本人を取り巻く環境によって、困りごとの顕在化・深刻化が
本人を取り巻く環境によって、困りごとの顕在化・深刻化が左右される発達障害。いま小中学校の通常学級では、発達障害やそれらに近い特性のある子どもの困りごとが見過ごされ、挫折経験をしている現状がある。学校、家庭、医療・福祉の視点から、子どもが困難を抱える構造に迫る。
本人を取り巻く環境によって、困りごとの顕在化・深刻化が左右される発達障害。いま小中学校の通常学級では、発達障害やそれらに近い特性のある子どもの困りごとが見過ごされ、挫折経験をしている現状がある。学校、家庭、医療・福祉の視点から、子どもが困難を抱える構造に迫る。
本人を取り巻く環境によって、困りごとの顕在化・深刻化が左右される発達障害。いま小中学校の通常学級では、発達障害やそれらに近い特性のある子どもの困りごとが見過ごされ、挫折経験をしている現状がある。学校、家庭、医療・福祉の視点から、子どもが困難を抱える構造に迫る。
リディラバジャーナル構造化特集「学齢期の発達障害」。
第3回となる本記事では、子どもの困難に対応できない学校現場(2章)として、発達障害やそれらに近い特性のある子どもの困りごとに、通常学級の教員が早期に気づいて対応できない構造を解説する。
学習障害(LD)や限局性学習症(SLD)の特性が見られる子どもに配慮してほしい。通常学級の教員に訴えるも「授業で困っている様子はない」と言われてしまった――。
東京都三鷹市立第二中学校の特別支援教室(※1)の担任を務める高松慶多さんは当時を振り返る。
発達障害やそれらに近い特性のある子どもの存在や困りごとに、なぜ教員は早期に気づき、対応できないのか。
教員の「専門性」や「多忙化」を切り口に、学校現場の実情に迫る。
困りごとにどう気づき、対応するか。
子どもの発達への理解不足
「発達障害や特別支援教育に関する理解は広がっていますが、まだまだ十分に浸透していないと感じています」
三鷹市立第二中学校の特別支援教室の担任を務める高松さんは語る。
保健体育科の教員として通常学級の担任を5年務めた後、学校教育における特別支援教育の重要性を強く感じ、自ら希望して特別支援学級担任に。現職について10年。「慣例にとらわれない新しい学級作り」について、今なお研究し続けている。
「通常学級の先生に、学習障害の特性が見られる子への配慮として、漢字にふりがなを振ることや、テストの時間の延長などをお願いしたことがありました。その子は大変でもやり切ろうとする真面目な子なので、配慮がないとかなりきつい状況なんですね。
でも先生からは『普段の授業の中で困っている様子はない』と言われてしまって。個別の配慮が実現するまでに時間がかかりました」
東京都公立小学校の自閉症・情緒障害特別支援学級(※2)で担任を務める森村美和子さんは、指導教諭として教員をサポートしたり、講演会・研修会などの講師を務める中で、個人の努力だけに頼るシステムの課題を感じているという。
東京都公立小学校の特別支援学級教員。学校心理士。知的障害学級や通級指導学級、巡回指導で実践を重ねる。2012年に東京大学先端科学技術研究センターの熊谷晋一郎准教授と出会い、教育の場での「自分研究」を新たな実践としてスタートさせた。現職教員として働く傍ら早稲田大学大学院で学びを深め、現在は特別支援学級担任を務める。2017年度文部科学大臣優秀教職員表彰受賞。
「困りごとは子どもを取り巻く環境から生まれるものですが、環境側を変える工夫より、まだ『子どもや親の努力』のみを求められるケースがあります。
子どもがうまくできないことや、困りごとが起きていることが個人の責任であるとされているのは大きな問題だと思います」
発達障害や特性に対する知識や専門的サポートが不足しており、子どもが置かれた状況を適切に理解できないと、対応できない。
これらに加えて、文科省の調査からは、具体的な解決策を実施していく難しさも浮かび上がっている。
“特別扱い”への不安
個別支援に戸惑う教員たち
令和4年の文科省の調査(※3)では、学習面または行動面で著しい困難を示す子どもが8.8%となっており、その子どもたちに対して、「授業時間内に教室内で個別の配慮・支援を行っている(特別支援教育支援員による支援を除く)」と答えた教員は、約5割となった。残りの5割は個別の配慮・支援の対象外となっている。
