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構造化特集
被災地とボランティア 第3回
公開日: 2018/4/1(日)

ボランティアなんて必要とされていないと思え

公開日: 2018/4/1(日)
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被災地とボランティア 第3回
公開日: 2018/4/1(日)

ボランティアなんて必要とされていないと思え

公開日: 2018/4/1(日)
構造化の視点

被災地では、災害発生直後だけではなく、復興段階において

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被災地では、災害発生直後だけではなく、復興段階においても多くの人々が関わる必要があります。そして、初期段階でのボランティアとしてのかかわりが継続的な地域へのかかわりにつながります。本特集ではそうした復興段階を踏まえた上でのボランティアの初動という観点から、東日本大震災を振り返ります。

被災地では、災害発生直後だけではなく、復興段階においても多くの人々が関わる必要があります。そして、初期段階でのボランティアとしてのかかわりが継続的な地域へのかかわりにつながります。本特集ではそうした復興段階を踏まえた上でのボランティアの初動という観点から、東日本大震災を振り返ります。

被災地では、災害発生直後だけではなく、復興段階においても多くの人々が関わる必要があります。そして、初期段階でのボランティアとしてのかかわりが継続的な地域へのかかわりにつながります。本特集ではそうした復興段階を踏まえた上でのボランティアの初動という観点から、東日本大震災を振り返ります。


オーディオブック(ベータ版)

東日本大震災を機に、被災地で子どもたちへの支援を行う認定NPO法人カタリバ(東京都)代表の今村久美さんは、現地に行ってはじめて、自分自身の描いていた被災地のイメージと現実とのギャップに気づいたと語る。

 

今村さんが代表を務めるカタリバは、被災地で放課後に子どもたちの学習支援や心のケアを行う。

 

「避難所で生活している人に話を聞いてまわっていた時に、物は溢れているけれど、未来に対する絶望がものすごくありました3年後、5年後の予測不能な未来に対する絶望が漂っていた。だから、今は物はもういいと。いろんな人に対して、『支援してくれてありがとう』と伝えるための動画を撮られるのはそろそろ辛いと。そういったことを何度も言われました。芸能人のイベントや、カタリバがそれまで普段やっていた単発の『カタリ場』みたいなものはもう要らないと言っていました。だからまず私が、こういう現場のニーズと自分の想像があまりに乖離しているということに気づかせてもらったことが、スタートでした」

 

今回の記事では、いざ被災地でボランティアを行う際に直面する現実と、そこでボランティア自身が気をつけるべきこと、より多くのボランティアを巻き込むために必要なことを見ていく。

 

被災地支援を行うボランティアの数と関わり方を表した図。

「自分たちは何もできないと知っていた」

現在は岩手県陸前高田市広田町でまちづくり活動をするNPO法人SET(岩手県)は、震災発生後に被災地入りした団体の一つである。東京から移住し、今は陸前高田市議も務めるSET代表の三井俊介さんは、当時の様子をこう語る。

 

「『親から金もらって大学通わせてもらってるんだから、ボランティアなんかするな』。当時は(地元の人から)そう言われました。ボランティアを快く受け入れてくれるところなんて、そんなにないと僕は思いました」

 

2011年当時、ボランティア活動をする三井さんたち(三井さん提供)。

 

最初は地元の人になかなか受け入れてもらえなかったという三井さん。だが、被災地の人々の反応に理解を示す。

 

「地元の人の立場に立てば、50年、60年とその町で暮らしてきて、すごく大変な状況の中、訳の分からない都会の若者が一人で来て『なんか力になりたい』と言っても、怪しいし面倒臭いと思いますよね」

 

そう感じた理由として、「自分たちが何もできないと知っていた」と三井さんは語る。

 

「ボランティアに来ている、支援をしているではなくて、この町にいさせてもらって、お手伝いをさせてもらっているという、この感覚をSETのメンバーはかなり大事にしていました」

 

誰かの役に立ちたい、という熱い思いを持って被災地にボランティアに行ったからといって必ずしも歓迎されるわけではない。

 

だからこそ、被災地に暮らす人々の立場を想像し、話を聞きながら、どのようなことに困っているのか、自分たちに何ができるのかを探し出すことが求められていたのである。

ボランティアと地元の人々のニーズとの調整役が重要

しかし、誰もが被災地のニーズを自ら見つけ出し、適切な支援を行えるわけではない。

 

前述のカタリバでは、様々な人がボランティアを行ったが、中には「怒って帰ってしまう方もいました」とカタリバの代表・今村さんは明かす。

 

「子どもたちの悩みに寄り添う」という思いを持って参加したものの、現場で求められる活動は必ずしもそうしたものばかりではなく、「ボランティアの思いと被災地のニーズのギャップ」が原因の一つにあったそうだ。

 

人の役に立ちたいという思いで来たボランティアのイメージする仕事と、現実にボランティアに求められる仕事。


両者がうまく噛み合わない状況を見てきた今村さんは、「現場で日常を過ごす方々のニーズを理解しながらも、ボランティアの方々の貢献したいという思いとエゴを理解して活かす。そんな人が必要なんです。でも、それは目の前の大きすぎる課題と向き合っている方々には求められない視点ですよね」と、被災者ではない人がこの役割を担う重要性を指摘する。

