子どもの不登校が増え続ける中、子どもと学校の関係性をど
子どもの不登校が増え続ける中、子どもと学校の関係性をどのように捉え、子どもの成長を見守っていけばいいのか。特集では子どもの権利、保護者支援、学校や地域における不登校支援などの観点から関係者にインタビュー。子どもを取り巻く構造から「学校を絶対視する」価値観を問い直す。

子どもの不登校が増え続ける中、子どもと学校の関係性をどのように捉え、子どもの成長を見守っていけばいいのか。特集では子どもの権利、保護者支援、学校や地域における不登校支援などの観点から関係者にインタビュー。子どもを取り巻く構造から「学校を絶対視する」価値観を問い直す。
子どもの不登校が増え続ける中、子どもと学校の関係性をどのように捉え、子どもの成長を見守っていけばいいのか。特集では子どもの権利、保護者支援、学校や地域における不登校支援などの観点から関係者にインタビュー。子どもを取り巻く構造から「学校を絶対視する」価値観を問い直す。
自分の子どもが突然、学校に行きたくないと言い出したら――。
どうすればいいか分からず困惑するかもしれない。「しんどいのであれば無理して学校に行かなくてもいい」と思っていても、我が子のこととなると将来が不安ということもあるだろう。
不登校という言葉は広く知れ渡っているものの、実際に不登校になる子どもは1〜2%ほど。身近に相談できる人がいるとも限らない。
また現状では、学校に行かなくなった子どもにとって、家庭が唯一の居場所になることが多い。そのため親は子どもの一番の支え手となる存在だ。
では、親は学校に行かない子どもにどのように対応すればいいのか。また、どのような困りごとに直面するのか。
子どもも親も追い詰められる
「やっぱり将来がないんじゃないかという気持ちになりました」
中学2年生のときに部活動内でのいじめを理由に不登校になった子どもの母親は、当時の心境をこう振り返る。
「本人はいじめのことははっきり言わないんですよ。親は薄々気づく感じで。なので、不登校の親によくあるパターンなのですが、最初の頃は『学校に行く』と本人が言うので車に乗せて連れていったりしていました。それで吐いてしまったり、熱が出たり、お腹が痛くなったりする。それでも部活だけ辞めれば行けるんじゃないかとか、新学期になったら行けるんじゃないかと考えていました」

(Adobe Stock)
学校からは保健室登校や校長室登校などを勧められたが、通うのは精神的にも身体的にも無理だった。自治体が運営する不登校の子どものための居場所「適応指導教室(現・教育支援センター)」なども居場所にはならなかったが、子どもは最終的に訪れたフリースクールを気に入り、みずから通うようになる。
その後、母親は不登校の子どもと親の集まりに参加する機会を得て、不登校の子どもがたくさんいることや、さまざまな状況の子どもがいることを実感。また他の親と話したり、本を読んだりすることで、現在の状況をどう受け止めていくのか手がかりを得たこと、不登校を経験した人がどう大人になっていくのか、具体的な事例を知ったことも安心感につながったという。
母親は自身の体験を踏まえてこう訴える。
「すごくつらい思いをしながら無理して学校に通って、最終的にみずから死を選ぶ子もいます。それは、学校以外の選択肢についての情報が入ってこないことや、学校以外の選択肢が学校と対等とは考えられていないことが、子どもや親を追い詰めているということではないでしょうか」
早い段階でしっかり休むことも大切
不登校の親の会や、フリースクール「りんごの木」を運営するNPO法人越谷らるご(埼玉県越谷市)代表の鎌倉賢哉さんは、親の会に寄せられる悩みごとは多岐にわたると話す。
「たとえば、お母さんが旦那さんからおまえの育て方が悪かったんじゃないかとか、社会に出たら通用しないぞみたいなことを言われて、夫婦関係が悪くなることもありますし、ゲームばかりしていて依存症になってしまうんじゃないかと心配していることもあります」

