• 新しいお知らせ
    ×
構造化特集
ヤングケアラー 第3回
公開日: 2023/5/15(月)

「どう相談すればいいのかがわからない」ヤングケアラーの親が直面する高いハードル

公開日: 2023/5/15(月)
構造化特集
ヤングケアラー 第3回
公開日: 2023/5/15(月)

「どう相談すればいいのかがわからない」ヤングケアラーの親が直面する高いハードル

公開日: 2023/5/15(月)
構造化の視点
・・・もっと見る

オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「ヤングケアラー」。

 

第3回となる本記事では、ヤングケアラーと家族を取り巻く困難(2章)として、ヤングケアラーの家族、特に親が抱える困難に焦点を当てる。

 

 


 

「自分の子どものことを『ヤングケアラー』と言われるのが辛い。そう話してくれる親御さんもいます。

 

余裕がない中で、親として一生懸命がんばっている。子どもにケアを担わせ過ぎないように、仕事も家事も精一杯こなそうとしているのに、自分の子どもに対して『ヤングケアラー』という言葉を使われると、自分が責められている気持ちになる、と」

 

認定NPO法人カタリバでヤングケアラーとその家族向けの伴走型支援を行う和田果樹さんは語る。

 

ケアを要する家族がいる場合、子どもだけではなく、その親もまた社会的に孤立し、困難を抱えていることがある。家庭への不本意な介入を恐れ、外部への相談が難しいことも少なくない。

 

ケアを担う家族が直面する課題とは何なのか。その実態を見ていく。

「虐待でもネグレクトでもないのに」
理解されづらいヤングケアラーの親の立場

 

家族のケアを担うヤングケアラー。ケア負担の大きさによっては、学業や就職、友人関係に支障をきたす子どももいる。

 

一方、ヤングケアラーのメディア報道が増えるにつれ、批判に晒される傾向にあるのが当事者の家族、特に親だ。「子どもにケアを任せるなんて、親は何をしているんだ」と、子どもがケアを担う状況は親に責任があるとする声も聞かれる。

 

確かに、親から虐待やネグレクトを受けているヤングケアラーも存在する。緊急性の高い事例については、行政介入による速やかな対応が求められる。

 

しかし、全てのヤングケアラーが虐待やネグレクトを受けているわけではない。神戸市のこども・若者ケアラー相談・支援窓口で担当課長を務める上田智也さんは、現状について次のように語る。

 

上田 智也(うえだ・ともや)
神戸市福祉局相談支援課こども・若者ケアラー相談・支援窓口の担当課長。

 

「ヤングケアラーを、虐待やネグレクトを受けている子どもとしてイメージしている人も多いでしょう。

 

しかし、実態はそうではありません。虐待やネグレクトという枠には到底入らないケースが、むしろたくさんあると感じています。

 

例えば、経済的な問題を抱えている家庭の場合。親が朝から夜遅くまで働きに出ていれば、子どもが祖父母やきょうだいの面倒を見、料理や掃除などの家事を担わざるを得ないかもしれません。

 

このようなケースにおいて、家族のために精一杯働いている親を責めることができるでしょうか」

 

認定NPO法人カタリバでヤングケアラーとその家族向けの伴走型支援を行う和田果樹さんは、参加者の親から、自分の子どものことを「ヤングケアラー」と言われるのが辛いという声を聞いた。

 

和田 果樹(わだ・みき)
1990年生まれ。兵庫県出身。東京大学大学院教育学研究科修了後、新卒で認定NPO法人カタリバに入職。東日本大震災の被災地で子どもの居場所づくりや学習支援に従事するが、社会人になった矢先に母が難病を発症し、介護のため入職後1年半で休職。自身の介護の経験から、現在は同団体でヤングケアラー支援の立ち上げと企画運営を担当。

 

「余裕がない中で、親として一生懸命がんばっている。子どもにケアを担わせ過ぎないように、仕事も家事も精一杯こなそうとしているのに、自分の子どもに対して『ヤングケアラー』という言葉を使われると、自分が責められている気持ちになるということでした。

 

『ヤングケアラー』という言葉が、虐待やネグレクトなどと結びつけられて、マイナスのイメージで語られやすいことが影響していると思います」

本当に困っているからこそ、相談できない。公的サービスに対する親の葛藤

 

家族のケアについて、本来なら利用できるはずの外部からの支援を受けていない親もいる。しかし、それは必ずしも親の怠慢や子どもに対する思いやりのなさに起因するものではないと、神戸市の上田さんは言う。

 

※リディラバジャーナルについてもっと知りたい方はコチラ
リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
note
リディラバジャーナル編集部
noteのicon
喜べない教員の給与増。残業が残業だと認められない給特法とは?
2024年5月17日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ!リディラバジャーナル

