学費の家族負担主義が生む“家族責任主義” | Ridilover Journal(リディラバジャーナル)
ログイン
特集
奨学金制度:返せないのは自己責任ですか?
第三回

学費の家族負担主義が生む“家族責任主義”

「親が子どもの面倒を見る。子どもが親の面倒を見る。これが日本の美風だとされてきました。だから今も、介護保険があっても親の介護を頑張り過ぎてしまう人がいる。教育も同じです。親が子どもの学費を払うのは当然と思われてきましたが、家計はもう限界に達しています」

 

そう説明するのは、聖学院大学講師で、埼玉奨学金問題ネットワーク代表を務める柴田武男さん。

 

長年大学で教えているが、奨学金の問題に気づくまでには時間がかかったと柴田さんは言う。

 

柴田さんが指摘するように、日本は教育にかかる費用は家族——とくに親——が負担するという考えが一般的だ。

 

これは、経済協力開発機構(OECD)のデータからも明らかである。

高等教育機関に対する支出割合を見てみると、公的支出の割合が最も大きいのはフィンランドで97%。一方の家計支出はゼロ。

 

公的支出、家計支出以外の支出がある国もあるので単純に比較はできないが、日本の公的支出の割合は32%で、36カ国中イギリスに次いで低い。


 

今回はこの、家族負担主義が、奨学金制度や教育政策への社会の関心に与えた影響について見ていく。

...

奨学金制度
全8回
2-2.学費の家族負担主義が生む“家族責任主義”