交経験率が高い。   また家庭が「楽しくない」と回答した高校生女子は、デートDV経験率が38%に上る。これは、「楽しい」と回答した場合の倍近く...

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「日本の女性は守られていない」世界から遅れた緊急避妊薬の現状

若年妊娠

避妊の失敗や性暴力などによる意図しない妊娠を防ぐ最後の砦とも言える「緊急避妊薬」。性交後72時間以内に服用すれば、約8割の確率で妊娠を避けることができる(早ければ早いほど効果が高い)。   世界90カ国以上で処方箋がなくても購入できる薬だが、日本では医療機関の受診が必要だ。   2017年、厚生労働省は緊急避妊薬のOTC化(over the counterの略。医師による処方箋がなくても、薬局やドラッグストアで購入可能とすること)を検討。パブリックコメントでは348件中、賛成が320件、反対はわずか28件だったにもかかわらず見送りになった。   現在、その緊急避妊薬の「オンライン診療」について厚労省の検討会が開かれている。そこでは、どのような議論がな...

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生活保護への偏見を助長している? メディア側の事情

生活保護バッシング

「生活保護は、不正受給やギャンブルはとにかく繰り返し報道されますが、それ以外のことは報道されることなく、知られる機会もない。不正受給はもちろん問題ですが、全体の2%ほど。それ以外の約98%について、もっと知られてほしいなと感じます」   元生活保護利用者である和久井みちるさんは、不正受給をはじめとする生活保護に関するネガティブな報道が相次いだ結果、生活保護を敬遠する人が増えてしまったのではないかと語る。     「もちろん、圧倒的多数の生活保護利用者の生活は地味でつまらないから報道されない。それはわかりますが、3%にも満たない不正受給が散々騒ぎ立てられたことで、いまや誤解と偏見が蔓延してしまっています」   そうした認識は世間一般のみな...

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再犯者率50%。出所者が直面する厳しい現実

出所者の社会復帰

毎週土曜日の夜、新宿・歌舞伎町で、蛍光色のジャケットを羽織って歩く一行がいます。   道行く人に配っているのは、無料相談受付の案内を書いたポケットティッシュ。   「パトロールで歌舞伎町を変える」をスローガンに5年前からこの活動を続けるのは、千葉龍一さん。   千葉さんは、一般社団法人再チャレンジ支援機構(東京都新宿区)に所属し、出所者の社会参加を支援する活動を行っています。   出所者だけではなく、家庭内暴力やひきこもりなど困りごとを抱えた人々の相談業務等を行なっている千葉さん。   千葉さんは、歌舞伎町のパトロールをするなかで、居酒屋や風俗営業等のキャッチのなかには出所者がいることを知りました。 ...

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生活保護“ジャンパー事件”から2年、小田原市の改革

生活保護バッシング

「保護なめんな」ーー。   そうプリントされたジャンパーを小田原市職員が着用し、生活保護利用者宅などを訪問していたことが、2017年1月に明るみになった。   ジャンパーには「生活保護悪撲滅チーム」を意味する「SHAT」(生活・保護・悪撲滅・チームの頭文字)とともに、「我々は正義だ。不正受給して我々を欺くのであれば、あえて言う。そのような人はクズだ」という内容が英文で綴られていた。     生活保護利用者を萎縮させる「生活保護バッシング」を行政が具現化したとも言えるこの“事件”に対し、小田原市には大きな批判が浴びせられた。   事件後、小田原市は「保護行政のあり方検討会」を設置。事件から2年以上が経ち、保護行政のあり...

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社会問題を伝える「効果的なキャンペーン」のあり方とは

R-SIC

社会問題におけるキャンペーンは人々に気づきを与え、社会を変えるための多くのきっかけをもたらしてきた。そうしたキャンペーンはどのように仕掛けられているのか。キャンペーンに込める思いとは。   オックスファム・ジャパンで国際NGOならではの希少ポジションであるキャンペーンオフィサーを務め、現在も複数のNPOのキャンペーンに携わる鈴木洋一さんと、「クリエイティブの力で社会をポジティブに変えていくこと」をテーマに数多の広告賞の受賞実績を持つ株式会社GOのクリエイティブディレクター・砥川直大さんが登壇。   自らもソーシャルイノベーションを仕掛けるNPO法人ミラツク代表の西村勇哉さんをモデレーターに、社会問題におけるキャンペーンについて語ってもらった。   ※...

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「大人の学校入学式」リディラバ安部講演レポ:前編

リディラバジャーナル

2018年1月20日にローンチしたウェブメディア「リディラバジャーナル」。7月20日でローンチから半年を迎えることができました。     感謝の気持ちを込めたスペシャルコンテンツ第一弾は、ローンチ翌日の1月21日に行われた記念イベント「大人の学校入学式」より、編集長・安部敏樹の講演レポート。   クラウドファンディングにてご支援くださった約90人の方々を前に安部が語った、リディラバジャーナルを始めた経緯、ジャーナルの掲げる「自己責任論の否定」「社会問題の構造化」についての熱い語りを、前後編にわけてご紹介します。   リディラバジャーナルは、時代の変化に合わせたメディアでありたい   まず、なぜリディラバジャーナルを始めたのか...

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仲間とともに回復する場、自助グループ

アルコール依存症

2018年8月上旬。東京都練馬区の区民集会所をのぞくと、約10人の男女が集まり、それぞれのアルコール依存症にまつわる経験や思いを語っていました。   AAのミーティング会場に集まる参加者たち。   これは、アルコホーリクス・アノニマス(以下AA)という、飲酒に関する問題を抱え、酒をやめたい人々でつくる団体が開くミーティングです。   こうした当事者が集まる自助グループは全国にあり、アルコール依存症からの回復に効果を上げています。 前回紹介したように、アルコール依存症治療の三本柱は「通院」「抗酒剤の服用」「自助グループへの参加」と言われています。   「アルコール依存症に対して一般的な精神科外来でできることはそ...

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動物実験とは何か?実験のあり方の現状

動物実験

「動物実験は『人体実験の代替法』です。人体を実験に使うことが倫理的に許されないため、人体の代わりに動物が用いられるんです。そして実験された動物はほぼ例外なく殺されてしまいます。現代において、そうしたことが許されてもいいのでしょうか」   そう話すのは、動物の権利を訴える活動を行う市民グループのPEACE 代表の東さちこさんだ。     東さんは「私たちが便利で快適に暮らす社会の裏側で、多くの動物たちが苦しみ、命を奪われていることをより多くの人に知ってほしいと思います」とも話す。 動物実験とは何か そもそも動物実験とは何なのか。   動物が実験に用いられるのは、主に研究や試験、教育の3つの領域とされる。研究とは医学への...

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300円の万引きで税金130万円?社会的コストを考える

万引き依存症

『刑務所の経済学』(中島隆信著・PHP研究所)によれば、ある人がスーパーで300円のパンを万引きした場合、次のような条件であれば、そこにかかる税金は130万円と試算されている。   過去に刑務所に入っていた人が300円分の万引きをし、現行犯逮捕をされる。貧困などを理由に国選弁護人がつき、再犯者のため起訴されて裁判にかけられる。1カ月の拘置期間を経て、懲役6カ月の判決を受けた後に服役、満期で出所するーー。   Shutterstock    130万円はこうした想定のもと試算された額であるが、これらの条件は「万引き依存症」とされる常習的に万引きを繰り返す人たちに当てはまりやすい。   彼・彼女らの場合、満期で出所した後も、高い確率で...

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ヘイトスピーチへの抑止効果。法的措置をとる意義

ヘイトスピーチ

インターネット上に蔓延する排外主義的な言説にどう対処していけばいいのか――。   今回は“元ネット右翼”を自称する古谷経衡さんに、ネット右翼界隈の事情と、ネット上の誹謗中傷やヘイトスピーチを抑止する方法について語ってもらった。 ネット右翼の情報発信ネットワーク 「なぜネット右翼界隈にいたのかと問われたら、私にもリターンがあったからです」   こう振り返るのは、『ネット右翼の終わり』(晶文社)など、ネット右翼に関する数々の著書がある文筆家の古谷経衡さん。元ネット右翼を自称する古谷さんは、ネット右翼コミュニティにいることで得られたメリットについてこう話す。   「私がネット右翼的な言論に入り込んでいく入り口は、『チャンネル桜』というイ...

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ヘイトスピーチをいかに防ぐか

ヘイトスピーチ

「路上でもネット上でもヘイトスピーチに対する法的措置が必要」ーー。   こう考えた在日朝鮮人のフリーライター・李信恵(り・しね)さんは、在日特権を許さない市民の会(以下、在特会)および桜井誠前会長と、差別的な表現の記事を作成したまとめサイト「保守速報」に対して損害賠償請求訴訟を起こし、いずれも勝訴した。   李さんは、「自分の目で見て伝えていきたい」と、これまで300回ほどの排外主義的な主張を行うデモや街宣に足を運んできた。   2013年2月9日、新大久保にて「良い韓国人も悪い韓国人もどちらも殺せ」と書かれたプラカードを掲げる人(李さん提供)。   李さんは(在日)朝鮮人に対して発せられるヘイトスピーチを見聞きし...

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限界を迎える「プラスチックごみ」の行方

プラスチックごみ

2017年12月、プラスチックごみを世界各国から受け入れてきた中国が輸入停止を宣言した。   “中国ショック”とも言われる事態を受け、プラスチックごみの処理を中国に依存してきた世界各国が対応を迫られている。   中国はこれまで「資源」として活用するために世界中からプラスチックごみを輸入してきた。世界では年間およそ1500万トンのプラスチックごみが輸出されており、中国はその50%近くを受け入れていた。   Shutterstock.com   プラスチックごみ問題に詳しい東アジア・ASEAN経済研究センターの小島道一さんは次のように話す。   「中国では世界中からプラスチックごみを集めてペレットという粒子にし、衣類やおも...

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食糧自給率はまだ上がる! その方法は‟エサを変える”だけ!?

フードロス

小田急グループで最もリピート率の高い商品「優とん」(日本フードエコロジーセンター提供) この「優とん」という豚肉は、首都圏に30店舗以上のスーパーマーケットを構える小田急グループで最もリピート率の高い商品だ。   見た目は普通の豚肉と何ら変わりませんが、実はフードロスと大いに関係があるのだ。 一体この「優とん」、どんなところが「優」なのか。   前回の記事では、ロスを有効活用する取り組みとしてフードバンクを紹介した。 今回も同じく、ロスを有効活用していく取り組みとして食品のリサイクルを扱う。   ビン、缶、ペットボトルといったごみのリサイクルは皆さんにとって身近かと思いますが、実は食品も同じように...

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障害がある人にこそ「まず住まいを」。ハウジングファーストという手法

ホームレス

「そこは本当にうるさいところでしたよ。神経が疲れました」——。いちど、生活保護を受けてホームレスを脱しようとした際に暮らしていたところについて、なべさん(仮名)はそう振り返ります。   5章では、なべさんの話を中心に、支援団体の方々の取材も交え、知的障害や精神障害のある人がホームレス状態に陥った時の暮らしや抜け出す難しさに迫った。   たしかに自力でホームレスから脱するのが困難な状況にあるが、支援団体の熱心な活動もあり、なべさんのようにホームレスから脱する障害者の方もいる。 では、脱する時カギとなるのは何か。   それはやはり「住居」だ。   今回の特集で、ホームレスになった経緯を語ってくれた精神障害のあるなべさんもいちど、...

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国籍も年齢も問わない「夜間中学」の今

外国ルーツの子ども

2019年3月初旬の夕方。東京都にある足立区立第四中学校では、部活動を終えた生徒たちが帰宅する中、午後5時半から「夜間学級」1時間目の授業がはじまる。   3〜10人ほどが一つの教室で授業を受ける。生徒たちの年齢や学年、国籍は多様だ。   Shutterstock.com   各教室の黒板に書かれた時間割には「日本語」の授業が並ぶ。   1時間目 日本語 2時間目 日本語 3時間目 体育 4時間目 卒業生を送る会の準備   日本語が分からない外国籍の生徒も多いため、第四中学校の夜間学級では「日本語学級」を設けているのだ。   日本語学級の場合、1日4コマのうち3コマ...

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“グレー”な環境で働く風俗嬢。昼の世界との距離

性風俗

仕事上での被害が事件化しない。 相談事があってもSOSが出せない。 夜の世界で働く人との関係性が強くなり、昼の仕事をしている人とは話が合わなくなる。   風俗嬢を始めると、社会や周囲との関わりかたが変化していくことがあります。 法的に“グレー”な業界であることや、人に話しづらいという立場によって、風俗嬢が抱えてしまう課題に焦点を当てました。   被害届けに繋がりづらい 性風俗は、営業の届出を出していれば「合法店」として扱われます。   しかし、売春とみなされる行為が公になれば、それは売春防止法に抵触します。   第六回で見たように、性風俗店は違法である売春行為に当たらないためのしくみを敷いた上で、「いつ摘発...

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「身体が動かない≠孤独」の時代へ

コラムニスト

みなさん、こんにちは。株式会社オリィ研究所の所長であり、ロボットコミュニケーターの吉藤オリィです。   私は人と人とのコミュニケーションを支援することを目的に、分身ロボットをつくる仕事をしています。   今回は私の人生のテーマ、「孤独とは何か」「どうしたら孤独を解消できるのか」ということについて書きたいと思います。 この世に自分の居場所なんてない そもそも「孤独」とはどんな状態でしょうか。   人それぞれ孤独を感じる瞬間は異なるかもしれませんが、私の考える孤独の定義は、「自分は誰からも必要とされていない」「自分には居場所がない」と感じることです。   なぜこの問題に取り組んでいるのかと言うと、私自身の体験が原動力になっ...

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1日あたり450件。中絶という選択の実態

若年妊娠

2019年6月7日に厚生労働省が発表した人口動態統計(概数)によると、2018年の出生数は91万8397人で過去最低を更新した。   一方で、国内では年間約16万件の人工妊娠中絶(以下、中絶)が行われている。   中絶件数自体は減少傾向にあるが、それでも1日あたり約450件に上る。また、10代の妊娠の場合は、出産よりも中絶を選択する割合が高い。   意図しない妊娠による中絶は“自己責任”と言われることもあるが、中絶に至る背景には社会的な要因もある。   また関係者の話からは、産みたいと思っていても中絶を選択せざるを得なかったり、中絶を希望しても手術を受けられなかったりと、女性の自己決定権が阻害されている実状が浮かび上がる。 ...

