高齢者がネットやSNS上の偽・誤情報、陰謀論を信じるこ
高齢者がネットやSNS上の偽・誤情報、陰謀論を信じることで、考えや価値観が偏り、親子の関係が分断される事象が起こっている。なぜ高齢の親は偽・誤情報や陰謀論を信じてしまうのか。偏向した親と子ども、家族にはどのような分断が生じるのか。“偏向”と“分断”の構造に迫る。
高齢者がネットやSNS上の偽・誤情報、陰謀論を信じることで、考えや価値観が偏り、親子の関係が分断される事象が起こっている。なぜ高齢の親は偽・誤情報や陰謀論を信じてしまうのか。偏向した親と子ども、家族にはどのような分断が生じるのか。“偏向”と“分断”の構造に迫る。
高齢者がネットやSNS上の偽・誤情報、陰謀論を信じることで、考えや価値観が偏り、親子の関係が分断される事象が起こっている。なぜ高齢の親は偽・誤情報や陰謀論を信じてしまうのか。偏向した親と子ども、家族にはどのような分断が生じるのか。“偏向”と“分断”の構造に迫る。
リディラバジャーナル構造化特集「偏向する高齢者〜ネットが生み出す親子の分断〜」。
第7回となる本記事では、偏向への対策の難しさ(4章)として、ネットやSNS上の偽・誤情報や陰謀論への対策の現状、課題に迫る。
本特集ではここまで、ネット上の偽・誤情報や陰謀論を通じて考え、価値観が偏向する要因や、偏向した親と子の分断の実態を取り上げてきた。
現在、ネットやSNS上で広がる偽・誤情報等については、どのような対策がとられているのか。
「国内ではファクトチェックの取り組みが少しづつ進んでいるとはいえ、世界的に見れば遅れており、ネット上の偽・誤情報の膨大な量に追いつけていないのが実情です」(日本ファクトチェックセンター編集長の古田さん)
「プラットフォーム側でも拡散への対策が進められていますが、まだできることの余地は残されていると感じます」(東京工業大学環境・社会理工学院准教授の笹原さん)
今回は、ファクトチェックの取り組みやプラットフォームの対策、リテラシー教育などの観点から、偽・誤情報等への対策の現状と課題を見ていく。
量も速さも追いつかない。ファクトチェックの現状と課題
ネット・SNS上に広がる偽・誤情報、陰謀論への対策の一つとして「ファクトチェック」がある。
ファクトチェックとは、社会に広がっている情報・ニュースや言説が事実に基づいているかどうかを調べ、そのプロセスを記事化して、正確な情報を人々と共有することを指す。(※1)
「Innovation Nippon 2022 報告書「偽・誤情報、陰謀論の実態と求められる対策」によれば、ファクトチェック記事の発表メディア数や、記事本数はこの数年で増加している。
一方で、ファクトチェックの認知率は上昇していない。
また、「ファクトチェックを知っている」と回答した人のうち、実際にファクトチェック記事を読んだことがある人は43%程度だった。
日本ファクトチェックセンター編集長の古田大輔さんは、ファクトチェックの現状について以下のように話す。
株式会社メディアコラボ代表取締役/日本ファクトチェックセンター(JFC)編集長。朝日新聞記者、BuzzFeed Japan創刊編集長を経て独立。2020-2022年Google News Labティーチングフェロー。2022年9月に日本ファクトチェックセンター編集長に就任。その他の主な役職にデジタル・ジャーナリスト育成機構事務局長、ファクトチェック・イニシアティブ理事など。ニューヨーク市立大院News Innovation and Leadership 2021修了。
「日本よりも対策が早かった世界的に見ても、ファクトチェックは偽・誤情報に対して常に劣勢です。
そもそも、偽・誤情報の方がネット上に流れる量が圧倒的に多い。偽の情報を流すことは数秒でできますが、その真偽を検証するには少なくとも数時間、長ければ数ヶ月はかかります。
ファクトチェックの記事をつくっても、偽・誤情報の方が派手で人の感情を強く刺激するので、好まれやすくシェアされやすい傾向もあります」
さらに、古田さんは「ファクトチェックをするためのリソース不足も課題です」と続ける。
「私たちの団体はGoogleとYahoo!Japanから資金提供を受けることで設立することができましたが、個別のメディアがファクトチェックのためにこれから資金を投入し、記事をつくるのはかなり難しいと思います。
いま、多くのメディアが経済的に苦しい状況にあると思います。ファクトチェックを行う余裕がなく、やったとしても利益を上げにくい。敵を作る可能性もあるので、その役割を担おうとしない状況があります」
古田さんが編集長を務める日本ファクトチェックセンターをはじめ、ファクトチェックをするメディアや記事数は増えている。
しかし、ファクトチェックの広がりづらさや、ファクトチェックをするためのリソース不足などの課題から、偽・誤情報等の発信量や拡散スピードに追いついていない現状がある。
どこまで介入する?プラットフォームの対策の現状
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