
元パラリンピック銀メダリストアスリートの上原大祐さんは、生まれながらの障害を持つ車椅子ユーザー。
障害者と健常者の共創を目指しNPO法人D-SHiPS32の代表を務め、障害者の理解促進にも取り組んでいる。
可視化されづらい障害者の不便や障害者側の課題、障害者から見た東京五輪への懸念などについて、リディラバ安部が聞いた。
※本記事は、上原大祐さんと安部敏樹による対談記事の中編です(前編)。
身近な人ほど差別者になり得る
安部敏樹 障害者に関して、僕自身が悩んでいることがあるんですね。リディラバでは今後の事業拡大を見据えて採用を強化しています。そこに当然、障害者雇用という選択肢もあるわけです。実際に、面談に障害者が来られるケースもあります。
ただ障害者のなかには、マインドセットが権利主張になっている人がいて、サービス提供を事業としている我々からすると厳しいなと感じてしまうことがある。これはやっぱり教育の問題なんですかね。
上原大祐 もちろん一概には言えないですが、わりと明確なのは、親御さんがちゃんと子どもにチャレンジさせているか。つまり、ある程度突き放されて育った障害者はサービス提供もできる人が多いように感じますね。
安部 上原さんなんかが、そうやって育てられてきたんだろうなという感じがしますけども。
上原 「それは危ないからダメ」「それはしちゃいけないよ」と親から言われ続けて育った障害者は、自分が何もしなくても、誰かが何かをしてくれると思い込んでしまっている。そういう育て方をさせられてしまった人は不幸ですよね。
安部 周囲がどう関わるのかは、すごく大事なテーマですよね。障害者と健常者はどうしても二項対立的に考えてしまうけど、家族の誰かが障害を持ったりするような可能性は誰にでもあるわけで、当事者にもなりうる。それに対して自分はどう向き合うのかという話でもある。
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