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障害者の恋愛を阻む「自信」「お金」「つながりの数」

障害者の恋愛

「障害者ってくくりでも、リア充もいればまったくモテない人もいるわけですよね。リア充からすれば障壁なんてなくて、恋愛は問題じゃないんですよ。でも、モテない障害者からしたら超重大な問題なわけです」   佐々木さん自身は、障害が恋愛の際に障壁になると感じたことはないと言います。   そう語るのは、障害や難病で「生きづらさ」を感じている人向けのウェブマガジン「Plus-handicap(プラス・ハンディキャップ)」の編集長・佐々木一成さん。自身も足に先天性の障害があり、義足を利用しています。   プラス・ハンディキャップでは、障害のある人の恋愛をテーマとした記事を紹介しているほか、佐々木さんはプライベートでも障害者から恋愛の悩みを聞くことがあるそ...

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「気のいいおじさん」を変えてしまう実習制度

外国人技能実習制度

茨城県八千代町にある小野寺農園。 ここでは、モンゴルから来た実習生・ホマさんが農業を学んでいます。   「私の家は遊牧民です。遊牧民向けの野菜を作るファームを持つのが今の私の夢です。だから、農業を勉強するために日本に来ました」   茨城で農業を学ぶホマさん(右)と、ともに働く拓人さん。ホマさんの部屋の壁には、勉強のために漢字を書いた付箋が貼ってありました。   同農園を経営する小野寺孝一さんは、農業支援で訪れたモンゴルに魅了され、度々モンゴルに赴くように。そこで出会ったホマさん一家とは、家族ぐるみの付き合いをするようになりました。そのような関係がある中で、子どもの頃から成長を見てきたホマさんに「日本で農業が学びたい」との相談を受...

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プラスチックごみ問題、私たちは何をどう知るべきなのか

R-SIC

海洋への流出が深刻化し、世界的な注目を集めるプラスチックごみ問題。2050年には、海に漂うプラスチックごみの重量が海中の魚の総重量を上回るとも言われている。   そんななか、日本は個人が出す一人当たりのプラスチックごみの量が世界ワースト2位。意識せずとも、「プラスチック依存社会」に暮らすなかで、プラスチックごみ問題の何をどう知るべきなのか。   消費量の抑制やリユース・リサイクル、自然界に流出したものを回収するという、それぞれの段階でアプローチする3社の取り組みから考える。   ※本記事はリディラバが主催するカンファレンスR-SICのセッションを記事にしたものです。 プラスチックごみ問題とは何か  小嶌不二夫  最初にモデレーターの僕から...

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【続・新世代社会起業論】事業規模1億円にいたるまでの戦略

R-SIC

お金にならないと思われがちなソーシャルビジネスで、億単位の事業をつくってきた若手経営陣たち。彼らはどのように収益を上げているのか。どんな困難にぶつかり、どう乗り越えてきたのか——。   2019年1月にゴールドマンサックスからの4億円の寄付を発表したLearning for All 代表の李炯植(り・ひょんしぎ)さん、変化の激しい途上国で新たな事業を展開するe-Education代表の三輪開人さん、事業型NPOとして質の高い学童保育を実現してきたChance For All代表の中山勇魚(なかやま・いさな)さんに、リディラバ代表の安部敏樹が、お金の話から組織の話までざっくばらんに聞いた。   ※本記事は、リディラバが主催する社会課題カンファレンス R-S...

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津田大介×安部敏樹「リディラバジャーナル」という可能性

リディラバジャーナル

リディラバジャーナルのローンチ半年を記念したスペルシャルコンテンツ第2弾では、ジャーナリストの津田大介さんと編集長 安部敏樹が対談。クラウドファンディングでも支援いただいた津田さんとリディラバジャーナルの現状や今後の可能性などについて議論しました。 後編はこちら。   インプットとアウトプットの壁  安部  おかげさまでリディラバジャーナルはローンチから半年が経ちました。津田さんから見てリディラバジャーナル、どうですか。    津田  思っていたより、ちゃんとしているなと。    安部  どういうことですか? ちゃんとしてないとか思っていたんですか(笑)。    津田  いやいや(笑)。安部さんって意外と行き当たりばったりな...

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摂食障害に“市民権”を

摂食障害

「ランチなんてもうできないと思っていました。誰かと一緒にご飯を食べることはとても勇気のいることだったんです」――。   誰しも生活のなかで避けてはとおれない食べるという行為。しかし、「普通に食べること」ができずランチや飲み会に足を運ぶことが躊躇われる。   そんな苦悩を抱えるのが「摂食障害」に苦しむ人々です。   (acworks/photoAC) カミングアウトすることへのためらい 大学時代から9年間摂食障害に向き合う金子浩子さん。金子さんは他人と一緒にごはんを食べることの難しさについて次のように語ります。   「人との付き合いには『食べる』という行為がつきものですが、ご飯がどうしても食べられなくて残していると、やっ...

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回復には「底つき体験」が必要なのか

アルコール依存症

「アルコール依存症を治すには、パートナーや子どもに逃げられて、金も仕事も住む場所も失って、もうこれ以上落ちるところはないというところまでいく『底つき体験』が必要という誤った考えが、今も医療従事者の間に根深くあります」   そう指摘するのは、精神科医で、川崎市立多摩病院(神奈川県川崎市)神経精神科科長を務める阿部大樹(だいじゅ)さん。   「底つき体験」が必要という言説の問題点を語る阿部さん。   アルコール依存症は進行すると、肝硬変やアルコール性認知症といった身体疾患があらわれます。身体疾患を合併した依存症に対応できる医療機関は少ないので、ますます通院や治療が困難になってしまいます。ここからわかるように、アルコール依存症もほかの病気と...

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実父からの性的虐待 「“被害”と認識していなかった」

小児性犯罪

※本記事には、子どもに対する性暴力の記述があります。実態をお伝えするために生々しいエピソードもありるため、フラッシュバックやPTSD(心理外傷後ストレス障害)を懸念される方は、十分に注意しながらご覧ください。   27歳のとき、忌まわしい記憶のフラッシュバックが起きた。それは、長年悩まされ続けていた抑うつ状態のカウンセリングでのことだった。   元タカラジェンヌの東小雪(33)さんは、カウンセリングのなかで「子どもの頃に性虐待をされたことがあるんじゃないか」と聞かれた。それまで封印していた記憶が呼び覚まされた瞬間だった。   そこではじめて、性暴力を受けたことに気付いたという。     その被害は実の父によるものだった。父親...

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リディラバ安部が考える「小児性犯罪という“病い”」

小児性犯罪

リディラバジャーナル編集長の安部です。   今回の特集は「小児性犯罪 ー子どもを狙う“病理”の実態ー」、13歳未満の子どもに対する性犯罪について取り上げました。 小児性犯罪における発覚のしづらさ 小児性犯罪の認知件数は年間900件以上に上り、認知されていない被害件数も含めれば、その数は数倍〜数十倍に上るのではないかと言われています。     小児性犯罪は、被害が発覚しづらい問題でもあります。小児性犯罪者はもともと知り合いだったり、知り合いなるために近づいたりと、子どもとの関係性を利用して犯行に及ぶことが多いとされています。   同記事でも、ある学生が近所に住む幼稚園児に対して、陰部を触るなどの性的行為を及んでいた事例...

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北野唯我が語る、NPO人材のキャリア論

ソーシャルセクターのキャリア論

ソーシャルセクターにおける“キャリアのリアル”に迫るためにスタートする本特集。   初回は、30歳のデビュー作『転職の思考法』が12万部、続く『天才を殺す凡人』が発売3ヶ月経たずに8万部を超えるなど、いまやキャリア論を語る上で欠かせない論客となった北野唯我さんが登場。   博報堂とボストンコンサルティングを経て現在は複数企業の会社役員を務めるが、自身のキャリアの原点はソーシャルセクターにあったという。そんな北野さんに、ソーシャルセクターにおけるキャリア論を語ってもらった。 ソーシャルセクターこそ専門性が必要 「ソーシャルセクターに勤めたいんですが、どう思いますか?」。   毎年のようにそう聞かれることがある。私はいつも「ソーシャルセク...

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なぜ男は痴漢になるのかーー加害者側から見た実態

専門家に聞く

日本で蔓延する痴漢被害ーー。   依存症治療を行う大森榎本クリニックの精神保健福祉部長である斉藤章佳さんは、日本で初めて社会内での性犯罪再犯防止プログラムを立ち上げ、痴漢をはじめとする2000人を超える性犯罪者の治療にあたってきた(2019年3月末時点)。   加害者側から見た痴漢問題の実態とは。 痴漢の加害者像とは? 私は2017年に『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)という本を出版しました。   大森榎本クリニック精神保健福祉部長 斉藤章佳さん。   まさか痴漢の本でこんなに話題になるとは思っていなかったのですが、幅広くさまざまな人に読んでもらえました。   最近は街で知らない人から「痴漢の人です...

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「教育格差を解消する」NPOと大企業それぞれの戦略

教育

教育格差の解消を目指す事業は、学校現場においてどのような役割を果たすのか。事業として継続させていくための大企業のマネタイズの戦略、NPOの寄付モデルの強みとは――。 大企業とNPOそれぞれの手法について、オンライン学習サービス「スタディサプリ」を提供するリクルートマーケティングパートナーズの徳重浩介さん、定時制高校や通信制高校の生徒たち向けにキャリア支援を行うNPO法人D×P(ディーピー)の今井紀明さん、長野県小布施町でまちづくりを行う大宮透さんに語ってもらった。     登壇者(写真左から) 今井紀明さん(認定NPO法人D×P(ディーピー)理事長) 徳重浩介さん(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ執行役員:2...

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ソープランドは“お風呂屋さん”。建前の上にある性風俗

性風俗

性風俗で働く女性は、その労働内容が法律に守られていないことにより、困った立場に置かれてしまうことがあります。収入を指名の数に左右されてしまうことも、実は法律の内容が背景にあります。   法的に「グレー」と言われる性風俗業界。どこからが違法行為なのでしょうか。   風俗店がもっとも注意を払っているのは、提供するサービスが「売春」とみなされないこと。日本において、売春は違法行為だからです。   売春とは売春防止法で「対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交すること」と定義され、禁止されています。   この定義に照らし合わせ「じゃあ風俗って違法なのでは?」と思った方もいるのではないでしょうか。 結論から言うと、性風俗産業...

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弁護士が解説する、コレクティブ・インパクトを成功させるための「組み方」

専門家に聞く

社会問題解決の手法として、近年日本でも注目を集めるコレクティブ・インパクト。   NPOや行政、ときには企業などが社会問題解決に向けて活動する中、なぜコレクティブ・インパクトが必要となってくるのか。   また、実際にコレクティブ・インパクトを推進する際、どのような形態を取るべきなのか。   ソーシャルセクターで活躍する弁護士の瀧口徹さんに解説してもらった。   コレクティブ・インパクトとは? 今回ご紹介するコレクティブ・インパクトは、日本でもここ5、6年よく話題に出るようになった概念です。   簡単に説明すると、企業やNPO、行政などセクターを越えた複数の団体が集まり、共通のアジェンダや社会問題の解決に向...

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いま振り返る3.11、「情報発信」すればいいわけじゃない

被災地とボランティア

「肝になるのは現地で長期滞在している(ボランティア)リーダーたちでした」   こう話すのは、災害支援活動や防災活動に取り組む一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンター(東京都)事務局長の上島安裕さん。   上島さんは、より多くのボランティアを巻き込むにあたって、ボランティアリーダーの存在が重要だったと語ります。   現場で長期間活動しているボランティアリーダーたちが、過去にボランティアに参加してくれた仲間などに電話をかけて、困っている状況を説明し、ボランティアに来てほしいと伝えていたのです。   つながりのある企業にも再度参加を呼びかけていたと話す上島さん。   学生ボランティアと被災地で活動する支援団体...

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「自分の能力を試したい」。障害者が語る働くことの意義

障害者雇用

  豊かな自然に囲まれた筑波山南麓、茨城県つくば市にある特定非営利活動法人「自然生(じねんじょ)クラブ」。知的障害がある人向けのグループホーム運営などを行なっています。ここでは、障害のある人が農業のほか、演劇、絵画制作などの創作・表現活動にも取り組んでいます。 収穫したサツマイモを手にする自然生クラブのメンバー(自然生クラブ提供)。   1990年に自然生クラブを設立した施設長・柳瀬敬さん。柳瀬さんは、自然生クラブで働く人々の様子を踏まえ、こう語ります。 「うちの連中は、畑とか田んぼで作物を作ってまずできたことが楽しいし、嬉しいんだよね。で、できたら人に食べさせたくてしょうがない。それで『おいしい』って言ってくれるのがうれしい。自分が役に立...

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ある調査が示す、生活保護に対する市民感情の実態

生活保護バッシング

「生活保護利用者をバッシングするかのような報道によって作り上げられた不信感が、生活保護制度の厳格化を求める世論形成につながっている」   そう指摘するは、生活保護に関する研究を行う日本福祉大学の山田壮志郎准教授だ。山田准教授は、これらの世論が生活保護制度に関する政策にも影響していると強調する。   「2013年の生活保護基準の引き下げは、生活保護費が高すぎるといった世論の高まりを根拠の一つに実施されました。2012年以降の生活保護バッシングによって醸成された生活保護に対する否定的な市民感情が、実際の政策動向にも少なくない影響を与えているんです」  引き下げられ続ける生活保護基準 生活保護基準は生活保護によって給付される金銭の基準額を指す。これが引き下...

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大企業からNPOコンサルに――ソーシャルセクターで独立すること

ソーシャルセクターのキャリア論

ソーシャルセクターで働く人の“キャリアのリアル”とは。   2010年に新卒で楽天に入社した堤大介さん(33)は、プロボノとして複数のNPOで活動。約6年過ごした後、公益組織などにコンサルティングを行うPubliCoに2年、NPO向けファンドレイジングプラットフォーム「Syncable」などを運営するSTYZに1年所属し、2019年5月にNPOコンサルタントとして独立した。   ソーシャルセクターで「独立する」という生き方を選んだ理由とは。 武器を身につけてソーシャルセクターへ ――堤さんは学生時代からソーシャルセクターに関わっていたそうですが、楽天に入社したのはどんな理由があったんですか。   大学生のときにボランティア活動をするなかで...

