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構造化特集
地域医療 第5回
公開日: 2023/6/18(日)

勤務医の約4割が過労死ライン超え 現役医師が匿名で語る 勤務の実態

公開日: 2023/6/18(日)
構造化特集
地域医療 第5回
公開日: 2023/6/18(日)

勤務医の約4割が過労死ライン超え 現役医師が匿名で語る 勤務の実態

公開日: 2023/6/18(日)
構造化の視点

世界的にも高い水準を誇る日本の医療。その裏で、医療費の

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世界的にも高い水準を誇る日本の医療。その裏で、医療費の増大、勤務医の多忙化、病院の経営難と様々な課題が押し寄せている。
経済成長・人口増加と「右肩上がり」の時代に構築された医療制度が、「右肩下がり」の時代を迎えた今、現場に与えている歪みを明らかにする。

世界的にも高い水準を誇る日本の医療。その裏で、医療費の増大、勤務医の多忙化、病院の経営難と様々な課題が押し寄せている。
経済成長・人口増加と「右肩上がり」の時代に構築された医療制度が、「右肩下がり」の時代を迎えた今、現場に与えている歪みを明らかにする。

世界的にも高い水準を誇る日本の医療。その裏で、医療費の増大、勤務医の多忙化、病院の経営難と様々な課題が押し寄せている。
経済成長・人口増加と「右肩上がり」の時代に構築された医療制度が、「右肩下がり」の時代を迎えた今、現場に与えている歪みを明らかにする。


オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「地域医療」。

 

第5回となる本記事では、「勤務医の多忙化」(4章)として、約4割の勤務医が「過労死ライン」を超えた時間外労働を強いられるといった多忙化の実態を明らかにする。

 

構造化マップ


 

これは、ある大学病院で泌尿器科医として働く、黒田浩一さん(仮名)の1週間の勤務スケジュールだ。

 

 

厚生労働省が2019年に実施した調査によると、アンケートに回答した勤務医のうち、37.8%が「過労死ライン」と呼ばれる月間80時間以上(年間960時間以上)の時間外労働を行っている

 

いつでもどこでも医療にアクセスできる。高水準な医療の背景で、過酷な勤務状況に置かれる勤務医の実態を、現役医師へのインタビューをもとに明らかにする。

過労死ライン以降は「自己研鑽」
隠された時間外労働

勤務医たちはどれほど働いているのか。


1人目として、冒頭に登場した泌尿器科医の黒田さんに話を聞いた。

 

―黒田さんのお仕事の様子を教えてください。毎日、どれくらいお仕事をされていますか。

 

先週の平日は、

 

月曜日:7時30分―24時30分(17時間)
火曜日:7時30分―24時30分(17時間)
水曜日:8時―25時(17時間)
木曜日:8時―23時(15時間)
金曜日:8時―20時(12時間)

 

という勤務時間でした。

 

加えて、土日もどちらかは必ず出勤して、4~8時間ほど勤務しています。


だいたい毎週こんな感じです。

 

―先週1週間での時間外労働は40時間以上、いわゆる「過労死ライン」を超えていますね。

 

通常の勤務に加えて、入院患者さんの急変や救急患者さんの受け入れのため病院に泊まって勤務する「宿直」も月に6回ほどあります。

 

宿直の日は、朝から出勤して、病院で1泊して、そのまま翌日の勤務にあたる場合が多いです。

 

宿直の間は、特に何もなければ寝たり休んだりしていても大丈夫なので、一晩病院にいたからと言って一晩中働いているわけではありません。

 

ただ、家には帰れませんし、患者さんに何かあれば対応しなければいけない状態ではあります。

 

―週40時間、月に換算すると160時間以上の時間外労働に加えて宿直の業務となると、労基署から是正が入らないのでしょうか。

 

これはすごくグレーな話なのですが、正直に勤務時間を報告すると、病院も労基署から目をつけられて厄介なことになりますし、医師個人もカウンセラーとの面談が必要になったりと面倒が多いので、勤怠を正確に報告していません。

 

実際には8時間の時間外労働をしていたとしても、勤怠上では4時間の時間外労働と申請し、残りの4時間は「自己研鑽」という名目で申請をします

 

業務ではなくて、自分のための勉強をしていたという形をとって、時間外労働が60〜80時間くらいにおさまるよう調整しています。

 

―「自己研鑽」の名目で勤務している間の時間外手当というのは。

 

支払われないことになります

 

勤務時間ではないと、自ら申請しているので。

 

―どうしてそこまで忙しくなってしまうのでしょうか。

 

要因は色々あると思いますが、とにかく現場の感覚としては人が圧倒的に足りていないと感じます。

 

大学病院は大きく3つの役割を担っていると言われています。

 

ひとつは臨床、大学病院に来る患者さんに対応する役割。

 

ひとつは研究、科学者として医療にまつわる研究を進める役割。

 

ひとつは教育、大学の医学部生や研修医を指導して、医師を育成していく役割。

 

現状では、臨床と教育に精一杯で、本来の役割である研究は趣味程度になっています。

 

アメリカの医療現場を経験した同僚は「この忙しさで、いつ研究をしたらいいんだ」と日米の違いに戸惑っていました。

 

業務効率を高めるとか、働き方改革を進めるとか、色々な打ち手はあると思いますが、根本にある医師の不足をなんとかしないと、とてもじゃないけど研究まで担うのは難しいと感じます。

 

「丸一日の休みはほぼない」
医師不足に苦しむ現場

続いて、とあるがんセンターで働く勤務医の松本翔太さん(仮名)に話を聞いた。

 

―松本さんのお仕事の様子を教えてください。毎日、どれくらいお仕事をされていますか。

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リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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CONTENTS
intro
高水準の日本型医療が成立した背景
no.
1
no.
2
現状の課題①医療の財源問題
no.
3
現状の課題②病院の経営難
no.
4
勤務医の多忙化
no.
5
no.
6
解決策としての地域医療構想と私たち
no.
7