• 新しいお知らせ
    ×
公開日: 2023/9/21(木)
更新日: 2023/10/10(火)

「DXを進めた、という気持ちはない」 対象47,000施設 検査システムの全面オンライン化の裏側(後編)

公開日: 2023/9/21(木)
更新日: 2023/10/10(火)
公開日: 2023/9/21(木)
更新日: 2023/10/10(火)

「DXを進めた、という気持ちはない」 対象47,000施設 検査システムの全面オンライン化の裏側(後編)

公開日: 2023/9/21(木)
更新日: 2023/10/10(火)
オーディオブック(ベータ版)

 「DX推進の担当になってまずやったことは、用語集を買いに走ることでした


東京都下の保育園や介護施設等の指導検査を一手に担う福祉局指導監査部。


当部のDX推進を担った一人、田中課長代理が発した言葉だ。


DXに関して素人同然だった田中達が、120ジャンル47,000件という膨大な検査対象を、煩雑な紙ベースから、全てクラウド上で処理・管理するシステムへ転換出来たのはなぜなのか。


前編では、現場の抱える課題感、具体的な解決策、そして現場担当が主体的にDX化に取り組む空気の作り方について伺った。 

 

後編では、この一連の取り組みがなぜ高い評価を得ているのか、その背景について紐解いていく。

 

(左から石川課長・亀山課長)

 

(左から坂本部長・田中課長代理・鈴木主任)

「業者に丸投げはしない」
行政では異例の開発手法に挑んだ理由

鈴木(リディラバジャーナル編集部)前回、とにかく「現場が使いやすいシステム」になるよう徹底したとのお話がありましたが、実際にシステム運用を始めて、現場の皆さんからの声はどうでしたか。

 

亀山課長これはいい意味ですが、特段大きな反響はないなと思っています(笑)

 

鈴木いい意味というのは?

 

亀山課長ここが使いにくい、前より業務が進めにくくなった、というようなネガティブな事象があれば改善の要求が出てきますから。

 

反響がないというのは、問題なく業務ができている証だと思っています。

 

開始前にユーザーテストやヒアリングなど、様々な形で現場と密にコミュニケーションを取っていたことも、スムーズな業務移行に繋がったと思います。

 

鈴木今回の一連の取り組みは、都庁内の「都庁DXアワード2023」で最優秀賞にあたる知事賞(サービス部門)を受賞されるなど、高い評価を得ていますよね。成功のポイントはどこにあったと思いますか。

 

石川課長ふたつポイントがあったように思います。

 

ひとつ目は、行政では珍しいかもしれませんが、「アジャイル開発」という新しい手法にチャレンジしたところ

 

語弊があるかもしれませんが、このようなシステム開発の際には、行政側が委託業者に開発を「丸投げ」して、納品を待つというケースも散見されます。

 

もちろん、自分達ではできない業務を委託していて、開発に関しては委託業者がプロですから、丸投げが必ずしも悪とは言えません。

 

しかし今回は、構想段階から、都庁のメンバーも一緒になってシステムを作っていこうと決めていて、委託業者の選定基準としても、アジャイル開発を行うことを条件としていました。

 

鈴木アジャイル開発とは、開発工程を細分化して、各機能ごとに作って改善してを繰り返す開発手法ですよね。

 

田中課長代理はい。

 

従来は全部完成して納品されたものを行政側で確認、となるのですが、今回は2週間単位で1つの機能を作り、その都度フィードバックや変更を行いました。

 

正直、私自身もアジャイル開発がどんなものかをよく理解していなかったのですが、いざやってみるとこんなにも大変なのかと。

 

現場にヒアリングをしたり、委託業者のアウトプットを確認してフィードバックを考えたりといった業務を、2週間のサイクルでまわしていくのは大変でした。

 

ただ、このやり方でなければ、5ヶ月間という短い開発期間で、納得のいくシステムは構築できなかったと思います。

 

坂本部長今回推進役を担ってくれたメンバーはみんな、検査業務に関しては経験がありよくわかっていましたが、DXに関しては本当に初心者集団だったんですよ

 

プロジェクトがはじまるにあたってまず最初に「DX用語集」を買ったメンバーもいました。

 

デジタルの知識や経験がなくても、デジタル化は推進できるんだと実感しました

 

「東京モデル」として全国展開を目指す
現場起点で生まれた横展開の発想

鈴木ではもうひとつの評価されたポイントはどんなところにあったのでしょうか。

 

※リディラバジャーナルについてもっと知りたい方はコチラ
リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
note
リディラバジャーナル編集部
noteのicon
反ワクチン情報を流す医師がいるのはなぜ?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2023年12月1日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
病院の約半数、公立病院は98%が赤字。診療報酬の引き下げは医療レベルの引き下げに?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2023年11月24日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
構造化特集「地域医療」の内容を一部公開します
2023年6月9日

みなさんこんにちは、リディラバの鈴木です!今回は、リディラバジャーナルで公開中の構造化特集「地域医療」の冒頭をこちらのnoteでも公開します。何かあったら病院で治療が受けられる。私たちの「当たり前」を維持するために、様々な課題を抱えながら尽力する医療現場の姿を知ってもらえたら嬉しいです。


続きをみる
6月の構造化特集「地域医療」への思い
2023年6月9日

この投稿はリディラバジャーナル会員限定のFBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。

******みなさん、こんにちは!担当した構造化特集「地域医療 超高齢化社会に必要な『撤退戦』」が本日より公開となりました!今日は特集内には書いていない、特集に込めた思いをご紹介させてください。

続きをみる
子どもの発達障害、構造化マップを公開
2023年4月16日

※この投稿はリディラバジャーナルの会員限定FBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。*****みなさん、こんにちは!!!リディラバジャーナルの井上です。

今週はとても嬉しいことがあったので、ご報告させてくださいm(_ _)m

続きをみる
構造化。テーマは「子どもの発達障害」
2023年4月7日

この投稿はリディラバジャーナル会員限定のFBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルの井上です。

早くも4月ですね。あっという間に過ぎ去る日々に「!?!?」という感じですが、今日も今日とて、リディラバジャーナルのご案内です。

続きをみる
編集部メンバーの想いを公開しました
2023年3月26日

※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******皆さん、こんにちは〜!

編集部の井上です。今日は、

続きをみる
「無戸籍」当事者の声を聞いてほしい。
2023年3月26日

※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。ーーーみなさん、こんにちは!リディラバジャーナル編集部の井上です。

2〜3月は3年ぶりの構造化特集の復活ということで、「無戸籍」をテーマに構造化特集をお届けしてきました。

続きをみる
×
CONTENTS
intro
宮坂学副知事 インタビュー
no.
1
no.
2
指導検査手続きの全オンライン化
no.
3
指導検査手続きの全オンライン化
no.
4
行政手続の全面デジタル化
no.
5
no.
6