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痴漢問題は「抑止」でなく「撲滅」を

痴漢大国ニッポン

2017年10月、フランスで『Tchikan』という本を出版した佐々木くみさん。     彼女は初めて痴漢に遭った日、母親から「あなたも悪いのよ、わかってる?大体、あなたは不用心だから……」と言われました。それ以降、痴漢被害に遭っても、家族に打ち明けることはなくなりました。   「当時、打ち明けた大人は母親と担任の女性教師だけ。2人からは深刻さを感じられなかったので、痴漢というのはきっと深刻に考えることではない、日常的なことなので慣れなくてはいけないんだなと思っていました。だから、毎日痴漢を我慢しながら、真面目に学校に通わざるを得なかったんです」 痴漢抑止バッジの発明 痴漢に遭っていた当時からおよそ20年後の2017年。フランス...

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困っている人がSOSを出しにくい社会に変化を

リディラバジャーナル

読者インタビュー第3弾は、ソーシャルワーカーの根本真紀さんのインタビューをお届けする。国家公務員を辞めて、福祉の領域に飛び込み、以降さまざまな社会問題の現場で活動をしてきた根本さん。根本さんはなぜリディラバジャーナルを読み、どのように活かしているのか。   光の当たりづらい問題に着目するメディア ――リディラバジャーナルを読み始めたきっかけは何でしょうか。   リディラバジャーナルで取り上げた最初の特集テーマが、ホームレスでしたよね。   私自身、15年ほどホームレス支援に携わっているので、支援者の方々がリディラバジャーナルという新しいオンラインメディアで取材を受けたとSNSで投稿しているのを目にして購読を始めました。   ...

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「我慢ではやめられない」万引き依存症を患った女性の苦悩

R-SIC

被害総額1日13億円、年間5000億円、日本一発生件数の多い犯罪である万引き。   万引きが行われる原因はさまざまだが、一般的にイメージされやすい貧困によるものではなく、むしろ経済的には恵まれているにもかかわらず、万引きという行為そのものに耽溺する人たちがいる。   2018年に刊行された『万引き依存症』(イースト・プレス)の担当編集者であるフリー編集者の三浦ゆえさんがモデレーターを務め、これまで数多の万引き依存症の人たちの治療にあたってきた大森榎本クリニック精神保健福祉部長で精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんと、かつて万引き依存症だった女性のMさんが、その病の実態を語った。   ※本記事は、リディラバが主催する社会課題カンファレンス R-SI...

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【官民連携のリアル】行政と民間の「良い関係性」の条件とは?

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「官民連携」という言葉をよく耳にするものの、往々にして問題を抱え込んでしまいがちな行政。そこで、どのように民間を頼り、成果につながる関係性を築いていけばいいのか、実践者たちに語ってもらった。   フロントランナーとして集結したのは、長野県塩尻市で「官民協働」を掲げ、人材育成プログラムを行う市役所職員の山田崇(やまだ・たかし)さんと、みずから提案した「地方創生人材支援制度」の第一号として、鹿児島県長島町に派遣され、最年少副町長として成果を生み出してきた井上貴至さん。   モデレーターには、公共サービスの提供を民間主導で行う「PFI手法」の導入など、新しい官民連携事業をつくってきた天米一志(あまめ・かずし)さんを迎え議論した。   ※本記事は、リ...

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「大人の学校入学式」リディラバ安部講演レポ:後編

リディラバジャーナル

前回に引き続きお送りする、リディラバジャーナル半年記念スペシャルコンテンツ。   ローンチ翌日の2018年1月21日に行われた記念イベント「大人の学校入学式」より、編集長安部の講演レポート後編です。   リディラバジャーナルが、社会問題を記事化することの先に目指しているものについて、安部の熱い語りをどうぞご覧ください。 全ての社会問題は、他の社会問題の入り口である 「現代では、あらゆる社会問題がネットワーク化している」というのが、我々の仮説です。   つまり、完全に孤立している社会問題というものはほぼなくて、どの問題もほかの問題とつながっているはずだと。   逆を言うと、すべての社会問題は、他の社会問題への入り口になり...

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リディラバ安部が考える「子どもの自殺問題」

子どもの自殺

リディラバジャーナル編集長の安部です。   今回の特集は「子どもの自殺 〜なぜ彼らは“死”を選んだのか」でした。   リディラバジャーナルではさまざまな社会問題をテーマとしていますが、それぞれの社会課題の「最後の出口」として自殺があります。そうした意味では、自殺はあらゆる社会問題の当事者にとっての「末路」とも言えるかもしれません。   生きるための促進要因をどう育むか 特集内では、米国や中国、韓国の高校生と日本の高校生とを比較したデータを用い、日本人の高校生は他国と比べて自己肯定感が著しく低いことを紹介しました。こうしたデータからは、日本の教育では自己肯定感を育むことができていないことがわかります。   これはやはり、親...

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「なんでこんなひどい目に…」元起業家の告白

起業家のメンタルヘルス

「起業」「資金調達」「上場」――。   こうした言葉がニュースやSNSのタイムライン上に飛び交う一方で、「廃業」「メンタル不調」「投資家からのプレッシャー」などは事実としては存在するものの、その言葉を目にすることはほとんどない。   そこで今回は、起業して廃業した経験を持つ萬野有生(まんの・ゆうき)さんに、起業してみて気づいたことや、ベンチャーキャピタルとの関係性まで赤裸々に語ってもらった。 萬野さんは東京大学から同大学院に進学。2011年に卒業後、株式会社DeNAに新卒入社するものの11ヶ月で退社。その後ゲーム会社技術統括などを経て、2014年3月に起業し、2016年1月に廃業した。現在はAppLovin株式会社Senior Mana...

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動物実験は必要悪か?科学者たちの見解

動物実験

「動物実験を行っている研究者も、動物実験をやりたいからやっているわけではありません。私たちは、動物実験でしか科学的に解明する方法がないから、動物を使って実験をしているんです」   自らも動物実験を行う研究者である鎌倉女子大学家政学部准教授の秋田正治さんは、実験動物について議論される際に勘違いされがちなこととしてそう話す。     「もし、動物実験と同等に科学的に解明できる手法があれば、当然ながらその手法を用います。しかしながら、まだそれはない。だから、動物を使わざるを得ないんです」 動物実験と科学の発展 私たちが生活のために用いる医薬品や食品、そして化粧品などの多くに化学物質が含まれており、それらは動物実験を経て開発されている。そのため...

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リディラバ安部の考える「教員の多忙化」と公教育

教員の多忙化

こんにちは、リディラバジャーナル編集長の安部です。 今回お送りした「教員の多忙化:学校現場のブラックな実態」はいかがでしたか。   「知・徳・体」を学ぶ場となっている日本の学校。   そのため、学校で知育のみを学ぶ欧州などと比較し、そもそも日本の先生の仕事は広範にわたっています。   さらに、現代では家庭や地域は衰退し、教育力も低下。教育に関して家庭や地域が担っていた役割も学校に期待されており、仕事の範囲は拡大する一方です。   「教員の多忙化」という問題は、これまでやってきた「知・徳・体」を学ぶ日本型学校教育を続けていくのかという問いを私たちに突きつけています。 (KPG_Payless/Shutte...

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医療的ケア児に、社会との接点を

医療的ケア児

皆さんは、医療的ケアを必要とする子どもと出会ったことはあるだろうか。   日常的に人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアを必要とする子どもたちは「医療的ケア児」と呼ばれる。   厚生労働省の推計によると、0歳から19歳の医療的ケア児の数は、2016年時点で推計約1万8000人。10年前と比較すると約2倍に増えている。   まだ数は多くはないが、医療技術等の進歩を背景として新生児の救命率が上がり、今後も増えていくことが見込まれる。   しかし、これまでの記事でもみてきたように、医療的ケアを必要とするために一般の保育所や学校に通えない子どもたちも多く、彼・彼女らが地域の人々と接する機会は多くはない。 地域の子...

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小児性愛者が“小児性犯罪者”に変わるとき

小児性犯罪

子どもに対して性的魅力を感じることを否定しない神奈川県在住の30代男性は、次のように話す。   「子どもと“そういうこと”をしてみたいと思う人がいることを僕は理解できます。実際にどんな匂いするのか、どのくらい肌が柔らかいのかとか、(漫画やアニメのキャラクターなどの)二次元では飽き足らない人は、実は大勢いるんじゃないかでしょうか」   子どもを対象とする性愛は、社会的に“異常”とされる性的嗜好だからこそ可視化されていないのだと男性は言う。 ある男性の場合 「もし、子どもとの性的な関係が合法化され、かつ社会的に許されるのならば、自分が食いつかないと言えば嘘になってしまう。僕が読む漫画に、おじさんと小学生の女の子がセックスをするシーンがあるんですけど、それ...

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小売段階でロスを減らせない、有効活用できない事情とは?

フードロス

  今回取り上げるのは、上の図の小売から消費の間に発生するロスについてだ。   私たちが消費者として日々利用している小売の代表例、スーパーマーケット(スーパー)やコンビニエンスストア(コンビニ)では、どのようなかたちでロスが発生しているのか。また、どのような削減努力をしているのか。   探っていくと、同じ小売業といえども、スーパーとコンビニではロスに対する意識や、ロスが出る理由が異なっていることがわかった。 ロス=赤字。経営のためにもロス削減に取り組むスーパーマーケット スーパーではどのようなロスが発生しているのか。 香川県でスーパーを経営し、フードロスの啓発イベントも行う今川宗一郎さんは次のように語る。 「そも...

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【新世代社会起業論】 ソーシャルセクターのトップが明かす、1億円超の事業のつくり方

新世代社会起業論

お金にならないと思われがちな、ソーシャルビジネス。しかし、トップが若くても、億単位の事業を作り、雇用も生み出している組織があるのも事実だ。そうした組織がどのように収益を上げているのか、そのために何を意識しているのか——。今回は、なかなか聞けないソーシャルセクターの「お金」の話に迫った。   ※本特集は全四回でお送りします。     ・三輪開人さん(特例認定NPO法人 e-Education 代表理事) ・李炯植さん(特定非営利活動法人Learning for All 代表理事) ・中山勇魚さん(特定非営利活動法人 Chance For All 代表理事) ・安部敏樹(モデレーター、株式会社Ridilover代表取締役/一般...

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家族からもむしりとられる。ある障害者が家を失った話

ホームレス

2017年12月31日。東池袋中央公園で行われた炊き出しでは、医療相談も受け付けていました。   2011年、ホームレスに関する一つの論文が発表され、注目を浴びた。   タイトルは「東京都の一地区におけるホームレスの精神疾患有病率」(日本公衆衛生雑誌)。精神科医・森川すいめいさんら5名による論文だ。   森川さんらは、2008年12月30日〜2009年1月4日に、JR池袋駅(東京都豊島区)半径1キロ圏内で路上生活を送る人を対象に調査を実施。協力を得られた80人のうち、62・5%にあたる50人が、精神疾患があると診断された。   それまでも、ホームレスの中に精神疾患や障害、知的障害のある人がいることが支援者などを中心に指摘されてきた...

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日本の「しんどい人」を救う。ベーシックインカムより必要なもの

ホームレス

「少しずつ自分の居場所をつくっていきました。居場所がたくさんあって、何とかやってこられたなと思います」   精神障害があり、20年近くカプセルホテルと路上などを行ったり来たりするホームレスだったなべさん(仮名)の言葉だ。   なべさんは今、ホームレスを脱し、人生初のひとり暮らしをしている。   週に数度、公園の清掃の仕事に従事。精神疾患・障害のある人々を支援する「べてぶくろ」(東京都豊島区)で当事者研究という活動に参加したり、東京・池袋を拠点に活動する特定非営利活動法人「TENOHASHI(てのはし)」でホームレスのための炊き出しを行ったり。   ときには今回のような取材にも応じ、充実した日々を送っている。なべさんは、なぜホームレスを脱す...

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廃棄を見ている人からの‟声”。広がる消費者とのギャップ

フードロス

こんにちは、編集長の安部です。   2本目の特集「フードロス」が終了しました。   ‟食品と流通の中で、困っている人の顔が見えない” ‟結局フードロスは何が問題だったのか”   今回の特集で、同様のコメントがいくつか見られました。これらのコメントそれ自体がとても率直で、考えさせられるものでした。皆さんありがとうございます。   この「困っている人の顔が見えない」「結局何が問題なのか」という問いこそが、フードロス問題が社会全体の問題として共有されない理由を表しているとも思います。   最後のコラムでは、ここの部分を少し深堀していければと思います。 というのも、この「フードロス」というテーマは食品を扱う生産者や...

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性感染症は誰のせい?「検査はしたくない」風俗店の本音

性風俗

性風俗業界で働く上で、「性感染症」は最大のリスクの一つです。 身体的にも精神的にもかなりのストレスになるにも関わらず、女性がナマでの性交渉などリスクの高いサービスをしてしまう構造には、前回の記事で見た売春防止法に抵触しないためのしくみがありました。   また、性感染症は「なる人が悪い」わけではありません。女性と客と店舗、ひいては業界全体の問題であるべきですが、女性が肉体的、精神的、金銭的に負担を強いられていることが少なくありません。   今回は、この問題が起こってしまう構造を見てみます。 風俗嬢が「ナマでやりたい」に応えてしまう報酬のしくみ 東京・吉原にて(カメラマン酒井よし彦さん提供)。   風俗嬢の報酬の多くは、完全歩合...

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ボランティアなんて必要とされていないと思え

被災地とボランティア

東日本大震災を機に、被災地で子どもたちへの支援を行う認定NPO法人カタリバ(東京都)代表の今村久美さんは、現地に行ってはじめて、自分自身の描いていた被災地のイメージと現実とのギャップに気づいたと語ります。   今村さんが代表を務めるカタリバは、被災地で放課後に子どもたちの学習支援や心のケアを行う。   「避難所で生活している人に話を聞いてまわっていた時に、物は溢れているけれど、未来に対する絶望がものすごくありました。3年後、5年後の予測不能な未来に対する絶望が漂っていた。だから、今は物はもういいと。いろんな人に対して、『支援してくれてありがとう』と伝えるための動画を撮られるのはそろそろ辛いと。そういったことを何度も言われました。芸能人のイベントや...

