
「性暴力」と聞くと、女性被害者が想起されやすい。だが、被害者は女性だけではなく、男性も性暴力被害に遭っている。
そうした認識は社会として広まっておらず、その無理解が二次的な加害を生んでいるという。
こうした背景には、そもそも男性が性暴力被害に遭うことの実態はほとんど解明されていないことがある。しかし、社会的な認識が薄いなか、実態解明はまだまだ遠い。
性被害を受けた男性のためのカウンセリングオフィスPomuを運営する山口修喜さんが、自身のカウンセラー経験から、「男性の性暴力被害」について解説する。
本人も認識しづらい男性の性暴力被害
私は心理カウンセラーで、これまでに600人近くの男性から性暴力被害の相談を受けてきました。
さまざまな統計がありますが、世界的には6人に1人の男性(少年)が性暴力被害に遭っていると言われています。日本でも、年間200件ほどと発表されています。
ただし、これらは可視化された被害です。性暴力はただでさえ被害届が出されないケースが多く、認知されない事件は相当数に上ります。
とくに男性の場合、自らの被害性を認識しづらいことや被害に遭ったことに強い恥じらいを感じてしまうこともあり、被害の暗数は女性以上になるとも想定されています。
男性から相談される被害は、およそ3歳から成人までの被害体験です。その内容は、女性と大きな相違があるわけではありません。8〜9割くらいは同じ傾向があります。
ただ、男女の違いがいくつかあることも事実です。その一つとして、男性の場合は性暴力を受けることに対して、より恥を感じやすいのではないかと考えています。
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