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

続きをみる
勤務時間15分減で退職金ゼロ?非正規の人の労働条件を改善するための制度のはずが…
2024年5月14日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ! リディラバジャーナル

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

続きをみる
性犯罪の被害者の約半数が子ども。わが子をグルーミングから守るには?【ニュースに潜む社会課題をキャッチ!】
2024年5月7日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
動物の虐待摘発過去最多。「保護犬・保護猫」前進の裏で生まれる課題
2024年4月12日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
スクールカウンセラー約250人が雇い止め。子どもの心の健康を支える専門職なのに任期は1年?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2024年4月4日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
依存症の人に必要なのは「反省や刑罰」ではなく「治療と仲間」
2024年3月29日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「同性婚を認めないのは違憲」互いの違いを尊重できる成熟した社会へ
2024年3月18日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ! リディラバジャーナル

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

続きをみる
能登半島地震、深刻なボランティア受け入れ態勢不足が課題
2024年3月8日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ!リディラバジャーナル

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

続きをみる
学校の死亡事故の7割が国に未報告。求められる事故検証システム
2024年3月1日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「思いこみ」も背景に?女性管理職への道を阻むもの【なぜ少ない?学校教育現場の女性管理職】
2024年2月23日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。こちらの記事の最後には、全文無料で読める!「学校経営の新時代、女性管理職の可能性 ~ロールモデル・取り組み事例資料集~」もご紹介しています。ぜひご活用ください!

続きをみる
旭川いじめ事件から3年。再発防止が進まない訳は…
2024年2月16日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
DVから逃げられなくなる!?「共同親権」このまま進めて本当に大丈夫?
2024年2月2日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「被災地へボランティアに行くのは迷惑?」悩んでいる人にこそ読んでほしい!【3.11から学ぶ。構造化特集を全記事お届け!】
2024年1月12日

みなさん、こんにちは。リディラバジャーナルです。

1月1日、能登半島地震が発生しました。亡くなられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われたすべての方にお見舞い申し上げます。

続きをみる
市販薬を覚せい剤代わりにする若者たち。その背景には孤独孤立か?
2023年12月22日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
万引きを繰り返すのは手癖が悪いのか、それとも?「万引き依存症」をご存知ですか?
2023年12月15日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
大学進学は親の財力やきょうだいの数によって左右されていいのか?
2023年12月11日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
反ワクチン情報を流す医師がいるのはなぜ?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2023年12月1日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
病院の約半数、公立病院は98%が赤字。診療報酬の引き下げは医療レベルの引き下げに?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2023年11月24日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
構造化特集「地域医療」の内容を一部公開します
2023年6月9日

みなさんこんにちは、リディラバの鈴木です!今回は、リディラバジャーナルで公開中の構造化特集「地域医療」の冒頭をこちらのnoteでも公開します。何かあったら病院で治療が受けられる。私たちの「当たり前」を維持するために、様々な課題を抱えながら尽力する医療現場の姿を知ってもらえたら嬉しいです。


続きをみる
6月の構造化特集「地域医療」への思い
2023年6月9日

この投稿はリディラバジャーナル会員限定のFBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。

******みなさん、こんにちは!担当した構造化特集「地域医療 超高齢化社会に必要な『撤退戦』」が本日より公開となりました!今日は特集内には書いていない、特集に込めた思いをご紹介させてください。

続きをみる
子どもの発達障害、構造化マップを公開
2023年4月16日

※この投稿はリディラバジャーナルの会員限定FBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。*****みなさん、こんにちは!!!リディラバジャーナルの井上です。

今週はとても嬉しいことがあったので、ご報告させてくださいm(_ _)m

続きをみる
構造化。テーマは「子どもの発達障害」
2023年4月7日

この投稿はリディラバジャーナル会員限定のFBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルの井上です。

早くも4月ですね。あっという間に過ぎ去る日々に「!?!?」という感じですが、今日も今日とて、リディラバジャーナルのご案内です。

続きをみる
編集部メンバーの想いを公開しました
2023年3月26日

※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******皆さん、こんにちは〜!

編集部の井上です。今日は、

続きをみる
「無戸籍」当事者の声を聞いてほしい。
2023年3月26日

※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。ーーーみなさん、こんにちは!リディラバジャーナル編集部の井上です。

2〜3月は3年ぶりの構造化特集の復活ということで、「無戸籍」をテーマに構造化特集をお届けしてきました。

続きをみる
×
CONTENTS
intro
日本における家族ケアの形
no.
1
ヤングケアラーと家族を取り巻く困難
no.
2
no.
3
支援の手が届かない構造
no.
4
no.
5
no.
6
目指すべき方向性
no.
7