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真面目だからこそ…反ワクチン論に影響を受ける理由

ワクチン接種へのためらい

予防接種後、子どもが3回連続で発熱。不安になり他の子はどうなのかと思って、インスタグラムで「予防接種 副反応」と検索したところ、「ワクチンは危険」「ワクチンで自閉症」といった情報ばかりで不安にさいなまれた──。   2019年2月、「私が反ワクチンにハマりそうになった経緯と旦那の対応をまとめます」と題したある女性の投稿が、ツイッター上で注目を集めた(現在は非公開)。   (Shutterstock) 調べれば調べるほど…増す不安 この投稿に共感の言葉を寄せたのは、大和田朋子さん(仮名)。   「子どもに予防接種を受けさせる時って、同意したことを示す親の署名が必要なんです。本当に予防接種を受けさせていいのか。その署名をする覚悟を決め...

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女性の約3人に1人は被害に…他人事ではないドメスティック・バイオレンス

専門家に聞く

家族の病理が表出した配偶者間の暴力「ドメスティック・バイオレンス(以下、DV)」。   なぜ加害者は暴力をふるうのか。なぜ被害を受けている女性たちは逃げられないのか。そして、DV被害者を守るために必要な支援とは。   DV加害者向けの更生プログラムを運営するNPO法人女性・人権支援センター ステップ(横浜市)理事長の栗原加代美さんに話を聞いた。   NPO法人女性・人権支援センター「ステップ」(横浜市)理事長の栗原さん。 シェルターを出て元の生活に戻る女性たち 私はDV加害者向けの更生プログラムを運営しています。   実は、私自身も小学生のときに、離婚して実家に帰ってきた叔父が、毎晩のようにお酒を飲んでは私の母...

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学校現場の組織改革と人材マネジメント

教育

人口減少社会において、生徒をいかに集めるか。今、学校現場でそうした経営スキルが求められている。そこで学校改革を実践し、成果を出してきた先駆者たちに、そのセオリーについて語ってもらった。今回は、学校現場で求められる人材に着目。学校現場を変える人材マネジメントとは――。     (写真左から) 日野田直彦(武蔵野女子学院 学校長) 石川一郎(香里ヌヴェール学院 学院長、21世紀型教育機構理事) 五十棲浩二(聖光学院中学校高等学校) 荒井優(札幌新陽高等学校 校長)   ※本特集は全三回でお送りします。 第一回:生徒、教員、理事会みんなが経営感覚を持って学校を変える 第三回:学校経営におけるKPIと未来の学...

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社会問題における「キャンペーン」が果たす役割を考える

R-SIC

社会問題におけるキャンペーンは人々に気づきを与え、社会を変えるための多くのきっかけをもたらしてきた。そうしたキャンペーンはどのように仕掛けられているのか。キャンペーンに込める思いとは。   オックスファム・ジャパンで国際NGOならではの希少ポジションであるキャンペーンオフィサーを務め、現在も複数のNPOのキャンペーンに携わる鈴木洋一さん、「クリエイティブの力で社会をポジティブに変えていくこと」をテーマに数多の広告賞の受賞実績を持つ株式会社GOのクリエイティブディレクターの砥川直大さんが登壇。   自らもソーシャルイノベーションを仕掛けるNPO法人ミラツク代表の西村勇哉さんをモデレーターに、社会問題におけるキャンペーンについて語ってもらった。   ※本...

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プラスチックごみ問題の「解決の先」にある新たな経済モデル

R-SIC

海洋への流出が深刻化し、世界的な注目を集めるプラスチックごみ問題。2050年には、海に漂うプラスチックごみの重量が海中の魚の総重量を上回るとも言われている。   そんななか、日本は個人が出す一人当たりのプラスチックごみの量が世界ワースト2位。意識せずとも、「プラスチック依存社会」に暮らすなかで、プラスチックごみ問題の何をどう知るべきなのか。   消費量の抑制やリユース・リサイクル、自然界に流出したものを回収するという、それぞれの段階でアプローチする3社の取り組みから考える。   ※本記事はリディラバが主催するカンファレンスR-SICのセッションを記事にしたものです。 環境問題に対する消費者側の意識とは  小嶌不二夫  僕が代表をしているピ...

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被害を訴える難しさ…男たちの「#MeToo」

男たちの「#MeToo」

「性暴力の被害者というと、その多くが女性です。『#MeToo』の盛り上がりもあり、女性に対する性暴力であれば少しずつですが、社会に受け入れられつつある空気があります。ただ被害者が男性になると……なかなか伝わらず、声をあげても届かないと感じます」   そう話すのは、第1回の記事で自らの性暴力被害の体験を語った男性・暗器使い(Twitter上でのハンドルネーム)さん。男性の性暴力被害者が口をそろえるのは、被害そのものの“訴えづらさ”だ。   写真はイメージです。   性暴力被害について告白したインタビューでは、以下のようなやりとりがあった。   ——これはすごく聞きづらいことなんですけど、性暴力の加害男性(中学校の先輩)は、同...

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「365日休みがない」難病の日々

難病

数千にも上ると言われる難病。当然ながら症状も千差万別です。   しかしながら「外見上、健康な人との違いがない患者もおり、できないこと、やってはいけないことが見た目からはわかりにくいので誤解が生じることがあります」と難病の当事者団体、一般社団法人「日本難病・疾病団体協議会」(東京都豊島区)代表理事・森幸子さんは説明します。   自身も病を抱えながら、難病患者の生活の質向上のために奔走する森さん。   森さん自身、34年前に妊娠がきっかけで、膠原病の一つ「全身性エリテマトーデス」であることが判明した難病患者のひとり。   様々な症状に苦しみつつも、なかなか病名が判然としないことの多い難病。病名がわかっても根治には至らないので、...

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「積み上がる責任」ベンチャー企業取締役が精神疾患に至るまで

起業家のメンタルヘルス

2010年、株式会社DeNAから分社化したベンチャー企業「株式会社みんなのウェディング」の取締役に26歳で就任した中村義之さん。 中村さんは、会社設立から3年半で上場を果たした後、精神疾患を患う。 その体験を綴ったブログ「上場までの4年間と病気療養の2年間」は、1週間で1万5000ページビューに達するほど、多くの人に読まれた。 今回は中村さんに、上場後に直面するプレッシャーや、起業家の精神疾患のリスクを下げるセーフティネットについて編集長安部が聞いた。   U・Iターン特化の転職エージェントである株式会社YOUTURN代表・中村義之さん(写真右)と編集長安部。(※以下敬称略) 成功体験が仇に  安部敏樹(以下、安部)  精神疾患になった...

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動物実験の是非とは?日本特有の動物観

動物実験

「たとえば、知的能力などに関わる動物実験に用いられるのは人に近いサルなどの霊長類です。しかし、人に近いということはそれだけ人に近い配慮が必要になることでもあります。動物実験に関してどういうルールや規範、配慮が必要なのかは、実験をしている研究者だけで決められることではなく、結局はそれぞれの社会の価値観に左右されます」   科学哲学や動物倫理の研究を行う京都大学文学研究科の伊勢田哲治准教授がそう話す通り、この十数年で動物実験をめぐる世界的な状況は大きく変化しているが、その背景にあるのは世論だった。   ヨーロッパでは動物実験の廃止を訴える世論が高まり、2013年にはEU域内での化粧品の動物実験を全廃することが決定された。一方、日本では動物実験そのものへの関心が低いこ...

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子どもを寝たきりにさせたくない…地域療育の苦難

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次に生まれてくる子どものために新生児集中治療室の病床を空けるべく、人工呼吸器をつけたまま退院していく子どもたち――。   (Shutterstock)   退院したあとも、人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な子どもたちのために何かできないのか。   そうした思いから、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)では、敷地内に医療型短期入所施設「もみじの家」を開設し、退院後も医療的ケアを必要とする子どもとその家族の支援を行っている。 「もみじの家」ハウスマネージャーの内多勝康さんは「医療的ケアを含む子育ての負担をすべて家族が担うのは非常に大変だと思いますが、病院のすぐそばに在宅の子育てを支え...

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社会変革をしたい人へ ーインパクト投資家が語るリディラバジャーナルの役割―

リディラバジャーナル

読者インタビュー第2弾は、グロービス経営大学院の専任教員であり、一般財団法人KIBOWで社会起業家への投資も行う山中礼二さん(45)のインタビューをお届けする。大企業の新規事業企画、ハーバード大学経営大学院MBA、医療ベンチャーCOOなどの経験を経て、ソーシャルビジネスにも携わる山中さんに、社会課題解決と事業化を両立するビジネスに必要なこと、そしてリディラバジャーナルの役割について訊いた。   「ソーシャル・ベンチャー・マネジメント講座」などの授業を持つ山中さん。 視野を広げていかないと仕事にならない ——山中さんは、どのような理由でリディラバジャーナルを購読されていますか。   私の場合は、社会問題の解決のために投資をする仕事をしているので...

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【ソーシャルビジネスを終わらせるとき】 事業の終了、独立を決めた理由

ソーシャルビジネスを終わらせるとき

  ソーシャルビジネスのミッションは、社会課題の解決。それを成し遂げることは、事業の終わりを意味する。自ら立ち上げたソーシャルビジネスを終わらせるとき、創業者は何を思うのか。そして、実際に終わらせる段階で直面するものとは——。   子どもの商業的性搾取問題解決を目指す「かものはしプロジェクト」の青木健太さん、モンゴルで孤児院の子どもたちの自立を支援する「ユイマール」の照屋朋子さん、途上国で子どもの教育支援を行う「e-Education」の税所篤快さん。3人の創業者が経験した「終わらせるとき」に、全6回の特集で迫る。   「カンボジアで、新たな被害者がほとんど出なくなってきた」   性的搾取を目的とした人身売買をなくすことを目的に...

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学費の家族負担主義が生む“家族責任主義”

奨学金制度

「親が子どもの面倒を見る。子どもが親の面倒を見る。これが日本の美風だとされてきました。だから今も、介護保険があっても親の介護を頑張り過ぎてしまう人がいる。教育も同じです。親が子どもの学費を払うのは当然と思われてきましたが、家計はもう限界に達しています」   そう説明するのは、聖学院大学講師で、埼玉奨学金問題ネットワーク代表を務める柴田武男さん。   長年大学で教えているが、奨学金の問題に気づくまでには時間がかかったと柴田さんは言う。   柴田さんが指摘するように、日本は教育にかかる費用は家族——とくに親——が負担するという考えが一般的だ。   これは、経済協力開発機構(OECD)のデータからも明らかである。 高等教育...

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給付型奨学金制度創設はハッピーエンドか?

奨学金制度

「これまで色々な社会問題に関わってきましたが、これほど即効性のある運動はありませんでした」   そう語るのは、聖学院大学講師の柴田武男さん。サラ金問題などでも活動してきたが、奨学金問題ほど短期間で成果の出た活動はないという。   柴田武男さん。   柴田さんの言葉にもあるように、日本学生支援機構の奨学金制度は、延滞金の利率が下がり、返済猶予期間が延長されるなど、利用者の実情にあわせて改善傾向にある。   中でも大きな変化は、給付型奨学金制度のスタートだ。1943年に国レベルの奨学金事業が始まって以降、日本の奨学金制度は貸与型、つまり「奨学金というお金を借りて、卒業したら返す」というものだった。そこに、「返さなくていい」奨学...

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問われる「プラスチック大量消費」社会

プラスチックごみ

「2042年までに、不要なプラスチックをゼロにするーー」   2018年1月、イギリスのメイ首相はそう発表し、2019年からストローや綿棒といった使い捨てプラスチックの販売を禁止する方針を示した。   「プラスチックごみは世界が直面する最大の環境問題の一つ」とメイ首相が語るように、いま世界では使い捨てプラスチックごみの問題に対する取り組みが活発化している。   その背景には、近年クローズアップされた海洋プラスチックごみの問題がある。   Shutterstock.com   プラスチックごみがもたらす弊害は拡大し続けており、それによって、私たちのプラスチックに依存した生活のあり方が問われ始めている。 プラスチック...

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【新世代社会起業論】 絶対すべき?メディア露出について考える

新世代社会起業論

お金にならないと思われがちな、ソーシャルビジネス。しかし、トップが若くても億単位の事業を作り、雇用も生み出している組織は存在している。そうした組織がどのように収益を上げているのか、そのために何を意識しているのか——。第三回では、それぞれの組織のメディア露出に対する考え方を聞いた。   ※本特集は全四回でお送りします。 第一回:ソーシャルセクターのトップが明かす、1億円超の事業のつくり方 第二回:誰に学んだ?ソーシャルセクタートップの経営ノウハウ     ・三輪開人さん(特例認定NPO法人 e-Education 代表理事) ・李炯植さん(特定非営利活動法人Learning for All 代表理事) ・中山勇魚さん(特定非営...

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変わる「ホームレス」の実情。わかりやすい貧困から見えざる貧困へ

ホームレス

リディラバジャーナルの編集長、安部です。   今回の特集、「ホームレス:彼・彼女らが失い、取り戻すもの」はいかがだったでしょうか。2週間全10回にわたって伝えてきた本特集ですが、この特集連載期間中にもホームレス状態にある人々については、新たに報じられたニュースがいくつかありました。   特に、ネットカフェに寝泊まりする人のおよそ4人に1人が「住居がない」と回答したという東京都の調査は、驚きを持って受け取った読者の方も少なくなかったのではないでしょうか。   ネットカフェ難民と言われるような、若年層の新しいホームレスの形は、今回我々が現場でヒアリングをするなかでも度々耳にした話です。 (参考:http://www.yomiuri.co.j...

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【ソーシャル・インパクト・ボンドのあけぼの】 民間セクター主導の行政改革「ソーシャル・インパクト・ボンド」とは

ソーシャル・インパクト・ボンドのあけぼの

社会課題解決のための新たな選択肢として登場したソーシャル・インパクト・ボンド(以下SIB)。今回はマーケティングの力でガン検診受診率向上を目指し、東京都八王子市で日本初のSIBを実施した事例をもとに、民間事業者の福吉さん、中間支援組織の幸地さん、リディラバ代表安部がSIBの実態や今後の展望について語る。     (写真奥から)  幸地 正樹(ケイスリー株式会社代表取締役) 福吉 潤(株式会社キャンサースキャン代表取締役社長) 安部 敏樹(株式会社Ridilover代表取締役/一般社団法人リディラバ代表理事)   ※本特集は全三回でお送りします。 ソーシャル・インパクト・ボンドとは何か  安部敏樹(...

