

世界的にも高い水準を誇る日本の医療。その裏で、医療費の
世界的にも高い水準を誇る日本の医療。その裏で、医療費の増大、勤務医の多忙化、病院の経営難と様々な課題が押し寄せている。
経済成長・人口増加と「右肩上がり」の時代に構築された医療制度が、「右肩下がり」の時代を迎えた今、現場に与えている歪みを明らかにする。

世界的にも高い水準を誇る日本の医療。その裏で、医療費の増大、勤務医の多忙化、病院の経営難と様々な課題が押し寄せている。
経済成長・人口増加と「右肩上がり」の時代に構築された医療制度が、「右肩下がり」の時代を迎えた今、現場に与えている歪みを明らかにする。
世界的にも高い水準を誇る日本の医療。その裏で、医療費の増大、勤務医の多忙化、病院の経営難と様々な課題が押し寄せている。
経済成長・人口増加と「右肩上がり」の時代に構築された医療制度が、「右肩下がり」の時代を迎えた今、現場に与えている歪みを明らかにする。



リディラバジャーナル構造化特集「地域医療」。
第3回となる本記事では、「医療の財源問題」(2章)として、増大する医療費と公立病院の赤字補填に焦点をあてる。
現在、増大する医療費の問題が様々な場面で問題提起されているが、その背景としてよく語られるのは、高齢化という社会構造の変化だ。
確かに、日本の医療費において高齢者利用分が約6割を占めており、高齢化が医療費に与える影響は大きい。
しかし、少子高齢化は突然始まったものではなく、予測されていた変化で ある。
本記事では、医療費を負担する国・自治体の財政問題に着目する。
財政問題の背景には、社会構造の変化に対応できない制度の存在があった。
また、「医療費にカウントされない医療費」として年間8,000億円超を支出する、自治体病院の赤字補填についても解説する。
高水準な医療の裏で…
膨らみ続ける医療費の問題
2021年度の日本の医療費は、総額で44.2兆円。
前年より約2兆円(4.6%)増加し、過去最高を記録した。
第1回で紹介した通り、医療費のうち約4割は公費(国と自治体による負担)によって賄われている。
国の負担は年間約11兆円となり、国家予算の10%ほどを占める計算となる。
医療費の増大は直近に限った問題ではなく、国民皆保険制度の開始以降、増大の一途を辿っている。
これまで国は、医療費の増大と引き換えに医療制度を充実させてきた。
医療政策の研究を専門とする、国際医療福祉大学大学院の島崎謙治教授は、次のように解説する。
1978年東京大学教養学部卒業。厚生省入省。千葉大学法経学部助教授、厚生労働省保険局保険課長、国立社会保障・人口問題研究所副所長、東京大学大学院法学政治学研究科附属比較法政国際センター客員教授等を経て、2007年政策研究大学院大学教授、2020年4月から国際医療福祉大学大学院教授。博士(商学、早稲田大学)
「国民皆保険制度が成立したのは1961年ですが、その時点での医療の給付範囲や給付率は今と同じであったわけではありません。
例えば、高額な薬剤は保険の対象外となっていたり、主な疾病について診療の方法や手順が定められていました。
しかし、こうした制限診療は1960年代に撤廃されていきました。
また、国民皆保険実現当時は、同一傷病の給付期間は3年とされており、同じ病気を長期間治療する場合には、3年で保険給付は打ち切られました。
しかし、この給付期間の制限も、1963年に撤廃されました。
さらに、被用者保険の被扶養者や国民健康保険の給付率は5割でしたが、1973年にかけて7割に引き上げられ、窓口負担が5割から3割へと軽減されました。
同時に、高額療養費制度(※)の導入などを行いました。
(※自己負担額が一定額以上の場合に、それを超える部分を保険給付する仕組み。これにより、高額な治療や手術等を行った場合にも、患者負担は一定額に抑えられる)
こうした一連の措置により国民皆保険はその実質を具備することになりますが、その反面、医療費は増加しました」
国民皆保険制度の実現後、医療制度の充実を図った日本。
象徴的な事例として、「老人医療無料化」政策があったと、島崎教授は続ける。
「医療費の増加に拍車をかけたのが、1973年に導入された老人医療費無料化です。
私は制限診療の撤廃や、国民健康保険の給付率の5割から7割への引上げ等は高く評価しますが、老人医療費無料化は失敗であったと思います。
高齢者の医療アクセスが容易になった一方で、コストを全く気にしなくなり、過剰受診や社会的入院(治療や退院を目指さない長期入院)の問題が深刻化したからです。
また、甘い政策を打ち出すと元に戻すことがいかに困難かという意味で、『苦い教訓』でもあります。
老人医療費無料化後、少額の一部負担の徴収を開始し、段階的に引き上げていき、2002年には完全定率で1割負担としましたが、無料化から約30年の歳月と労力を費やしました」
医療の充実にあたっては、当然ながら対価としての費用が発生する。
医療費の増大は、質が高く、アクセスしやすく、個人負担は平均的、という高水準な医療を実現した日本型制度下における、必然の結果と言えるだろう。
島崎教授は続ける。
「日本は1961年に国民皆保険を実現し、1973年にかけて拡充していきましたが、その背景には高度経済成長がありました。
ここで重要なのは、なぜわが国は長期にわたる高度経済成長が可能であったのかということです。
様々な理由がありますが、主要な理由としては、日本の人口が増加しているとともに、人口構成をみても生産年齢人口の割合が高かったということが挙げられます。
一口で言えば『右肩上がり』の社会経済であったということですが、これは『逆も真なり』です。
つまり、総人口が減るとともに、高齢者は増える一方で生産年齢人口が激減していく『右肩下がり』になれば、1961年から1973年にかけて起こったことと逆の動きが生じても不思議ではありません。
給付内容や給付率を絞る必要はあるのではないか、国民全員をカバーするのは無理ではないかといった議論が起こるおそれがあります」
「高齢化によって医療費が増大している」
私たちがよく耳にする言葉だが、医療費増大の要因は高齢化だけに限らない。
「右肩上がり」の社会的影響を受けて、給付内容や給付率を拡充してきた日本型医療制度も医療費増大の要因となっているのだ。
「患者には不利益だが仕方ない」
制度が現場に与える影響
日本型医療制度によって医療費が増大する構図は、医療現場にも現れている。
第1回の記事で日本型医療制度の特徴として紹介した、「フリーアクセス」と「出来高払い」を例に、制度が現場の診療に与える影響について解説する。
「フリーアクセス」とは、病院の規模や専門を問わず、患者自身が自由に受診先を選べることを意味する。
先進国においてフリーアクセス制を採用している国は珍しく、イギリス等では「ゲートキーパー」制度を採用している。
イギリスの場合、患者が住む地域ごとに「総合医」という医者が存在し、救命救急以外の場合、総合医の診断を経て必要と判断されなければ、専門医による高度な医療や入院治療にはアクセスができない。
このように、患者の状態に応じて適切な医療に振り分ける機能をゲートキーパーと呼ぶ。
フリーアクセスと医療費の関係性を、現場で診療にあたる大学病院の勤務医、黒田浩一さん(仮名)は次のように語る。

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