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構造化特集
若者の孤独孤立 第2回
公開日: 2023/10/18(水)

「家族に頼れない」「保護後のつながりがない」。若者が孤独孤立状態に陥る背景

公開日: 2023/10/18(水)
構造化特集
若者の孤独孤立 第2回
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構造化の視点

地域、学校、親族——。社会的つ

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地域、学校、親族——。社会的つながりが希薄で、信頼できる人や安心できる場所が少ない若者は、自立することの壁の高さに苦しんでいる。特に“家族に頼れない”若者の困難は深刻化しやすい現状がある。若者たちが孤独孤立状態に陥る背景と、若者たちが自立に困難を抱える構造を明らかにする。

地域、学校、親族——。社会的つながりが希薄で、信頼できる人や安心できる場所が少ない若者は、自立することの壁の高さに苦しんでいる。特に“家族に頼れない”若者の困難は深刻化しやすい現状がある。若者たちが孤独孤立状態に陥る背景と、若者たちが自立に困難を抱える構造を明らかにする。

地域、学校、親族——。社会的つながりが希薄で、信頼できる人や安心できる場所が少ない若者は、自立することの壁の高さに苦しんでいる。特に“家族に頼れない”若者の困難は深刻化しやすい現状がある。若者たちが孤独孤立状態に陥る背景と、若者たちが自立に困難を抱える構造を明らかにする。


オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「若者の孤独孤立〜つながり無き自立の壁〜」。

 

第2回となる本記事では、つながり無き若者たち(1章)として、若者が孤独孤立状態に陥る背景を明らかにする。
 

 

前回、若者の孤独孤立の現状に焦点を当てたが、なぜ若者は孤独孤立状態に陥ってしまうのか。

 

家族との関係、経済状況、学校生活への不適応。そして、社会的養護を離れた後のつながりづらさ——。

 

今回は、民間団体や専門家の声を通して、若者が信頼できる人や場所を失ってしまう要因を明らかにする。

家庭環境、学校生活、経済的困窮——。
若者が孤立孤独に陥る要因

若者が孤独孤立状態に陥る背景には、どのような要因があるのか。

 

孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和4年)によれば、孤独感が「しばしばある・常にある」「時々ある」「たまにある」という人たちの中で、現在の孤独感に影響を与えたと思う出来事として「家族との死別」(27.0%)、「心身の重大なトラブル(病気・怪我等)」(17.7%)、「転校・転職・離職・退職(失業を除く)」(16.9%)などが挙げられている

 

 

若者支援の団体からも、さまざまな要因を指摘する声が上がっている。若者たちの居場所「夜のユースセンター」を運営する阿部渉さん(認定NPO法人育て上げネット)はこう話す。

 

阿部渉(あべ・わたる)
若年者就労基礎訓練プログラム「ジョブトレ」の現場リーダーとして若者たちの成長を見守る。壁を作らない関わりが得意で、若者たちのアニキのような存在。

 

「一つに、学校環境への不適応が挙げられます。コミュニティに馴染めない、学業についていけなくて孤立孤独状態に陥り、それらが原因で不登校になる若者もいます。

 

学校でのネガティブな経験は、後の職場での関係構築にも影を落とすことがあります

 

学生時代の人間関係がうまくいかなかった経験から、職場の人に相談や質問ができず悩みを抱えてしまい、過労で潰れてしまう人もいます」

 

貧困家庭の学生にプログラム学習支援やキャリア支援を届ける平井大輝さん(NPO法人CLACK理事長)も、学校環境への不適応に関して次のように話す。

 

平井大輝(ひらい・だいき)
1995年、大阪府生まれ。中学時代に両親の自営業の倒産と離婚を経験し、経済的な困難に直面。国公立大学に進学し、困難を抱える中高生の学習支援のNPOで3年間活動したのちNPO法人CLACKを設立。シチズン・オブ・ザ・イヤー2021受賞。FORBES JAPAN 30 UNDER 30 2023受賞。

 

「学校に馴染めない若者の中でも、貧困家庭の学生や、外国にルーツがある学生、家族のケアをしている学生、病気や障害のある学生などは特に信頼できるつながりを失いやすく、困難を抱えやすいです」

 

また、初回でも触れた通り、多くの要因の中でも「家庭」の影響は非常に強い。

 

親や身近な大人に頼れない若者への支援に取り組む荒井佑介さん(NPO法人サンカクシャ代表理事)は、家庭から逃れてきた多くの若者と向き合っている。
 

荒井佑介(あらい・ゆうすけ)
1989年埼玉県出身。 大学生時代からホームレス支援や子どもの貧困問題に関わり始める。 生活保護世帯を対象とする中学3年生の学習支援に長く関わっていたが、高校進学後に、中退、妊娠出産、進路就職で躓く子達を多く見たことから、NPO法人サンカクシャを立ち上げる。サンカクシャでは、15歳から25歳前後までの親や身近な大人を頼れない若者の「居場所」「住まい」「仕事」の3つをメインの支援として実施している。

 

「たとえば、親からの期待で『こうやって生きてほしい』『良い大学・会社に行ってほしい』と強く要求され、その期待を外れると『もううちの子じゃない』と言われてしまう若者がいます。

 

こうした教育虐待をはじめ、『産まなければよかった』というような心理的虐待、子どもを全く育てようとしないネグレクトなどのケースがあります

 

若者はさまざまな要因から信頼できる人や場所を失い、孤独感が強まり、困難を抱えるようになる。その中でも特に家庭環境の影響が大きいことが、支援現場の声からうかがえる。

保護を離れると、つながりが失われる。
孤独孤立に陥りやすいケアリーバー

家庭に居場所がない若者の中でも、特にケアリーバー(児童養護施設や里親家庭などの社会的養護の経験者)は、社会的養護を離れた後に孤独孤立状態に陥ることがある。

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リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******皆さん、こんにちは〜!

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CONTENTS
intro
つながり無き若者たち
no.
1
no.
2
立ちはだかる自立への壁
no.
3
no.
4
若者の孤独孤立〜つながり無き自立の壁〜
no.
5
no.
6
自立につまづいた先の困難
no.
7