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中退率7倍。「高校で学ぶ」高いハードル

外国ルーツの子ども

「日本で小児科医になりたい」 「将来のことはまだ分からないけど、私は世界一周をしてみたい」   2019年3月5日、東京都豊島区の無料学習室で勉強するネパール国籍の女の子2人は、将来やりたいことについて、笑顔でこう語った。2人は高校入試に合格したばかりの中学3年生だ。   小学校の頃に、日本語がまったく分からない状態で来日。同じ小・中学校、そして地域の学習室に通った。学習室ではボランティアのサポートも受けつつ、受験勉強に励んできた。   Shutterstock.com 日本語の勉強からのスタート 彼女たちのように外国にルーツを持つ子どもたちにとって、高校受験のハードルは高い。   日本語能力が不十分な子...

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まじめに考えるほど精神的におかしくなる…… 葛藤やストレスとの戦い

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「まあ、みんなしんどいでしょうね。それなりの理由で」   風俗嬢として働く女性(キャスト)たちは、心身ともにリスクやストレスと隣り合わせです。   知らない人と性的接触を持ったり、心無い言葉をかけられたりすることに対する嫌悪感や心理的ストレス。一日に何人も接客すれば、痛みや疲労など身体的な負担も大きくなる上、性病や妊娠のリスクも抱えることになります。   そんな中、薬物やホストクラブなどが身近にあると時に格好のストレス発散の場となってしまいます。周りからの誘いをきっかけに、依存状態になってしまうケースもあります。   しかし風俗嬢として働き始める前に、こうしたリスクにまで思いが至ることはあまりありません。   今回は、...

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なぜ男は「痴漢」になるのか

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“  上司に叱責された……仕事がうまくいかないというストレスを抱えながら、電車に乗っていると、たまたま女性のおしりに触れた。その感触に心地よさを覚え、今度はバレないように触ってみたら、女性は微動だにしない。   「意外と簡単だ」「バレないのか」「女性は嫌がっていない」——。   これまでに経験したことのない刺激に、気分が高揚する。仕事のストレスなど、どうでもよくなった。そして少しずつ、さらなる興奮を求めてエスカレートしていく……。  ”   これは、痴漢を含む2000人以上の性犯罪加害者に対し、日本で先駆的に再発防止プログラムを実践してきた精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳(あきよし)さんが「痴漢に至る典型例」として挙げたものです。 ...

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リディラバ安部が考える「男性の性暴力被害」

男たちの「#MeToo」

リディラバジャーナル編集長の安部です。   今回は、「男たちの『#MeToo』、こぼれ落ちる性暴力被害」として、男性の性暴力被害の特集を組みました。   2017年より世界を駆け巡っている「#MeToo」のムーブメントでも、性暴力被害を告発しているのは女性が中心です。実際、性暴力被害者には女性が多いことは確かです。     そのため、これまでのメディアの報道では女性の性暴力被害が多く取り上げられてきました。しかし、被害者は女性だけではなく、男性が被害者になるケースもあります。   同じ性暴力の問題でも論点としてこぼれ落ちてしまうことが多く、その論点をリディラバジャーナルが拾い上げることができればという思いを込めて、「...

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医療費だけで1000万円以上…難病のリアル

難病

  「はじめに」で紹介した、山口県庁職員の有富健(つよし)さん。   有富さんは長年、足の付け根の痛みや、腰痛といった症状に悩まされ、各地の病院を受診しましたが、原因は分からぬまま。2010年、札幌の専門医を訪ね、体内の血管がねじれたり絡まったりする難病「難治性血管奇形」であることがわかりました。   難治性血管奇形という難病を患う有富さん。 症状を医師にも信じてもらえないつらさ 2000年に症状が出始めるまでいたって健康で、海外旅行やボランティアなど積極的に活動していた有富さん。   足の付け根の痛みで歩行に支障が出始め、ついには勤務中、自転車の後部を持ち上げた瞬間に激しい腰痛に見舞われ、そのまま病院に運ばれ入...

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「障害のある我が子」とどう向き合い、子育てしてきたか

R-SIC

産まれてきた自分の子どもに障害があったら、子育てをしていく上で何を思い、どんなことに悩むのだろうか。   また、障害者が社会で自立して生活していくために必要なこと、変えていかなければいけないことはどのようなことがあるのか。   経済学の観点から障害者が最大限能力を発揮できる社会を提言した『障害者の経済学』著者で慶應義塾大学商学部教授の中島隆信さんと、障害者の自立支援を行うNPO法人AlonAlon理事長を務める那部智史さんは、ともに障害のある子どもの親だ。   中島さんの子どもは脳性まひが、那部さんの子どもには最重度知的障害がある。   株式会社LITALICO 社長室チーフエディター/NPO法人soar 理事でもある鈴木悠平さん...

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借りられない、暮らせない――。危機に瀕する「高齢者の住まい」

R-SIC

孤独死などを恐れて「65歳以上の一人暮らしはお断り」とする賃貸マンション、アパートがあるのをご存知だろうか。高齢化・核家族化が進む中で、いま、「住まい」が高齢者にとって大きな課題となっている。   高齢者が住まいを借りられない問題の背景には何があるのか。介護業界の問題解決に取り組むJoin for Kaigoの秋本可愛さんをモデレーターに迎え、高齢者専門の賃貸マッチングを行うR65不動産の山本遼さん、20年近く住宅業界に携わってきた宗健さんに伺う。 ※本記事は、リディラバが主催する社会課題カンファレンスR-SIC2019のセッション「借りられない、暮らせない――。危機に瀕する「高齢者の住まい」」を記事にしたものです。 「200軒くらい断られた」高齢者の住まい探し...

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リディラバ安部の考える「アルコール依存症の問題点」

アルコール依存症

リディラバジャーナル編集長の安部です。 今回の特集「アルコール依存症『否認の病』その実態」はいかがでしたか。   私ごとですが、最近沖縄県の出した「摂取カレンダーアプリ」で「飲みすぎ」という事実が可視化されている身としては、非常に関心の高いテーマでした。   ちなみにこのアプリ、飲みすぎるとキャラクターが注意を呼びかけてくれます。私も下記の画像のように注意を受けました。シーサー君はなかなか方言が強いキャラクターのようです。     とまあ、私の話はこれくらいにして、今回の特集を通して考えたことに話を移しますと、いちばん強く感じたのは個人では抗いようのない、経済システムによって生じる社会問題にどう対応していくか、とい...

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繰り返される子どもの「いじめ自殺」の実態

子どもの自殺

「いじめ自殺に関しては、教員個々人の問題というよりは学校を取り巻く構造的な問題だと思います」   20年前に一人娘をいじめ自殺で失った小森美登里さん(以下、美登里さん)はそう話す。     いじめ対策には、予防や早期発見、早期対応などが挙げられる。本来であればそれぞれの対策についての検証を重ね、対策自体をアップデートしていく必要がある。しかし、事態が深刻化する以前のそうした対策は機能せず、いじめによる子どもの自殺が繰り返されている。   「そもそも教員がいじめの適切な対策を知らない、わからないというのはすでに明らかになっています。教員が誤った対応をすることで問題が肥大化してしまうこともある。そしてそんな正しくない対応が若い教員に...

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「9月1日の自殺問題」を回避した子どもの“その後”

子どもの自殺

「自殺問題は時代の影響を色濃く受けやすい」   民学官協働型の組織として自殺対策に取り組む自殺総合対策推進センターの本橋豊センター長がそう話すように、近年、子どもの自殺をめぐり新たな現象が表出している。     子どもの間でLINEによるコミュニケーションが浸透し、学校という場を超えた「LINEいじめ」によって自殺に追い込まれることがある。また2018年7月には、奈良県の高校に通う16歳の女子高生が自殺をする際、電車に飛び込む様子を動画配信サイトで配信していた。   世界に目を向ければ、ロシア発のオンライゲーム「ブルーホエール(青い鯨)」はゲーム内で自殺を教唆し、ロシア国内だけでも130人以上の参加者が自殺したとされる。これらの現象は、...

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いじめ、引きこもり、自尊感情の低下…DVが子どもへ与える影響

ドメスティック・バイオレンス

配偶者や恋人など親密な関係にある人からふるわれる暴力「ドメスティック・バイオレンス(以下、DV)」は、パートナー間の問題だと考えられがちだ。   しかし、その被害は配偶者間にとどまらない。子どもに対する影響も深刻であり、トラウマや自尊感情の低下、暴力の世代間連鎖など、さまざまなかたちで子どもたちを苦しめることが分かっている。   また、2004年の児童虐待防止法の改正によって、「児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力」も児童虐待と定義づけられた。   つまり、子どもに直接暴力をふるうことだけではなく、子どもがいる家庭での夫婦間のDVそのものが虐待にあたるのだ。   では、DVは子どもにどのような影響を及ぼすのか。DV被害に遭った子ど...

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社会から排除される「小児性犯罪者」の実像

小児性犯罪

「ある小児性犯罪者は、『性犯罪のなかでも、小児性犯罪は別格だ』と言っていました。好みの子どもを見つけると、まるでそれに吸い込まれるように近づいてしまうんだと」   そう語るのは、大森榎本クリニック精神保健福祉部長で精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんだ。これまでにクリニックをはじめ刑務所や拘置所、警察署で100人以上の小児性犯罪者の治療に携わってきた。     「たとえば、ある男性は学校教員になり、子どもへのわいせつ事件を起こしました。デジカメを使って10歳前後の児童の盗撮を行ったり、誰もいない教室に入って女子児童の下着を盗むなどしていたそうです。さらに、女子児童に対して繰り返しわいせつ行為をしていました」   この40代の...

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反省の深さと再犯率は相関しない…小児性犯罪者の治療の現実

小児性犯罪

「私の臨床経験のなかで、とくに性犯罪を繰り返す人は、反省の深さと問題行動の再犯率には相関がありません。すごく深く反省しているように見えたり、涙を流しながら自分の罪を悔いている人であっても、その数日後に再犯する人は決して少なくない」   そう語るのは、大森榎本クリニック精神保健福祉部長で精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんだ。これまでにクリニックをはじめ刑務所や拘置所、警察署で100人以上の小児性犯罪者の治療に携わってきた。     斉藤さんによれば、加害者臨床においては変化のステージモデルがあり、「加害行為に責任をとる」、つまり真の反省や謝罪に至るのは最終ステージになるのだという。   「あなたはとんでもないことをしたんだから、謝罪...

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「プラスチックごみ」によって深刻化する海洋汚染

プラスチックごみ

「海洋プラスチックごみの問題は、これまで拾えば何とかなるものだと思われてきました。しかし、海洋に漂うプラスチックごみを回収するのは不可能です。現状を知れば、末期的な状況だと言わざるを得ない」   そう話すのは、海洋ごみの問題に取り組む一般社団法人JEANの小島あずさ事務局長。   海洋プラスチックごみが海中の生態系に大きな悪影響を与えることは、50年以上前から研究者らによって指摘されていた。近年になって、海洋汚染が深刻さを増し、生態系への影響が可視化されるなどしたことで、ようやく注目を浴びるようになった。   JEANの小島あずさ事務局長らが海で拾ったプラスチックごみ。   「これまでもそうでしたが、海岸に漂着するごみはあくまで一...

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私たちの税金がリサイクルを止めている? ごみ処理費用とフードロスの関係

フードロス

  この図が示すのは、工場などの事業者がごみを出す際に払う値段だ。   同じ東京都の中でも、値段が倍以上も異なる。 この違いの理由はいたってシンプル、税金の投入額だ。 つまり、税金を投入すればするほど、事業者の支払う金額は低くなる。   今回のテーマは、〇の部分である加工から小売の間に発生するフードロスの行方だ。   冒頭で紹介したごみ処理料金が、実は発生したロスの行き先に大きな影響を及ぼす。   私たちの税金によって、ロスが有効活用されにくくなっている現状を調査した。 私たちの税金がリサイクルを止めている? 廃棄食品を回収し豚のエサに作り替えるリサイクルに取り組んでいる「日本...

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社会人3年目でグリーンズに転職、NPOで働くことのリアル

ソーシャルセクターのキャリア論

ソーシャルセクターにおける“キャリアのリアル”に迫る本特集。   新卒でマーケティング会社に就職し、社会人3年目でNPO法人グリーンズに転職した植原正太郎さん(30)は、2018年から同団体の理事に就いたが、その過程では苦労も多かったという。   「NPOで働くこと」のリアルを聞いた。 学生時代に描いていたキャリアパス ーー植原さんは一般企業からグリーンズに転職されましたが、もともとどんなキャリアパスを描いていたんですか。   僕は新卒でトライバルメディアハウスというマーケティング会社に入ったんですが、学生時代からNPOで働くことに興味はありました。   就活していた2010〜2011年当時はまだ新卒でNPOに就職する選択肢は...

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性風俗がバイト感覚に。昼と夜の兼業で増える “普通の” 女性

性風俗

「昔はお金に追われている女の子が多かったんですよ。ホストとか親とか旦那とか、ヤクザとかが原因で。けど今いろんな風俗ができちゃってるから、若い人が軽い感覚で始めちゃう。でもそれが問題だと思うんですよね」   ソープ嬢歴18年のリエさん(仮名)は、近年の性風俗業界のある現象について、問題意識を持っています。   彼女のように長年性風俗を専業として働いている女性がいる一方、近年では、学生や別の仕事など本業と掛け持ちで風俗嬢として働く女性も珍しくありません。   リエさんの言葉を借りれば、「入り口が広くなっている」性風俗業界。 業態の幅が広がり“ライト”なサービスも登場。その結果、昔と比較して性風俗産業への敷居が低くなっているのです。 昼と夜の兼...

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リディラバ安部の考える『反ワクチン』と『ためらい』

ワクチン接種へのためらい

こんにちは、リディラバジャーナル編集長の安部です。   今回の特集「ワクチン接種へのためらい:怖がる私が悪いのでしょうか?」はいかがでしたか。   取材をしながら、かつて取り上げた「医療的ケア児」、そして「ヘイトスピーチ」問題の構造との類似性を感じました。   医療の発達により広がるギャップ 「医療的ケア児」特集では、医療が発達し、これまでであれば出生・成長が難しかった子どもたちが成長を続けるという喜ばしい状況の一方、教育や日常生活のケアの面で制度のアップデートが追いつかず、困難な状況に置かれている子どもたちやその家族が存在することを問題として取り上げました。   つまり、医療の発達とそれに追いついていない制...

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だれが、なぜ反ワクチン論を広めるのか?

