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構造化特集
学齢期の発達障害 第7回
公開日: 2023/4/13(木)

受け入れること、選択することの難しさ。発達障害の子どもが社会に出て抱える困難

公開日: 2023/4/13(木)
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学齢期の発達障害 第7回
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構造化の視点

本人を取り巻く環境によって、困りごとの顕在化・深刻化が

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本人を取り巻く環境によって、困りごとの顕在化・深刻化が左右される発達障害。いま小中学校の通常学級では、発達障害やそれらに近い特性のある子どもの困りごとが見過ごされ、挫折経験をしている現状がある。学校、家庭、医療・福祉の視点から、子どもが困難を抱える構造に迫る。

本人を取り巻く環境によって、困りごとの顕在化・深刻化が左右される発達障害。いま小中学校の通常学級では、発達障害やそれらに近い特性のある子どもの困りごとが見過ごされ、挫折経験をしている現状がある。学校、家庭、医療・福祉の視点から、子どもが困難を抱える構造に迫る。

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オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「学齢期の発達障害」。

 

第7回となる本記事では、社会に出て抱える困難(5章)として、発達障害やそれらに近い特性のある子どもが成人し、企業で働く中で困難を抱える構造に迫る。

 


 

「子どものときに置かれていた環境によっては、“自分で道を決めること”に困難を覚える方がいます」

 

就労移行支援を行う民間企業に勤める倉田礼司さん(仮名)は、支援につながる人が直面する課題についてそう話す。

 

発達障害やそれらに近い特性のある子どもは成人後、就労に関してどのような困難を抱えるのか。働く中で、なぜ困難が生まれてしまうのか。

 

当事者が社会に出ていくとき・出ていった後に、困難を抱える構造を解説する。

挫折を経験して障害や特性に気づく。
支援につながるまで

一般企業への就職を目指す障害のある人を対象に、特性に合った職場探しや、就労後の職場定着のためのサポートなどを行う「就労移行支援」。

 

支援に携わる倉田さんに、知的遅れの伴わない発達障害の当事者が利用するまでの経緯を聞いた。

 

「正確なデータはとっていませんが、大学生活や働く中で何らかの挫折経験をして、支援につながる方は多いと感じます。

 

学齢期には困りごとはなかったけれど、環境が変化したことで困難が発生・深刻化したというケースです。

 

就活しているとき、働き始めたとき、管理職に昇進したとき。人によってタイミングはさまざまですが、困りごとがあらわれて初めて、自分に発達障害やそれらに近い特性があると気づくことは少なくありません。

 

たとえば、腹痛で会社に行けなくなり、内科につながる。そこで『メンタルの不調によるものではないか』と言われ、心療内科に行く。さらにそこで『発達障害の可能性がある』と言われ、専門機関につながり診断を受ける…というケースがあります」

 

 

自身に障害や特性があることを受け入れるのは簡単ではない。倉田さんは続ける。

 

「良い意味で割り切っている方はいます。自分の特性を冷静に分析して、一般雇用・障害者雇用のどちらで就職すると良いのか等、理性的に判断できる方もいる。

 

ただ、そうでない方も一定数います。

 

障害や特性を受け入れることは一過性ではなくて、長く続いていくものです。

 

その方がそのときに置かれている環境やライフステージによって、あらわれる困りごとは異なりますし、変化していきます。自分の中で整理しなくてはいけないことや、理解しないといけないことが都度出てくる。

 

私たちも支援を行う中で、ご本人と何度も対話を重ねますが、ご本人が徐々に理解して受け入れていけるようなコミュニケーションを意識しています」

 

特集の第2回(当事者の困難)・5回(保護者の困難)でも触れた通り、障害を受け入れることの困難さは大きい。特に就労においては、「これからどう働いていけば良いのか」という不安も同時に抱えながら、さまざまな選択をすることになる。

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リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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CONTENTS
intro
居場所なき子どもたち
no.
1
no.
2
子どもの困難に対応できない学校現場
no.
3
no.
4
子どもの挫折に苦慮する保護者たち
no.
5
子どもを取り巻く専門家の苦悩
no.
6
社会に出て抱える困難
no.
7