ひとりはつらいよ。ホームレスだからこそ重要な人間関係 | Ridilover Journal(リディラバジャーナル)
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特集
ホームレス:彼・彼女らが失い、取り戻すもの
第七回

ひとりはつらいよ。ホームレスだからこそ重要な人間関係

「船橋はひどいんだよ。ホームレス同士のいじめがすごくて。人間づきあいのストレスがすごくて、それで池袋に移動してきたんだよね。池袋はいい。お互いそこまで干渉しないから」

 

編集部が池袋のホームレス経験者の方々に話を聞き、もっとも衝撃だったこと。

それは「あ、そうかホームレスの人々も人間。一人でずっと公園にいるとかっていうわけではなく、似たような境遇の人々のコミュニティがそこにはあるんだ。厳しい環境の中での人間関係となればなおさら、いじめも起きるわな……」という気づきでした。

「お互い干渉がない」ホームレス経験者がそう語る池袋。

 

「一般社会で人間関係がきついと、路上でも一緒だと思いますね」

そう語るのは、なべさん(仮名)。精神障害があり、20年近く路上とカプセルホテルなどを行ったり来たりするホームレス状態でした。

ホームレス、とくに路上生活において、どのような人間関係があるのでしょうか。その人間関係は日々の暮らしにどのように影響しているのでしょうか。また、障害者がホームレスから抜け出せないことに、人間関係はどのように関わるのでしょうか。

 

前回、知的障害や精神障害のある人がホームレスとなる際、1章で見た場合と同じように、家族という「資産」を欠くことが大きく影響していることを紹介しました。

 

では、ホームレスとして暮らしていくときの苦労も同じかというと、そこにはやはり、障害があるゆえの苦労があり、それは冒頭のなべさんの言葉にあるように「人間関係」に関わる苦労、困難でした。

 

今回も、なべさんのストーリーを中心に、どんな苦労、困難があるのかを見ていきます。

見よう見まねで。隅田川のベンチで寝起き

なべさんは東京都足立区の出身で、45歳。20年近く、カプセルホテルや路上を行き来するホームレスでした。

ホームレスとなったきっかけは、スナック通いで作ってしまった借金の取り立て。会社をクビとなり、母親やきょうだいと暮らす家からも追い出されてしまいました。

池袋のベンチ。最近は寝ることのできないこうしたかたちのベンチが街に増えています。

 

以下、なべさんのインタビューからの抜粋です。

 

家を出されたあと、どうしようかと思いました。そのとき持っていた少しのお金で寝床を探さなければと思っていたので、路上生活はどういうものだろうと考えました。
実家が足立区で、足立区の近くの浅草に隅田川という川があり、そこのベンチで寝ている人が結構いて、「こういうとこでも生活できるのだ」と思いました。それで、そこで寝ていました。

 

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特集 ホームレス:彼・彼女らが失い、取り戻すもの 全11回
0章 はじめに
1章 ホームレスになるとき
2章 ホームレスになったとき
3章 ホームレスを脱するとき
4章 障害者がホームレスになるとき
5章 障害者がホームレスになったとき
6章 障害者がホームレスを脱するとき
7章 安部コラム
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