• 新しいお知らせ
    ×
    • 「小児性犯罪」加害者臨床の現場から 後編を公開

      「加害・被害を防ぐには?“包括的性教育”が与える影響——『小児性犯罪』加害者臨床の現場から(後編)」を公開しました。「性の教科書はAVでした」と語る、ある少年事件の加害者。加害・被害を防ぐアプローチの一つである包括的性教育の重要性に迫ります。記事はこちらから。

      2024/4/16(火)
    • 前編公開!「小児性犯罪」加害者臨床の現場から

      「1人の加害者から複数の被害者が…。発覚しづらい子どもへの性加害——『小児性犯罪』加害者臨床の現場から(前編)」を公開しました。性的グルーミング、その巧妙な手口とは?被害が発覚しづらい3つの理由とは?そして「被害が次の被害を生んでしまう構造」とは?記事はこちらから

      2024/4/10(水)
いまこそ学び直し!あべとしきと考える社会問題の構造20
2020年4月。新型コロナウイルスの感染拡大により、すべての人が、ひとつの社会問題の「当事者」となりました。不安に溢れる今だからこそ、困難な状況にある人たちへの想像力をもち、社会全体で「やさしい関心のセーフティネット」が築けたら――そんな思いで、私たちリディラバは、4月5日から毎日毎晩、社会問題に関するオンライン勉強会「リディズバ」をスタートしました。 熱量あふれる勉強会のようすを、記事と動画でお届けします。
公開日: 2020/5/18(月)

東大卒クイズ王が語る、クイズが持つメディアとしての可能性と危うさ

公開日: 2020/5/18(月)
公開日: 2020/5/18(月)

東大卒クイズ王が語る、クイズが持つメディアとしての可能性と危うさ

公開日: 2020/5/18(月)

 あべ  今回は、東京大学クイズ研究会発のウェブメディア「QuizKnock」のCEOであり、東大王でも有名な伊沢拓司くんをゲストにお迎えしました。

 

クイズを活用したメディアをつくるに至った背景にある問題意識や、日本のテレビとクイズの関係性など、クイズ王ならではの視点から新しい時代のメディアについて伺っていきたいと思います。

 

<伊沢拓司(いざわたくし)>
私立開成中学校・高等学校、東京大学経済学部卒業。中学時代より開成学園クイズ研究部に所属し開成高校時代には、全国高等学校クイズ選手権史上初の2連覇を達成。林先生の教え子でもある、東大の知識モンスター。2016年に立ち上げたwebメディア『QuizKnock』で編集長を務め、YouTubeチャンネル『QuizKnock』の動画への出演や企画などを行う。著書に『勉強大全 ひとりひとりにフィットする1からの勉強法』(KADOKAWA)、『思考力、教養、雑学が一気に身につく! 東大王・伊沢拓司の最強クイズ100』(KADOKAWA) などがある。

 

 

※上記ダイジェスト動画・本記事は、リディラバ主催のオンライン勉強会「リディズバ」第28回(2020/5/2開催)を要約・編集したものです。

※動画全編は記事末尾にあります。リディラバジャーナル有料会員の方、もしくは有料会員の方によるシェアURLから記事をご覧いただいている方は、ご視聴いただくことができます。新規ご登録はこちら

(非会員の方でも、シェアURLから1週間無料で該当記事を読むことができます)

能動化させるメディアとしてのクイズ

 あべ  今日は伊沢くんが普段話さないような、もう少し深い「人間・伊沢拓司」の思想のようなものが見える議論ができたらいいなと思っています。まず、「QuizKnock」を始めたのはどういう経緯だったのか教えてもらえますか。

 

 伊沢  そもそも僕がクイズを活用するウェブサイトとして「QuizKnock」をつくったのは、意外と社会問題的な経緯があります。ちょうど当時、医療系の粗雑な知識や、フェイクニュースなどがネットの海に大量に流れていて、しかも情報を受け取る側は非常に受動的にものごとを受け取っている、というのが社会問題になっていました。

 

一方で僕はクイズをずっとやっていて、これは使えるな、と思ったんですね。クイズって、情報を得る時に必ず能動的にさせられるんですよ。ニュースが普通に書いてあるだけだと読み飛ばしちゃうけど、クイズとして問いかけてみることによって、一度その問題を能動化できるんですね。

 

クイズはニュースバリューのあるものや知っておいてほしい知識を伝えるツールとして、非常に向いているんじゃないか。そう考えて「QuizKnock」というメディアをつくったんです。

 

なので、「QuizKnock」は基本的にはメッセージキャリアでありたいな、という思いはずっと持っていて。伝えたいメッセージをクイズという形のエンターテインメントに落とし込みつつ、動画を見た後にそのメッセージが残っている。この2つの両立を目指しています。

