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    • 特集「子どもの体験格差」第5回を公開 困難な状況にある家庭で体験機会がさらに減る構造

      構造化特集「子どもの体験格差」第5回を公開しました。体験格差については保護者の経済力の高低という文脈で語られがちです。しかし、実際には「時間・経済・精神的な余裕の無さが連鎖している」など、単純にお金の有無では語れない問題です。本記事では、複数の要因が連鎖して体験格差を深刻化させている家庭の実態を、データと当事者の声から明らかにします。記事はこちらから。

      2026/7/17(金)
    • 特集「子どもの体験格差」第4回を公開 時間とお金の余裕を失った保護者の苦悩

      構造化特集「子どもの体験格差」第4回を公開しました。地域や学校の余裕が無くなった結果、体験機会を提供する負担は保護者に集中しています。さらに、周囲の保護者やメディアから「体験をさせねばならない」というプレッシャーもかかっている状況です。保護者が体験機会をできなくなってしまう構造や抱えている苦悩を明らかにします。記事はこちらから。

      2026/7/16(木)
    • 特集「子どもの体験格差」第3回を公開 子どもの体験を支える土台の崩壊

      構造化特集「子どもの体験格差」第3回を公開しました。かつて子どもの周りには多様な大人が居て、関わりや活動を通して、様々な体験が提供されていました。しかし、地域や学校、さらには行政の余裕が無くなることで、ハードとソフトの両面で体験機会は減少してしまっています。記事はこちらから。

      2026/7/14(火)
    • 特集「子どもの体験格差」第2回を公開 体験が育む「自立するための力」

      構造化特集「子どもの体験格差」第2回を公開しました。自立するためにはどんな力が必要なのか。それはどんな体験を通して育まれるのか。自立と能力、それらと体験との関係性について明らかにする記事です。さらに、いま注目されている「非認知能力」についても解き明かします。記事はこちらから。

      2026/7/10(金)
    • 特集「子どもの体験格差」第1回を公開 成長からひもとく体験の重要性

      構造化特集「子どもの体験格差」第1回を公開しました。体験を通して人やものと関わることで、子どもたちは知識や知性、感性を育んでいきます。研究者の知見や現場の様子などを手がかりに、体験が成長に寄与する理由やそのメカニズムを明らかにします。記事はこちらから。

      2026/7/8(水)
    • 構造化特集「子どもの体験格差」始まりました!

      「体験格差~どこに格差があるのか――。“自立の問題”として捉え直す子どもの体験」を公開!地縁の減少や自治体の財政難などによって、子どもを取り巻く環境は大きく変化し、体験機会はハード・ソフトの両面で減少しています。子どもの体験機会が減少し、成長や自立に影響してしまう社会の構造とは。記事はこちらから。

      2026/7/8(水)
構造化特集
ヤングケアラー 第4回
公開日: 2023/5/17(水)

「当事者にたどり着けない」ヤングケアラー支援の難しさに直面する行政

公開日: 2023/5/17(水)
構造化特集
ヤングケアラー 第4回
公開日: 2023/5/17(水)

「当事者にたどり着けない」ヤングケアラー支援の難しさに直面する行政

公開日: 2023/5/17(水)
構造化の視点
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オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「ヤングケアラー」。
 
第4回となる本記事では、支援の手が届かない構造(3章)として、ヤングケアラー支援に取り組む自治体と国に焦点を当てる。
 

 


 

ヤングケアラーやその家族を公的支援につなげる上で、極めて重要な役割を担うのが全国約1,700の自治体だ。

 

しかし、ヤングケアラー支援に取り組み始めた自治体の多くは、当事者や家族を見つけられない、見つけたとしても介入できないといった難しさに直面している。

 

そもそも、財源上の問題からヤングケアラー支援に取り組めない自治体も少なくない。

 

本記事では、全国初のヤングケアラー相談窓口を設置した兵庫県神戸市の取り組みを解説しながら、公的支援がヤングケアラー当事者に及びづらい構造を見ていく。

「ケアする側に対する意識が足りていなかった」
市長の特命で全国初のヤングケアラー相談窓口を開設

 

2019年10月、20代の女性幼稚園教諭が、90代の認知症の祖母を殺害する事件が神戸市で発生した。

 

女性教諭は幼少期に両親が離婚し、小学1年生のときに母親が病死。児童養護施設に入所後、祖父母に引き取られた。中学2年生からは叔母の家族と同居し、短大卒業後の2019年春、幼稚園教諭として働き始めた。

 