越谷らるご代表の鎌倉さん。適応指導教室(現・教育支援センター)での勤務経験もある。
子どもの不登校を機に、子育ての仕方が悪かったとみずからを責めてしまうこともあれば、仕事を辞める親もいる。とりわけ、ひとり親家庭など仕事をしなければ収入を得られない場合には、葛藤を抱えやすい。
また、親の会ではひきこもりに関する相談も寄せられる。そうした相談がきっかけとなり、越谷らるごでは2015年から埼玉県の委託を受けて「埼玉県ひきこもり相談サポートセンター」も運営する。
長期間にわたってひきこもる人々の相談にものってきた鎌倉さんは、「ひきこもることを過度に恐れず、早い段階でゆっくり休んでもらうことも大事です」と語る。
「フリースクールにやってくる小さい子どもは元気になるのが早いのですが、長年ひきこもっていた場合は、年齢が高くなるほど、元気になるまで時間がかかる傾向にあります。長年無理をしてきたことで傷が深くなり、人への不信感も強くなってしまう。ひきこもりというと、ネガティブなイメージを持たれる方も多いと思いますが、私たちはひきこもることは、次のステップにいくために必要なことだと伝えています」
さらに鎌倉さんはこう付け加える。
「子どもが元気になってくると親は嬉しくなって、あれもできるんじゃないか、これもできるんじゃないかと期待してしまうんですよね。すると、本人が過度にがんばってしまうことがあります。そうしたときこそ、親は慎重になることが大事で、控えめに関わるくらいがちょうどいいんじゃないかと思います」
「学校に行きたくない」を受け止める
自身も不登校を経験し、19歳から約20年にわたって不登校にまつわる情報を発信してきた不登校新聞編集長・石井志昂(しこう)さんも、「子どもが学校に行きたくないと言ったら、まず認めることが大事です」とアドバイスする。
「親は学校に行かないことを認めたらそのまま不登校になってしまうんじゃないかと思ってためらったり、いじめがあったのかと問い詰めたりしてしまいがちです。そうすると、余計に学校に行きたくなくなることがあるんです。なので、まず認めてあげる。それで不登校が長期化してしまうとしたら、それは深刻な問題を抱えている場合だと言えます。その場合は、フリースクールや不登校の親が集まる親の会などに相談をしてもらうのがいいと思います」

不登校新聞編集長の石井さん。
ただし、フリースクールや親の会にも相性があう、あわないがあり、場合によっては高額の費用を取られることもある。
石井さんは、相談先や子どもの居場所を探すときの注意点として、「フリースクールの会費は月額平均3万3000円。親の会の参加費は、数百円から1000円ほどです。この金額をはるかに超えるような費用負担を求めるところには慎重になったほうがいい」と話す。
そして、これまで約400人の不登校経験者やその親などを取材をしてきた経験から、「不登校の子どもの親の皆さんには、学校以外の選択肢もあるということ、不登校になっても大人になれることを知ってほしい」と力を込める。
【まとめ】
-
学校以外の選択肢についての情報が知られていないことや、学校以外の選択肢が学校と対等なものとして考えられていない状況が子どもや親を追い詰めている。
-
鎌倉さんは、ひきこもることを過度に恐れず、早い段階でゆっくり休んでもらうことも大事だと言う。また、元気になってきたからと親が期待をしすぎてしまうと子どもが過度に頑張りすぎてしまうこともある。
-
石井さんもまた、学校に行かない要因を問い詰めるのではなく、まずは休むことを認めてあげることが大事だと話す。
(トップ画像:NPO法人越谷らるごが運営するフリースクール「りんごの木」の様子。)
編集後記
第一回の記事に登場したフリースクールネモを運営する前北海さんもまた、親支援の重要性を強調します。フリースクールのパンフレットよりも親の会のチラシを一番上にして渡すようにしている、とも話していました。
親が孤立してしまうと不安が募り、それが子どもにも伝わっていく。だからこそ、親を支えることは子どもを支えることにつながっていきます。

ニュースに潜む社会課題をキャッチ!リディラバジャーナル
続きをみる☆構造化特集「不登校」「学齢期の発達障害」を一部1ヶ月間無料公開中!
こんにちはリディラバジャーナルです。
続きをみるニュースに潜む社会課題をキャッチ!リディラバジャーナル
続きをみる