クイズ王が見る、新時代にあるべきリーダー像とは

 あべ  いまの時代、インターネットだとみんなの手元に届くのは単体の記事だよね。スマートニュースとかグノシー、LINEニュース、あるいはFacebook・Twitterとか、情報を伝えてくれるプラットフォーマーがいて、そのプラットフォーマー上の記事を見ると。

 

その記事を書いているメディアが、どういうメッセージ性を帯びているのかはわからない。そういった中で、メッセージ性をちゃんと維持できるメディアが新しい時代に残っていくと思うんだよね。


「QuizKnock」もそういうメディアの一つだと思っているけど、メッセージ性を一回持っちゃうと、そこから外れたことが非常にやりづらい、というジレンマがあるよね。

 

 伊沢  一方で文脈を持っていないメディアになってしまうと、文脈を勝手につけられてしまうことはあるなと思っていて。そこはやはりジレンマですよね。

 

ある種の恣意的な文脈付けが、文脈のない情報に対して行われてしまう。メッセージ性を持つこと持たないことにそれぞれメリット・デメリットがあるから、メディア運営というのは非常に難しいなと日々感じていますね。

 

 あべ  メディアとか社会、政治の議論をする時って、聞き手に対して敏感になっちゃうよね。特にメディアは広告ビジネスであることが多いから、多くの人が見てくれないと成り立たない。ある意味、メディアのあり方って見てる市民側のあり方とセットになる気がする。

 

それは政治でもそうで。政治家も結局選ぶのは有権者側。そう考えると、市民が求めるリーダーシップが10年20年でずいぶんと変わったかな、と思ってるんですね。いまはみんな、わかりやすい人についていってしまいがち。そういう現代社会におけるリーダーシップのあり方をどう見ていますか。

 

 伊沢  国民が共有しているカルチュラルリテラシー、いわゆる常識だったりとか、国が持っている共通の話題みたいなものが社会の中から失われていったことによって、何を基準にすればいいかわからない時代になったとも言われていますよね。その中で、「AはBなんだ」「賛成だ」「反対だ」という風にスタンスが明確であることは、迷っている人から求められやすい。

 

でも、僕が大学院に行っていた時に思ったのは、知や情報に対して真摯であることは、“直言” ではない。演繹的に考えず、その場その場でゼロとイチのあいだにある何か良さそうなところを逐一判断していく方が、リーダー像として求められている正しさなのかなと思っていますね。

ワイドショーの伝えかたは危ない?!クイズを前提にしたつくりになっているテレビ

 伊沢  クイズというのは非常にメッセージを含んでいるものなので、うまくメッセージを伝えることにも、人を騙すことにも使えるものだということは、テレビ側にいる人間としては言っておきたい。

 

 あべ  伊沢くんは東大を出て、手前にいろんな選択肢がある中でも、それでもクイズだなと思った理由はどういうところにあるんですか。

 

 伊沢  解決したい課題があったというのが一番です。ひとつには、ニュースや情報の見方を伝えたかったというのはあります。それとはまた別に、クイズをやっている知識溢れる東大生たちが、クイズ作成の現場で実質時給800円とかで働いていたんですよね。すごい嫌だな、クイズの地位めっちゃ低いじゃん、と思って。

 

良い面も悪い面も両方あるけれど、メッセージを伝える強力なツールであるクイズがこんなに買い叩かれている。それを変えたいと思って「QuizKnock」を始めました。

 

俺は中学から舞台を踏んできてクイズの危険さをわかっているから、俺がやるべきだ、と思ったのもあるかもしれないですね。


早稲田大学で研究されていた黄さん(黄菊英さん)が『クイズ化するテレビ』という本を書いていて、テレビのコミュニケーションはほぼ全てクイズであると。

 

日本のテレビはクイズを前提にしたつくりになっていて、ワイドショーのフリップめくりもそうだし、CMまたぎで「さあどうなるのか?!CMのあと!」みたいなのもクイズです。

 

情報の伝達の仕方として、一部のワイドショーとかは怖いなと思うんですよね。クイズは強く注意を喚起できるし能動化もできる。しかし、情報に色付けしやすいものなので、恣意性が働きやすいツールであることはしっかり認識して使わないといけない。

 

(動画全編につづく)

 

リディラバジャーナル有料会員の方、もしくは有料会員の方によるシェアURLから記事をご覧いただいている方は、以下の動画全編をご視聴いただくことができます。 ※有料会員の新規ご登録はこちら。(非会員の方でも、シェアURLから1週間無料で該当記事を読むことができます)

 


【オンライン勉強会「リディズバ」第28回(2020/5/2開催)】

・テーマ:クイズ王なら社会問題のポイント、すぐにわかるはず!?

