児童ポルノ:【児童ポルノ】子どもが“性的に消費される”実態 | リディラバジャーナル
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子どもが児童ポルノとして“消費”されるまで
2020/1/24(金)
【児童ポルノ】子どもが“性的に消費される”実態
2020/1/24(金)
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世界的にも長らく問題とされてきた児童ポルノの存在。20

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世界的にも長らく問題とされてきた児童ポルノの存在。2020年を迎えてもなお、児童ポルノをめぐる問題は解決していません。それどころか、スマートフォンやSNSの普及による自撮り被害という新たな問題も生まれ、いま児童ポルノを取り巻く状況は新たなフェーズを迎えています。児童ポルノを取り巻く新たな問題に迫ります。

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幼い子どものわいせつな姿が撮影された画像および動画――。

 

世界的にも長らく問題とされてきた児童ポルノの存在。2020年を迎えてもなお、児童ポルノをめぐる問題は解決していない。それどころか、スマートフォンやSNSの普及によって新たな問題も生まれている。

 

また児童ポルノをめぐっては、日本はこれまでの取り組みにおいて、世界中から非難を浴びてきた。

日本は児童ポルノに“寛容”なのか 

1970年代以降、児童ポルノに関して欧米各国で積極的な法整備がなされてきた一方で、日本政府は国内法上の新たな法整備は必要ないとする立場だった。

 

だが、1996年にスウェーデンのストックホルムで開催された「子どもの商業的性的搾取に反対する世界会議」で、世界に蔓延する児童ポルノコンテンツの8割が「日本製」だとして、日本に対する非難が集中。

 

それにより日本でも法的な規制を迫られ、1999年に児童買春・児童ポルノ禁止法(現・児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護に関する法律)が制定された。

 

しかし、その際、児童ポルノの「製造」や「販売(提供)」は禁止されたが、個人がインターネットからダウンロードしてパソコンに保管するだけの「所持」や「入手」、またアクセスするだけの「閲覧」に関しては規制対象外に。

 

その後、2004年の法定刑の引き上げなどの改正を経て、2014年の改正で所持や入手などを罰する単純所持罪が創設された。

 

2014年に単純所持罪がつくられるまで、G8のなかで所持を禁止していないのは日本とロシアだけであり、「日本は児童ポルノに対して寛容すぎる」とたびたび非難されてきた。

 

だが、性犯罪問題に詳しい園田寿弁護士は「そもそも欧米と日本とでは文化的な背景の違いが大きく、非難されてきたのもそのことが影響している」として、次のように解説する。

 

「欧米では、子どもを性として見立てているものはすべて規制対象になっています。日本にあるアニメや漫画のようなものを所持しているだけでも、処罰の対象。20歳を超えている童顔の女性にセーラー服を着せて撮影されたものも、児童ポルノと扱われるケースがあるくらいですから」

 

 

「1996年にスウェーデンのストックホルムでの世界会議で出た『世界で流通している児童ポルノの8割が日本製だ』という批判についても、日本では合法的に出回っている子どもに見立てたコンテンツも含まれているからだと思われます。これらを考える上では、『表現の自由』をどう考えるかも大きいと思います」

 

いずれにしても、国際世論という外圧を受けたことにより、日本国内における児童ポルノの規制は大きく進んだ。

 

ところで、国際世論が児童ポルノに対して厳しい姿勢を取るのはなぜか。また、そもそも児童ポルノには、具体的にどのような問題点があるのか。園田弁護士はこう語る。

 

「問題として最も大きいのは、児童ポルノの製造過程で、被写体となる子どもに対して性的虐待が行われること。そうした事実がある以上、当然ながら成人ポルノと比べても表現の自由の観点からも正当化することはできない。しかも、それが記録されて流通することで、子どもの被害は半永久的なものになりかねません。そして、その認識は全世界共通のものです」

「自撮りによる被害」が増加も

警察庁が発表した「平成30年における子供の性被害の状況」によれば、児童ポルノの検挙件数は3097件に上る。同調査における平成20年の検挙件数が676件だったことから、この10年で5倍近くなったことがわかる。

 

同様に、被害児童数も2016年(平成28年)以降、毎年1200人を超えている。被害児童数の割合は、高校生(42%)と中学生(34%)とで75%以上を占め、残りは小学生(19%)や未就学(3%)らだ。

 

 

だが、こうした数字は氷山の一角でしかないという見方が強い。

 

