• 新しいお知らせ
    ×
    • 「小児性犯罪」加害者臨床の現場から 後編を公開

      「加害・被害を防ぐには?“包括的性教育”が与える影響——『小児性犯罪』加害者臨床の現場から(後編)」を公開しました。「性の教科書はAVでした」と語る、ある少年事件の加害者。加害・被害を防ぐアプローチの一つである包括的性教育の重要性に迫ります。記事はこちらから。

      2024/4/16(火)
    • 前編公開!「小児性犯罪」加害者臨床の現場から

      「1人の加害者から複数の被害者が…。発覚しづらい子どもへの性加害——『小児性犯罪』加害者臨床の現場から(前編)」を公開しました。性的グルーミング、その巧妙な手口とは?被害が発覚しづらい3つの理由とは?そして「被害が次の被害を生んでしまう構造」とは?記事はこちらから

      2024/4/10(水)
構造化特集
障害者の恋愛
公開日: 2018/5/9(水)

【障害者の恋愛】「障害があるから無理」ってホント?

公開日: 2018/5/9(水)
構造化特集
障害者の恋愛
公開日: 2018/5/9(水)

【障害者の恋愛】「障害があるから無理」ってホント?

公開日: 2018/5/9(水)
構造化特集 : 障害者の恋愛
構造化の視点

「恋愛」はプライベートな問題として完結するのか。取材を

・・・もっと見る

「恋愛」はプライベートな問題として完結するのか。取材を進める中で、障害のある人の場合、家族や支援体制など、周囲の影響が大きいことがわかってきた。恋愛、結婚、出産、子育て。障害のある人を取り巻く、ライブイベント毎の課題を構造化する。


「精神障害のある人は、福祉の施設では『利用者さん』、病院では『患者さん』なんですけど、恋愛の場面ではみんな男や女、ひとりの人間の顔になるんですよね。そうした普段見られない顔を見られるのは、主催者としていちばんの喜びなんです」

 

こう語るのは、精神障害のある人の生活にかかわる相談を受ける「地域活動支援センターえどがわ」(東京都江戸川区)の志村優子さん。

 


編集長・安部に「出会いイベント」について説明する志村さん(左)。

 

えどがわでは2013年から年1回、精神障害のある人を中心に、交際相手を探す人なら誰でも参加できる「出会いイベント」を開催しています。毎回40〜45人ほどの男女が参加し、7、8組のカップルが誕生するそうです。

 

年1回とはいえ、準備は大変です。それでも志村さんがこのイベントを続けるのは、参加者のまだ見ぬ一面が見られる喜びから。

その場では誰しも、「障害者」というある種の「ラベリング」を脱して、ひとりの人間として存在しているのです。

 

たかが恋愛、されど恋愛——。

 

 

今回の特集のテーマは「障害者の恋愛」。

 

今年2月、障害者を対象とした恋愛に関するアンケートの結果が公表されました。

 

障害者の就職・転職サービスを手がける「ゼネラルパートナーズ」(東京都中央区)の調査・研究機関「障がい者総合研究所」が行なったこのアンケートによると、「交際するにあたり、あなたの障がいは何らかの支障になると思いますか」という質問に対して、交際相手のいない人の67%が、「支障になると思う」と回答。

 

また、交際相手がいない人の73%が「交際を望んでいる」とも回答しており、恋愛したい気持ちはあるものの、できていない状況が明らかとなりました。

 

一方、知的障害のある人向けのグループホームに目を転じると、「何かあってはいけないので、男女は別々のフロアで行き来できないようにしている」「交際の事実が発覚したら、別々のグループホームに移している」といった話がしばしば聞こえてきます。
 

グループホーム以外の福祉の現場でも、人間関係のトラブルなどリスクを懸念して、恋愛を禁止しているところもあります。

 

