世界的にも長らく問題とされてきた児童ポルノだが、スマー
世界的にも長らく問題とされてきた児童ポルノだが、スマートフォンやSNSの普及により、自撮り被害などの問題も生まれ、児童ポルノを取り巻く状況は新たなフェーズを迎えている。子どもが性的に消費される状況をどう防ぐのか。児童ポルノを取り巻く問題の構造に迫る。

世界的にも長らく問題とされてきた児童ポルノだが、スマートフォンやSNSの普及により、自撮り被害などの問題も生まれ、児童ポルノを取り巻く状況は新たなフェーズを迎えている。子どもが性的に消費される状況をどう防ぐのか。児童ポルノを取り巻く問題の構造に迫る。
世界的にも長らく問題とされてきた児童ポルノだが、スマートフォンやSNSの普及により、自撮り被害などの問題も生まれ、児童ポルノを取り巻く状況は新たなフェーズを迎えている。子どもが性的に消費される状況をどう防ぐのか。児童ポルノを取り巻く問題の構造に迫る。
なかなか実態が明かされることのない児童ポルノの問題。とりわけ昨今急増している自撮りによる被害の実態は、ほとんど知られていない。
そもそも児童ポルノはどのようにして発覚し、事件化するのか。また自撮り被害において、子どもが画像や動画を送ってしまう背景にはどんなことがあるのか。
公的なデータに乏しく、まだまだ実際に事件に関わった関係者しか知り得ない情報も多い。
これまで児童ポルノに関する事案を担当したこともある検察関係者が、匿名を条件に取材に応じたインタビューをお送りする。
どのようにして被害に遭うのか
――児童ポルノの事案はどういった経緯で発覚することが多いのでしょうか。
発覚するのには大きく2つのパターンがあり、警察がサイバーパトロールをしていて見つけるケースと、子どもが親に打ち明けたり、親が子どもの様子を不審に思って問い詰めてみると告白するようなケースです。
というのも、児童ポルノはこれまで盗撮や児童買春されて撮影されるケースなどが多かったのですが、最近、検察に上がってくるので圧倒的に多いのが、自撮りによる被害です。
子どもが自分の裸体を自撮りして、LINEで送る、Twitterに投稿するといった事件がかなり増えてきています。
被害者として多いのは中学生で、なかには11歳とか12歳の小学生もいます。大抵SNSを通じて知り合った会ったこともない大人に、自分の性的な画像を送ってしまっているんです。

――子どもが自撮りをした画像や動画を送ったり投稿してしまうのは、どのようなシチュエーションから生じることなんですか。
あくまで自分が見てきた事案を通じての印象ですが、男の子と女の子とでは傾向が異なります。
男の子の場合は、身体の変化、たとえば自分の陰茎は他人と比べてどうなのだろうとか、変じゃないのかといった興味本位で、自らの性器をTwitterのような不特定多数が見ているSNS上で投稿してしまうことが多いです。
それに対して女の子の場合は、誰かにそそのかされて投稿する傾向があるかなと思います。そそのかすのは、SNSや出会い系アプリ、ソーシャルゲームなどを通じてつながった人たちです。
よくあるのは、Twitterで「寂しい」とか「つらい」といったいわゆる“闇ワード”をツイートすると、群がるようにDM(ダイレクトメッセージ)が届く。そこから個別のやり取りが始まって、仲良くなれば、今度はLINEでやりとりするようになる。
そうして最終的に「エッチな画像を送ってほしい」などと言われて送ってしまうんです。
――なぜ彼女らは見知らぬ相手に性的な画像や動画を送ってしまうのでしょうか。
おそらくですが、彼女たちには見知らぬ人を怖いという感覚がないんだと思います。会ったことはなくても、ゲーム友達くらいに思っているから怖くない。
自分が対応してきたケースを通じてよく感じていたのは、とくに女の子は「さみしい」という要因が大きいこと。
学校でいじめられて不登校になり、時間を持て余してネットしかやることがない。あるいは家庭内で問題があったり、学校でも友達とうまくいかなかったりと、居場所を失ってしまっている子どもが多いですね。