・語り手:安部敏樹、ゲスト:伊沢拓司さん

・時間:約81分間

 

▼動画全編▼

 

※リディラバジャーナルについてもっと知りたい方はコチラ
note
リディラバジャーナル編集部
noteのicon
動物の虐待摘発過去最多。「保護犬・保護猫」前進の裏で生まれる課題
2024年4月12日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
スクールカウンセラー約250人が雇い止め。子どもの心の健康を支える専門職なのに任期は1年?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2024年4月4日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
依存症の人に必要なのは「反省や刑罰」ではなく「治療と仲間」
2024年3月29日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「同性婚を認めないのは違憲」互いの違いを尊重できる成熟した社会へ
2024年3月18日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ! リディラバジャーナル

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

続きをみる
能登半島地震、深刻なボランティア受け入れ態勢不足が課題
2024年3月8日

ニュースに潜む社会課題をキャッチ!リディラバジャーナル

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

続きをみる
学校の死亡事故の7割が国に未報告。求められる事故検証システム
2024年3月1日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「思いこみ」も背景に?女性管理職への道を阻むもの【なぜ少ない?学校教育現場の女性管理職】
2024年2月23日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。こちらの記事の最後には、全文無料で読める!「学校経営の新時代、女性管理職の可能性 ~ロールモデル・取り組み事例資料集~」もご紹介しています。ぜひご活用ください!

続きをみる
旭川いじめ事件から3年。再発防止が進まない訳は…
2024年2月16日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
DVから逃げられなくなる!?「共同親権」このまま進めて本当に大丈夫?
2024年2月2日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
「被災地へボランティアに行くのは迷惑?」悩んでいる人にこそ読んでほしい!【3.11から学ぶ。構造化特集を全記事お届け!】
2024年1月12日

みなさん、こんにちは。リディラバジャーナルです。

1月1日、能登半島地震が発生しました。亡くなられた方々に心よりお悔やみを申し上げますとともに、被害に遭われたすべての方にお見舞い申し上げます。

続きをみる
市販薬を覚せい剤代わりにする若者たち。その背景には孤独孤立か?
2023年12月22日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
万引きを繰り返すのは手癖が悪いのか、それとも?「万引き依存症」をご存知ですか?
2023年12月15日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
大学進学は親の財力やきょうだいの数によって左右されていいのか?
2023年12月11日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず。

続きをみる
反ワクチン情報を流す医師がいるのはなぜ?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2023年12月1日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
病院の約半数、公立病院は98%が赤字。診療報酬の引き下げは医療レベルの引き下げに?【ニュースから読み取る社会課題!リディラバジャーナル】
2023年11月24日

みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルです。

日々流れてくるさまざまなニュース。一見、局所的で自分とはかかわりのないように見えるニュースも、その出来事をとりまく社会課題を知ると、見え方が大きく変わってくるはず

続きをみる
構造化特集「地域医療」の内容を一部公開します
2023年6月9日

みなさんこんにちは、リディラバの鈴木です!今回は、リディラバジャーナルで公開中の構造化特集「地域医療」の冒頭をこちらのnoteでも公開します。何かあったら病院で治療が受けられる。私たちの「当たり前」を維持するために、様々な課題を抱えながら尽力する医療現場の姿を知ってもらえたら嬉しいです。


続きをみる
6月の構造化特集「地域医療」への思い
2023年6月9日

この投稿はリディラバジャーナル会員限定のFBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。

******みなさん、こんにちは!担当した構造化特集「地域医療 超高齢化社会に必要な『撤退戦』」が本日より公開となりました!今日は特集内には書いていない、特集に込めた思いをご紹介させてください。

続きをみる
子どもの発達障害、構造化マップを公開
2023年4月16日

※この投稿はリディラバジャーナルの会員限定FBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。*****みなさん、こんにちは!!!リディラバジャーナルの井上です。

今週はとても嬉しいことがあったので、ご報告させてくださいm(_ _)m

続きをみる
構造化。テーマは「子どもの発達障害」
2023年4月7日

この投稿はリディラバジャーナル会員限定のFBグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******みなさん、こんにちは!リディラバジャーナルの井上です。

早くも4月ですね。あっという間に過ぎ去る日々に「!?!?」という感じですが、今日も今日とて、リディラバジャーナルのご案内です。

続きをみる
編集部メンバーの想いを公開しました
2023年3月26日

※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。******皆さん、こんにちは〜!

編集部の井上です。今日は、

続きをみる
「無戸籍」当事者の声を聞いてほしい。
2023年3月26日

※この記事はリディラバジャーナルの会員限定Facebookグループ「リディラバジャーナル企画室」からの転載です。ーーーみなさん、こんにちは!リディラバジャーナル編集部の井上です。

2〜3月は3年ぶりの構造化特集の復活ということで、「無戸籍」をテーマに構造化特集をお届けしてきました。

続きをみる
×
CONTENTS
intro
いまこそ学び直し!あべとしきと考える社会問題の構造20
no.
1
no.
2
no.
3
no.
4
no.
5
no.
6
no.
7
no.
8
no.
9
no.
10
no.
11
no.
12
no.
13
no.
14
no.
15
no.
16
no.
17
no.
18
no.
19
no.
20