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特集
不認定率99.8%:日本の中にある「難民問題」
第四回

「本当の難民」であることを証明するための現実

ある独裁国家に暮らしていた女性の話です。

ある日、女性が帰宅すると、夫が傷だらけで床に倒れていました。夫は政府への抗議活動に参加していました。その後、夫は死亡。彼女だけが日本に逃れてきて難民認定申請を行いました。

 

申請後は、難民としての該当性について、入国管理局によるインタビューで審査されます。インタビューでは、難民条約上の難民であるか否かを確かめるため、当時の状況の説明を求められるのですが、そこで彼女は次のように話しました。

 

「倒れていた夫は顔を殴られて腫れており、倒れたまま『逃げろ』と言ったので、私は夢中でその場から逃げました」

 

後日、2回目のインタビューが行われました。そこで彼女は、「倒れていた夫は、銃で撃たれた脚の傷から血を流している状態でしたが、私に『逃げろ』と言ったので、私は夢中でその場から逃げました」と改めて証言しました。

 

そして3回目、4回目のインタビューで発言の機会が与えられた際、彼女は、銃で撃たれていたことと顔を殴られていたことの両方を話しました。

 

彼女の供述に矛盾はありません。しかし、難民認定申請の結果は「不認定」。決定を不服として起こした訴訟では、インタビューでの供述に「一貫性がない」と判断され、結果的に彼女の訴えは退けられました。

 

この事例を話してくれた駒井弁護士は次のように解説します(プライバシーの問題から、上記の事案は個人が特定されない程度に話を変えています)。

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特集 不認定率99.8%:日本の中にある「難民問題」 全10回
0章 はじめに
1章 「難民保護」より優先される「入国管理」
2章 厚くて高すぎる「難民認定」のハードル
3章 難民政策の欠陥が生む弊害と日本社会
4章 安部コラム
不認定率99.8%
全10回
2-1.「本当の難民」であることを証明するための現実