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特集
痴漢大国ニッポン:「社会問題」として考える痴漢
第四回

被害者が語る「痴漢に遭うこと」のリアル

2017年10月、フランスで『Tchikan(痴漢)』という本が出版されました。

 

同書は、フランス在住の日本人の佐々木くみさんが、日本で学校に通っていた6年間、痴漢被害に遭い続けていた実体験を語ったものです。

 

フランス人の小説家エマニュエル・アルノーさんとの共著で、小説ながらほとんどの内容が実話に基づいています。

 

「世界で最も平和な国」であるはずの日本で、痴漢という“性暴力”が常態化している——。

 

その事実に多くのフランス人が衝撃を受け、国営チャンネルでの単独インタビューや大手フランス紙でも多数書評が掲載されるなど、大きな反響を呼びました。

フランスで『Tchikan』を出版した佐々木くみさん。

痴漢被害者のリアル

佐々木さんは、JR山手線で中高一貫の私立女子校に通っていました。

 

初めて痴漢に遭ったのは、中学校に入学して間もなかった6月。朝7:30ごろの満員となった山手線の車内でした。

 

電車に流れ込む乗客に押しやられ、車両の中央で立つことになった佐々木さんの周りには、スーツを着た男性が立ち並んでいました。電車が走る物音を聞きながらボーっとしていると、不意に、奇妙な感覚を覚えます。

 

正面に立つスーツ姿の男性が、ポーチのようなものを持った片手の親指で佐々木さんの胸をつついているように感じました。電車も揺れていたので、わざとではないと思っていました。

 

「いや、違う」

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痴漢大国ニッポン
全10回
2-1.被害者が語る「痴漢に遭うこと」のリアル