しかし同時期に祖母の認知症が悪化。父は手足が痺れる病気を抱え、叔父は自ら会社を経営しており多忙で、叔母にも幼い子どもがいた。「あんたが介護するのが当たり前やろ」という叔母の一言をきっかけに、女性が介護を担うことになった。女性は学生時代の生活費や学費を祖母に負担してもらっていた。

 

慣れない仕事と介護の両立は困難を極めた。

 

祖母は要介護4。日常生活を1人で送ることが難しく、施設入所を勧められることも多い要介護度だった。仕事から帰宅後、祖母の食事、入浴、排泄、散歩に付き添う。睡眠時間は2時間程度にまで減少。

 

職場では、介護をしている事情を話しても信じてもらえず、仕事の不手際に対する叱責を受け続け、親族に話しても取り合ってもらえなかった。叔母は、女性が祖母のケアマネージャーと連絡を取ることすら禁じたという。

 

ある日の早朝、祖母の体を拭いているときに、「あんたがおるから生きていても楽しくない」と言われた。女性は祖母をベッドに押し倒し、タオルを祖母の口に押し込んで窒息死させた。

 

神戸市のこども・若者ケアラー相談・支援窓口で担当課長を務める上田智也さんは、当時を振り返って次のように語る。
 

上田 智也(うえだ・ともや)
神戸市福祉局相談支援課こども・若者ケアラー相談・支援窓口の担当課長。

 

「この事件が起こったとき、市として真っ先に考えたのは、『祖母に対する介護サービスの導入状況はどうなっていたのだろう』ということだったんです。ケアを受ける祖母の側の視点に立っていて、ケアをする側の孫の女性には、十分に目を向けられていませんでした」

 

しかし、その後の裁判の過程で、女性の生い立ちや生活上の苦悩が明らかになるにつれ、認識は変わっていった。

 

「就職したばかりで、職場では覚えなければならない仕事が山ほどあり、帰宅後は祖母の介護をしなければならない。近隣に親族はいたものの、助けは得られなかった。そのような事件の背景がだんだんと見えてきました。

 

当時からヤングケアラーという言葉はありましたが、この女性もヤングケアラーだったのかと理解できたのは、この過程においてでした」

 

裁判の約2か月後の2020年11月、市長の特命でヤングケアラーのプロジェクトチームが発足した。福祉局、健康局、こども家庭局、教育委員会事務局という、組織横断型のチームだ。

 

「まずは各課が管轄する現場からヤングケアラーに関する事例収集を行いました。自治体が施策を打つときには、実態把握のためのアンケート調査から入ることが多いですが、私たちはそんな悠長なことを言ってはいられなかった。既に事件が起こってしまっていたからです」

 

1週間という短期間だったが、現場からは約80件の事例が集まった。ヤングケアラーに関して、現場では把握していたものの、対応が留め置かれていたケースの存在が明らかになったことになる。

 

「現場としては、どこに相談してよいのかわからなかったようなんです。

 

例えば介護保険では、ケアマネージャーは介護が必要な方のケアプランは作成できるものの、ケアや介護を担う子どもへの接し方などは職務の範囲外。『もしかしたら子どもも苦しさを抱えているのではないだろうか』と気づいたとしても、それをどう調整すればいいのかは検討がつかなかった。

 

調査結果を受けて、全国初となるヤングケアラー専門の相談窓口を設置することにしました。名前は「こども・若者ケアラー相談・支援窓口」。18歳を境にケアがなくなるわけではないので、20代の若者ケアラーも含めた支援を目指しています」

相談は家族からも。
「断らない相談窓口」を掲げて得た成果

 

神戸市が掲げているのは、「断らない相談窓口」だ。行政の相談窓口では、実名での相談が前提となっているのが一般的だが、「こども・若者ケアラー相談・支援窓口」では匿名の相談も受け付け、助言をすることがあるという。

 

「我々の役割は関係機関や施策への橋渡し。隙間をつないでいくこと自体が役割なので、どんな相談でも、相談者本人が望んでいることやその背景を理解し、次のアクションにつなげられるように努めています。

 

学校が対応に苦慮しているようであれば、今後やるべきことを整理して助言します。保護者が公的サービスの手続きに難しさを感じているようであれば、手続きに同行します。家が散らかっていることが、保護者の気持ちを重くしていると判断した時は、スタッフで片付けに向かったこともありました」

 

断らない体制を維持できるのはなぜなのか。その理由は2つあると、上田さんは分析する。

 

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リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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CONTENTS
intro
日本における家族ケアの形
no.
1
ヤングケアラーと家族を取り巻く困難
no.
2
no.
3
支援の手が届かない構造
no.
4
no.
5
no.
6
目指すべき方向性
no.
7