小児性犯罪者の治療に携わる大森榎本クリニック精神保健福祉部長で精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんは「小児性犯罪などと同様、児童ポルノの被害者も暗数が非常に多い」と語る。

 

「誰にも相談できず、どうしようもないと泣き寝入りし、被害届を出さずにいる子どものほうがずっと多い。被害を被害と認識できずにいる子どもも含めると、全国で一体どのくらいの被害者がいるのかわかりません。とくに男児が被害に遭うケースも多く、こうした事実もあまり知られていません」

 

また近年の傾向として、具体的な被害態様に「児童が自らを撮影した画像に伴う被害」、いわゆる「自撮りによる被害」が増えていることがある。

 

小学生以下の被害態様として多いのは盗撮で54%を占めるが、中学生以上になると自撮りによる被害が全体の42%を占める。

 

自撮りによる被害とは、SNSなどを介して子どもが何者かとつながり、自分の裸体を撮影させられて送らされるもの。だまされたり、脅されたりするケースも多いが、大人が子どもと巧妙に関係を築き、子どもに“自発的に送らせる”ケースも少なくない。

 

さらに、友人間でのグループLINE上に子どもが自ら裸体をアップする事例もある。

 

 

いまやスマートフォンを持つことは珍しくなくなった子どもを取り巻く環境変化により、児童ポルノの問題も新たなフェーズに入っている。

 

さらに、警察発表で「(児童ポルノが)子どもを狙った性犯罪の入り口になっている」と見解が示された通り、斉藤さんは小児性犯罪にもつながる懸念を口にする。

 

「たとえば、小児性犯罪者が子どもへの性的嗜好に気づいたきっかけが児童ポルノとの出合いだったというエピソードは定番中の定番です。児童ポルノを通じて彼らは『子どもは性的に消費していい存在である』というメッセージを受け取り、さらに認知を歪めていき、問題行動が強化されていく側面もあります」

児童ポルノ問題をめぐる論点

児童ポルノに関しては、子どもはなぜどのようにして被害に遭うのかといったことから、被害者数に比べて起訴件数が少ないこと、そして誰がどう加害に至るのかまで、明らかにされていないことが多い。

 

本特集では、全9回にわたる記事を通じ、それらの構造を紐解いていく。

 

 

第1章 子どもが児童ポルノとして“消費”されるまで

 

 

第1回【どのようにして子どもは「自撮りによる被害」に遭うのか】では、昨今急増している自撮りによる被害に焦点をあて、被害者サポートを行う現場で相談される内容から考える。

 

第2回【検察関係者が語る、児童ポルノをめぐる現状と課題】では、そもそも児童ポルノはどのようにして発覚し、事件化するのかなど、なかなか実態が明かされることのない現状をインタビューした。

 

第2章 法的観点から見た児童ポルノをめぐる問題

 

 

第3回【「起訴してほしいが不起訴に」児童ポルノの起訴が少ない理由】では、児童ポルノとしての事件性が高いにもかかわらず、起訴できずに泣き寝入りする被害者が後を絶たない理由に迫る。

 

第4回【アニメや漫画も規制すべきか?表現の自由と児童ポルノ】では、児童ポルノの規制をめぐって大きな争点になる、アニメや漫画での子どもの性的描写について考える。

 

第3章 児童ポルノは実加害の引き金になるか

 

 

第5回【児童ポルノが実加害の引き金に?加害者臨床の現場から】では、実証されづらい児童ポルノが実際の子どもへの性加害行為に与える影響について、加害者臨床の観点から取材した。

 

第6回子どもを模したセックスドールの是非と現行法の問題点】では、昨今世界的にも密かに問題になりつつあるセックスドールの是非からその実態までを考える。

 

第4章 児童ポルノの流通を防ぐために

 

 

第7回【「ダークウェブ」で売買される児童ポルノをめぐる実態とは】では、“裏インターネット”として新たに児童ポルノコンテンツの温床にもなっているダークウェブの実態を知る。

 

第8回【子どもの被害をどう防ぐ?児童ポルノ対策の現状と課題】では、子どもが児童ポルノの被害に遭わないようにする取り組みや規制の現状、その課題を浮き彫りにしていく。

 

第5章 安部コラム

 

 

最終回【リディラバ安部が考える「児童ポルノ問題」】では、リディラバジャーナル編集長である安部敏樹が児童ポルノをめぐる現状や課題について語る。

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