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構造化特集
若者の孤独孤立 第3回
公開日: 2023/10/20(金)

暮らせる余裕も、選択肢もない——。孤独孤立状態にある若者の住居の困難

公開日: 2023/10/20(金)
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若者の孤独孤立 第3回
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構造化の視点

地域、学校、親族——。社会的つ

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地域、学校、親族——。社会的つながりが希薄で、信頼できる人や安心できる場所が少ない若者は、自立することの壁の高さに苦しんでいる。特に“家族に頼れない”若者の困難は深刻化しやすい現状がある。若者たちが孤独孤立状態に陥る背景と、若者たちが自立に困難を抱える構造を明らかにする。

地域、学校、親族——。社会的つながりが希薄で、信頼できる人や安心できる場所が少ない若者は、自立することの壁の高さに苦しんでいる。特に“家族に頼れない”若者の困難は深刻化しやすい現状がある。若者たちが孤独孤立状態に陥る背景と、若者たちが自立に困難を抱える構造を明らかにする。

地域、学校、親族——。社会的つながりが希薄で、信頼できる人や安心できる場所が少ない若者は、自立することの壁の高さに苦しんでいる。特に“家族に頼れない”若者の困難は深刻化しやすい現状がある。若者たちが孤独孤立状態に陥る背景と、若者たちが自立に困難を抱える構造を明らかにする。


オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「若者の孤独孤立〜つながり無き自立の壁〜」。

 

第3回となる本記事では、立ちはだかる自立への壁(2章)として、孤独孤立状態にある若者の住居確保の困難を整理する。
 

 

「入居するための初期費用を払えるだけの貯蓄がない。緊急連絡先になる人がいない。保証会社の審査に通りづらい——。深刻な孤独孤立状態にある若者は、住居を確保しようとする際に多くの壁にぶつかることがあります」

 

そう語るのは、生活困窮者やホームレスの人たちへの就労支援、生活支援等を行う認定NPO法人Homedoorの浦越有希さんだ。

 

浦越有希(うらこし・ゆき)
認定 NPO 法人 Homedoor(ホームドア)生活相談員 広島大学大学院総合科学研究科修了。修士課程では、貧困層・低所得層の支援団体と関わり、 ソーシャルアクションを学ぶ。修了後は無料低額診療を行う病院に勤務。2021 年 10 月より Homedoor 相談員。 

 

今回は、民間の賃貸住宅の高い入居・契約ハードルや、限られた住まいの選択肢など、若者が住居を確保する際に直面する困難を取り上げる。

 

「安心して住める場所がない」。
家庭の保護を受けられない若者

住居の確保に関して困難を抱える若者は、どのような状況に置かれているのか。

 

生活困窮者やホームレスの人たちへの相談・居場所事業、自立支援等を行う結城翼さん(認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやい / 生活相談・支援コーディネーター)は、次のように述べる。
 

(写真左:結城さん)

結城翼(ゆうき・つばさ)
1993年神奈川生まれ。東京学芸大学で社会学を学んだ後、イギリスのバーミンガム大学国際開発学部修士課程を修了。専門は都市再開発とジェントリフィケーション。大学生の時から東京都山谷地区で野宿者支援運動に関わる。現在は認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいで生活相談・支援コーディネーターとして勤務。

 

「ネットカフェやホテルを転々としたり、知人の家に泊まったり、脱法ハウス(※)に身を寄せたりと、ひとりで安心して住める場所がない状況に直面しています。

 

※脱法ハウス:居室が狭く、消防法や建築基準法に違反する疑いがあり、安全上の問題がある建物のこと

 

寮付きの派遣仕事に就いていたものの、辞めて住居と職を失うケースや、家庭の事情で学校卒業後に家を出ざるを得なかったケースなど、経緯はさまざまです」

 

東京都が2018年に発表した「住居喪失不安定就労者等の実態に関する調査報告書」によれば、都内でインターネットカフェをオールナイト利用する住居喪失者は、1日あたり約4000人と推計されている。

 

住居を喪失した理由は「仕事を辞めて家賃等を払えなくなった(なりそうな)ため」と回答した人が32.9%、「仕事を辞めて寮や住み込み先を出た(出ることになりそうな)ため」が21.0%、「家族との関係が悪く、住居を出た(出ることになりそうな)ため」が13.3%だった。

 

 

Homedoorの浦越さんは、支援につながる若者について「親との関係が悪かったり、虐待を受けていたりした方など、家族に頼れない状況にある方が少なくありません。寮付きの就労は、実家からの脱出の手段となっていることもあります」と話す。

 

生活困難な若者を対象としたソーシャルワークについて研究している岡部茜さん(大谷大学社会学部講師)も、こう話す。
 

岡部茜(おかべ・あかね)
大谷大学社会学部講師。石川県生まれ。立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。 博士(社会学・立命館大学)。滋賀県立精神保健福祉センターひきこもり支援センター非常勤職員(2013~2021)などを経て、現在に至る。著書に『若者支援とソーシャルワーク』(2019年、法律文化社)など。

 

「依存症を含めた精神的な苦しさを経験している家族と暮らすことが辛く、ネットカフェや友人の家を転々とする若者がいます。

 

また、コロナ禍により在宅ワークが恒常化した影響で、高圧的な態度の父親と一緒にいることが辛く、家を出たいと感じているひきこもり状態にある方もいます。

 

若者にとって家庭が安心安全な状況ではないために、家から出ざるを得ないケースは多いです

初期費用を払えない、入居を拒否される。
一人で住居を借りる困難

若者が住居を確保しようとする際、「民間の賃貸住宅に入居する」という選択肢がある。しかし、家族に頼れない孤独孤立状態の若者が、一人で入居の契約をすることには困難が伴う。浦越さんはこのように話す。

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リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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CONTENTS
intro
つながり無き若者たち
no.
1
no.
2
立ちはだかる自立への壁
no.
3
no.
4
若者の孤独孤立〜つながり無き自立の壁〜
no.
5
no.
6
自立につまづいた先の困難
no.
7