保険証があっても、必要な医療につながりづらい&mdas
保険証があっても、必要な医療につながりづらい——。日本で暮らす在住外国人が増える一方、言葉や情報、制度、経済的負担などの壁が重なり、医療アクセスに困難が生じている。在住外国人が健康の困りごとを抱える要因、職場・学校・医療機関など受け入れ現場の課題、医療通訳や地域支援を支える仕組みの弱さ。在住外国人が必要な医療につながりにくい社会の構造を明らかにする。

保険証があっても、必要な医療につながりづらい——。日本で暮らす在住外国人が増える一方、言葉や情報、制度、経済的負担などの壁が重なり、医療アクセスに困難が生じている。在住外国人が健康の困りごとを抱える要因、職場・学校・医療機関など受け入れ現場の課題、医療通訳や地域支援を支える仕組みの弱さ。在住外国人が必要な医療につながりにくい社会の構造を明らかにする。
保険証があっても、必要な医療につながりづらい——。日本で暮らす在住外国人が増える一方、言葉や情報、制度、経済的負担などの壁が重なり、医療アクセスに困難が生じている。在住外国人が健康の困りごとを抱える要因、職場・学校・医療機関など受け入れ現場の課題、医療通訳や地域支援を支える仕組みの弱さ。在住外国人が必要な医療につながりにくい社会の構造を明らかにする。
リディラバジャーナル構造化特集「外国人の健康〜保険に入っていても、医療につながりにくい社会〜」
第6回となる本記事では、在住外国人を受け入れる側の課題(2章)として、医療通訳を取り巻く課題を明らかにする。

医療通訳とは、症状、診療内容、治療方針などを正確に伝え、外国人患者と医療者の意思疎通を支える専門的な通訳である。
外国人患者が必要な医療につながるために欠かせない役割を担っている。
しかし、その費用を誰が負担するのか。担い手を誰が育てるのか。全国一律の仕組みが整えられているわけではない。
その空白を、病院や自治体、支援団体、通訳者自身がそれぞれの現場で埋めている。
なぜ、医療通訳は持続可能な仕組みとして確立されていないのか。その構造を見ていく。
患者から差し出された、しわしわの3千円
「医療通訳を利用した外国人患者さんから、言い値で費用を受け取る形で通訳に入っていました」
そう話すのは、公益財団法人佐賀県国際交流協会で医療支援事業を担当する本村実枝子さんだ。

公益財団法人佐賀県国際交流協会(SPIRA・スパイラ)医療支援事業担当。佐賀県内の外国人住民に向けた医療通訳サポーター派遣、多言語通訳コールセンター運営、医療通訳研修など、医療アクセス支援事業に携わる。外国人住民が安心して医療を受けられる地域づくりを目指し、多文化共生・医療通訳分野で活動している
本村さんは、かつてボランティア通訳として病院で活動した経験がある。
診察が終わり、会計の場面になる。検査や処置が重なり、想定よりも高額になった医療費を前に、患者は戸惑いながら財布を開く。
「『今日はMRIも撮って、1万2千円かかった。これは通訳さんの分です』と、しわしわの3千円を差し出されるんです。病気の方からお金をいただくのはなんとも言えない気持ちでした」
医療費が想定より高くなり、「3千円と約束していましたが、やっぱり2千円でいいですか」と相談されることもあった。
「正直、『お金はいいですよ』と言いたくなることもありました。でもそれを言ってしまうと、『あの人は無料でやってくれる』という前例をつくってしまう。それも違うと思って。
患者さんと通訳者が直接お金のやりとりをする形はよくないと感じていました」
患者に通訳料を支払う余裕があるとは限らない。一方で、通訳者が無償で対応し続ければ個人の善意に依存することになる。
医療通訳には費用がかかる。しかし、その負担を誰が引き受けるのか。明確な答えはまだ定まっていない。
家族や知人が担うには負担が大きい
費用をかけて専門的な通訳を手配しなくても、外国語を話せる家族や知人に頼めばよいのではないか——。そう考える人もいるかもしれない。
医療通訳は、単に日常会話を別の言語に置き換える仕事ではない。
厚生労働省が作成した医療機関向けのマニュアル(※1)では、医療通訳者は「通訳技能と医学知識を用いて患者と医療者の相互理解を支援する専門職」とされている。
医師や看護師のように資格がなければ仕事ができない国家資格ではない。一方で、症状、検査、治療方針などを正確に伝えるためには、語学力だけでなく医療知識、通訳技術、日本の医療制度への理解、守秘義務などの倫理が求められる。
本村さんは自身の経験から、家族が通訳を担う難しさをこう話す。

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