ワクチン接種へのためらい

「MMRワクチンで自閉症になる」といった明らかな誤りや、過度にワクチンへの不安を煽る情報を広める人々がいる。   育児中の保護者の中には、結果として、SNSなどで反ワクチン情報に“出合い”、子どもへの接種をためらう保護者も出てきている。   こうした事態に世界保健機関(WHO)も懸念を示しており、「大気汚染と気候変動」「HIV」などと並んで「ワクチン接種へのためらい」を「2019年の世界の健康に対する10の脅威」(リンク:https://www.who.int/emergencies/ten-threats-to-global-health-in-2019)としている。   (WHOHPより) 「物を売りつけられそうになった」 ...

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福祉の世界に「囲い込まれ」、就職できない障害者たち

障害者雇用

先週、あるニュースが飛び込んできました。 障害者と雇用契約を結び、就労の機会や能力向上のための支援をする「就労継続支援A型事業所」を運営する、岡山県倉敷市の株式会社が破産申請したというものです。毎日新聞の報道(4月4日)によると、事業所で働いていた障害者約170人が解雇されました。   実は今、こうしたA型事業所による障害者の大量解雇事案が各地で起こり、問題となっています。   企業への就職に向けて能力開発を行う場である事業所でいったい何が起き、どのような「障壁」が生じてるのかをみていきます。 モラルなき事業者が成長の芽をつむ 「うちも株式会社ですけどね、株式会社も参入できるようになっていろんな事業所ができました。ですが、その中...

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ソーシャルをビジネスに…若手弁護士がシェアオフィス事業に挑戦する理由

弁護士が社会課題に挑む

社会起業家支援に特化した弁護士として活躍する、小野田峻(たかし)さん。     ソーシャルセクターに関わる弁護士を増やしたいとの思いから、ソーシャルスタートアップ向けシェアオフィスの運営や、イベント・著作を通じた情報発信を行なっている。   今回は、その中でも弁護士としては異色のシェアオフィス事業の狙いや、そもそもソーシャルセクターに関わるようになったきっかけについて聞いた。 東日本大震災の被災地で得た学び 社会起業家支援に特化した弁護士というと、「以前から社会課題に関心があって弁護士になったんですか?」と尋ねられることもありますが、今の私のあり方は、東日本大震災の被災地で出会った、様々な方々から得た学びの結果です。   ...

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学校経営におけるKPIと未来の学校のあり方

教育

人口減少社会において、生徒をいかに集めるか。今、学校現場でそうした経営スキルが求められている。そこで学校改革を実践し、成果を出してきた先駆者たちに、そのセオリーについて語ってもらった。   お金について議論した第一回、学校現場で求められる人材について議論した第二回に続き、最終回では、学校改革によって目指すゴールや、未来の学校のあり方について考える。     (写真左から) 日野田直彦(武蔵野女子学院 学校長) 石川一郎(香里ヌヴェール学院 学院長、21世紀型教育機構理事) 五十棲浩二(聖光学院中学校高等学校) 荒井優(札幌新陽高等学校 校長)   ※本特集は全三回でお送りします。 第一回:生徒、...

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生活保護、不正受給における「不正」の内実

生活保護バッシング

「身体が悪くて働けないと言っていたのに、実際は働いて収入を得ていた」 「架空の勤務先を市に申告して、実際よりも収入を少なく見せかけていた」 「自動車などの資産を保有しているにもかかわらず、申告していなかった」   不正受給は、生活保護における一大イシューとして、メディアを賑わせ続けている。   2019年7月にも、7年間で生活保護費600万円近くを不正受給していた60代の男性が、詐欺罪で刑事告訴・起訴された。   だが、ニュースあるいは番組などで報じられるケースは不正受給のあくまで一側面でしかない、という指摘がある。 悪意のないケースも「不正」扱いに? 2017年度の生活保護における不正受給件数は、3万9960件、金額にすれば...

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自死する利用者も…生活保護現場における疲弊

生活保護バッシング

「生活保護のケースワーカーになったら懲役刑だ」――。   東京都内のある自治体職員はそう打ち明ける。   多くの自治体職員は生活支援課の仕事を敬遠しており、配属されてから間もなく異動希望が出されたり、配属を理由に退職を希望したりすることも珍しくない。   生活保護ケースワーカーとして10年以上にわたり現場を経験してきた田川英信さんは、「激務ということもありますが、それ以上に精神的な苦痛が大きい」と話す。     「ケースワーカーは人の生死にも関わる仕事です。どのように対応するかで、最悪の場合、人の死につながることもありますから」 自死してしまう生活保護利用者も 田川さん自身、過去に担当していた生活保護利用者が自死...

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「ホームレス問題とも通じる」出所者の社会復帰の難しさ

出所者の社会復帰

皆さん、こんにちは。リディラバジャーナル編集長の安部です。   今回の特集は「出所者の社会復帰:2人に1人が刑務所に戻る理由」でした。   ところで、皆さんの周りには前科を持つ人はいますか。 私は何人か知り合いにいますし、自分自身も一時期は人ごととは思えない環境にあったのでそこまで遠い世界ではありませんでした。   法務省矯正局にて刑務所内の就労支援を担当する滝山直樹さん(写真左)と刑務所の役割について話す編集長・安部。   ですが、今回の取材を通して改めて「出所者」という括りがカバーしている範囲の広さを感じました。   例えば、性犯罪や覚せい剤取締法違反のように常習性が高いものや、詐欺や窃盗のように繰り...

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弁護士を社会改善のツールに…気象業務法改正に向けた挑戦

弁護士が社会課題に挑む

「弁護士というリソースを、社会改善のツールとして捉える」──。   こう語るのは、ソーシャルスタートアップ支援を専門とする弁護士・小野田峻(たかし)さん。     「市場の失敗」と呼ばれる社会課題領域で、常識に捉われないソリューションの具現化に挑む社会起業家たちに伴走するだけでなく、自らも弁護士という立場から、課題解決に向けた戦略的な取り組みを行っている。     「弁護士というリソースを、社会改善のツールとして捉える」とはどういうことなのか。今回は、これまで取り組んできた様々な領域の中から、津波防災対策を例に語ってもらった。 津波対策の「#beORANGE」プロジェクト 私が代表弁護士を務める小野田髙...

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「息子の手術代を稼ぐため」来日した実習生は、なぜ失踪したのか

外国人技能実習制度

「息子が2人いて、長男には生まれつき目の病気があり手術が必要でした。その手術代を稼ぐために日本で働くことに決め、2015年6月に来日しました」   そう語るのは、ベトナム人実習生、グェン・ティ・チャムさん(仮名)。   外国人技能実習制度は「技能移転による国際貢献」を目的に、途上国の人々を受け入れるものです。   ですが、ほとんどの実習生は「技能を身につける」より、グェンさんのように「お金を稼ぐ」ことを目的に来日しています。   グェンさんも出稼ぎ先として各国を見た上で、元々日系企業で働いていた自身の経歴や、ベトナム人が多くいることなどから、日本に来ることを決めたといいます。   「ベトナムにいる頃は、日本人は...

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リディラバ安部が考える「技能実習制度」の問題点

外国人技能実習制度

特集「外国人技能実習制度:移民政策なきこの国で」はいかがでしたか。 編集長の安部です。   私は今回の特集で、改めて日本人が大事な問題から目を背けてきたことを痛感しました。本特集で取り上げている外国人技能実習制度は、見ての通り実質的には労働力確保のための施策です。歴史的経緯を見ても、生産性が高いとは言えない中小企業や零細事業者を支えるための制度だと言えるでしょう。   誤解を恐れず言えば、政策論においては本音と建前を使い分けつつ、生産性が十分でない業態に労働力を供給し続けることで産業の新陳代謝を阻み、本来は潰れた方が良いとも言えるような企業をゾンビ企業として生きながらえさせている側面があるとも言えます。   もちろん、今回の特集で出てき...

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編集長安部が語る「起業家のメンタルヘルス」

起業家のメンタルヘルス

リディラバジャーナル編集長の安部敏樹です。   今回の特集【起業家のメンタルヘルス〜挑戦者たちの隠れた苦悩〜】はいかがでしたか。   実は「起業家のメンタルヘルス」は、初めての読者から提案していただいた特集テーマでした。   たくさんの方にシェアしていただき、その反響から当事者、あるいは当事者でなくても問題意識を持っている人や共感する人が多いイシューなのだと改めて感じました。   私自身もいち当事者として共感する点が多くありました。   取材中の編集長安部。 起業家のメンタルヘルス問題の難しさ 今回の特集を取り上げるにあたって難しさを感じたのは、自己責任とのバランスです。   起業家や経営者は労...

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万引きできないと気が狂う…ある女性の告白

万引き依存症

「毎日、万引きができないと気が狂う」——。   万引きをやめられない東京都内在住の女性(33)はおよそ6年にわたり、毎日のように万引きを繰り返していた。   1年前、彼女は止まらない万引きが原因で元夫から離婚を迫られた。子ども2人の親権は元夫が持ち、彼女は独り身になった。そのときの心境を「夫と子ども2人の生活から、やっと解放されると思った」という彼女は、離婚後、さらに万引きへの依存を加速させていく。   彼女はなぜ万引きに手を染めるようになったのか。なぜ万引きに「依存」していったのか。 万引きのきっかけ   「たしか長女が1歳になる前なので7年前のことですが、いつものようにベビーカーを押しながらスーパーで買い物をして...

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“嫌韓”運動はどのようにして生まれたのか

ヘイトスピーチ

インターネットユーザーの1パーセントほどとされるが、その存在の大きさを知らしめるようにインターネット上で排外主義的な主張を行う「ネット右翼」と呼ばれる人々――。   今回は、ヘイトスピーチを行う人々の考え方について知るために、「ネット右翼」が掲げるアジェンダや、主張の内実についてみていく。 ※ネット右翼の確立された定義はなく、ネット右翼を自称する人の中にはヘイトスピーチを嫌う人々もいるが、今回は中でもヘイトスピーチを行う人々のことを取り上げる。 ヘイトスピーチのはじまり デモ等でのヘイトスピーチは、在日韓国・朝鮮人に向けられたものが多いとされているが、こうしたヘイトスピーチの背景にある憎悪の感情が生まれたのはいつからなのか。   社会運動や...

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グローバル化が進む学校現場

外国ルーツの子ども

新成人の約2人に1人が外国人という東京都新宿区。130を超える国や地域の人々が暮らす。   外国籍の子どもも増えており、新宿区立の小・中学校に通う児童生徒のうち、約20人に1人が外国籍だ。   区立大久保小学校では、特別永住者なども含む「外国にルーツを持つ子どもたち」の割合が区内で最も多く、約6割を占める。   大久保小学校には日本語指導のための教員が配置される「日本語学級」が設けられているため、学区外からも通学を希望する子どもがいるという。 手厚い日本語学習支援 新宿区教育委員会では、民間事業者と提携し、日本語指導が必要な子どもたちへの支援体制整備を進めている。   日本語が分からない幼稚園児と小中学生を対象にした「...

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「定住」にとらわれない地域自治体の新たなモデル

地域

さまざまな社会問題が集積していると言われる「地域」。とくに年々人口減が加速し、どのように財源を確保するかという問題に直面している地域自治体は少なくない。   異なる立場から地域で活躍する3者が、苦境にあえぐ地域自治体の「稼ぐ」を根本から問い直す(前編はこちら)。 自治体財政の問題点は何か  吉田雄人(以下、吉田)  自治体財政に関してよく言われる話として、人口減の影響で税収が減り、一方で社会保障費は増えていることがあります。外部から見ていて、お二人は自治体財政の問題はどの辺りにあると感じますか。    林篤志(以下、林)  そもそも論になってしまいますが、これからの社会を考えると、自治体という単位が難しいのかなとも感じます。自治体でしかできないことを...

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「福祉に行くべき人」も「商品価値のある美人」も。性風俗の入口のしくみ

性風俗

「本来、福祉に行くべき人が風俗に行ってしまっていると言われる。じゃあ、なんで風俗に人が集まるのか、その理由はシンプル」   性風俗で働く女性の転職を支援する一般社団法人GrowAsPeople(GAP・東京都)の代表・角間惇一郎さんはこう語ります。   2018年1月の「リディラバジャーナル」のホームレス特集でも言及があったように、性風俗は経済的に困窮している女性のセーフティネットとして取り上げられることも少なくありません。   福祉制度を担う行政や、NPOなど民間団体の支援の対象となるような女性が、性風俗の世界に足を踏み入れているのです。また最近では、困窮しているわけでなくても、性風俗業界で働く女性が増えています。   その背景...

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ネスレ、KUMON、ココネット…社会事業に取り組む企業の実際(前編)

企業は社会事業にどう取り組むべきか

ここ数年、社会問題の解決を「事業」として取り組む企業が増えている。寄付やボランティアではなく、これまでに培った知見やノウハウを活かして社会問題の解決の担い手になる企業たち。3社の事例をもとに、社会事業への取り組みについて聞いた。     (登壇者、写真左から) 嘉納未來さん(ネスレ日本株式会社 執行役員 コーポレートアフェアーズ統括部長) 伊藤眞治さん(株式会社公文教育研究会 学習療法センター 副代表) 河合秀治さん(ココネット株式会社 取締役社長 執行役員) 藤沢烈さん(一般社団法人RCF 代表理事) ※本セッションはネスレ日本株式会社の協賛によって実施されたものです。 各企業が取り組む社会的事業  一般社団法人...

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東日本大震災、被災地に行くのは迷惑だった?

被災地とボランティア

「ボランティアは時期尚早だ」「大学生は募金、献血、節電だけで十分だから余計なことはするな」――。   7年前の東日本大震災発生直後、「何かしたい」という思いを持って被災地へ向かうボランティアに対して、批判的な言葉が投げかけられました。   食料品などをきちんと準備をせずに被災地に負担をかけるボランティアに対する批判もあれば、被災地に行くことをやみくもに批判する声もありました。   こうした批判に萎縮して行動できなかった人もいたはずですが、では「何かしたい」と思った人は、どうすればよかったのでしょうか。   当時、被災地支援を行うために発足した学生団体、NPO法人SET(岩手県)も批判対象の一つでした。SET代表の三井俊介さんは語り...

