• 新しいお知らせ
    ×
構造化特集
ヤングケアラー 第7回
公開日: 2023/5/25(木)

諸外国におけるヤングケアラー支援

公開日: 2023/5/25(木)
構造化特集
ヤングケアラー 第7回
公開日: 2023/5/25(木)

諸外国におけるヤングケアラー支援

公開日: 2023/5/25(木)
構造化の視点
・・・もっと見る

オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「ヤングケアラー」。
 
第5回となる本記事では、支援の手が届かない構造(3章)として、学校におけるヤングケアラーへのサポートに焦点を当てる。

 

 


 

「諸外国の中には、ケアを社会全体で行うべきものと位置付け、ケアラーの社会的支援とその地位を保証している国もあります(一般社団法人日本ケアラー連盟・中嶋圭子さん)」

 

ヤングケアラー支援に先進的に取り組んできたのはヨーロッパだ。特にイギリスでは、国全体で300を超えるヤングケアラー支援団体があり、地域ごとの特性に合わせた支援に取り組んでいる。

 

 その他、給付や法整備を通して、ケアラーによるケアの社会的な価値を認める仕組みが導入されている国もある。

 

 諸外国の例と比較しながら、日本における今後のヤングケアラー支援のあり方を検討する。
 

全国に300以上の支援拠点。
ヤングケアラー支援先進国である英国の取り組み

 

ヤングケアラー研究の第一人者であるソール・ベッカーは、2016年に世界のヤングケアラー支援状況について論文を発表した。支援状況のレベルは7つに分類され、それぞれにモデルとなる国が記載されている。

 

その論文によると、当時の時点で最高レベルであるレベル1に到達している国はなく、次のレベル2に該当する英国が、世界で最もヤングケアラー支援が進んでいるとされている(ちなみに、日本はレベル7に相当)。

 

(出典:NHK首都圏ナビ「ヤングケアラー支援の先進地イギリス ソール・ベッカー教授に聞く」

 

では、英国の先進性はどういった点に認められるのだろうか。

 

そもそも「ヤングケアラー」という言葉自体、英国が発祥。この言葉は、1990年代前半に一部の関係者の間で使用され始めていたが、1993年にベッカーがジョー・オルドリッジと共に発表した論文(Aldridge, Jo; Becker, Saul (1993): Children who care: inside the world of young carers. Loughborough University. Online resource.)で社会的な注目を集めることになった。

 

十数名のヤングケアラーへの聞き取りを元にしたこの調査は、親やきょうだいの介護や、日常生活の世話などを担っている子どもたちが存在することを示し、ケアによる負担が大きくなると、健康や教育、幸福度に大きな影響を及ぼす可能性があると指摘した。

 

その後、各自治体で民間団体が主導となり、レスパイトを含む多様な支援が広がった。シェフィールド市の民間団体「シェフィールド・ヤングケアラーズ」では、ヤングケアラーの子どもだけでなく、親を含めた家庭全体の支援を打ち出している。

 

ヤングケアラーの負担を減らすためには、家庭状況の改善が必要不可欠だと考えた同団体は、担当者が保護者と定期的に面談をする他、保護者同士が交流できる場も提供している。

 

実際に現地で同団体の活動を視察してきた、精神疾患の親をもつ25歳以下の支援団体CoCoTELIで代表を務める平井登威さんは次のように話す。
 

平井 登威(ひらい・とおい)
関西大学社会安全学部4年生(2023.4~休学中)。精神疾患の親をもつ25歳以下の支援団体"CoCoTELI”代表を務める。

 

子どもだけでなく、保護者とも面談を重ねることで、家庭内で目線を合わせることができるんです。保護者も、支援を通して子どもがどんな状態なのかを客観的に把握し、子どもの考えを受け入れる準備ができる。結果的に、子どもが声を上げやすい環境づくりにつながっていると感じました」

 

ただ英国においても、最初から家族の多くが支援を快く受け入れていたわけではなく、支援団体の工夫によって徐々に浸透していったのだと、ヤングケアラーについて長年研究を続けてきた、成蹊大学の澁谷智子教授は語る。

 

※リディラバジャーナルについてもっと知りたい方はコチラ
リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
note
リディラバジャーナル編集部
noteのicon
旭川いじめ事件から3年。再発防止が進まない訳は…
2024年2月16日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
DVから逃げられなくなる!?「共同親権」このまま進めて本当に大丈夫?
2024年2月2日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「被災地へボランティアに行くのは迷惑?」悩んでいる人にこそ読んでほしい!【3.11から学ぶ。構造化特集を全記事お届け!】
2024年1月12日

みなさん、こんにちは。リディラバジャーナルです。

1月1日、能登半島地震が発生しました。亡くなられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われたすべての方にお見舞い申し上げます。

続きをみる
市販薬を覚せい剤代わりにする若者たち。その背景には孤独孤立か?
2023年12月22日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
万引きを繰り返すのは手癖が悪いのか、それとも?「万引き依存症」をご存知ですか?
2023年12月15日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
大学進学は親の財力やきょうだいの数によって左右されていいのか?
2023年12月11日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
反ワクチン情報を流す医師がいるのはなぜ?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2023年12月1日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
病院の約半数、公立病院は98%が赤字。診療報酬の引き下げは医療レベルの引き下げに?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2023年11月24日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
構造化特集「地域医療」の内容を一部公開します
2023年6月9日

みなさんこんにちは、リディラバの鈴木です!今回は、リディラバジャーナルで公開中の構造化特集「地域医療」の冒頭をこちらのnoteでも公開します。何かあったら病院で治療が受けられる。私たちの「当たり前」を維持するために、様々な課題を抱えながら尽力する医療現場の姿を知ってもらえたら嬉しいです。


続きをみる
6月の構造化特集「地域医療」への思い
2023年6月9日

この投稿はリディラバジャーナル会員限定のFBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。

******みなさん、こんにちは!担当した構造化特集「地域医療 超高齢化社会に必要な『撤退戦』」が本日より公開となりました!今日は特集内には書いていない、特集に込めた思いをご紹介させてください。

続きをみる
子どもの発達障害、構造化マップを公開
2023年4月16日

※この投稿はリディラバジャーナルの会員限定FBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。*****みなさん、こんにちは!!!リディラバジャーナルの井上です。

今週はとても嬉しいことがあったので、ご報告させてくださいm(_ _)m

続きをみる
構造化。テーマは「子どもの発達障害」
2023年4月7日

この投稿はリディラバジャーナル会員限定のFBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルの井上です。

早くも4月ですね。あっという間に過ぎ去る日々に「!?!?」という感じですが、今日も今日とて、リディラバジャーナルのご案内です。

続きをみる
編集部メンバーの想いを公開しました
2023年3月26日

※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******皆さん、こんにちは〜!

編集部の井上です。今日は、

続きをみる
「無戸籍」当事者の声を聞いてほしい。
2023年3月26日

※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。ーーーみなさん、こんにちは!リディラバジャーナル編集部の井上です。

2〜3月は3年ぶりの構造化特集の復活ということで、「無戸籍」をテーマに構造化特集をお届けしてきました。

続きをみる
×
CONTENTS
intro
日本における家族ケアの形
no.
1
ヤングケアラーと家族を取り巻く困難
no.
2
no.
3
支援の手が届かない構造
no.
4
no.
5
no.
6
目指すべき方向性
no.
7