障害のある人の就労支援や居宅介護事業などを行う「NPO法人自立支援センターむく」(東京都江戸川区)の理事長・木村利信さんは、「うちは交際は自由にしています。ですが、法律で恋愛の支援をすべきと規定されているわけでもないですし、事故などが心配だからリスクのあることはやりたくないという話は、法人のミーティングでも出ることがありますね」と、恋愛を支援することに消極的な福祉の現場の実情を明かします。

 

むくでの恋愛や性への考え方について説明する木村さん。

 

我々が「恋愛」について考える際、あくまで個人対個人のプライベートな問題と捉えがちです。
 

ですが、障害のある人の「恋愛」については、多かれ少なかれ周囲の人々の考えや支援体制が影響していることが、福祉の現場の人々の話などからわかってきました。

 

本特集では、障害のある人が恋愛を始めとして、結婚、妊娠、出産、子育てと進んでいく際に、ライフステージごとに何が障壁となっているのかを取材、構造化。当事者、研究者、支援者へのインタビューを交えながら、全8回の特集で、障壁の実態を解き明かしていきます。

 

恋愛における「自信」「お金」「つながりの数」や、結婚、子育てにおける「家族の理解」「周囲の支援」。

言葉だけを見れば、障害のない人の場合でも同じなのではと感じる要素が、「障害があるゆえ」に大きな障壁となる現実が見えてきました。

 


 

 

第1章「恋愛」。

第一回【障害者の恋愛を阻む「自信」「お金」「つながりの数」】では、障害者が「自信」や「お金」、人間関係の「つながりの数」に問題を抱えやすい背景を見ていきます。

 

第二回【恋愛が持つ「恋愛」以上の意味】。障害のある人の恋愛が難しいという現実があるなか、その支援をしている人々がいます。そこには、恋愛が人間的成長につながるとの考えがありました。

 

Preto Perola/Shutterstock.com)

 


第2章「結婚」。

第三回【愛するがゆえの「反対」障害者の結婚をめぐる家族の葛藤】では、結婚の際の最大のハードルと言っても過言ではない、家族の反対の背景にあるものに迫ります。

 

 (HDesert/Shutterstock.com)

 


第3章「子育て」。

第四回【「人生で初めての劣等感」乙武洋匡氏が直面した子育ての困難】。作家・乙武洋匡氏は、子育てでを経験して人生で初めて「劣等感」を抱いたと言います。どうして劣等感を抱くに至ったのでしょうか。

 

 


第4章「特別対談」。

第五回は【乙武洋匡×安部敏樹 「クラスでいちばんモテてやろう」と乙武氏が思ったきっかけ】。作家・乙武洋匡氏と編集長・安部敏樹が、「障害者の恋愛〜子育て」をテーマに対談。乙武さんが人々を惹きつける理由のひとつ「自信」をどうやって身につけたのか。幼少期を振り返ります。

 

第六回は【乙武洋匡×安部敏樹 「障害者」というグルーピングの危うさ】。実は取材中、障害のある人からポジティブな反応もあった乙武さんの不倫騒動。そのことについてどう考えているのか本人の気持ちを聞きました。

 

第七回【乙武洋匡×安部敏樹 障害者の恋愛を阻む「二つの呪縛」】。障害のある人が恋愛、結婚、子育てなどで感じる困難を、自身の経験をもとに乙武さんが語ります。どのような社会であれば、「恋愛したい」と考えている障害者がもっと恋愛に前向きになれるのでしょうか。

 

 


第5章「安部コラム」。

 

最終回のコラム【恋愛が絶対じゃないこの時代に、むしろど真ん中で悩む人がいる】では、乙武氏との対談や取材を通して、安部がこの問題について感じたことを綴ります。

 

KENG MERRY Paper Art/Shutterstock.com)

 

本特集の取材について、「ゼネラルパートナーズ」「障がい者総合研究所」にご協力いただきました。

 

 

 

(ヘッダー画像:EpicStockMedia/Shutterstock.com)

リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
イシューから探す
×
CONTENTS
intro
恋愛
no.
1
no.
2
結婚
no.
3
子育て
no.
4
特別対談
no.
5
no.
6
no.
7
安部コラム
no.
8