世界的にも高い水準を誇る日本の医療。その裏で、医療費の
世界的にも高い水準を誇る日本の医療。その裏で、医療費の増大、勤務医の多忙化、病院の経営難と様々な課題が押し寄せている。
経済成長・人口増加と「右肩上がり」の時代に構築された医療制度が、「右肩下がり」の時代を迎えた今、現場に与えている歪みを明らかにする。
世界的にも高い水準を誇る日本の医療。その裏で、医療費の増大、勤務医の多忙化、病院の経営難と様々な課題が押し寄せている。
経済成長・人口増加と「右肩上がり」の時代に構築された医療制度が、「右肩下がり」の時代を迎えた今、現場に与えている歪みを明らかにする。
世界的にも高い水準を誇る日本の医療。その裏で、医療費の増大、勤務医の多忙化、病院の経営難と様々な課題が押し寄せている。
経済成長・人口増加と「右肩上がり」の時代に構築された医療制度が、「右肩下がり」の時代を迎えた今、現場に与えている歪みを明らかにする。
リディラバジャーナル構造化特集「地域医療」。
第7回となる本記事では、「解決策としての地域医療構想と私たち」(5章)として、これまで見てきた課題を基に、今後求められる変化を明らかにする。
「市民の皆さんには、従来のように『いつでもどんな症状でも、近くで医療が受けられる』という状態は続けられないと認識してもらう必要があります。
病院や医師の負担によって実現してきた『便利すぎる』状態を、この先も同じように維持するのは難しいでしょう」
日本で最も救急車を受け入れている「湘南鎌倉総合病院」での勤務を経て、現在は千葉県の「塩田病院」で総合診療部の部長を務める医師、青木信也さんは、これからの医療体制についてこのように話す。
本特集ではこれまで、医療の財源、病院の経営、勤務医の多忙化と医療現場における課題の構造を明らかにしてきた。
今回は、解決の方向性として、関係者が口を揃えて訴える「医療の集約化・生産性向上」について解説する。
病院の需給を調整
国が推進する「地域医療構想」とは
山積する医療現場の課題解決に向けて、国は「地域医療構想」という政策を推進している。
地域医療構想とは何か。
政策立案を担当する、厚生労働省医政局地域医療計画課の有木悠一朗課長補佐は次のように説明する。
「日本の少子高齢化が進んでいることは皆さんもご存知かと思いますが、その進行具合は地域によって異なります。
首都圏のようにこれからさらに高齢者が増える地域もありますが、少子高齢化が進んだ結果、総人口も高齢者数も減少に向かっている地域もあります。
これからより高齢者が増える地域では、まだ医療需要が増加していきますが、逆に総人口も高齢者数も減少していく地域では、医療需要が減少していきます。
地域医療構想は、地域ごとに将来の医療需要と、その需要に対して必要となる病床数を一定の前提に基づいて推計し、その推計結果を踏まえ、自治体・病院等の関係者間の協議を通して、医療需要に合った効率的な医療提供体制を構築しよう、という取り組みです」
地域医療構想では、患者の状態によって病床を4区分(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)に分類し、各地域で4区分それぞれの需要を予測している。
前回紹介した通り、日本はそもそも諸外国と比較して、人口あたりの病床数が多い上に、現在は人口減少期に突入し、医療需要が減少傾向となる地域が出ている。
そのため、地域医療構想で推計された医療需要を踏まえ、現状の病床数を削減する必要があるような地域も出てくる。
病床数の削減・病院の機能集約については、国だけでなく関係者も必要性を訴える。
医療コンサルタントとして長年、病院経営の改善などに取り組んできた山口誠さん(仮名)は次のように語る。
「長年様々な地域で病院を見てきて、言葉は悪いですが『ここは無くなるべきだな』というような病院を多数見てきました。
例えば、都道府県から許可されている病床のうち、実際に使用されている病床の割合が50%を下回っていて、医師も看護師も余っているような病院だったり、地域内にもう需要がないのに『俺の病院では外科手術しかしないんだ』と過去の成功体験にしがみついている病院だったり。
医師や看護師の数は限られていますから、効率性の低い病院に貴重な人材が費やされている現状を変える意味で、地域医療構想の考え方には賛成です」
医療マンガ「コウノドリ」の今橋医師のモデルとなった医師、今西洋介さんも、具体例を基に病院の機能集約を訴える。