 

そこで、ボランティアが被災地に入って活動する上で重要なのが「コーディネーター」という第三者の存在である。

 

被災地では、ボランティアの受け入れ体制が整っていないため、受け入れたくても受け入れられない地域がある。

 

そうした地域で本当に必要なことを見つけ出し、ボランティアの思いやスキルと地元のニーズとをうまくマッチングできるコーディネーターが必要とされる。

現地の状況と活動の意義を伝える

東日本大震災の被災地支援に関わったボランティアたち(ピースボート災害ボランティアセンター提供)。

 

ボランティアを受け入れ、現地で被災地支援を行っていた一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンター(東京都、以下PBV)事務局長の上島安裕さんは、こうしたコーディネーターの重要な役割があると明かす。

 

それは、震災から時間が経って現地に入るボランティアに対して、現地の状況の変化や活動の意義を伝えることである。

 

PBVでは、長期のボランティアはボランティアリーダーと呼ばれ、短期ボランティアと被災地の人々とを繋ぐ大切な存在だったと上島さんは語る。

 

「(被災者にとって)何回も同じことを、ずっと同じように毎日毎日言い続けるのは非常につらいことですし、しんどいですよね」

 

こう上島さんが語るように、被災地の人々にとって繰り返し話すのがしんどいことをボランティアリーダーが肩代わりし、1日や1週間単位で来るボランティアに伝えていたのだ。

 

「この人はこういう背景があって今はこのような状況で困っている」「石巻は初期の頃は泥だらけで、この辺は魚だらけで、臭いが充満していたところだけども、ここをボランティアのみんなで手で綺麗にして。なので、今の段階の支援は別のかたちになっているんですよ」といった、被災者のバックグラウンドや被災地支援の現状をボランティアに伝えていたと上島さんは話します。

 

こうした活動も、ボランティアが被災地にできる限り負担をかけずに、支援活動を行う上で重要なことだったのだ。

エゴは貴重なリソースになる

「自分の力を発揮したい」「誰かの役に立ちたい」――。そうした「エゴ」とも言われる強い思いを持つ人は、時に偽善者と非難されることもある。

 

今村さんは「私もそうだけれど、(社会貢献などの)ソーシャルなことをやりたいというのは、誰しもが持っているエゴでもあるといえる。そして、そのエゴはパワフルなリソースにも変えられます」と話す。

 

今村さん(写真右)と編集長安部。

 

きちんと現地のニーズに沿った支援を見つけ出し、ボランティアに伝える「コーディネーター」がいれば、そうした人々の思いを被災地支援の貴重なリソースとして活かすことができるのだ。

 

PBVでは、2011年10月以降、ボランティアリーダーとしてボランティアのマネジメントをしていた人たちの経験やノウハウを次の人に引き継いでいくべく、研修プログラムを開発した。

 

将来災害が起こった際に、こうしたコーディネーターとなりうる人材の育成や、ノウハウの蓄積が糧になるでしょう。

 

コーディネーターによるサポートがあることで、より多くの人々が被災地支援の一翼を担う存在になり得るのだ。

 

【まとめ】

  • 震災直後、「人の役に立ちたい」「自分の力を発揮したい」と熱い思いを持つボランティアたちが描くボランティアのイメージと、実際に被災地で求められている仕事は必ずしも一致しなかった。

  • ボランティアのイメージと現実のギャップを埋めて、現地の人のニーズにあわせた支援をしていくボランティアコーディネーターが重要。

  • ボランティアコーディネーターは、短期ボランティアたちに現地の状況を伝えたり、活動の意義づけをしたりといった役割も果たしていた。

 

【問い】

  • 被災地でボランティアを行う上でどのような心構えが必要だと思いますか。

  • ボランティアに参加して自身のイメージと違っていたという経験はありますか。

編集後記

ボランティアが被災地に入って活動をしていく中で、特に初期の頃にはボランティア自身の精神的ケアも欠かせません。

 

学生ボランティアと被災地で活動する支援団体のマッチングを行っていたNPO法人Youth for 3.11(東京都)代表の船登惟希(ふなと・よしあき)さんは、「非日常の生活を1週間送った人たちが日常生活にポンと戻されると、精神的に病んでしまうそうなんです。『帰ってきてよかったのか』などいろいろなことを考えてしまうそうなので、一緒に行った人たちと話をして(溜め込んだものを)吐き出してもらうことが、初期の頃は大事でした」と語ります。

 

ボランティアを受け入れる(あるいは仲介する)団体には、そうした短期ボランティアの精神的ケアについても考慮することが求められます。

 

次回は、被災地に継続的に関わっていく人を増やすために必要なことを見ていきます。

リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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1
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2
ボランティア活動の開始
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3
ボランティアの継続
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4
新たに人を呼び込むための情報発信・口コミ
no.
5
地域との長期的な関与
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6
安部コラム
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7