投資家はここを見る!事業で社会変革をおこす「ツボ」とは?
投資家はここを見る!事業で社会変革をおこす「ツボ」とは?
あべ 今回のテーマは、ソーシャルビジネス領域への投資についてです。
従来の投資のセオリーである「財務的リターン(投じた額に対していくら儲かって返ってくるか)」だけではなく、「ソーシャルインパクト(どれだけ社会に影響をおよぼすか)」も目的とする社会的インパクト投資では、「ソーシャルビジネスって社会に良いことをしているのはなんとなく分かるけれど、事業性はどうなの?」「何を見て投資家はソーシャルビジネスに投資をするの?」といった疑問を抱いた方も多くいるのではないでしょうか。
今回は社会的インパクト投資家である山中礼二さんに、上手くいくソーシャル事業のツボと、目指している投資モデルについてお聞きします。
※本記事は、リディラバ主催のオンライン勉強会「リディズバ」第21回(2020/4/25開催)を要約・編集したものです。
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投資家から見る、ソーシャルベンチャーの3つのフェーズ
あべ 自己紹介も兼ねて、山中さんの大まかな活動内容についてお話いただけますか。
山中 一般財団法人KIBOWでインパクト投資をすると同時に、グロービス経営大学院でベンチャー系の科目の教員をしています。
我々の行っている「社会的インパクト投資」とは、社会課題を解決しながら、利益も同時に生み出すタイプの投資です。かつて、お金がどんどん回っていく事業は「プライベートセクター(民間企業/団体)」、儲からない事業は「パブリックセクター(行政)」に二分されていました。
しかし儲からないように見えた領域が、実は創意工夫で儲かる事業にできる中間領域で、ここでイノベーションを起こせるのが社会起業家の醍醐味だと思うんですよね。そこに投資をしていきたいと思っています。
あべ その分野が広がることは、資本主義の拡大の観点でも、パブリックセクターの負担縮小という観点でもメリットなんですよね。税収は減っていくが社会問題が増えていく現代の大きな論点ですね。
その反面、どんなに社会的にいい事業であっても、実際のビジネスモデルが見せられないと投資家も乗っかりにくい側面もありますよね。リスクを一緒に背負って乗ってくれる投資家にそこまでの素地を見せられることが、起業家にとって一番大きな責務だと思うんです。
山中 投資家から見てもとても興味深い観点で、ソーシャルベンチャーには3つのフェーズがあると思っています。
①Validation phase:社会的に良いことをやれているのか社会的立証ができていない
②Business Modeling phase:社会的に良いことはしているが事業性が確立できていない
③Impact Maximize phase:社会性も事業性も確立できていて、このままどんどん拡大していける
特にこの①のフェーズでは、これが本当に正しい事業なのか、これで社会が変わるのかが立証されていないので、このタイミングでの投資が一番難しいんですよね。
あべ 政策的な観点で見ると、「これだけお金を投入したらどれぐらい社会が良くなるか?」といった③のフェーズを大きく求めすぎているのでは、と思うんです。
逆に最も難しいのが①のフェーズで、現状としてソーシャルセクターは①でとまっているところも多く、先に進めていない側面もあると思うんですよね。
この認知のギャップを埋める機能がまだまだ不十分な気がしていて、社会課題を現場ベースで構造化していくことがこのギャップを埋めることにつながるんじゃないかと考えています。
インパクト投資に重要な「社会性」と「経済性」のバランス
あべ クリティカルな事業モデルなのに、事業展開をしていく場所によっては一般的な事業に比べて資金的サポートが弱く、継続していかなかった事例も過去にはありますよね。
山中 十分に社会をよくできるモデルでも、経済的にも成功できることを証明できないと、現代の資本主義においてお金が流入しないんですよね。お金が流入するモデルまでをつくりきれて初めて「インパクトモデル」が社会を構造的に変える力を持てるんだと思うんです。
あべ 社会を構造的に変えることって、非常に難しいですよね。たとえば貧困世帯が住宅を確保できないといった課題があったときに、発展途上国ではインパクト投資がうまくいかなくても、今後不動産価格が爆上がりする可能性が低い日本ではうまくいく可能性がありますよね。
問題そのものと解決策は分けて議論するべきで、社会課題解決のための根本的なロジックを理解した上でその可能性にかけたのが(山中さんが所属される)KIBOWだと思うんです。そこまで判断をした上での投資であることを、皆さんにも理解してもらった上で応援してほしいですね。
山中 ある社会課題がなぜいままで解決されずに行き詰まっていたのか。その「構造」を理解した上で、これを変える「ツボ」を抑えている事業に投資することが、難しいけれども大事な観点だと思っています。
それと同時に、経済的に成り立って行くビジネスモデルを構築すること、そしてそのモデルを社会起業家と一緒に作り上げていくことが本当に価値のあるインパクト投資だと考えていますね。
あべ 構造化することで、社会課題解決のために一番大事なことを資本主義側から理解できる。これはすごく大きなメッセージですね。
ソーシャルセクターの新しい資金源「休眠預金」
山中 「社会を構造的に変えるツボ:レバレッジポイント」には複数の解釈があり、そこに対するアプローチの一つが、私も審議会の委員を務めている「休眠預金」です。
休眠預金とは、預けたことを忘れたままになっていたり、預金者が亡くなってしまうなどの事情で銀行に残されたお金のことで、日本だと年間約500〜700億円近く存在しています。
いままでは銀行の売上になっていましたが、今後はソーシャルセクターに分配するという法律ができ、しかもその分配先は、政府ではなく民間が割り振るという画期的な変革なんですよね。
あべ そうなんですよ。いままでの公益的な事業に対する資金源が税金以外にもできるようになり、大枠はすごく良いシステムですよね。今後このシステムをどう継続して良くしていけるかが課題でもありますね。
山中 休眠預金の担い手の輪が、いま一つ広がっていない課題感もあります。背景にはペーパーワークが多かったり、PR不足の面があったり、あるいは出資や貸付にひるみがちな制度の担い手、議員の存在などもあるかもしれないです。
ただ、本当の勝負は新型コロナウイルスが広がった、まさにいまですよね。日本社会でこの危機を乗り越えていくために、休眠預金がどう上手く使われていくか。それが今後、休眠預金が社会に根付くのかどうかの勝負になると考えています。
あべ 変動はあるものの毎年500~700億円近くあるうち、休眠預金がソーシャルセクターへの活用制度に割かれる額は、今年度でまだ30〜40億円程度。大きなギャップがあります。
いずれ制度が上手く回れば増額していく、という議論の中で走り始めたシステムなのですが、ここでの課題は、いま割かれている30〜40億円をいかに適切に配分できるかということではありません。この市場を今後10倍にしていくことを想定して配分することで、ソーシャルビジネスがしっかりと継続していけるのか、という点です。
今後、この財源が国庫に戻ることなく、しっかりとソーシャル領域で継続的に根付いていってほしいですね。
(動画全編につづく)
【オンライン勉強会「リディズバ」第21回(2020/4/25開催)】
・テーマ:投資する社会起業家をどう決める? 事業拡大に重要な「構造化」とは?
・語り手:安部敏樹、ゲスト:山中礼二さん
・時間:約71分間
▼動画全編▼
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