新生児科医・小児科医、小児医療ジャーナリスト、一般社団法人チャイルドリテラシー協会代表理事。漫画・ドラマ『コウノドリ』の取材協力医師を努める。作中の今橋先生のモデルでもある。NICUで新生児医療を行う傍ら、ヘルスプロモーションの会社を起業し、公衆衛生学の社会人大学院生として母親に関する疫学研究を行う。SNSを駆使し、小児医療・福祉に関する課題を社会問題として社会に提起。一般の方にわかりやすく解説し、小児医療と社会をつなげるミドルマンを目指す。Twitter:@doctor_nw
「大阪で実証実験が進んでいるんですが、今まで自治体ごとに1つずつ公立病院を所有していたところを、7エリアほどで集まって、みんなで出資して1つの医療センターを設置しました。
病院7つ分の予算となるとかなりの額が使えるようになるし、医療提供も効率化できるので、例えば周産期医療を担当する医師に対しては、大幅に給与を上乗せして募集ができたんですね。
全国の病院が医師不足に苦しむ中、そのポストにはたくさんの応募があって、厚待遇で医師を雇用し、良質な医療提供ができるようになったと。
自治体がそれぞれ苦労しながら公立病院を運営するよりも良いということで、機能集約の重要性を感じる事例でした」
人口が減少し、医療需要が減少する中で、今までと同じ数の病院が同じ量の医療提供を行おうとすれば、医療の効率性は必然的に低下していく。
病院の経営難や勤務医の多忙化といった医療現場の課題解決に向けては、病院の統廃合・機能集約が必要とされているのだ。
「方向性は正しいが……」
政策実現を阻む現場とのズレ
関係者も賛同する地域医療構想だが、現実には思うように政策が進んでいない実態がある。
2015年に国が行った推計によると、2013年度時点で全国に存在する135万床の病床数では、仮に機能分化・連携を推進しなかった場合、将来的な医療需要に対応できないことがわかった。
しかし、地域医療構想が掲げる病床の機能分化・連携を推進した場合、2025年の段階で必要な病床数は119万床と、約16万床を削減しても、医療需要に対応できると推計した。
最新の2022年度の病床機能報告では、病床数の合計は119.9万床と、当初の推計に基づいた必要量に近づいている。
しかし、その内訳を見ると「急性期」病床の必要量は、推計では全病床のうち34%とされていたが、現状は45%。
「回復期」病床の必要量は、推計では全病床のうち31%とされていたが、現状は17%と、病床数の機能別の内訳は、実績と推計結果とで乖離が生じている。
有木課長補佐は、地域医療構想の現状を次のように語る。
「前提として、地域医療構想は地域ごとに最適な提供体制を構築するものなので、例えば『病床数の全国合計が必要量に近づいている』といった、全国合計だけを見て評価を行うのは難しい部分もあります。
地域によって、人口動態や医療ニーズ、人材などの資源が大きく異なってくることを前提に、病床機能の分化・連携を進める必要があります。
ただ、全体として機能分化・連携の取り組みが期待されたほど進んでいない、という声があることは認識しています。
要因は様々考えられますが、新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年初頭から自治体や医療関係者の皆さんが対応に追われてしまったのは大きかったと思います。
地域医療構想の実現にあたっては、地域ごとに自治体や地域内の病院が集まって『地域医療構想調整会議』というものを開催し、この会議での話し合いに基づいて合意形成をし、自主的に病床削減や病床転換を行うことを基本的なプロセスとしています。
しかし、病院側としても、病床削減や病床転換は事業的に大きな意思決定なので簡単ではありません。
国としては、病院への財政的な支援に加え、自治体が病院の意思決定を促せるようなデータ分析ができるように支援を行っています。
こうした支援策によって、構想実現に近づけていけたらと考えています」
地域医療構想の実現については、現場からも難しさを訴える声があがっている。
大手医療コンサルティング会社で、20年以上病院の経営改善に取り組んできた橋本和志さん(仮名)は、次のように語る。
「政策としての方向性は正しいと思いますが、政策を推進する『主体者』が存在しないと感じています。
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