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「男たちの“#MeToo”」男性の性暴力被害の現実

専門家に聞く

「性暴力」と聞くと、女性被害者が想起されやすい。だが、被害者は女性だけではなく、男性も性暴力被害に遭っている。   そうした認識は社会として広まっておらず、その無理解が二次的な加害を生んでいるという。   こうした背景には、そもそも男性が性暴力被害に遭うことの実態はほとんど解明されていないことがある。しかし、社会的な認識が薄いなか、実態解明はまだまだ遠い。   性被害を受けた男性のためのカウンセリングオフィスPomuを運営する山口修喜さんが、自身のカウンセラー経験から、「男性の性暴力被害」について解説する。 本人も認識しづらい男性の性暴力被害 私は心理カウンセラーで、これまでに600人近くの男性から性暴力被害の相談を受けてきました。 ...

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「恥ずかしいことだと思っていた」、ある生活保護利用者の告白

生活保護バッシング

「生活保護を利用する」とは、どういうことなのか――。   東京都内在住の男性(34歳)は、1年ほど前から生活保護を利用している。   男性の「当事者としての実感」はあくまで一例に過ぎないが、生活保護に対する認識や利用後の心境を赤裸々に語ってくれた。   その声には、多くの示唆が含まれている。 生活保護の利用に至るまで ――約1年前から生活保護を利用されているそうですが、利用するまでにどのような経緯がありましたか。   それまでに数十社で働いていました。すぐ辞めてしまったところもあれば、1年くらい続いたところもあります。辞めた原因はほとんどが人間関係の悪化で、あとは体調面です。     実家には20代半...

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出所者の刑務所再入率4割“連鎖する犯罪”

出所者の社会復帰

「当時流行っていた『ビー・バップ・ハイスクール』という漫画の影響で、小学校6年生のときから友達の家でタバコを吸っていました。その頃から、万引きとかも始めました。それもスリルがあって盗んだという感じでした。友達もやってるので、じゃあ俺も負けてらんないと」   「不良」の道へと歩み始めた過去を振り返るのは、元受刑者の遊佐学(ゆさ・まなぶ)さん。   今はアルコール依存やギャンブル依存に苦しむ人々の依存症回復支援を目指す遊佐さん。   遊佐さんは、中学校卒業後は進学せず、土木工事現場で働いていました。   暴走族にも所属しており、18歳のときに暴走族同士の抗争で捕まり、少年院に入院。 その後、覚せい剤に依存するようになり、覚せい剤の売...

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リディラバ安部が考える「生活保護バッシング問題」

生活保護バッシング

リディラバジャーナル編集長の安部です。   今回の特集では、「生活保護バッシング」にフォーカスし、それが生活保護を利用する“入口”をいかに狭めてしまっているかを取り上げました。   生活保護はあらゆるテーマにつながります。   これまでリディラバジャーナルで取り上げてきた数々の社会問題では、社会問題の当事者になった人たちが貧困状態に追いやられるケースなども見てきましたが、そうした人たちにとっての“最後のセーフティネット”と言える制度が生活保護です。   ところが、生活保護に対するネガティブなイメージが蔓延しており、利用をためらう人がとても多いという現実があります。   取材した生活保護利用者も「生活保護を受けることは死ぬほど恥...

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「NPO、企業、研究」3つのフィールドでパラレルワークする理由

ソーシャルセクターのキャリア論

ソーシャルセクターにおける“キャリアのリアル”に迫る本特集。   今回は大学院を修了後、認定NPO法人PIECES(ピーシーズ)と企業、そして大学院での研究員としてパラレルワークをする青木翔子さん(27歳)に話を聞いた。   大学院での学びをどのようにNPOの活動に活かしてきたのか。またNPOと企業とで兼業をすることの意義とは――。 “新卒カード”を使わずに、NPOと企業で働き始めた ――青木さんはいつからNPOの活動に携わっているんですか。   大学入学と同時に、子どもの教育支援をするNPOでのインターンをはじめて、児童養護施設などでボランティア活動をしていました。   もともとは紛争解決や平和構築などに関心が強かったのです...

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新卒NPOは片道切符?NPOからベンチャーに転職するまで

ソーシャルセクターのキャリア論

ソーシャルセクターにおける“キャリアのリアル”に迫る本特集。   今回お話を聞いた浅見祐樹さんは、大学生ボランティアの派遣を行うNPO法人に新卒でジョイン。各種ボランティア事業の運営とキャリア支援事業の立ち上げに携わった後、医療系ベンチャーのエムスリーキャリアに転職し、現在は「医療機関の事務職紹介事業」の責任者として活躍中だ。   新卒でNPOに入るという選択に至った理由や、ベンチャーに転職した経緯について赤裸々に語ってもらった。 NPOへの就職は片道切符なのか? ーーまずは初めてNPOに関わるようになったいきさつを教えてください。   大学に入学して、サークル選びをしていた時に高校時代の先輩から誘われたのがNPOとの出会いです。...

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「リディラバジャーナル」読者ミーティング Vol.3 開催レポート

リディラバジャーナル

リディラバが主催する日本最大級の社会課題カンファンレンス「R-SIC 2019」が、7月27日、28日の2日間にわたって開催された。40を超えるセッションが行われ、2日間で1000名ほどの参加者にご来場いただき、大盛況のうちに幕を閉じた。   セッションの一つ、「読者と語る、『リディラバジャーナル』と社会課題の伝え方」では、リディラバジャーナル編集長の安部とともに、3名の読者にご登壇いただき、リディラバジャーナルの活用方法や今後の展望について語ってもらった。今回はそんなセッションの模様をお届けする。     写真左から 山中 礼二(一般財団法人 KIBOW インパクト・インベストメント・チーム(ディレクター)) 岡本 光樹(東京...

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【上原大祐×安部敏樹】障害者視点で見る、東京五輪への懸念

「×リディラバジャーナル」コンテンツ

元パラリンピック銀メダリストアスリートの上原大祐さんは、生まれながらの障害を持つ車椅子ユーザー。   障害者と健常者の共創を目指しNPO法人D-SHiPS32の代表を務め、障害者の理解促進にも取り組んでいる。   可視化されづらい障害者の不便や障害者側の課題、障害者から見た東京五輪への懸念などについて、リディラバ安部が聞いた。     ※本記事は、上原大祐さんと安部敏樹による対談記事の後編です( 前編 / 中編 )。 アメリカ人はチームを作るのがうまい  安部敏樹  上原さんはアメリカでも暮らされていましたが、日本と比べてバリアフリーはじめ、障害者にとってどんな違いがあると感じましたか。    上原大祐  バリアフリーと...

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深刻化するプラスチックごみ問題、国内のリサイクルの実態

R-SIC

海洋への流出が深刻化し、世界的な注目を集めるプラスチックごみ問題。2050年には、海に漂うプラスチックごみの重量が海中の魚の総重量を上回るとも言われている。   そんななか、日本は個人が出す一人当たりのプラスチックごみの量が世界ワースト2位。意識せずとも、「プラスチック依存社会」に暮らすなかで、プラスチックごみ問題の何をどう知るべきなのか。   消費量の抑制やリユース・リサイクル、自然界に流出したものを回収するという、それぞれの段階でアプローチする3社の取り組みから考える。   ※本記事はリディラバが主催するカンファレンスR-SICのセッションを記事にしたものです。 滞留するプラスチックごみの山  小嶌不二夫  前回、花王さんの取り組みを...

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本当に辞めるんだっけ…自分に向き合う事業承継の難しさ

R-SIC

次世代への事業承継は組織における大きな課題のひとつだ。とくにソーシャルセクターにおいては、事業に対する圧倒的な熱量や人脈、経営の知識などを創業者自身が握っていることが多い。   そうしたなかで、代表のバトンを受け継ぐ、あるいは託す経験を経てきたリーダーたちは何を考え、悩み、どのように乗り越えてきたのか。   今回は、当事者になった経験を持つ、ソーシャルベンチャー・パートナーズ東京(以下、SVP東京)元代表の岡本拓也さん、Accountability for Change元代表の五十嵐剛志さん、かものはしプロジェクト元代表の青木健太さんの3名に、社会的事業を次世代に繋げることの難しさや成功のカギを語ってもらった。   ※本記事は、リディ...

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ハイスキル人材との連携で直面するカルチャーギャップとその対策

R-SIC

人口減少や税収減などの変化にさらされる今、地方自治体には組織としての戦略の視点が求められている。   地域外からハイスキル人材を受け入れる動きも活発化しているが、その実態は思うように人材が集まらなかったり、うまく連携が取れなかったりと、課題も多い。     では、どうすればいいのか。   その問いに答えるべく、地域課題の解決を担う一般社団法人Community Future Design代表理事で広島県の福山市政策アドバイザーも務める澤尚幸さん、岡山県西粟倉村役場で地方創生特任参事と産業観光課長を兼務するなど地域活性化に取り組む上山隆浩さんが登壇。   地方創生に取り組む市町村に対し、国家公務員や民間人材を市...

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ブログ、オフ会…新しい支え合いのかたち

アルコール依存症

「1994年度の約1万2000人をピークに、会員数は急激に減っています」   そう語るのは、公益財団法人全日本断酒連盟(以下全断連、東京都千代田区)の事務局長・大槻元さん。   大槻さんも、アルコール依存症からの回復者のひとりです。   全断連は、全国各地にあるアルコール依存症の当事者で構成する自助グループ「断酒会」を束ねる組織です。2017年度の会員数は7136人。直近10年だけでも、2500人以上減少しています。   参加する当事者の減少は、断酒会に限った話ではありません。   アメリカ発祥で世界に展開する自助グループ「アルコホーリクス・アノニマス」。   会員登録制度をとっていないため正確な数...

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「起業家の孤独」従業員との認識のずれ

起業家のメンタルヘルス

「やはり人をクビにするときは、経営者本人のメンタルにとっても、組織全体にとってもすごくダメージが大きいです。組織の規模は大きくなることもあれば小さくなることもある。それは仕方ないのですが、メンタルヘルスをマネジメントできないとこうした困難を乗り越えるのは大変です」   こう語るのは、起業家たちのコミュニティであるImpact Hub Tokyo(東京都目黒区)の共同設立者・代表取締役の槌屋詩野さん。 さまざまな国で起業家を見てきた経験を持つ槌屋さん(槌屋さん提供)。   「私自身も、Impact Hub Tokyoの立ち上げの前に創業プロセスを共にしようとした仲間と起業途中で離別しているので、その辛さは身に沁みて分かります。離別や解雇を話し合う...

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残業だけど残業じゃない?給特法とは何か

教員の多忙化

「私は以前まで、教員のために給特法を堅持したほうがいいと思っていました」   そう語るのは、名古屋大学大学院教育発達科学研究科の准教授・内田良さん。教員の多忙化に関して調査研究、提言を行なっている。   教員の多忙化問題について、Yahoo!ニュース個人などでも積極的に情報発信をしている内田さん。   そんな内田さんだが、今では給特法が教員の多忙化に多大な影響を与えていると考えている。   実は、公立学校の教員には、1円も残業代が支払われていない。「月80時間」の過労死ラインを超えて残業する教員が、小学校で33.4%、中学校で57.7%もいるにもかかわらず、だ。   今回はこの残業代ゼロの根拠である「公立の義務...

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自ら居場所を作り出す女性たち

女性のひきこもり

「自分は帰属先がないと生きていけない人間だと、約2年間ひきこもってわかりました。色んなところで活動するのは大変で、しんどいと思うときもありますが、やりがいもあるので女子会運営も行なっています」   そう語るのは、仕事を辞めたのをきっかけに2015年から約2年間ひきこもっていたさきちあきさん(仮名)。   現在はひきこもりを脱し、子育てと仕事を両立しつつ地域で2ヶ月に1回、女性のひきこもりを対象とした女子会を開催している。   さきさん自身、一般社団法人「ひきこもりUX会議」が開催する「ひきこもりUX女子会」という当事者の集うイベントに参加し、ひきこもりから脱することができたひとりだ。   今、こうした女子会をはじめとする、ひきこも...

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ロス削減だけでなく「誰もが食にありつける社会を」 フードバンクとは?

フードロス

「私たちは、誰もが困った時に食糧にありつくことができる社会を目指して活動を行っています」   セカンドハーベストジャパン(東京都台東区)の田中入馬さんはこう語る。   (セカンドハーベストジャパン提供【Photo by Natsuki Yasuda / studio AFTERMODE】)   パン、カップ麺、缶詰、スパゲッティなどたくさんの食品がある。 実はこれらはすべて、先日紹介した「3分の1ルール」やパッケージ刷新、印刷ミスなど様々な理由で、まだ食べられるにもかかわらず捨てられるはずの食品なのだ。       今回からは〇の部分、ロスした食品をただ燃やしてしまうのではなく、有効に活用していく取り...

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原告側・南和行弁護士が指摘する大学の問題点とは

カミングアウトとアウティング

2015年、同級生から同性愛者であることを同意なく暴露(アウティング)された、一橋大学法科大学院の男子学生Aさん(当時25歳)が、その2ヶ月後に亡くなった「一橋大学アウティング事件」。   翌年、Aさんの両親は、Zさんと一橋大学を提訴。Zさんとは和解したが、大学との裁判は継続。その判決が、2019年2月27日に言い渡される。   判決に先立ち、この裁判で原告側代理人を務める南和行弁護士に、編集長・安部がインタビュー。今回は、事件や裁判を通して南さんが問題だと感じた、一橋大学の「エリート大学ゆえの問題点」とは何なのかを聞いた。   ※この記事は、全三回の後編です。 前編:原告側・南和行弁護士が語る「死の原因は同性愛ではない」 中編:原告...

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リディラバ安部の考える「カミングアウト」と「アウティング」

カミングアウトとアウティング

リディラバジャーナル編集長・安部です。   今回は「カミングアウト」と「アウティング」を取り上げました。   私自身、カミングアウトを受けたことがありますし、個人的に関心の高いテーマでした。   覚悟を持って声を上げた人への敬意を欠いていないか マイノリティーの権利獲得の歴史からも分かるように、当事者研究は非常に重要です。ゲイを中心に、当事者が研究や活動をしてきたからこそ獲得してきた権利というものがあります。   当事者による研究や活動を通した権利獲得は、セクシュアルマイノリティだけが行ってきたものではありません。日本でも、障害者の権利などはまさに、当事者が活動することで勝ち得てきたものです。   アメリカにおけ...

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高収入のためだけじゃない。働きやすさは「コンビニより性風俗」

性風俗

女性がお金のために性風俗で働く。   こう聞くと、借金などでお金に困って腹をくくったようなイメージを持つかもしれません。しかしひとくちに金銭的な動機と言っても、その中身は様々。   生活が逼迫しているわけではないのに性風俗で働くのは、「短時間で高収入」だけが理由ではありません。 性風俗以外の選択肢   風俗で働く女性の生活・法律相談サービスを運営する一般社団法人ホワイトハンズ(新潟県)の代表理事・坂爪真吾さんは、お金のために風俗を始めた女性の中には、「ネガティブ派」と「ポジティブ派」がいると分析しています。   「マイナスをゼロにしたい人と、ゼロをプラスにしたい人がいるんですよね」   一般社団法人ホワイ...