それに送らせる側も、いきなり要求することはせず、少しずつ時間をかけて距離を縮めていく。「かわいい」とか「きれいだね」とか、言葉巧みにそそのかします。
そのうち、性的な画像をやりとりするようになり、さらにエスカレートして「胸も見てみたい」などと言われ、心を許しているので顔と胸の写真などを送ってしまうケースもあります。
児童ポルノにおける加害者とは
――“送らせる側”である加害者にはどんな人が多いんですか。
これも自分が扱った事件での印象ですが、一般的なサラリーマンが半分、もう半分はネトゲ廃人と言われるような人とかオタク系の人たちです。
ネトゲ廃人とかは20代とか30代の若い人が多い。家宅捜索に行くと狭い部屋に何台もPCが置かれているような人もいて、彼らが少女の“闇ツイート”を見つけて声をかけている。
ごく普通のサラリーマンであるケースも含めて、加害者側からすれば、本当に気軽な気持ちで少女に「エッチな画像を送って」と要求しているのだと思います。彼らは、そのことに対して罪の意識は薄いですから。
――性犯罪は再犯率が高いケースも少なくないですが、児童ポルノに関してはいかがですか。
自分が見てきたなかでは、2回目、3回目という人はあまりいませんでしたし、SNSで児童ポルノを送らせる事件の再犯率はそこまで高くないんじゃないかというのが実感です。
児童ポルノで検挙される人のうち、どのくらいが小児性愛障害の人なのかといったことはわかりませんが、とにかく興味本位で要求するような人が多い。
だから一度、警察にやっかいになると、「これはヤバい」と思い知る人が多いので、2回目、3回目といった再犯者を見かけることは多くなかったです。
ただ、もしかすると、別の方法で入手している可能性もあるので、そこはわかりません。暗数が多い事案でもあるので、実態は、まだまだわからないことが多いのかもしれません。

――事件化したケースでは、その後どのような対応が取られるのですか。
感覚的に、不起訴処分になるのと、起訴されて罰金で終わるのとで、半々くらいで、公判請求されて刑務所に入る人は、ごく少数でしょうか。
多いのは、逮捕はされず、在宅捜査を受けて書類送検されるケース。
その後、起訴することになれば、略式裁判(100万円以下の罰金又は科料に相当する事件について、被疑者に異議のない場合に検察官が提出した書面により審査する裁判手続)になって、罰金数十万円程度で決着する。
不起訴処分になれば、罰金もなく前科にもなりません。会社など所属元に知られることなく、通常の社会生活を送れる。
ただ被害者が本当は起訴してほしいと思っても、被害者自身が不起訴を求めてくるケースも多いのですが……。
・・・被害者が本当は起訴してほしいと思っていても、被害者自身で不起訴を求めてくることには、どのような背景があるのか。次回はその背景にある制度上の問題について考える。
編集後記
「問題なのは、このような状況でも『なぜそんなものを送ってしまったんだ!』と子どもを叱ったり、問い詰めたりする大人が多いこと。ですが、送らざるをえない状況に子どもは巻き込まれているんです」
これは、前回の記事で児童ポルノ問題などに取り組むNPO法人 人身取引被害者サポートセンター ライトハウスの担当者が語っていたことです。
自撮りによる被害の背景にあるものはこうした関係者の話から断片的にしかわかり得ず、まだまだ解明されていません。リディラバジャーナルでも引き続き注視していきます。

ニュースに潜む社会課題をキャッチ!リディラバジャーナル
続きをみるこんにちはリディラバジャーナルです。もうすぐ、子どもたちの夏休みが始まります。いまや子どもたちの居場所は、公園や図書館だけではありません。SNSやオンラインゲームを通じて、友達と話したり、学校や家庭とは異なるつながりを得たりする機会も増えています。SNSやゲームそのものが悪いわけではありません。好きなものでつながれる相手に出会えたり、学校や家庭とは違う関係に救われたりすることもあります。ただ、そのつながりが、思わぬ被害の入り口になってしまうこともあります。警察庁の統計では、SNSをきっかけとする性被害は高い水準で推移し、とりわけ小学生の被害は近年増加しています(※1)。
「知らない人とやり取りしなければ、防げるのではないか?」「自分で撮って送ったなら、本人にも責任があるのではないか?」そう感じる人もいるかもしれません。ただ、自画撮り被害の背景には、相手が時間をかけて関係を築き、子どもを断りにくい状況へ追い込んでいく過程があること。そして被害に遭った子どもが、「怒られる」「責められる」と感じて、誰にも言い出せなくなっていくことがあります。この記事では、自画撮り被害を子どもの不注意や自己責任だけで捉えず、その手前で何が起きているのか、そして被害を防ぐために周囲や社会に何ができるのかを考えていきます。
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