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構造化特集
若者の孤独孤立 第4回
公開日: 2023/10/24(火)

損なわれる自信と経験。孤独孤立状態にある若者の就労の困難

公開日: 2023/10/24(火)
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若者の孤独孤立 第4回
公開日: 2023/10/24(火)

損なわれる自信と経験。孤独孤立状態にある若者の就労の困難

公開日: 2023/10/24(火)
構造化の視点

地域、学校、親族——。社会的つ

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地域、学校、親族——。社会的つながりが希薄で、信頼できる人や安心できる場所が少ない若者は、自立することの壁の高さに苦しんでいる。特に“家族に頼れない”若者の困難は深刻化しやすい現状がある。若者たちが孤独孤立状態に陥る背景と、若者たちが自立に困難を抱える構造を明らかにする。

地域、学校、親族——。社会的つながりが希薄で、信頼できる人や安心できる場所が少ない若者は、自立することの壁の高さに苦しんでいる。特に“家族に頼れない”若者の困難は深刻化しやすい現状がある。若者たちが孤独孤立状態に陥る背景と、若者たちが自立に困難を抱える構造を明らかにする。

地域、学校、親族——。社会的つながりが希薄で、信頼できる人や安心できる場所が少ない若者は、自立することの壁の高さに苦しんでいる。特に“家族に頼れない”若者の困難は深刻化しやすい現状がある。若者たちが孤独孤立状態に陥る背景と、若者たちが自立に困難を抱える構造を明らかにする。


オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「若者の孤独孤立〜つながり無き自立の壁〜」。

 

第4回となる本記事では、立ちはだかる自立への壁(2章)として、孤独孤立状態にある若者の就労の困難を明らかにする。

 

 

「十分な能力があり、社会で必要なコミュニケーション能力も備えている。しかし、周りの人たちに認められてこなかった若者にとって、新しい環境へ飛び込むことへのプレッシャーはとても強いです」

 

若者たちの居場所「夜のユースセンター」を運営する阿部渉さん(認定NPO法人育て上げネット)は、若者の就労への心理的な壁をそう話す。

 

阿部渉(あべ・わたる)
若年者就労基礎訓練プログラム「ジョブトレ」の現場リーダーとして若者たちの成長を見守る。壁を作らない関わりが得意で、若者たちのアニキのような存在。

 

孤独孤立状態にある若者は就労の選択肢が限られたり、過去のネガティブな経験から、職に就くことに対して高いハードルを感じている。

 

今回は、働き始めるまでの状況や、新しい環境への不安など、若者の就労を取り巻く課題を明らかにする。

選べる仕事が限られる。
就労に困難を抱える若者の現状

孤独孤立状態に陥った若者は、どのような就労の困難を抱えているのか。

 

家族社会学や生活保障論に詳しい宮本みち子さん(社会学者/千葉大学・放送大学名誉教授)は、「孤独孤立状態にある若者は、労働市場で安定した良い仕事に出会えないことが少なくありません」と語る。
 

宮本みち子(みやもと・みちこ)
放送大学副学長、千葉大学名誉教授。社会学博士。専門は、若者政策、生活保障論。若年層における失業者・フリーター問題、生活困窮者、貧困問題、社会的な孤立等の問題について、日本及び国際比較の研究に尽力。国及び地方自治体の子ども・若者政策の立案や、全国の若者支援団体の活動に関与。
著書:『若者が無縁化する』(ちくま新書)『若者が《社会的弱者》に転落する』(洋泉社)『下層化する女性―仕事と家庭からの排除』(勁草書房)『すべての若者が生きられる未来をー家族・教育・仕事からの排除に抗して』(岩波書店)『若者の権利と若者政策』(明石書店)ほか。
社会活動歴:内閣府子どもの貧困対策検討会座長、内閣府子ども・若者育成支援推進点検・評価会議座長、労働政策審議会委員、社会保障審議会委員、中央教育審議会委員等。

 

たとえば、不登校だった若者は正社員よりも非正規雇用に就く割合が高いというデータがある。

 

「不登校に関する実態調査(平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書)」では、2006年度に中学3年生で不登校だった1,600人を対象に、2011年時点(20歳前後)での就労状況を調査している。

 

その調査結果によると、仕事に就いていたのは全体の53.4%で、そのうち非正規雇用は32.2%、正社員は9.3%だった。
 

 

なお全国調査では、役員を除く雇用者のうち正規雇用者の割合は63.2%、非正規雇用者の割合は36.8%となっており(総務省「労働力調査 2023年(令和5年)7月分」より)、それと比較しても不登校だった若者は非正規雇用に就く割合が高いことがうかがえる。

 

また、非正規労働者の中には、いじめの経験やメンタルヘルスの問題を抱えている人も多いとされる。

 

東京60キロ圏内に住む5,631人を対象に実施された「首都圏住民の仕事・生活と地域社会に関する調査(2016年/早稲田大学 人間科学学術院 人間科学部の橋本健二教授による研究)」によれば、(パート主婦以外の)非正規労働者のうち、31.9%が学校でいじめを経験していたという。

 

同調査では、(パート主婦以外の)非正規労働者は「抑うつ傾向が非常に強く、健康上の問題を抱える人が多く、社会関係資本の蓄積に欠けているなど、多くの問題が集中する」と考察されている。

 

宮本さんは「困難を抱えた孤独孤立状態の若者は、働ける条件に制約があり、選べる仕事が限られてしまいます」と話す。

 

「ハローワークに行って、求人広告を見て、そこから仕事を選ぶ……という通常の道筋ではスムーズにいかない人がいます。

 

たとえば、身体や精神的な健康問題を抱えている方は、1日8時間の労働が難しい、または週に3日しか働けないなどの制約があります。

 

応募可能な求人は自ずと限られてしまい、正規雇用の職や希望する仕事が見つけらないということがあります」

 

不登校やいじめの経験、メンタルヘルスの問題を抱える若者などが、不安定な非正規雇用に就いている現状がある。

 

さらに、孤独孤立状態の若者は働ける条件に制約があり、仕事を見つけることに困難を感じているケースもある。

「認められなかった」経験が背景に。
働くことへの心理的な壁

孤独孤立状態にある若者にとっては、働き始めることの心理的な壁も高い。

 

育て上げネットの阿部さんは「新しい環境や人間環境への不安から、働く自信が持てない若者がいます」と話す。

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リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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CONTENTS
intro
つながり無き若者たち
no.
1
no.
2
立ちはだかる自立への壁
no.
3
no.
4
若者の孤独孤立〜つながり無き自立の壁〜
no.
5
no.
6
自立につまづいた先の困難
no.
7