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構造化特集
学齢期の発達障害 第2回
公開日: 2023/3/28(火)

困っていることをうまく伝えられない――。子どもの発達障害、なぜ挫折経験は生まれるのか

公開日: 2023/3/28(火)
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学齢期の発達障害 第2回
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構造化の視点

本人を取り巻く環境によって、困りごとの顕在化・深刻化が

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本人を取り巻く環境によって、困りごとの顕在化・深刻化が左右される発達障害。いま小中学校の通常学級では、発達障害やそれらに近い特性のある子どもの困りごとが見過ごされ、挫折経験をしている現状がある。学校、家庭、医療・福祉の視点から、子どもが困難を抱える構造に迫る。

本人を取り巻く環境によって、困りごとの顕在化・深刻化が左右される発達障害。いま小中学校の通常学級では、発達障害やそれらに近い特性のある子どもの困りごとが見過ごされ、挫折経験をしている現状がある。学校、家庭、医療・福祉の視点から、子どもが困難を抱える構造に迫る。

本人を取り巻く環境によって、困りごとの顕在化・深刻化が左右される発達障害。いま小中学校の通常学級では、発達障害やそれらに近い特性のある子どもの困りごとが見過ごされ、挫折経験をしている現状がある。学校、家庭、医療・福祉の視点から、子どもが困難を抱える構造に迫る。


オーディオブック(ベータ版)

リディラバジャーナル構造化特集「学齢期の発達障害」。
 
第2回となる本記事では、居場所なき子どもたち(1章)として、発達障害やそれらに近い特性のある学齢期の子どもたちが、通常学級で挫折経験を抱えてしまう構造を解説する。

 


 

周囲との違いや世界の隔たりに苦しむ―。
他者とのコミュニケーションの中で傷つく――。

 

前回の記事では、発達障害の一つである自閉スペクトラム症(ASD)の当事者である宇樹義子さんへのインタビューをもとに、発達障害やそれらに近い特性のある子どもはどのような挫折体験を抱えるのか明らかにした。

 

子どもの挫折体験はどういった要因をもとに、なぜ生まれるのか。

 

今回は第1回の宇樹さんの経験談や、現在発達障害の傾向があると診断を受けている当事者、学校現場の教員の話をもとに、挫折の構造に迫る。

何をどう話したらいいかわからない。
コミュニケーションの難しさ

「人とコミュニケーションをとるときの前提が違う」

 

宇樹さんの話の中で、まず大きな困りごととして挙げられたのが「人とコミュニケーションをとることそのものの難しさ」だ。

 

宇樹義子(そらき・よしこ)
1980年生まれ、千葉県出身、早稲田大学卒。発達障害/発達性トラウマ障害当事者。高機能自閉症(ASD)と複雑性PTSDを抱える。

 

たとえば、自閉スペクトラム症(ASD)の当事者は「言葉や視線、表情、身振りなどを用いた相互的なやりとりや、自分の気持ちを伝えることが苦手」とされる。

 

30代になってから自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)の傾向有りという診断を受けているかおふあさんはこう語る。

 

かおふあ
愛知県出身、愛知教育大学卒。自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動性障害(ADHD)の傾向があると診断を受けている。

 

「私は小学生のとき、友達がそんなにできなくて、教室のすみっこで本を読んでるタイプでした。

 

友達と遊びたいという気持ちはあるのですが、まず話しかけることができませんでした。どうやって声をかけて、何を話したらいいかがわからなかったんです」

 

44歳のときに自閉スペクトラム症(ASD)の傾向ありと診断された漫画家のクロミツさんも、次のように語る。

 

クロミツ
発達障害グレーゾーンの特性を持つ自称漫画家。 Twitterとnoteで「灰低カタルシス」、「叫存スケープゴート」、「ショートエッセイ」を掲載。 「電子書籍と親父の介護」2020年ヤングジャンプ40周年記念漫画賞エッセイ部門で佳作受賞。「灰低 生きづらい+グレーゾーン」他note、コミチにて作品を配信中。

 

「何人かで雑談しているときに、いつ話に入ればいいのかわからないんですよね。タイミングを見計らってるけど入れない、ということがよくありました」

 

また、相手とコミュニケーションをとれたとしても、会話がうまくいかずに集団から浮いてしまうこともある。宇樹さん、かおふあさん、クロミツさんはそれぞれ次のように語る。

 

宇樹さん
「『みんな横並びじゃないといけない』という同調圧力に反発する形になって、嫌われました」

 

かおふあさん
「自分のことばかり話し過ぎてしまって、変な目で見られていました」

 

クロミツさん
「冗談を言われたり、からかわれたりしたときに、その意味がわからなくて落ち込んでしまって。相手からは『俺がお前をいじめてるみたいじゃん』と言われてしまいました」
「いつも『これは言って大丈夫だろうか』と、相手の顔色を伺っていました」

 

このように特性のある子どもは、


・コミュニケーションに参加すること
・集団内の振る舞いを理解し、周囲とスムーズなコミュニケーションをとること

 

といった各場面で困りごとを抱えている。

 

教員やクラスメイトに特性に関する理解がなく、困りごとに対する配慮や支援がなされない場合、本人は集団の中で「変わり者」「極端な人」「ダメな子」として扱われ、深く傷つく状況がある。

勉強や学校生活についていけない。
集団適応の難しさ

特性のある子どもが困りごとを抱える要因には、学習面でのつまずきや、集団生活に適応する難しさなどもある。

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リディラバジャーナル編集部。「社会課題を、みんなのものに」をスローガンに、2018年からリディラバジャーナルを運営。
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CONTENTS
intro
居場所なき子どもたち
no.
1
no.
2
子どもの困難に対応できない学校現場
no.
3
no.
4
子どもの挫折に苦慮する保護者たち
no.
5
子どもを取り巻く専門家の苦悩
no.
6
社会に出て抱える困難
no.
7