8.8%の子どもたちに対した、より踏み込んだ個別の支援計画等の作成状況は以下の結果となった。
・「個別の指導計画」が作成されていない(約7割)
・授業時間以外の個別の配慮・支援が行われていない(約7割)
(「個別の教育支援計画」フォーマット。医療や福祉など関係機関と協力し、保護者の意見を聞いて作成することとされている。文科省HPより)
子どもたちへの個別支援を講じていくのには、どのような難しさがあるのか。
特別支援教室の担任の高松さんは「思いはあっても『一人ひとりに具体的にどう対応すればいいかわからない』と悩まれる先生は少なくありません」と話す。
「たとえば学習障害の特性があって読み書きが困難な子どもがいたとき。『タブレットで写真を撮って板書することを、その子だけに認めて良いのか。全員OKとすると、みんなノートを取らなくなるのではないか』といった不安を打ち明けられることもあります。
全体を見つつ個別にどう最適化していくか。みなさんが悩むポイントです」
障害や特性に対する知識がないために、そもそも状況を正しく判断できない。状況判断ができたとしても、個別施策を講じていく知見やノウハウがない。
このような状況を打開するための「教員の専門性の向上」が喫緊の課題であることがわかる。
いま手を打たないと取り返しがつかない
教員の専門性向上を目指す文科省
子どもの困難や挫折を放置しないために、教員の専門性をどう向上させるのか。
文部科学省は令和4年3月 「特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議報告」にて、「全ての教師に対し特別支援教育の知見や経験を蓄積するための組織的対応」を求めた。報告には、人事上の措置に対する文言も盛り込まれた。
・任命権者および校長は、全ての新規採用職員がおおむね10年目までの期間内において、特別支援学級の教師や、特別支援学校の教師を複数年経験することとなる状態を目指し、人事上の措置を講じるよう努めること。合わせて、採用から10年以上経過した教師についても、特別支援教育に関する経験を組み込むよう努めること など
文部科学省の初等中等教育局特別支援教育課の課長を務める(※23年3月現在)山田泰造さんは話す。
平成11年入省。令和3年7月より初等中等教育局特別支援教育課長。※23年3月現在
「大前提として、特別支援教育は専門家がやればいいというものではなくて、全教員がある程度理解して進めていくべきものだと思っています。
若手の頃から特別支援教育への理解や経験のある教員を育てていかないと、これから先も、子どもたちの特性や困りごとを発見し支援することは難しい。
我々としては、いま手を打たないと取り返しがつかない課題であると思っています」
学校現場で働く教員への取材でも、「自主的に外部の専門家を講師として呼び、研修会を行っている」「長期休み期間中に学校主催の研修会に参加している」といった声が聞かれた。
文科省を起点とする学校現場の組織設計と、個々の教員による研修等への参加。
トップダウン、ボトムアップ、双方から専門性の向上への取り組みが生まれているが、取り組みの大きな障壁となっているのが、「教員の多忙化」だ。
過労死ライン15時間超え…
多忙化が阻む専門性の向上・個別支援
今年(23年)3月に発表された「教職員勤務実態調査2022」によれば、教員の時間外勤務は月平均で約96時間。平均残業時間が、過労死ラインの月80時間を超える深刻な事態となっている。
同調査の「もっと時間をかけたいこと(学級担任)」の項目からは、子どもと向き合いたいが十分に向き合えていない教員の姿が見えてくる。
・授業・学習指導とその準備:小学校で90.7%、中学校で87.4%
・学習指導以外の子どもの指導:小学校で58.6%、中学校で57.7%
・自主的な研修や自己研鑽:小学校で52.1%、中学校で44.0%
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