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構造化特集
カスタマーハラスメント 第5回
公開日: 2025/10/15(水)

「顧客の権利保護」と「従業員の安全確保」のせめぎ合い——。行政のカスハラ対策の難しさ

公開日: 2025/10/15(水)
構造化特集
カスタマーハラスメント 第5回
公開日: 2025/10/15(水)

「顧客の権利保護」と「従業員の安全確保」のせめぎ合い——。行政のカスハラ対策の難しさ

公開日: 2025/10/15(水)
構造化の視点

「お客様は神様」の名のもとで繰り広げられる暴言や理不尽

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「お客様は神様」の名のもとで繰り広げられる暴言や理不尽な要求。「おもてなしの国・日本」で今、カスタマーハラスメント(カスハラ)が深刻化している。本来サービス向上のための貴重な「お客様の声」は、なぜ従業員を追い詰める凶器と化すのか。カスハラが発生する心理的・社会的構造や、企業・行政がカスハラに対処しづらい構造を明らかにする。

「お客様は神様」の名のもとで繰り広げられる暴言や理不尽な要求。「おもてなしの国・日本」で今、カスタマーハラスメント(カスハラ)が深刻化している。本来サービス向上のための貴重な「お客様の声」は、なぜ従業員を追い詰める凶器と化すのか。カスハラが発生する心理的・社会的構造や、企業・行政がカスハラに対処しづらい構造を明らかにする。

「お客様は神様」の名のもとで繰り広げられる暴言や理不尽な要求。「おもてなしの国・日本」で今、カスタマーハラスメント(カスハラ)が深刻化している。本来サービス向上のための貴重な「お客様の声」は、なぜ従業員を追い詰める凶器と化すのか。カスハラが発生する心理的・社会的構造や、企業・行政がカスハラに対処しづらい構造を明らかにする。


オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「カスタマーハラスメント~企業を追い詰める『お客様』たち〜」。

 

第5回となる本記事では、行政のカスハラ対策の難しさ(3章)として、国や自治体でのカスハラ対策の現状と課題を明らかにする。

 

 

国や自治体では現在、カスハラ問題の解決に向けてさまざまな取り組みを進めている。

 

2025年4月には東京都や北海道でカスハラ対策の条例が施行された。また、6月にはカスハラ防止のために雇用管理上必要な措置を事業主に義務付けることを含む改正法が成立した。

 

※カスハラ対策に係る規定は公布の日から起算して1年6ヶ月以内で法令で定める日に施工予定

 

ほかにも、国によるカスハラ対策企業マニュアルの公開をはじめとする企業への支援や、周知・啓発などが行われている。
 

一方で、顧客の正当な主張を守る「権利保護」と、顧客からの行き過ぎた要求や暴言から従業員を守る「安全確保」のせめぎ合いが、行政の支援を難しくしている

 

今回は、主に東京都と厚生労働省の取り組み事例から、行政が直面する葛藤を探る。

要望にどこまで応えらえるか。行政による企業への支援

行政の第一の役割は、企業がカスハラに対応できるよう支援することだ。

 

厚生労働省では、カスハラを含むハラスメント全般に関する情報をまとめた「あかるい職場応援団」を運営し、企業向けに事例や対策方法を提供している。さらに、特定の業種に特化した対策マニュアルや啓発ポスターを作成しており、令和6年度にはスーパーマーケット業界を対象に実施された。

 

(「あかるい職場応援団」サイト内で公開されている、スーパーマーケット業界のカスハラ対策企業マニュアルとポスター。他にもマニュアルの内容やカスハラに対応するための取り組み方法等を解説した研修動画も公開されている)

 

前 厚生労働省雇用環境・均等局雇用機会均等課 課長補佐の山野翔太さんは「企業の規模によってはカスハラ対策を進めづらいという意見もあり、国としても支援を行っていく必要があると考えています」と話す。

 

山野翔太(ヤマノ・ショウタ)
前 厚生労働省雇用環境・均等局雇用機会均等課 課長補佐

 

また、今年(2025年)条例を施行した東京都では、各業界のマニュアル作成の手引きとなる「カスタマー・ハラスメント防止のための各団体共通マニュアル」を策定。経営者団体からの「共通のひな型がほしい」という声に応え、中小企業でも取り入れやすい仕組みを整えている。
 

カスタマー・ハラスメント防止のための各団体共通マニュアルより)
 

東京都産業労働局の須之内理史さんはこう話す。

須之内理史(スノウチ・マサシ)
東京都 産業労働局 雇用就業部 労働施策担当課長(インタビュー当時)。

 

「小規模企業では人員も限られ、カスハラ対策の専門部署を設ける余裕がありません。そこで、こうした企業に参考にしていただけるよう、条例施行前に共通マニュアルを提示しました。今後も各企業の取り組みを後押ししたいと考えています」

すべての企業が使える“モデルケース”は示せない。背景にある「多様性」と「権利保護」

企業への支援が進む一方で、課題もある。それは、すべての企業や店舗がそのまま自社に適用できるモデルケースを示すことは難しいという点だ。

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リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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CONTENTS
intro
カスハラが起こる構造
no.
1
no.
2
企業のカスハラ対策の難しさ
no.
3
no.
4
行政のカスハラ対策の難しさ
no.
5