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「生活保護なめんな」小田原ジャンパー事件を振り返る

生活保護バッシング

2017年1月、小田原市の生活保護ケースワーカーらが「保護なめんな」などと書かれたジャンパーを着用していたことが発覚した。     そのことが“事件”として大きく報じられ、小田原市には批判とともに抗議電話が多数寄せられた。が、その抗議と同じくらいの“応援の声”も届いたという。その事実は何を意味するのか――。   小田原市 福祉健康部生活支援課で、当時から課長を務める栢沼教勝課長、事件後に別の部署から異動してきた筒井孝博副課長、また現場の若手ケースワーカーに同席してもらい、話を聞いた。   小田原ジャンパー事件:小田原市生活支援課の職員が、「保護なめんな」などとプリントしたジャンパーを着用し、生活保護利用者宅を訪問などしていたことが読売新...

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「生活保護なめんな」小田原ジャンパー事件の背景にあったもの

生活保護バッシング

2017年1月、小田原市の生活保護ケースワーカーらが「保護なめんな」などと書かれたジャンパーを着用していたことが発覚した。     そのことが“事件”として大きく報じられ、小田原市には批判とともに抗議電話が多数寄せられた。が、その抗議と同じくらいの“応援の声”も届いたという。その事実は何を意味するのか――。   小田原市 福祉健康部生活支援課で、当時から課長を務める栢沼教勝課長、事件後に別の部署から異動してきた筒井孝博副課長、また現場の若手ケースワーカーに同席してもらい話を聞いた(前編はこちら)。   小田原ジャンパー事件:小田原市生活支援課の職員が、「保護なめんな」などとプリントしたジャンパーを着用し、生活保護利用者宅を訪問などしてい...

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「なんでないの?」限られた避妊へのアクセス

若年妊娠

「女性活躍という言葉がこれだけ言われている中で、日本ではいまだに女性が主体で避妊法を選べません。自分のキャリアも含めて、どういう人生を歩んでいくのか考えていく上で、避妊は重要な問題なのに……」   こう話すのは、2018年に国際基督教大学を卒業した福田和子さん。同年、性や避妊にまつわる日本にないものについて発信する、「#なんでないの」プロジェクトを立ち上げた。     福田さんは、日本では性や避妊についての頼れる情報、悩みを気軽に相談できる場所、多様な避妊法へのアクセスが限られていると指摘する。 誰もが安心して頼れる性に関する情報を 第一回では、学校での性教育について取り上げたが、若者にとって身近な情報源としてインターネットがあ...

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企業が出所者を受け入れるときに必要なこと

出所者の社会復帰

法務省が再犯防止のために力を入れている刑務所出所者の就労支援。 しかし、就職後1日、2日でいなくなってしまうケースもあり、企業への定着が課題となっています。   出所者の就労支援を担当する法務省保護局の御子貝知久さんは、出所者を雇用する「協力雇用主」に対して法務省が行ったアンケート調査によると、「平均どのくらい続いているか」という問いに対して、半年以内にやめてしまうという回答が半分以上だったと話します。   就労継続の難しさについて語る御子貝さん。 従業員は家族と一緒 就労継続が難しいと言われるなかで、刑務所出所者の雇用を積極的に行い、1年以内の離職者はほとんどいないと話すのは、国内解体工事や建設工事を行う株式会社SHIROコーポレーシ...

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NPOから出版社へ「社会課題に関わる人たちの声をよりよく届けたい」

ソーシャルセクターのキャリア論

ソーシャルセクターにおける“キャリアのリアル”に迫る本特集。   今回は、新卒で若者の「働く」と「働き続ける」を応援する、認定NPO法人育て上げネットに入社し、2年間教育支援担当として働いた平野貴裕さんをピックアップ。   30歳で育て上げネットに就職した後、出版社に転職し、現在はビジネス書籍の編集やプロデュースを手掛けている。NPOから出版社に転じた異色のキャリアの“リアル”とは。 たまたま求人で見つけてNPOに ――もともと、なぜ新卒でNPOへ就職しようと思ったんですか。   京都大学大学院で主に思想史の研究をしていたのですが、あるゼミの発表会が終わった後、憑き物が落ちたみたいに「違う道へ進もう」と思ってしまったんです。   ...

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痴漢は「謝れば済む」問題なのか

痴漢大国ニッポン

「ミニスカートを履いて出かけようとする娘に対して、母親が『そんな短いスカートを履いていたら、痴漢に遭うでしょう』と注意するのは、多くの家庭で見られる光景だと思います。ただこれは『ミニスカートを履いていたら痴漢に遭っても仕方がない』と、痴漢特有の“認知の歪み”を間接的に強化してしまっていることになります。女性にはどんな格好をしてもいい自由があるはずです。女性の“落ち度”をあげつらい、自己責任を問う社会にこそ問題があります」   これまでに痴漢を含む2000人以上の性犯罪加害者に対し、日本で先駆的に再発防止プログラムを実践してきた精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳(あきよし)さんは「痴漢の実態を知る上では“認知の歪み”について理解する必要がある」と話します。   ...

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新卒2年目で、NPOから企業に転職した理由

ソーシャルセクターのキャリア論

ソーシャルセクターにおける“キャリアのリアル”に迫る本特集。   今回は「障害のない社会をつくる」というビジョンを掲げ、障害児向けの教育事業や就労支援事業を手がける株式会社LITALICOで、ソーシャルスキル&学習教室「LITALICOジュニア」のHR(人事)を担当する金子祐樹さん。   同じソーシャルセクターではあるものの、小規模のNPOから数千人規模の企業へ転職した経緯と今後について聞いた。 インターンからそのまま正社員に ――金子さんはなぜ、ソーシャルセクターで働こうと思ったんですか。   前職の認定NPO法人DxP(ディーピー)は「ひとりひとりの若者が自分の未来に希望を持てる社会」というビジョンを掲げています。   僕...

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なぜアルコール依存症者は「否認」するのか

アルコール依存症

「公園や駅のベンチで朝から酒を飲んでひっくり返っているイメージでしたから、自分は絶対アルコール依存症ではないと思っていました」   そう語るのは、前回の記事で紹介した松本和頼さん。かつて、アルコール依存症に苦しんでいましたが、49歳の時に酒を経ち、以後16年間断酒を続けている回復者のひとりです。   松本さんは現在、飲酒による問題に悩む当事者や家族の回復を支援する団体「全日本断酒連盟」(東京都千代田区)の常任理事として、当事者らの支援に奔走しています。   これまでも紹介してきたように、取材時、多くの当事者からこうした声が聞かれました。 アルコール依存症の人について、ホームレス状態にある人や貧困状態にある人という誤ったイ...

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複雑・多様・増大化する教員の仕事

教員の多忙化

「日本の学校教育はいわゆる『知・徳・体』を身につけるということで、教員の担う業務が諸外国と比べ広範に設定されています」   そう日本の学校の特徴を説明するのは、文部科学省初等中等教育局の企画官・佐藤人海さん。   日本型学校教育について説明する佐藤さん。   「たとえば欧米であれば、学校教育は知に特化したかたちで行われており、徳育については教会や家庭で、体育については地域のスポーツクラブが担うといったかたちが一般的です。一方日本の学校教育は、徳育に関して言えば生徒指導を行い、体育に関しては部活動指導がある。このように、広範な業務を教員が担っているのが実情です」   教育とは何も学校だけで行われるものではない。家庭でも、地域...

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リディラバ安部が考える「医療的ケア児」

医療的ケア児

こんにちは、リディラバジャーナル編集長の安部です。   今回お送りした「医療的ケア児〜生きのびた子どもたちのその後〜」はいかがでしたか。   医療的ケア児とは、日常生活においても人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアを必要とする子どもたちです。   医療技術の進歩や、周産期医療を提供する施設の増加などによって救命することができるようになった子どもたちなので、その支援体制の整備は比較的新しい社会課題です。   多職種連携の難しさ 医療的ケア児の支援は、医療や福祉、保育、教育など複数の領域にまたがります。   そのため、多職種連携が重要ですが、その難しさはあらゆる現場で課題となって...

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万引き依存症になるのは「自己責任」か

万引き依存症

「『嘘つきは泥棒のはじまり』と言われますが、万引き依存症はその逆です。『泥棒は、嘘つきのはじまり』なんです」   「泥棒は、嘘つきのはじまり」は、万引き依存症と診断されたある女性の娘が発した言葉だ。     大森榎本クリニック精神保健福祉部長の精神保健福祉士・社会福祉士である斉藤章佳さんいわく、娘は「お母さんは、私にずっと『嘘つきは泥棒の始まり』と言ってきたのに、お母さんが泥棒をして嘘をついていたんです」と話したという。   「当然ながら、万引き依存症の人も最初から嘘つきなわけではない。万引きを繰り返すなかで、それを隠すために嘘つかないといけなくなっていくんです」 万引き依存症者も“ふつうの人間” 万引き依存症の人た...

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リディラバ安部が考える「DV問題」

ドメスティック・バイオレンス

みなさん、こんにちは。リディラバジャーナル編集長の安部です。   今回の特集では、「ドメスティック・バイオレンス〜家庭に潜む暴力の構造〜」をお送りしましたが、いかがでしたか。 DVとさまざまな社会問題の接点 DVは家庭内の問題と考えられがちですが、「はじめに」の記事で、立命館大学産業社会学部の中村正教授が「DVはあらゆる暴力の原型」と話していたように、その影響は家庭内にとどまりません。   被害者はたとえDV加害者と関係を絶ったとしても、不安障害やうつ病などに苦しみ、ひとりで子育てをしていかねばなりません。   しかし、精神疾患を患った状態での就労は困難が伴いますし、今の日本社会ではひとり親家庭の約半数が相対的貧困状態にあります。...

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子どもが受ける性被害はなぜ発覚しないのか

小児性犯罪

※本記事には、子どもに対する性暴力加害の記述があります。実態をお伝えするために生々しいエピソードもあるため、フラッシュバックやPTSD(心理外傷後ストレス障害)を懸念される方は、十分に注意しながらご覧ください。また事案が特定されないよう事実の一部を改変しています。   「その子は、被害に遭ってからの数カ月間、おかしくなってしまったんです。夜中に突然叫びだしたりするようになり、幼稚園にも行けなくなって……」   娘が性被害に遭ったことを知らなかった両親は、おかしくなってしまった原因がわからなかった。後日、娘が母親に事件のことを話したことで、被害が発覚した。     これは、性犯罪被害に詳しい上谷さくら弁護士が過去に担当した事案だ。...

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リディラバ安部が考える「ヘイトスピーチとネット右翼」

ヘイトスピーチ

こんにちは、リディラバジャーナル編集長の安部です。   今回は、主に「ネット右翼」と呼ばれる人々に着目して、インターネット上のヘイトスピーチ問題について取り上げましたが、いかがでしたか。 ヘイトスピーチが拡散されていく構造   日韓共催のサッカー・ワールドカップが行われ、小泉元首相の訪朝で拉致問題が大きく取り上げられた2002年頃から、インターネット上で盛んになった嫌韓運動。   それが、反マスメディア運動や反リベラル市民運動などと結びついていった結果、一貫した思想がなくヘイトスピーチなどを行う「ネット右翼」と呼ばれる人々が出てきました。   ネット右翼の中でも過激なヘイトスピーチを行う在特会(正式名称:在日特権を許さない市...

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「プラスチックごみ」がもたらす海への脅威

プラスチックごみ

2018年5月、タイ南部の海岸に一頭のクジラが打ち上げられた。体長約4.5メートルのクジラは間もなく死亡した。   研究者らがそのクジラを解剖したところ、体内から約80枚のビニール袋が見つかり、それが原因で栄養をとれなくなって死んだと見られている。   同12月には、インドネシアの海岸に打ち上げられたクジラから、大量のプラスチックごみが見つかった。   このクジラは体長約9.5メートル。死因との直接的な関連はわかっていないが、クジラの胃袋からは、2足のビーチサンダル、115個のコップ、25枚のビニール袋、4本のペットボトルなどが見つかったという。   世界自然保護基金(WWF)は、このクジラが飲み込んだとされるプラスチックごみの写真をTw...

特集

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児童養護施設

孤立の連鎖を断ち切る

全13記事
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R-SIC

借りられない、暮らせない――。危機に瀕する「高齢者の住まい」

全3記事
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R-SIC

ソーシャルセクター”事業承継”のリアル

全4記事
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R-SIC

自治体組織戦略

全3記事
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R-SIC

バックオフィスの名手たち

全3記事
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購読者のコメント

User
杉山大樹
on [特集]まだ見ぬ多文化共生社会に向けて
第6回【リディラバ安部が考える「外国にルーツを持つ子どもたちの教育」】 へのリンクが有効になっていないです。 https://journal.ridilover.jp/issues/288
User
松本明美
on 2-2.「なんでこんなひどい目に…」元起業家の告白
起業するときに陥りやすいことは、目的が起業にになってしまう事、継続させることを考えに入れて起業することが大切だと経験から思う。
User
松本明美
on 4-1.リディラバ安部が考える「プラスチックごみ問題」
大量生産、大量消費、大量廃棄、私たちのしてきたこと、今こそ変えなくてはいけないと強く思います。
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Takashi Miyachi
on 1-1.【続・新世代社会起業論】変化するビジネスモデル
Chance for allやe-educationでは、どのように貧困家庭(支払い能力のない家庭)とそうでない家庭(支払い能力のある家庭)を見極めているのでしょうか。 日本であれば給与明細を提出してもらったり、仮に公的機関から例えば生活保護などを受けていれば容易だと思います。ただ、海外だとそもそも住民票がない、とか、それを装って無料でサービスを受けるフリーライダーの問題が起きそうです。
User
きむとし
on 1-2.深刻化するプラスチックごみ問題、国内のリサイクルの実態
プラごみの再生技術を向上させ本当の意味のリサイクルを実現するしかありません。リサイクルの障害は不純物の混入と素材の劣化。いずれも,消費者の分別・排出時のお作法を徹底することで相当改善可能だと思います。

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リディラバジャーナル